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なんでもアリな異世界は、なんだか楽しそうです!!  作者: 日向ぼっこ
2章.冒険者編

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23話.救出、そして……

 クロムはルインを出てから全速力で洞くつまで走る途中、配慮が余りにも足りない自分の甘さ加減に嫌気がさしていた。

 なぜナビに指摘されるまで、この事態を想像できなかったのだろうかと……


『怒るのは結構だけどさ、冷静さを失ってミスしないようにね』


「ああ」


『……』


 ナビの忠告も今のクロムには上の空であった。

 洞くつに辿り着いたクロムはそのまま止まることもなく、洞くつの中へと入っていく。

 この洞くつの奥地には比較的に強い魔物が巣食っているので、入り口から近い場所にいるであろうと目星をつけていたクロムは、洞くつに入った瞬間から周囲の気配を探っていた。

 そして、そのクロムが急に立ち止まった。


「あの角を曲がった先に居そうだな」


『僕にそれはわからないけど……

 あの先は少し広めの広場になってるわね』


 この場所から急襲して相手を全滅させるかとも考えたクロムであったが、全滅させる前までの時間でアキナが傷つけられる可能性もあることを考慮してこのまま素直に姿を見せることにした。

 角を曲がると、10人ほどの男がニヤニヤしながら待っていた。


「来てやったぞ、アキナは無事なんだろうな」


「ホントに一人で来るとは馬鹿なやつだな、あの女ならそこで転がってるよ」


 リーダーっぽい男が指で指す方向を見ると、空間の奥に繋がる通路付近で縄でぐるぐる巻きにされたアキナが寝転がされていた。

 そして、その光景を見た瞬間クロムの中で何かが弾けた音が聞こえた。


 下品な笑い声をあげる男たちをクロムが睨みつけると同時にリーダーの首が落ちた。

 一瞬の出来事で何が起こっているのか理解できていない男たちを尻目にクロムは残り9人の男を氷の彫像へと変えてゆき、そしてそれはそのまま音もなく崩れ散るのであった。

 すると、通路の奥に隠れていた男がアキナの腕にナイフを突き立てて叫んだ。


「あはははははは……

 お、お前が悪いんだからな! このままこの女をぶっ殺してやるよ!!」


 あまりの事態に恐怖が極まり半狂乱(はんきょうらん)となっている男は、アキナの腕に持っていたナイフを突き立てていた。

 その光景を目撃したクロムは一瞬でその男の腕を吹き飛ばした後、男に向けて巨大な土の杭をぶつけて吹っ飛ばした。

 そして、吹き飛ばされたその男はそのまま壁にぶつかり肉片と化すのであった。


「アキナ!!!!!」


 男たちを排除したクロムはアキナの元に飛び出し、拘束されていた縄を全て取り除いた。


「く、クロム…… ??」


「いいから少し黙ってろ!」


 アキナは衰弱し、混乱しているようだった。

 クロムはアキナを抱きしめると、大量の魔力をアキナに注ぎ込んで毒を中和しようとした。

 しかしクロムにとって毒というものは馴染みが薄く、毒を中和するということを具体的にイメージすることができずにいた。

 そのため、アキナから毒素が抜けていく雰囲気はなく、むしろ顔色が一層悪くなっていくのであった。


「なんで治らないんだよぉぉぉぉ!!!!!!!!!!」


 焦りと混乱に包み込まれているクロムが全力の魔力をアキナに注ぎ始めた瞬間、クロムの目が輝き、その輝きがアキナを優しく包みこんだ。


『クロム! それはダメ!!!!!』


 ナビが突然止めるように忠告してきたが、その時にはすでに光が収まりアキナの顔色は回復していた。


『え…… 

 あの子一瞬で受け入れちゃった…… わけ?』


 アキナの外傷は完全に回復しており、顔色から判断すると毒素も抜けているようであった。

 そしてアキナは穏やかな顔をしながら、すやすやと寝息を立てていた。


「とりあえず…… なんとかなったみたいだが……

 ナビ、さっき言っていたダメとか受け入れたとかなんのことだ?」


『…… 

 やっぱり自覚なしだったのね……』


 ナビはゆっくりと説明を始めるのだった。



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