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セシャトのWeb小説文庫-Act Vorlesen-  作者: 古書店ふしぎのくに
第四章『飛べない天狗とひなの旅 著・ちはやれいめい』
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アトラクションの待ち時間に作品の感想を

ここ最近、現地に調べ物に行けないので資料請求とかがすごく遅くなってしまっているのです。コロナウィルスは本当に色々なことに影響を及ぼしていてかなりウゼェのですよ! ここ最近飲んだゼロカロリーコーラ、30L。食べたピーナッツ4キロ。消費したカロリーバー40本。ゼロカロリーエナジードリンク消費本数20本。

私、まじで死ぬかも……

「へぇ神くん! たこ焼きミュージアムだってぇ。古今東西、いろんな地域のたこ焼き食べられるじゃん! 東京の銀だこあるじゃん!」


 ユニバーサルスタジオの入場門の前、レストラン街でダンタリアンはビールを片手にたこ焼きを頬張る。


「どれ私も」


 神様もたこ焼きをパクリと食べて目を瞑る。「うむ、まろやかだの」と神様もまたビールを一口。そして目を瞑る。


「のぉ、ダンタリアンよ。復讐、そしてそれを成就することで安永も傷つくとナギの説得はどう感じるのだ?」


 神様は爪楊枝でたこ焼きを二、三個ぶすりと刺して大きな口を開けてパクリと食べる。美味しそうに食べる神様にダンタリアンは獣のような瞳で呟く。


「大悪魔の私にそれ聞いちゃう? まぁあれだね。悪行なんてものはしないに越した事はないの。だって良かれと思った事でも人から悪意をうける事があるのよ? なら悪行なんて負の連鎖さ。でもね。やるからには徹底的にやるべきなの、じゃないと安永みたいに、恨みを持った人が残るでしょ? ぺんぺん草も残らないくらい完璧にね」


 悪魔と呼ばれる存在は大体他宗教の神々である。神とは何かという話をすると、導であり、そういうルールだと思えばいい。だから、愛の神、力の神、各種自然の神々がいるわけだ。その点、人間という物は取捨選択ができる。唯一の存在。結果として、集落に一族を滅ぼされた安永は一つの節目として許さないがフェノエレーゼの命までは取らないことにした。


「まぁ、貴様や私と違って人間はやり直せるし考え直せるからの」


 たこ焼きを二人で四人前程食べ終えたところで、神様のお腹がぐぅと鳴る。底無しの胃袋。


「神くんは袂スズメくんといると1日中ゴハン食べてそうね」

「スズメ、可愛いではないか、まぁ私たちと席を共にするとすればもう少し鼻の長い奴かもしれんの」


 神様とダンタリアンは手を繋いでユニバーサルスタジオジャパンに入場。※ダンタリアン氏が緊急事態宣言が出る前に大阪に取材旅行に行った際なので、現在ユニバは閉まっており、再開時内容が変わっている可能性が高いです。

 神様とダンタリアンの熱を測る。神様とダンタリアンの体温が異様に低いことを怪訝にキャストは思うも熱があるわけじゃないので通された。


「神くん、神くーん! ほら! 動物の耳、TDLに完全に影響されたこれつけてスパイダーマン乗ろうよ! シンガポールとアメリカのユニバでも乗ったけど、面白かったよ!」


 ダンタリアン。遊園地大好き大悪魔。スパイダーマンの乗り場前でホットドックを二つ、ビールを二つ購入。この待ち時間長い。


「寺ってさー、本当は相談所でお悩み解決の場所なのに、旅の人に厄介ごと押し付けるとか、正直クソね。平安の世は確かに陰陽術師ブームだったけど、仏門は今で言うところの治外法権でそれなりにプライドもあったハズなのにね」


 上品にホットドックを頬張り、ビールを一口飲むと神様はウィンク。


「貴様、それをゲスの勘繰りというのだ。怪異がいる設定の物語である上で、仏門である竜泉寺の住職や僧もそれなりに妖への抑止力は持っておろう。されど仏門は争いと殺生が許されておらん。故に仏門が戦争する時は代理戦争であろ? だから、身分はしれぬ旅人に依頼をする。当然一宿一飯の礼をする。今は駆け込み寺というが、昔は寺に世話になると男は丁稚、女は春を寺に売るのが相当であったからな」

「うわー! 生臭じゃん」

「当時の宗教関係者は今でいう政治家だからの」


 並びを待ちながらホットドックを頬張り、二人はゲスの勘ぐりを続ける。物語はヤドウカイという人攫いを思わせる怪異の話に入る。


「昔は誘拐や、事故、獣に襲われて人がいなくなる事が多々あった。これらを妖怪や神隠しの類と言われ想像上の化け物がたくさん生まれた。ヌリカベも誘拐系怪異だからの」

「えっ! マジで!」

「おおマジだの」


 紙コップのビールを飲み干すと気分を良くしたダンタリアンが両手をあげる。


「私もスズメとネコとイタチと一緒にひなちゃんと遊びたーい! だーんたーりーあーん!」


 周囲の客の視線も気にせず、そして神様も注意しないのでダンタリアンはキャストに注意されるまでそれを続ける。


「気が済んだか? まぁ、確かに貴様がおればヤドウカイも近づいては来んだろうな。ヤバい奴には関わりたくないであろうし」

「神くんは逆に誘拐されそうね」

「いやぁ、まぁまずは飯ありきであろ?」


 ホットドック一つでは足りないので、神様は入園時にダンタリアンに買ってもらった巨大なターキーレッグにかぶりつく。ルーレットを回してめちゃくちゃ小さいところにダーツが刺されば通常の三倍の大きさのターキレッグがもらえる。ダンタリアンはそのあたりをいとめて見せた。

 ガブガブ噛み付いて食べる神様にダンタリアンは追加のビールを口にして話し出す。


「この作品さ、結構時代について調べてるよね。昔は手洗いうがいじゃなくて、足を清める。床や地を汚すことが病気になると考えられてたもんね。江戸時代くらいまで続いたんだっけ?」

「あぁ、江戸時代の宿とかオケで足洗いの水持ってきたものよな。それにしても物語はここいらでひながもう一つ成長するのか、フェノエレーゼが愛というもの、振り返る人。その本質を理解するところにきておる」


 列をどんどん進み、乗り物が見えてきた。そこでダンタリアンは少しばかり真顔で話す。


「今の世の中ってさ。クソだけどさ。この時代とかに比べれば随分マシになったよね。イジメとか虐待とか今も見られる人間の闇の部分ってのは人類種のそもそもの本質なんだよ、法律やルールで人類は縛ってようやく文化的になったのさ、ほんと、さっさと滅びるべきだよね人類」

「まぁ、人類が滅びるべきかどうかは私にはノーだがの。奴らは素晴らしい作品を世に残しおるし、してフェノエレーゼはひなの為、人間の為に生きておる。もうええかげんサルタヒコの奴も翼くらい返してやればいいものを、昔の神々の理不尽さときたらぱないの。ダンタリアン、平安時代のご馳走って何か知っておるか?」

「えっ? 塩でしょ」

「……おぉう。知っておったか」


 今の我々からは考えつかないが、貴族の膳には必ず塩を少し盛ってある。香辛料というより調味料、それも塩がおかずというかご馳走だった事は驚きである。本能的に必要ミネラルだとわかっていたのだろう。


「神くんさー、政信ってイケてない? 要するに、浮かばれないキャラなんだけど、言う程悪人じゃないし、自信過剰はプロの必須項目だしさー、この平安の時代に全力で好き好き言う男子だよー! BLだと主人公だよ」


 そう! 本作を読むとどうしても政信なくしては語れない。はっきり言って彼は主役であるひな、ナギ、フェノエレーゼを凌ぐ程のポテンシャルを持っている。


「慎ましさに重きを置く時代に肉食系男子だものな。いやでも気になるわ」


 妖怪好き師匠ちゃん、時代物大好きマフデト皇子。そして日本は果ては海外の文献を漁っては提供してくれるトトさんとアヌさんのミーティングで、フェノエレーゼは天狗をベースにしたハーピーなのではないかという話が出たので少し脱線したい。


「天狗はヤツデの葉を使うのは何故かダンタリアン知っておるか?」

「雌がいないからでしょ?」

「貴様と話しておると雑学が無駄になるわ。まぁ、そうだの。雄葉のヤツデ、天狗。天女で雌雄を分けておったのだろうな。まぁ、多分後々付け足されていろんな要素が付加されておるのだろうけど、フェノエレーゼは雌雄混同なのは多分、ヤツデベースなのだが、伴侶。つがいの話をしておる。そうなると、南米のハーピー伝説をどうしても想像してしまう」


 雄を喰らって子をなすハーピー、故に悪魔や妖精の類として伝説上の生物として語られているが、これまた天狗と似通った点が一杯あるのだ。


「妖怪とか妖精の源流ってどっかにあるかんねー! でさでさ、神くん、サトリがきて考えている事を読まれました〜! どうする?」

「どうするもこうするも、読まれるものは仕方がなかろう。放置するしかあるまい。そんな事より、貴様がイケてると言う政信。ついにデレよったぞ。ナギの事も大事なんではないか」

「神くんつまらないなー、フェノエレーゼが行った事。人の思考を読む者を殺す方法って随分昔にとある作品で対処法があってさ。自殺、自壊プログラムを読ませるってやつ。理解できなくても実行される命令で怪異をやっつけるの」


 神様はその作品のタイトルを思い出して、あぁアレかと理解する。今ほどスマホやパソコンなんて物が有名ではなかった時代に先んじすぎて大衆受けしなかったが、物理法則や、科学知識で怪異を討伐する某名作。


「この章の人身御供のお話、ナギは犠牲なくしてどうにかできないかと考える。まさにこれこそが陰陽術なのだよの。天候を操ることができないか、神に挑む学問。気象学と天文学。それらの先駆けである陰陽道、おっと順番が回ってきたみたいだの」


 神様とダンタリアンはいざアトラクションにと思った時、キャストに注意を受ける。


「こちらのお子さんは身長が足りないので、残念ですが……」

「なぁにぃ!」


 1時間半程並んで神様はアトラクションに乗れなかった。アトラクションを満喫して帰ってきたダンタリアンに神様は不満げに言う。


「貴様、わかっていて並ばせたであろう?」

「あっ、バレた? じゃあ次、マリオ! スーパーマリオのアトラクション行こうよ!」

「おい、ダンタリアン。マフデト達。ここには来んぞ」

「えっ?」


 神様はシアのSNSを表示し、今から古書店『おべりすく』でパーティーをすると映える写真を大量にアップしていた。それを見てダンタリアンは両手をあげる。


「だーん、たーり、あーん!」

『飛べない天狗とひなの旅 著・ちはやれいめい』

さぁ、次回紹介は私のターンなのですよ! 本作はいろんな妖怪をいろんな側面から考察していて面白れーのですよ! フェノエレーゼとひなの旅はどうなるのか、大阪西の古書店で最後の考察なのです!

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