第8章
以下は、
1994年のインタビューで、
アリとの試合を振り返った、
フォアマンの率直かつ正直なコメントです。
「・・・負けたとき、『何かの間違い』だと思った。
そして、いろいろな『いいわけ』を探した。
『リングのロープの張りがゆるかった』『試合中にセコンドから睡眠薬を飲まされた』・・・といった具合に、理由は何でもよかったんだ。」
「けれども、『負けは負け』。あれで私は、すっかりすさんでしまった。」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
・・・私は尋ねた。
「アリはなぜ・・・あなたの『殺人的なパンチ』を無数に浴びながら、耐えることができたんだろうか」と。
フォアマン:「思うに・・・アリには『戦う目的』というのがあったのだろう。
それが『持久力』・・・『スタミナ』なんだ。
私はこうも思う。
『戦う目的さえあれば、人はどんな苦しみにも耐えることができる』・・・と。」
フォアマン:「アリは、当時の私はない『何か』を持っていたんだな。
きっと彼には、『死んでもいい』というだけの理由があったにちがいない。」
フォアマン:「アリに負けてからというもの・・・毎日が虚しかった。
私は、自分が『無価値な人間』になってしまったように思えた。
アリは私の王座を奪っただけでなく、私の『自我』まで粉々(こなごな)にしたのだ。
・・・私は、以前とはすっかり違う人間になったような気がした。」




