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第1章
・・・もし、40代を『中年』と呼ぶなら、
45歳の彼は、
まぎれもない『中年の男』だった。
しかし、その彼は、
世界ヘビー級チャンピオン、すなわち、
『世界最強の座』に挑戦しようとしている、45歳でもあった。
あるいは・・・
それは嵐の海に、
あえて舟をこぎだす無謀な行為だったかもしれない。
だが・・・
彼が20年前に失ったものは、
その『危険な海の上』にしかなかったのだ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
以下は、
インタビュアー兼作家の『沢木耕太郎氏』と、
ミスター・フォアマンのやり取りです。
沢木氏:「こぶしを見せていただけますか・・・?」
(フォアマン、両こぶしをカメラに向かって、交互に見せる)
沢木氏:「それは、あなたに何をもたらしましたか?」
フォアマン:「私のこぶしは、名声と富をもたらしてくれたよ。このこぶしがなかったとしたら、私は単なる『太っちょの臆病者』だったろう。
まぁ、そのおかげで『大食漢』にもなったんだけどね(笑)。」




