閑話.残されたアキナ
クロムが出かけた今でも動揺がまったく収まる様子がない……
自分がしてしまったことも、それをクロムにフォローしてもらったことも……
さらに二日酔いとなって寝込んでいる私を心配してお粥まで作ってくれて、休んでいられるように宿の手配までもしてもらったからだった。
「お礼がしたくて誘ったのに、これじゃダメダメじゃん……」
アキナは落ち込んでいた。
お礼のつもりが酔いつぶれて介抱してもらったのだから、当然と言えば当然なのだが……
アキナはクロムが作ってくれたお粥を食べてみることにした。
お粥は小鍋に入っており少し冷めてしまっていそうだが、猫舌であるアキナにとっては適温そうであった。
小鍋の蓋を取ると、爽やかな梅の香りが辺りに漂い始めた。
「うわぁ~、これ美味しそう……
いただきます」
梅の香りが二日酔いの気持ち悪さをある程度軽減させてくれ、食欲を刺激してくる。
こみ上げてくる食欲に逆らうことなくアキナは一口食べてみることにした。
すると、もう一口、もう一口と食欲が次から次へと刺激され、気が付いたときには鍋の中身は空となっていた。
「美味しかったぁ……
クロムって…… 料理までできちゃうのね……」
アキナはこのまま休憩しているわけにはいかないと思い、お礼のリベンジとして食事を作りたいと思った。
だが……
アキナはまともに料理ができないのである。
そしてルーナに手伝ってもらうことを思いついたアキナは、ルーナがいるはずのお店に向かうこととした。
「あらルーナ、昨日はどうだった?」
お店の前に着くと、店前の掃除をしているルーナがニヤニヤした顔をしながら声をかけてきた。
「どうって…… 酔いつぶれて寝ちゃってた……」
「それは知ってるわよ。
クロムさんにアキナを宿に連れて行ってほしいって頼んだの私だもん♪」
「!!!! ……そうだったのね」
「それでクロムさんはどうしたの?
酔いつぶれてたけど、ちゃんとお相手できたの?」
「クロムはソファーで寝てたみたいだったし、たぶん何も……
……って!!! ルーナが頼んでたの!!?」
「ん~、そういうことになるかな♪」
「……私が起きるまで待っててくれて、二日酔いだろうからって御粥を作って渡してくれたわ……」
「あらら、じゃあ酔いもなくなった今日こそ頑張るのよ♪」
アキナはルーナに昨日のことを揶揄われつづけて逃げ出したくなったが……
ルーナにお願いごとをするために来たことを思い出して、お願いの内容を伝えた。
ルーナはそんなアキナのことを可愛いと思い、手伝うことを承諾したのであった。
二人はルーナの助言でクロムがとても気にいっていた唐揚げを作ることにした。
手慣れた手つきで鳥肉を捌くルーナ。
危なっかしい手つきで鶏肉を捌くアキナ。
対照的な二人であったが、ルーナが適宜アドバイスをすることによりなんとか必要な量の鶏肉を捌くことができたのであった。
「アキナは相変わらず不器用ねぇ……」
「うぅぅぅ…… むしろなんでそんなに器用にできるのよぉ……」
「アキナは不器用なところも可愛いからそのままでいてほしいけどね♪
さて、下味付けてサクッとあげちゃうわよ。
初依頼を受けにいったのならきっとすぐに帰ってきちゃうからね」
「そ、そうだよね!!」
アキナはルーナに急かされつつも、ルーナの指導の元で唐揚げを順次完成させていった。
「できたぁ!!!!!」
「クスクス、アキナお疲れ様。
あら♪ アキナ、後ろ向いてみて♪」
アキナはなんだろう? と思いつつ振り返ると、その光景に固まることになった。
「クロムさん、いらっしゃい♪
昨日はアキナのことありがとうございました♪」
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