episode11-2 ダンジョン探索②
ダンジョンを進む、廊下を何度曲がっただろうか…
別れ道を歩いたり、行き止まりから引き返したりしても大部屋に出ないので今の間に少し気になった事を聞いてみる。
「トラップってよくあるのか?」
「そうだな、例えば…スイッチを踏むと地面から槍が飛び出してくるとかか?他は…落とし穴で下が魔物の巣窟とかだな。」
「…トラップ踏まない方法とかある?」
思った以上に殺意が高かった、怖すぎる…
「探知魔法とか、後は雑貨屋にある罠探知のスクロールに…経験からの勘か?」
「とはいえスクロールは場所によっては邪魔になるし、探知魔法は覚えるのが面倒だからな…この経験からどうするか考えるといい。」
スクロールか…袋の中にしまえば大丈夫かな?
そう思って歩いていると、正面に大きな扉はあるが、高さ5m程の悪魔のような形をした石像が台の上に3つ並んでいる部屋に出た…。
「罠だよね、これ。」
「罠だな、ただここ以外に道は無さそうだな…戦闘準備は大丈夫か?起動と同時に2体潰す、我は左、ナツヤは右だ、行けるか?」
「大丈夫だよ、残りの一体は?」
「正面から戦うしかあるまい、恐らくガーゴイルだと思うが…外皮は鉄のように硬いが、起動した瞬間は簡単に引き裂ける。」
「コイツは鉤爪での攻撃と魔法を使ってくる、上手く躱すか受け流してくれ。」
「了解。最後の1匹が面倒だな…」
合図と共に走り出す、頭部は狙えなそうだし、心臓を狙おう…
走る途中でカチリ、と音がする、音が鳴ると同時に石像が動き出した…が遅い。
地面を蹴り跳躍する、その勢いのままに胸部にパイルを突き立て引き金を引く。
釘が射出される音、火薬の香りがする…が直ぐに血飛沫が飛び散り、鉄の匂いに変わっていった。
バッカスの言っていた通り外皮は柔らかく、容易に心臓を貫いた。
即座にパイルを引き抜き、真ん中の一体へと体を向ける、バッカスの傍にも、動かなくなったガーゴイルが転がっていた。
最後の1匹がこちらを向くと、何かを呟き指を突き出す。
魔法が来る、そう確信すると直ぐに回避をしようと体を動かすことができた…がまだ甘かったらしい。
右足に走る激痛、どうやら即座に雷を打ち込んできたようで回避が間に合わなかった…クソッタレが。
背中を向けられたバッカスがガーゴイルを叩き飛ばす、追撃は出来ないので急いでポーションを右足にかける。
死ぬ程染みるけど…よし、動けそうだ。
「攻撃は我が受ける。」
「了解。」
バッカスなら大丈夫だろうと確信する、信頼できる仲間だ。
ガーゴイルは傷ついた様子は見えない、かってぇ奴だ…
様子を見る間もなく、翼を広げこちらに急接近してくる鉤爪を立て、俺の体を抉ろうとしてくる。
割って入ったバッカスが爪を弾き、そのままタックルをぶちかまし吹き飛ばす、即座にパイルを構え追撃を入れに駆ける。
一撃で決める。
そのまま腹部にパイルを叩きつける、鉄を叩くような感触が走る…が、んなもん関係ねぇ!ぶち抜け!
そのまま杭は射出され腹部に穴を空ける、反動なんて関係ない、このまま貫け。
全力を込めて振り抜く、火薬の香りと貫く感覚。
赤色の閃光が走った。
ガーゴイルは壁に叩きつけられピクリとも動かなくなる、一撃で倒せてよかった…
足元がふらつく、それがわかったのか、バッカスが肩に抱えてくれた。所謂お米様抱っこである。
「凄まじい火力だったな!ナツヤ!まさか一撃で倒すとは!」
「あー…ありがと、でも体に力入らねぇや…」
「安心しろ、探知のスクロールによるとこの先はない様だ…次に奴らが湧くまでは安全だ。」
「無限に湧くんだアイツら…」
「ダンジョンには魔力が篭っているからな、バラバラにしてもまた新しい個体ができる。我はよくわからんが、先程の火力を見るにナツヤにも何か魔力の影響はあると思うぞ。」
「そっか…確かになんか違った気がする…また今度ハイリアの所に行かないとな…」
「うむ、だがその前に宝を回収しないとな!」
そう言うとバッカスが扉を開ける。
開けた先には宝箱がいくつか並んでおり、出口であろう亀裂が走っていた。
宝箱の中身は謎の魔道具や大量の本、豪華な装飾が施されたアクセサリーが入っていた。
「ふむ、魔導書か…ハイリアの所に行く口実も出来たな。」
「魔導書って何になるんだ…?」
「先程使った使い捨てのスクロールが主だな、稀にそのまま魔導書として使える物もあるらしいが…よくわからん。」
「魔道具は全て売ると5000カルにはなりそうだな、どう分けるか…半分にするか?」
「それでいいよ、そんな金使わないし…魔導書はちょっと気になるから、貰うかもしれないけど。」
「構わん構わん、持っていくなら手伝おう。」
そんな感じで荷物を整理して、持っていけそうな物を袋に入れて亀裂に触り現世に帰った。
…長いって聞いてたけどかなり早く終わったな、まぁ…生きてるからいっか。
次回 魔法について




