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エピローグ 現実に現れたご当地ヒーロー、ヒロイン。

 俺は義理の父、クレイさんから魔法を教わった。

 俺とティナでは魔法の質が違うようだった。

 ティナはアリエスさんと同じように、内側から外への放出系。

 俺はクレイさんと同質の、外側の事象を操る系統が使えるようだった。

 同じ王配という、力を与えられた立場だったからだろうか。

 ティナが強大な魔法を使えることで、俺もかなり強い魔法を使えるみたいだった。

 クレイさんも驚いていたっけ。


 クレイさんは自分の身体を少しでも大きく見せるため。

 王配として舐められないようにするために、偽装というものが得意らしい。

 他人が触ってもそれを感じられるような。

 例えば、魔法で腕を覆い、二倍以上の太さにしてしまうような感じ。

 これを俺は、オタクイメージを重ねることで改良を重ねることができた。

 そう。

 一瞬で俺じゃない存在に変身するような偽装をできるようになったんだ。


 俺はアリエスさんとクレイさんに定期的に戻ることを約束して、ティナと一緒に沖縄に戻ってきた。

 戻ったときには大晦日。

 俺はあることを実行に移すことをティナに相談した。

 ティナは面白そうだと、協力してくれると言ってくれた。


 ▼


 これから熱にうなされた少年少女が暴走族となり、初日の出暴走が始まることだろう。

 それを検挙するつもりないのに、機動隊が集まっていた。

 検挙するつもりがないというのは、下手に無理やり止めたりしたら事故になり、非難の的になってしまうからだろう。


 俺は店を終わらせてから、機動隊たちが集まる場所に向かった。

 もちろん、ティナと一緒にチャリでな。

 地球ロック(標識やガードレールに自転車を固定して盗まれないようにする方法)をしてから、ティナと歩いてその場所へ。

 誰も見ていないところで偽装の魔法を使う。

 実はね、一緒にいるティナの姿を隠すくらいのことも出来たりするんだ。

 もっと他のこともね。

 もちろん、キーワードが必要になる。

 よりイメージを高めるためには、これが一番しっくりきたんだ。


『変身』


 俺の腰によくある変身ベルトをアレンジしたものが出現する。

 その中央の風車が回りだすと、サイケデリックな効果を発しながら俺の身体を包んでいく。

 光りが収まると、そこに現れた俺の姿は、往年のマスク・ド・ライダーを彷彿とさせるような。

 俺とティナの皮膚の色。

 褐色をイメージした、超かっこいいスーツアクターのような出立。

「武士、かっこいいっ」

「だろう?」

「あたしはあたしは?」

 家から着替えてきたティナの姿は。

 『魔法少女リリカルくれは』のそれだ。

 目元をプロレスのマスクのようなもので覆っている。

 ぱっと見、ティナだとはわからないだろう。

 ティナの隠ぺいの魔法を使ってここまで来たから、目立ってはいないんだけどな。

「ティナ、その格好で暴れたら。下着、見えちゃわないか? 俺は見せたくないぞ。それは俺のだ」

「大丈夫ほらっ」

 するするとスカートをたくし上げやがった。

「おいっ」

 そこにあったのは、あのときのレーパン。

 くるっと回ったティナのお尻は、引き締まっていて、それでいて可愛らしい丸みを帯びている。

「ほら、レーパン穿いてるから。可愛いでしょ?」

「うん。可愛いから、オールオッケー」

 うん。

 やっぱりティナは世界一可愛い。


 機動隊員が集まり、これから間もなく出発するような感じだった。

 そこに颯爽と現れた変身した俺。

 ティナだけ隠ぺいを使ってもらい、俺は姿を現した。

『とうっ』

 機動隊の建物の屋上kら飛び降りて、照明に照らされながら、空中で一回転。

 辺りはざわめき始めていた。

 というよりあっけに取られていたかもしれないな。

 そりゃそうだろう。

 ただ現れただけなら、愉快犯みたいなものだ。

 それが屋上から飛び降りて、宙返りして着地したんだから。

「……君は一体?」

 隊列の前に立っていた機動隊長と思われる男性が、俺に問う。

『暴走族を検挙するんですよね? ならば俺が手伝いますよ。少年少女たちを傷ひとつつけずに検挙させてみます。まぁ、任せてください』

「そんなことができるわけないだろう。それに君は誰だ?」


『俺の名は『マスク・ド・ドワーヴン』』


 ▼


 その夜、テレビで放映された報道特番。

 本当に現れたご当地ヒーロー。

 生放送の暴走族特集に現れた武士とティナの姿。

 録画じゃないから、もう放送は取り消せない。

「ヒーローです。本当のヒーローが現れた模様です。これは特撮じゃありません。私たちだって驚いているんです。何ですか? ディレクターさん。えっ? 『マスク・ド・ライダー』? 知りませんって。ディレクターみたいな、おじさんの世代じゃないんですから。あ、あの魔法少女は何でしょう?」


 これは俺が、亡くなった父さん母さん、おじさんへの弔い合戦だ。

 ティナも協力してくれる。

 俺とティナは任務を遂行して、ビルの屋上を走りながら消えていく。

 そんなとき、スマホが鳴った。

「……はい」

「──こらっ、武士っ!」

「は、はい」

「このテレビに映ってたの、あんたでしょう?」

「あー、バレてますよね」

「ちょっと変わって、母さん。武士。かっこよかった」

「ありがとう。志狼兄さん」

「ティナちゃんも可愛いな。あれ、『魔法少女リリカルくれは』だろ?」

「志狼、代わりなさい。武士、思ったようにやりなさい。麗華コーポレーションが大々的に宣伝してあげる。化け狸たちを震え上がらせてあげなさい」

「はい。麗華さん」


 結局バレてるな。

 立花さんたちも焦ってるんだろうな。

 でも俺は、やめるつもりはない。

 父さんとおじさんができなかった、母さんが信じた。

 正義を行うために、帰ってきたんだからな。


「ティナ、愛してる」

「武士、あたいも」


 ティナをお姫様だっこしながら、俺はロードバイクの元へ戻る。

 やっぱりティナ、可愛いわ……。


これにて、「ドワーフ娘が嫁に来た ~改造人間じゃなく、ドワーフになった俺~」は完結となります。

ありがとうございました( ̄▽ ̄)

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