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セシャトのWeb小説文庫-Act Vorlesen-  作者: 古書店ふしぎのくに
第十四章 『双剣のルード ~剣聖と大賢者の孫は俊傑な優男だが世間知らずのいなかもの~ 著・普門院 ひかる』
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どんな捉え方も自由であり、やはり伝わる事の凄さを知る

「『双剣のルード ~剣聖と大賢者の孫は俊傑な優男だが世間知らずのいなかもの~』ですかぁ~。本作は俺TUEEE系の属する作品ですが、ドイツ方面の言語を使われており、世界観も16世紀から17世紀のドイツを彷彿される作風ですよね。トトさんがいてくれるともう少し詳しくお話をしてくれるかもしれませんねぇ」


 当方の旅好きトトさん、毎年何かしらの理由でシュツットガルトに行くドイツ好き、その風土や食事が肌に合うのか知らないが極めて詳しい。が今回は昨今の流行り病の為に参加できず。


「セシャト姉様が本作に感じる面白みというのはどこなのですか?」

 さんざんぶっ飛んでいる部分の話はしてきたつもりだが、セシャトがチョイスする部分は何処なのか?


「そうですねぇ、私が本作を楽しむにあたって意識している部分は、本作の伝えたい事として、田舎からでてきたルードヴィヒさんと世間との間隔のずれを楽しむ部分でしょうか? もちろんトリガーとしての東北の言葉みたいな訛った言葉を彼が使う事もそうですが、お互いの常識の壁のような物とのズレですね。基本的にルードヴィヒさんはなんでもできてしまうという部分で他の第三者の方々は驚く展開、当人であるルードヴィヒさんは至って普通の事をしているので歯車が合わない、また本人も自分は田舎育ちなので知らない事も多いだろうと、相手に気を遣わせていると勘違いしているコミカルな歌舞伎的な部分ですね。なので、今後私が楽しみにしている展開は流行りについてですね」

 流行りとな? セシャトが語る部分、知識や技能ではまずルードヴィヒの右に並ぶ者がいない状況ではあるが、田舎と都会との大きな違いは流行り、流行についてである。特に都会という場所は魔窟なので日本でも海外でも意味不明な物が流行る傾向にある。


 そういった知識上にもない未知との遭遇をした際、彼がどんな反応をするのか、楽しみでもある。彼のキャラクター構成上、非の打ち所がないという部分をどう砕いてくるか、それとも変わらず安定的な彼が演じられるのか、いずれにしても面白いだろう。本作の着地するところは最初に提示されているのだから、あとはそこに至るまでの話を追従するという楽しみ方が一番ポピュラーだろう。

 もうさすがになろう系読者ともなれば、主人公の窮地などに不安を置かない。それよりもどのように一般的な絶望や大ピンチに対して大道芸の脱出ショーのごとく我々に魅せてくれるのかとても心が躍る。

「ざまぁ系や追放系も近い楽しみ方がありますねぇ」

 本作も主人公を小ばかにする、小者と見る連中が大勢いる中で、ルードヴィヒの圧倒的な迄の実力差、存在感、人間性の差を見せつけて、読者は言葉通りざまぁみろと思うわけだ。勧善懲悪は日本人はおろか世界中で一番ポピュラーな楽しみ方で、幼少の頃はアンパンマン。年配になれば時代劇や西部劇をぼーっと見ている。あれらは内容が分かりやすく立場も明確だからであり、まさになろう系小説は娯楽のツボをついている。もちろん、これらを好まない人々の気持ちもここで語っておこう。アンパンマンからはじまった我々は様々な物語に触れる。そんな中で重厚な物や多彩な演出に興味を持つ読者も増えてくる。それはそれでいいと思う。ただ、そんな方々も疲れた時、この手の安心できる作品を読んでみて欲しい。

 また違った顔色を見る事ができるかもしれない。


「セシャトはどちらかというと異世界系よりもセカイ系作品の方が好きな傾向にあるが。まぁそれでも相当読んでおるからな。どう楽しむかよりどう楽しませようとしているかを楽しむ読者だの」


 セシャトはコトコトとホットココアを用意するとそれにチョコレートをひとかけ、マシュマロを二つ落とした物を全員に配膳。そしてビスケットをお皿に用意すると椅子に座り笑顔で話し出す。


「さぁ、それでは皆さんのご感想を教えていただけますか?」


 どう感じ、どう楽しむのか、そんな話を聞いてからそこに注意してセシャトは物語の2週目に入るのだろう。今月はぶっ飛んだ作品を読みたいという中から選んだ作品。それらを他四人はどう感じどこに興味を持ち読み進めているのか、ココアをすすりながらセシャトは微笑む。セシャトが望んでいるのだからと、先陣を切ったのはセシャトさん大好きな秋文。


「僕は結構普通に作品の世界観に重きを置いた異世界物として楽しませてもらっています。ドイツをベースにする事で、必要な情報は実際に存在するドイツから引っ張ってくる事で大きな矛盾なく展開できるので、読者としては体感的になんとなく分かる部分が多いかなって思います。マフデトくんがツッコミどころだという、日本に例えての表現も僕はあんまり気にせずに読めているのもありますね」

 

 秋文はセシャトと同じであまり異世界系の作品を読まない。が、作品を真正直に楽しめる。実に気持ちいのいい読者と言える。続いてマフデトがココアを飲み干すと、自分の意見を語る。

 

「私は本作に求める部分はやはりぶっ飛んでる部分なのですよ。何言ってるのか分からない方言もそうなのですが、もう神でもなんでもぶっ飛ばして、のほほんとしているルードヴィヒをみてーのですよ! ヒロインもこれから何人増えていくのかも実に楽しみなのです! いい意味で私たち、Web小説を読みまくっている読者の想像の斜め上をぶっ飛ばして欲しいのですよ」

 

 当方の今回の紹介ポイントとして、すげぇはこれ。という作品を選ばせてもらった。異世界物の作品とはよく考えればどれもこれもぶっ飛んではいるのだが、どうしてもお約束に綺麗に纏まってしまう。本作も同じお約束に纏めている中で独自色および、割とツッコミどころが多い。携帯小説などの時代には割とあったのだが、こういう楽しみ方ができる作品は基調と言える。

 

 次は……シーサーの番が回ってきた事で、シーサーはもちろん。歴史的側面からのお話を始める。

 

「わんは、ドイツ史をベースに話を進めているのが気に入ったんさー。異世界物は中世のフランスや英国ベースが多いよ。それも、ドイツ風ではなく、殆どドイツの歴史を振り返りつつ、オリジナルの歴史が進んでいるのが面白いねー。歴史を知っている人には思わずニヤリよー! 逆に歴史が苦手や知らない人からしたら、こういうさわりは嬉しいね!」

 

 なんでもそうだが、興味を持った物からなんでも入るわけで、本作の歴史的検知は高い。読んでいるとドイツ史なのかと錯覚させにくる演出がたくさん散りばめられている。それ故、ルードヴィヒがいてくれる事でこれはラノベなんだと再認識させてくれる。

 当方が本作で満場一致で感じた事として、作者さんはドイツ史及び、ドイツ文化が好きなんだなという事が強く伝わってくる。日本人は元々第二次世界大戦時からドイツへの憧れみたいなものはあった。

 なんせ、連中。センスも含めてかっこいいから。

 

 各々の意見を聞いた中で、全員の視線が神様に集まる。ビスケットをココアにつけてもしゃもしゃと食べる神様。あえて目を合わさない。

 セシャトは神様の肩に触れながら「神様、せっかくいらしてるんですから神様のお話をしてくださいよぉ!」とツンツンと神様に触れる。

 

「ふむ。まぁ、貴様らの話はよーく分かった。まぁ、どれも良いのではないか? 書き手の気持ちを考える。異世界物の一つとして楽しむ。ツッコミどころに大笑いする。新しい知識を得たり、知っている事に楽しむ。貴様らの楽しみ方はどれも間違ってはおらん。作者が好きに物語を書いているように、読者も好きに楽しめば良い、ならば私も一つ物語の楽しみ方を提示しておこうかの」

 

 神様はWebから取り出した『双剣のルード ~剣聖と大賢者の孫は俊傑な優男だが世間知らずのいなかもの~』のWeb小説文庫をWebの本棚に返す。そして神様は話を続けた。

 

「この物語は、チート系俺TUEEE作品にほかならん。だから何も考えずにルードヴィヒが俺また何かやってしまいましたか? を読み進めるのがいい。特に疲れている時はこういう作品が一番だからの」

 

 至って初心に帰るなろう系の楽しみ方を神様は話した。一時的に方言物の作品は確かに増えたが、ジャンルに固定されるまでには現時点では至っていない。本作も他作品も一般的ななろうテンプレートに付加価値という形で試みてある。となると実際の楽しみ方は他作品と大して変わらないというのが神様の考え方。そして、これも神様が言う通り、読者が好きに楽しんでいる内の本作の読者の多くは、一般的なハーレムを作るなろう主人公としてのルードヴィヒを楽しんでいる。

 

「まぁ、よほどの特異性がなければ意表をついた作品で息をながらえさせるのは難しい、そのあたりはweb作品が生き物のようなナイーブさを持っているからだの、そういう意味で本作は読者を読ませる為のなろう作品として、方言系、特殊系の色を持たせているだけだの。その実、貴様らがいうように、色んな面で魅力は多かったのであろう? ならばそれで良い。それが正解なのだろうな」

 

 見た目はちんちくりんの神様はそう言ってお代わりのココアをぐっと飲んでアホ毛を一本逆立たせ「さて、ではそれを踏まえた上で、貴様らはまた読むのであろう?」と神様がウィンクして駄菓子のうまい棒を取り出してパクリと食べた。

 時間は十分、各々の観点から読み直すというのもオツだし、今後の物語を予想するのも悪くない。面白い作品を読もうとするとお腹が空く、セシャトは秘蔵の羊羹を取り出してそれを切る。

 

そんな中でシーサーが、マフデト、秋文、神様を見てこう叫んだ。

 

「やてぃんくーさるいきがわらびびかーんでぃじょーとぅーやんやー!」

 

 マフデトができる限り翻訳できるようにかけた力が解けたらしい。それに神様は大きな声で、

 

「なんて?」

 

 と強すぎる方言は外国語のように意味不明すぎるので、ルードヴィヒの使う言葉は読者に伝わりつつ田舎感を出す表現だったんだなと秋文とマフデトはしみじみ感じた。

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