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アニマル特区と仲良し3人娘のドタバタ学生生活 〜この笑劇についてこられるか?

『アニマルもいる運動会 〜イチゴ大福は渡さない!14歳JK3人組のキャッキャウフフな大奮闘〜』

作者: 癒されたい年頃
掲載日:2026/07/06

【文字通り、個性が大渋滞しております!】本作を開いていただき、本当にありがとうございます!

14歳の仲良し3人娘(いつも元気なアオイ、冷静な眼鏡っ子ユズ、天然癒やし系のコトネ)が、女子中学生憧れの『幻のいちご大福』を勝ち取るために運動会で大奮闘するお話です。

……が、対戦相手のアニマルたちがどいつもこいつも一癖も二癖もあり、大真面目にズレた大暴れを繰り広げます。

・見た目はワルなのにツンデレなニヒルなリス・口だけヤンキーな超絶可愛いポメラニアン・無駄にいい体なのに中身はおねぇなゴリラ・そして、なぜか後方で腕を組んでうんうん頷いているだけのサル(師匠)女の子たちのキャッキャウフフな可愛さと、愛すべきポンコツアニマルたちの全力の空回りが織りなす「笑劇」コメディ、サクッと読める短編ですので、ぜひ肩の力を抜いてほっこりとお楽しみください!

【第一章:限定3パック! 幻のいちご大福を賭けた作戦会議】



青空が高く広がる秋の朝、私立千草中学校の校庭は、年に一度の「秋季大運動会」の熱気に包まれていた。



しかし、今年の運動会は普通ではない。



地域交流の一環として、学校の裏山にある「アニマル特区」から、少し個性的な動物たちも競技にゲスト参加することになっていたのだ。



そんな大騒ぎの運動会が始まる前日、放課後の教室では、14歳の仲良し3人組――いつも元気ハツラツで真っ直ぐなポニーテールの『アオイ』、冷静沈着な眼鏡っ子で計算が得意な『ユズ』、おっとり天然だが本番に強い『コトネ』――が、机を突き合わせて作戦会議を開いていた。



「いい、二人とも? 明日の『トリオ・ザ・障害物競争』、私たちは絶対に1位を取らなきゃいけないの。これは義務であり、至上命題よ」



ユズが真面目な顔で机を叩き、ノートに複雑な数式とタイムスケジュールを書き込んでいく。



「え~、ユズちゃん、たかが運動会でそんなに熱くならなくても……」



コトネがのんびりとした声を出しながら、アオイの髪に可愛い犬のヘアピンを飾っている。



「あはは、コトネくすぐったいって! でもユズ、どうしてそんなに必死なの?」



アオイが不思議そうに首を傾げると、ユズは「フッ……」と眼鏡を指で押し上げた。



「甘いわ、アオイ。今回の運動会、特別協賛として、あの『ハッピー・ベリー・カフェ』が出店するのよ。そして1位のチームには……限定3パックの『幻の極上生チョコいちご大福』の無料引き換え券が贈呈されるわ!」



「「な、なんだってーーー!!?」」



アオイとコトネの目が一瞬でパッと輝いた。



SNSで連日トレンド入りし、始業前に行列に並んでも買えないという、女子中学生憧れの幻のスイーツである。



「あの、口の中でとろけるイチゴ大福……! 食べたい、私、絶対に食べたい!」



アオイがユズの両手を握ってブンブンと振る。



「私も……ダイエットは明日からにする!」



コトネも珍しく拳を握りしめた。



「ふふ、モチベーションは十分ね。じゃあ、キャッキャウフフと喜ぶのは明日の放課後にして、まずはアニマル特区から来るゲスト動物たちの『へき』を分析するわよ」



ユズが不敵に微笑み、3人は頭を突き合わせて作戦を練り始めた。



彼女たちと動物たちの間には、数ヶ月前の雨上がりの裏庭で『ハッピー・ベリー・カフェ特製・高級いちごクッキー』を巡って出会った、ちょっとしたライバル関係があったのだ。



【第二章:開会式裏の作戦会議と、魔術師の弟子誕生】



運動会の開会式直前。



体育館の裏では、仲良し3人組の前に、トレンチコートの妖精ブラッドやニヒルなリスのジン、レインボーカタツムリのゲイリーたち「アニマル連合」が立ちはだかり、バチバチ(?)の火花を散らしていた。



一方、そのすぐ横の物置の裏では、“アニマル界の魔術師”こと、IQ500を誇る天才ニワトリの『アインシュタイン』が、今回の運動会で走る気ゼロのチーターのハヤテを最高の形で走らせるための『完璧な超戦術(マタタビの配合比率と風速の計算)』を編み出し、激しいパニックに陥っていた。



「コケエエッ!?(バカな……! 羽ではペンが握れん! 滑る、ツルツル滑るコケ!)」



焦れば焦るほど、彼の脳細胞の『3歩の猶予メモリ』がジリジリと削られていく。



1歩、2歩……あと1歩動けば、この高高度な作戦がすべて脳内から消え去ってしまう。



ペンが握れないなら、本番の一走者であるハヤテの元へ、直接口頭で作戦を伝えに行くしかない。



しかし、そのためにはハヤテのいる控室まで歩かねばならない。



だが、自分が3歩歩けば、その瞬間に作戦を忘れる。



「コ、コケッ……(ならば、1歩も動けない私に代わって、ハヤテの元へ作戦を伝えに行く『私の分身』を今ここで作ればいいだけのことコケ……!!)」



アインシュタインはくちばしを血が出るほど噛み締め、燃えるような眼光で天を仰いだ。



「コケェェエエッ!!(まだだ、この程度の試練、我が智謀で乗り越えて見せる……!!)」



彼はその場で1歩も動かないまま、ぐっと下腹部に力を込め、全身の羽を逆立てて顔を真っ赤にした。



「コケェェェエエエエーーーッ!!!」



ポロン。



なんと、その卓越した執念により、戦術のすべてがコード化されて刻み込まれた、黄金に輝く『戦術卵』をその場で生み落としたのだ。



卵は即座にパカッと割れ、黄色くてモコモコのひよこ、『魔術師の弟子ユリアン』が顔を出した。



「コケッ!(よし、生まれたな我が弟子ユリアンよ! 今すぐハヤテの元へ走り、時速120キロの超神速チーター計画を伝えるのだコケ!)」



「ピヨォ……?(パパ、お腹空いたのら〜)」



「コケッ!?(バカな、生まれたてで歩き方も言葉も知らないだと……!? これでは伝令にならん!)」



タイムリミット(開会式のファンファーレ)が迫る。



焦った魔術師は、さらなる斜め上の結論に達した。



「コケエッ!(猶予はない! ユリアンよ、お前が動けないなら、お前がさらに『次の動ける分身』を今すぐ産み落とすのだ! 連続出産ジェットストリーム・バースコケ!!)」



「ピ、ピヨォォォーーーッ!!!(無理言うなパパーーー!!!)」



ユリアンは小さな羽をパタパタさせ、顔を真っ赤にしてフンスフンスと頑張るものの、生まれたてのひよこが卵を産めるようになるまでには、生物学的にどう考えても時間が足りなさすぎた。



『プォォォーーーーン!!!』



校庭に鳴り響く、運動会開始のファンファーレ。



そしてスピーカーから校長先生の声が響く。



『これより、私立千草中学校、秋季大運動会の開始を宣言します!』



アインシュタインのハヤテ覚醒作戦は、1ミリも伝わらないまま完全消滅。



当然、作戦の伝達成果は「ゼロ(完全失敗)」であった。



「コケ……(可愛い我が弟子は産まれたが……作戦は完全なるゼロコケ……)」



すべてを失った魔術師は、静かに天を仰いで白目を剥くのだった。



そこへ、体育館裏の騒ぎを聞きつけたアオイたち3人組がやってくる。



「あーーーっ!! 見て二人とも! ニワトリさんの足元に、生まれたてのひよこちゃんがいるよ! 可愛い〜〜!!」



コトネが我慢できず、足元でピヨピヨ言っていたユリアンを両手ですくい上げ、自分の頭の上(ハチマキの結び目)にちょこんと乗せてキャッキャウフフ。



「うわぁぁ、ちっちゃくてモコモコ! 運動会の作戦は失敗みたいだけど、可愛さは200点満点だよぉ〜!」



アオイがポニテを揺らしてユリアンを囲んでぎゅーーっと抱き合い、キャッキャウフフの大騒ぎ。



ユズはその尊い光景をスマホで高速連写するのだった。



こうして、魔術師の弟子ユリアンは、開会式前から3人娘を完全に骨抜きにし、そのまま紅組のマスコットとして、午後の競技で3人の頭の上に乗って大活躍(?)していくことになるのだった。



【第三章:怪獣映画 vs 女子中学生!? 全力で非力アピールをする猛獣たち】



開会式の後、全校生徒とゲストのアニマルたちによる『準備運動(ラジオ体操)』が行われた。



マッチョ猫のタケシが「フンッ!フンッ!」とキレキレ(のつもり)で大福のように転がり、サルの源さんが後ろで腕を組んで「うん、うん」と体操を見守るシュールな準備運動を終え、いよいよ競技が始まった。



プログラム第4種目『団体対抗綱引き』。



「えええええ!? 嘘でしょ、比率がおかしいよ!」



アオイの叫び声が響く。



それもそのはず、3人組が持つロープの向こう側にそびえ立っていたのは、巨大な鼻をフンスフンス鳴らす『ゾウ』、おねぇの『ゴリラ』、列して立ち上がると3メートル近い『ヒグマ』だった。



観客席からは、華奢な3人組が完全に見えなくなっているレベルの巨体である。



どう見ても勝てるわけがない。



誰もがそう思った。



しかし、動物たちは全員、ものすごい巨体でウロウロしながら、全力で「非力アピール」を始めたのだ。



ゾウは長い鼻でロープを握るものの、急に「パオ〜ン……(しくしく)」と切ない声を出し、片足を内股にしてモジモジ。



ユズのノートを指差して「そんなに強く引っ張られたら、お鼻が痛くなっちゃう」と言いたげに、うるうるした瞳で見つめてくる。



ゴリラは丸太のような腕を持っているのに、ロープを持った瞬間「おほっ、おほっ」とわざとらしくヨロめき、自分の胸に手を当てて「あたい、かよわいから無理ぃ」と、少女漫画のヒロインばりに隣のヒグマに寄りかかる。



ヒグマは鮭を素手で引き裂く爪を持っているのに、爪先でロープをツンツンとつつき、「こんな重いもの持てないクマー」とばかりに首を傾げてアザト可愛いポーズを決めていた。



『パンッ!』



開始のピストルが鳴る。



「いくよ、二人とも! せーのっ!」



アオイのかけ声で、3人は「よいしょ、よいしょ!」と手を重ねてロープを引っ張る。



14歳女子の可愛い力だ。



一方の動物チーム。



ゴリラは「きゃっ、引っ張られたわ!」と大げさに数センチ前へヨロけ、ヒグマは「クマー」と力尽きたポーズで白目を剥いてバッタリと地面に倒れ込み、ゾウにいたっては、引っ張られた衝撃ゼロで「パオーン!」と悲鳴を上げ、自らロープを離して、お尻からすてーんと後ろに転がってしまった。



『ピーーーッ!! 勝者、千草中3人組チーム!!』



一瞬の静寂の後、グラウンドに爆笑と歓声が沸き起こる。



「えええええ!? 嘘、勝っちゃった!!?」



アオイが驚きで目を丸くした後、隣のコトネの体に思いっきり飛びついた。



「きゃっ! アオイちゃん、苦しいよぉ〜、でもすごーい!」



コトネはアオイを抱きとめながら、二人でぴょんぴょん跳びはねてハグ。



二人は「あはは!」「やったね!」と顔を見合わせて大笑い。



「計算外だわ……」



ユズが呆然と眼鏡を直す。



ノートには『勝率0.001%』と書かれていた。



「ユズちゃんも、ほらほらー!」



コトネとアオイがユズの左右の腕を引っ張って、3人でぎゅっと真ん中に固まる。



「ちょ、ちょっと二人とも、汗をかいているのだから密着しないで……もう!」



口では文句を言いながらも、ユズの顔は嬉しさで真っ赤。



3人は頭をコツンと寄せ合って、勝利の余韻に浸った。



【第四章:バトンを繋ぐキャッキャウフフと、ダチョウの食欲マッハ】



午前の最終種目、『クラス対抗リレー』。



走順は、第1走者がユズ、第2走者がコトネ、アンカーがアオイ。



対するアニマル連合は、第1走者に天才ニワトリのアインシュタイン、第2走者にカタツムリのゲイリー、アンカーに食いしん坊ダチョウのオトシを配置してきた。



『パンッ!』と鳴った瞬間、ユズとアインシュタインがスタート!



アインシュタインは驚異のダッシュを決めますが、案の定3歩走った瞬間にリレーであることを忘れた。



「コケッ?(おや、あそこに美味しそうな虫が……)」とコースを外れてトコトコと虫を追いかけ始め、アニマル側は大きく出遅れる。



ユズはそのまま快走し、コトネへのバトンパス!



「コトネ、次よ! 受け取って!」「うん、ユズちゃん、まかせて〜!」



コトネがバトンを受け取る瞬間、ユズの手とコトネの手がギュッと重なる。



ユズは「ひゃっ」と少し照れながらも、コトネの背中を押し、コトネはキャッキャと走り出す。



一方、遅れてバトン(どんぐり)を繋いだアニマル側。



第2走者のゲイリーは、本人は普通のカタツムリの100倍の超スピード(人間の早歩き)で必死にヌルヌル進んでいるが、コトネにどんどん引き離されていく。



ゲイリーの殻が悔しさで真っ赤に発光していた。



コトネは「はぁ、はぁ……アオイちゃん、繋ぐよ〜!」とアンカーのアオイへ!



「コトネ、ナイスラン!」と、アオイはバトンを受け取りつつ、ヘトヘトになったコトネを軽くハグ。



二人は「あはは!」「あとは任せて!」と顔を見合わせ、アオイが猛ダッシュ。



アオイがゴールに向かう中、アニマル側はカタツムリのゲイリーがようやくアンカーの『ダチョウのオトシ』にタスキを繋いだ。



「クェェーーーッ!!(飯ぃぃぃ!!)」



オトシは快速足を持っているが、脳内は100%食欲。



ゴール地点で待っているコトネのポケットから、昨日お昼休みに遭遇したあの高級いちごクッキーの甘い匂いを探知してしまったのだ。



「クェ、クェェーーーッ!!(あのお姉ちゃんが美味いもの持ってるクェーーー!!)」



オトシの目が血走り、恐ろしい速度で爆走を開始!



アオイをあっという間に抜き去り、マッハの速度でゴール……ではなく、ゴールラインを無視して、応援席にいるコトネに向かって一直線に突進してきた!



「ひゃあああ!? ダチョウさんがこっちにすごい顔で走ってくるよぉ〜!?」



コトネが涙目でユズの後ろに隠れる。



「ちょっと! コースを逆走してるわよ!」



3人はお互いにぎゅーーっと抱き合ってキャッキャとパニックに。



オトシは3人の目の前でズサーーーッとスライディングし、コトネのポケットを突きまくる。



結果、アニマル側はコースアウトで「失格」になり、真面目に走っていたアオイが1位でゴールイン!



3人は「怖かったけど、勝っちゃったね!」と大喜びだった。



【第五章:大バーベキュー大会! 肉の匂いに狂喜乱舞する地上班】



待ちに待ったお昼休み。



プールサイドの広場には、香ばしい炭火の香りとジューシーな肉の匂いが立ち込めていた。



今回の運動会は特区との合同なため、お昼はなんと「大バーベキュー大会」なのだ。



「わあぁぁ! すごい! お肉がいっぱいだよ、二人とも!」

体操服の上から大きなバスタオルを羽織ったアオイが、ポニーテールを揺らしてキャッキャと大はしゃぎ。



「みんなー、焼き上がったよ。あーんしてね〜」



コトネがおっとりとした笑顔で、焼き立てのフランクフルトをアオイの口元に差し出す。



アオイが「ガブッ! ん〜、美味しい!」と頬張ると、コトネが優しく口元を拭いてあげて、二人は「あはは」「コトネの焼いたの最高!」と顔を見合わせてキャッキャウフフ。



ユズはすかさずスマホのカメラでその尊い瞬間を連写していた。



そこへ、お肉の匂いに引き寄せられた、午前中に不完全燃焼だった地上班アニマルたちが物凄い熱気で集まってきた。



「クェェーーーッ!!! お肉! 焼き肉だクェーーーッ!!」



リレーで失格になったダチョウのオトシが、ギネス級の快速足でBBQコンロの周りをグルグルと爆走!



凄まじい風圧で炭火をファイヤーさせている。



「おい、ダチョウ! 列に並べコラ! 噛み千切るぞ、キャンキャン!」



特攻服の子犬レオが、焼き網の上のカルビに向かって吠え散らかしている。



しかし、煙が目に染みて「クシュンッ!」とくしゃみをし、アオイに「はいはい、レオくんはこっちねー」とひょいと抱き上げられて、一瞬で骨抜きになって尻尾をプロペラ回転させていた。



「フッ……チーターのこの俺が、ただの和牛ごときに魂を売ると思うなよ」



ベンチでダルそうにしていたチーターのハヤテ。



しかし、コトネが「ハヤテくん、特製タレを絡めた極上ロースだよぉ〜」とお皿を差し出した瞬間、時速マッハの超音速でスライディング。



「ニャウーン(これ、我が人生最高の肉)」



プライドを秒でドブに捨て、コトネの膝の上にでっかい頭を乗せてゴロニャンと甘え始めた。



「ハハッ! お前ら、肉の匂いに理性を失うとは浅はかだなコケ!」



天才ニワトリのアインシュタイン。



黒コショウの瓶を観察していたが、「コケッ? (3歩首を動かした)……あれ? 私は今、なんで白衣を着ているんだコケ? この網の上の美味しそうな肉はなんだコケ?」と、やっぱりすべてを忘れて野生の鳥に戻り、ひよこのジュニア(ユリアン)と一緒に肉をツンツン突き始める始末。



「フ、フンッ……お前たち、俺のこの鍛え上げた大胸筋を見ろニャウーーン!!」



台の上で、白猫のタケシが渾身の「マッッスル威嚇ポーズ」を決めた。



しかし、お肉を盗み食いした直後のため、お腹のタプタプ感が2倍に膨れ上がっており、シルエットは完全に「網の上で膨らみすぎたお餅」だった。



「わあ! タケシくんお腹ぽんぽんだよ! 触らせてー!」



アオイとコトネが、無防備に突き出されたタケシのタプタプお腹を二人でわしゃわしゃと揉み始める。



「うにゃうぅぅ〜〜(幸せ)」



タケシは威嚇を秒で諦め、地面にゴロンと転がって3人娘の極上の癒やしグッズへと成り下がった。



「もう……本当に地上班はみんな自由奔放ね」



ユズも呆れつつ微笑み、3人とアニマルたちはシートの上でキャッキャウフフとお肉を分け合って、大満足のお昼休みを過ごすのだった。



焼き台のすぐ後ろからは、またしても『ザパーーーッ……』と、水も滴るがっしりと腕を組んだまま垂直に現れたサルの源さん。



源さんは、網の上の肉から立ち上る煙を渋い目でじっと見つめ、「ふっ……炭火の火加減、そして地上班の肉への執念……。うん、みんな成長したな……」と言いたげに、自分は1ミリも肉を焼いていないのに、完璧な「BBQの達人」のような顔で、深く、深く、うんうんと満足そうに頷いていた。



【第六章:おねぇゴリラと爆音ヒグマ、治安が大渋滞の応援合戦!】



午後一番のスタートを告げる『応援合戦』。



白組のアニマル連合の応援エリアから、凄まじい地響きと共に野太い(?)声が響き渡った。



「おい、お前ら気合入れろオラァ! 歯を食いしばれ、キャンキャン!!」



特攻服を羽織ったポメラニアンのレオが朝礼台の上で激しく吠える。



その後ろでは、胸板が軽自動車サイズのゴリラが、チアのポンポンを両手に持ってしなやかに腰をくねらせていた。



「ちょっとぉ! アンタたちダラダラしないのっ! ウホッ 笑顔が足りないわよ、ウホッ」



見た目は世紀末の覇者なのに、中身は完全なおねぇ。



無駄にキレのあるステップでお尻をフリフリしている。



さらに、その横にそびえ立つ3メートルのヒグマが、拡声器なしで雄叫びを上げた。



「うおおおおおーーん!!!(自分、非力っすけど応援だけは頑張るっすーーー!!!)」



グラウンドの窓ガラスが震えるほどの爆音だが、当の本人は自分の声のデカさにビックリして「きゃっ」と内股になり、ゴリラの後ろに隠れてモジモジしている。



対する紅組、アオイたち3人組の応援がスタートした。



3人はお揃いのミニスカートチア衣装。



ピンクと白のポンポンを持って、トラックの真ん中に駆け出す。



「フレー! フレー! 白組も、紅組も、みんなみんな頑張れー!」



アオイがポニーテールを弾ませて元気にジャンプ。



コトネのハチマキの上ではひよこのユリアンも一緒に小さな羽をパタパタさせている。



「ふふ、みんな怪我しないようにね〜、えいっ❤️」



コトネがちょっと照れながらあざとくウインクをしてポンポンを振る。



「ちょっと、二人とも可愛さにステータスを振りすぎよ……」



ユズが顔を真っ赤にし、恥ずかしいダンスに耐えながらも完璧なラインダンスのステップを披露。



その足元では、ゲイリーが3人のダンスのテンポに合わせて殻をネオンブルーへと美しくシンクロ発光させ、最高のイルミネーション演出を施していた。



「「「せーのっ、ファイトー!!」」」



3人がお互いの腕を組んで、最後にキュッとポーズを決めると、グラウンド全体が「うわあああ! 尊すぎる!!」と割れんばかりの歓声に包まれた。



結果は3人組の圧倒的勝利。



アオイが「やったね!」とコトネとユズの首に抱きつき、3人がチア衣装のままキャッキャウフフと身を寄せ合う姿は、もはやそれ自体が本日最大のボーナスステージだった。



【第七章:お題が哲学すぎる借り物競争と、カオスなアニマル大パレード】



運動会も中盤、ついにやってきた『借り物競走』。



トラックの真ん中でそれぞれクジを引き、紙を開いた瞬間――3人の動きがピタッと止まる。



* アオイのお題:『世界で一番大事に思っている心』

* ユズのお題:『あなたの愛情の形』

* コトネのお題:『ずっと一緒にいたい人の思い』



「……ちょっと、今年の生徒会の実行委員、ポエマーが過ぎるんじゃないかしら!?」



ユズが真白な顔で声を荒らげる。



「形のない物ばかりで、これじゃ質量も体積も計算できないわ!」



「ええ〜っ、これどうすればいいの!?」



アオイが頭を交代に抱えてパニックになる中、隣のレーンではアニマル連合の面々も, 紙を睨みつけてフリーズしていた。



制限時間が迫る中、動物たちは独自の解釈(というか本能)で、ベースの異なる「借り物」を集め始めた。



ニヒルなリスのジンは、『世界で一番大事に思っている心』というお題に対し、迷わず自分のポケットから「一番形が良くて艶のあるどんぐり」を差し出してきた。



フッ……と不敵に笑っているが、大真面目である。



マッチョ猫のタケシは、『あなたの愛情の形』のお題を見て、近くにいた口だけ悪ぶる子犬のレオをガシッと抱きしめて、そのまま「レオのモコモコのお尻」をゴールに引きずっていこうとする。



レオは「離せコラ!噛み千切るぞ!」とキャンキャン大騒ぎ。



そして、小型化されたでっぷりカバたちは、『ずっと一緒にいたい人の思い』というお題に対し、言葉の意味が全くわからないので、とりあえずトラックの端っこで腕を組んで立っていた後方腕組師匠面のサル(源さん)の足を、3匹でトコトコと取り囲んだ。



実して、源さんを神輿みこしのようにでっぷりした背中に乗せ、そのままゴールへ突進し始めた。



源さんは突然担がれても動じず、腕を組んだまま「ふっ、俺を連れて行くとは、あいつらも成長したな……」みたいな顔で深く頷いている。



動物たちのカオスな大パレードを見て、アオイがポンと手を叩いた。



「あ、そっか……! 難しく考える必要ないんだよ!」



「どういうこと、アオイ?」



ユズが不思議そうに見つめると、アオイは満面の笑みでユズの右手を、コトネの左手をギュッと握りしめた。



「私の『一番大事な心』は、二人のことが大好きな気持ち! ユズの『愛情の形』も、コトネの『一緒にいたい思い』も、全部ここにあるじゃん!」



「わあ……! アオイちゃん、大好き!」



コトネが感動して目をうるうるさせながら、アオイの肩にぎゅーっと抱きつく。



「ちょ、ちょっと、二人とも恥ずかしいわね……。でも……そうね。論理的ではないけれど、これが唯一の正解だわ」



ユズは赤面して顔を伏せながらも、握られたアオイの手をしっかりと握り返した。



「よし、3人で一緒にゴールしちゃおう!」



「うん!」



「ええ、行きましょう!」



3人はお互いの手をしっかり繋ぎ、お互いの顔を見合わせて「せーのっ!」とキャッキャと声を合わせ、ステップを踏むように仲良く走っていく。



ハチマキが秋風に揺れ、弾けるような笑顔がトラックを駆ける。



『ピーーーッ!! 3人同時にゴールイン!!』



審判の先生が「お題:心・愛情・思い……うん、完璧な合格です!」と涙ぐんでマルを出した。



「やったーーー!」



ゴールした瞬間、3人はそのままの勢いで、真ん中に向かってぎゅーーっと抱き合った。



「あはは、ユズちゃんの手、ちょっと汗ばんでる!」



「コ、コトネ! それは走ったからで……!」



「いいじゃんいいじゃん、みんなで勝ち取ったんだもん!」


3人は頭を寄せ合って、お互いのぬくもりを確かめ合うようにキャッキャウフフと笑い転げた。



【第八章:自爆するハリボテ騎馬戦と、空中腕組みサルの謎オーラ】



プログラム第9種目、全校大注目の一騎打ち『大騎馬戦』で、両チームのボルテージは最高潮に達する。



紅組:3人組騎馬


コトネが一番下で支え、ユズが「荷重移動を計算しなさい!」とアオイの腰を支え、一番小柄なアオイが上に乗る。


「わあ、高い! ユズちゃんしっかり支えてー!」

「ちょっとアオイ、動かないでくすぐったいわね!」

「ふふ、アオイちゃんがんばれ〜」


と、3人が水着……ではなく体操服で密着しながらワーキャーと大騒ぎ。



白組:アニマル連合騎馬


土台はゾウ、おねぇゴリラ、ヒグマの「ごついデカい強そう非力衆」。


中層にゲイリー、子犬レオ、猫タケシ。


最上層には、がっしりと腕を組んだまま静かに戦場を見下ろしている後方腕組師匠面のサル(源さん)。



『ピーーーッ!!!』


開始のホイッスルが響き渡る。



「いくよ、二人とも! 突撃ーー!」


アオイのかけ声と共に3人組の騎馬が突き進む。


3人はお互いの体にこれでもかと密着し、ハチマキをなびかせながらキャッキャと悲鳴を上げる。



対するアニマル連合。


突っ込んでくる3人組の圧倒的なオーラに、最下層の非力衆が完全にビビった。


「ヤダァ! 突っ込んでくるわよ怖ーーい!」とおねぇゴリラが内股でヨロめき、「自分、無理っすーー!」とヒグマがゾウの足元にうずくまる。


中層のレオとタケシもバランスを崩し、巨大な城塞は、接触する前に自らのポンコツさで自爆するようにガシャーンと崩壊してしまった。



最上層にいた師匠面サルの源さんは空中へ放り出される。


しかしそこはレジェンド。


源さんは空中でもがっしりと腕を組んだまま、スローモーションのようにゆっくりと落下していく。


その渋い目は、自分の横をすり抜けていく3人組を見つめ、「ふっ、あいつらのいちご大福への執念……見事だ、成長したな……」と言いたげに、夕日に照らされながら深く、うんうんと頷き、そのまま猫のタケシのタプタプのお腹の上にフカッと着地した。


紅組、3人組チームの大勝利である。



【第九章:ラスト1ミリのデコピン狙撃と、夕暮れのハッピーエンド】



そして迎えた最終種目、彼女たちの本命『トリオ・ザ・障害物競争』。


3人は見事な連携を見せ、ネットくぐりを突破し、でっぷりカバたちの密集地帯もコトネの「大根の葉っぱ誘導」でロスなくクリアした。



しかしラストの直線、強風の送風機エリアに行く手を阻まれる。


向かい風に押し戻されそうになり、3人の足が鈍る。



その時、応援席のひな壇のてっぺんから「カツン」と音がした。


ニヒルなリスのジンが、手の中で弄んでいたどんぐりを、正確無比なコントロールでデコピンのように弾き飛ばしたのだ。


放たれたどんぐりは、送風機のスイッチに見事命中。


カチリと音がして風が止まった。


ジンは再びフッ……と不敵に笑うと、ぷいっと後ろを向いて茂みに消えていった。



「風が止まった! 行こう!」


チャンスを逃さず、3人は一列になって全力で足を伸ばした。



「ゴールイン!!」



実況の声が響き渡り、アオイ、ユズ、コトネの3人は見事1位でテープを切った。



夕暮れ時。


3人は念願の『幻の極上生チョコいちご大福』を購買部のベンチで広げていた。


「ん〜〜っ! 美味しい! 頑張ってよかったぁ!」

アオイが頬を落としそうな顔で大福を頬張る。


「本当に、口の中でとろけるね……ユズちゃん、あーん」

コトネが自分の大福をユズの口元に「あーん」と差し出す。


ユズは真っ赤になりながらも「も、もう、自分で食べられるわよ……ん、美味しい……」と、幸せそうに目を細めた。


そんな3人の様子を、ユズはすかさずスマホのカメラでパシャパシャと連写し、3人で写真を見てはまたキャッキャと笑い合った。



ふと影が差し込んで見上げると、そこには戦いを終えたアニマル連合の面々が、ぞろぞろと集まってきていた。


「フッ……見事な戦いぶりだったな、お嬢ちゃんたち」

ブラッドがつまようじをくわえてニヤリと笑う。


その足元では、子犬のレオが「次こそは噛み千切ってやるからな、キャンキャン!」と相変わらず悪ぶっているが、尻尾はちぎれんばかりにプロペラ回転している。



「あ、みんな! 今日はありがとね!」

アオイが笑顔で手を振ると、コトネが「みんなもお疲れ様。これ、山分けの約束だよ〜」と、お弁当の残りの唐揚げや、購買部で買ってきたバナナとリンゴ、そしていちご大福を少しずつ切り分けて差し出した。



「クェェーーーッ(飯だァァ!)」

ダチョウのオトシがリンゴに突進し、チーターのハヤテも「有給の後の飯は最高だな」と猫のようにおねだり。


マッチョ猫のタケシは、ユズの足元にモチモチの体をすり寄せている。


「今日だけは特別によしよししてあげるわ」とユズが照れながらタケシの顎の下を撫でると、タケシは「ニャウ〜ン」と幸せそうに寝転がった。



アオイがハヤテをぎゅーっと抱きしめながら声を弾ませる。


「あはは! 本当にみんな面白いね! すっごく楽しかった!」

「ええ。こんなに賑やかで楽しい運動会は初めてよ」とユズもハチマキを解き、優しい笑顔を見せた。


「うん、またみんなで一緒に遊ぼうね!」

コトネの言葉に、アニマルたちもそれぞれの鳴き声で、嬉しそうに賛同の声を上げた。



しかし、その輪の端っこで、レインボーカタツムリのゲイリーだけは、悔しそうに殻をバチバチと赤紫に発光させていた。


ゲイリーは3人娘をギロリと睨みつけると、夕日のプールをヌルヌルと指差した。


「フッ……我がボスのゲイリー様が言っている。陸上では不覚を取ったが、次なる勝負……水泳大会こそが真のストリートだとな!」

ブラッドがボスの言葉を通訳し、不敵に笑う。


「へえ、水泳大会! 面白そうじゃん、受けて立つよ!」

アオイが笑顔で拳を突き出すと、ゲイリーは「まだだ、まだ負けちゃいねえ!」と言いたげに殻をギラギラと七色に輝かせ、次なるリベンジ(水泳大会)への決意を固めるのだった。



最後に、校庭の隅の木の上で、後方腕組師匠面のサル(源さん)が、ゆっくりと深呼吸をしていた。


源さんは腕を組んだまま、夕日に向かうかのような渋い目で楽しそうな3人とアニマルたちを見つめ、「ふっ、あいつらも成長したな……」とでも言いたげな顔で、深く、深く、うんうんと満足そうに頷いていたのだった。







【最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!】いかがでしたでしょうか?3人娘のいちご大福への執念(と百合百合しい絆)が、見事アニマル連合のポンコツな自爆を乗り越えてハッピーエンドを迎えました。

最後までサルの源さん(師匠)は腕を組んで頷いていただけでしたが……(笑)。もし「このアニマルたちの奇行、ちょっと笑った」「3人娘のやり取りに癒やされた!」と思って頂けましたら、画面下部にある【ポイント評価(☆☆☆☆☆)】や【ブックマーク】をぽちっと押して応援していただけると、作者の脳細胞(3歩で忘れるニワトリ仕様)が狂喜乱舞します!

また、今回の運動会で大敗を喫したアニマルたちが、「次こそは真のストリート(水の中)で勝負だ!」と、性懲りもなくスクール水着の3人娘に宣戦布告する【水泳大会編】の妄想……ゲホン、構想も絶賛バタ足中です。

・溺れかけて3人にタオルでぎゅっと温められるペンギン(※脳内はいけない妄想で尊死寸前)・「空を見てラッコになれ」とアオイに背泳ぎを伝承する大物ラッコ・頭がパカッと割れて触手バッカルコーンで爆走する虹色クリオネなどの新メンバーが大暴れする続編も、近いうちに形にしてお届けしたいと思っております。皆様の感想や評価がニワトリの産卵並みのエネルギーになりますので、ぜひ一言だけでもお気軽にいただけると嬉しいです!それでは、また次の「笑劇」でお会いしましょう!

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