コケにされましたが、一騎当千の実力の私でした。あと、凄い頼れる女の人が来ました。
私は、ホウオウ・ホルスという奴隷だ。奴隷というのは、とても身分が低い。そんな私を、みんな馬鹿にした。人以下の扱いを受けた。
ひもじい生活。奴隷商人に買われ、辛いだけの毎日。
そんな私でも、長所はあった。剣の腕が、我ながらずば抜けていたのだ。
しかし、雇い主は、そんなこと気にもとめない。
「私は剣の腕があります。護衛も出来るはずです」
そう、主に申し出た。しかし。
「うるせぇんだよ!!女のガキが!!てめぇを買ったのは、お前に下働きをさせるためだろうが!!剣の腕?ハッ!!見え見えの嘘なんだよ!!護衛役とか言って、逃げ出すつもりだろ!!これだからお前のようなクズは、話にならないんだ。明日からはもっと過酷な労働にしてやる」
男の奴隷商人は、私を見下しながら、そう言った。
悔しい。悔しい。神はいない。
しかし、そんな日々の中、救世主が現れた。フランシスカという女性が、なんと私を買って、助けてくれたのだ。
人間はクズばかりだと思っていた。助けてくれる人なんていない。だから、人間に期待なんかしちゃいけないんだ。私は能無しなんだ。
そう、私は思っていた。ずっと。ずっと。
でも、違ったのだ。
だが、買われると言っても、流石に奴隷商人が黙ってはいなかった。
奴隷商人は、フランシスカという女性に詰め寄る。
「おい、お嬢ちゃんよぉ。簡単に買われちゃ、困るんだよな。いくら出すんだ、え?そいつには、俺たちの偉さを、ちゃんとわからせてやる必要があるんだよ。だから、簡単には手放せねぇんだ。悪いねー、嬢ちゃん。諦めてくれるかな?」
「……」
フランシスカは黙っている。
「おおっと、黙っちゃったか?ビビってんのか?大体、ここはお嬢ちゃんみたいなやつが、来るとこじゃないんだよ。世間知らずそうだなぁ?早めに帰った方がいいんじゃないのか?
周りの奴隷商人も、クスクスと笑っている。
「まあ、俺たちは『上』の身分なんだ。お嬢様なんか目じゃない。さっさとお家に帰りな。お嬢ちゃんはどこに住んでいるんだい?」
「城の屋敷ですけど?」
フランシスカはにっこりと微笑んだ。
周りが固まる。そんなところ、余程、身分がないと入れない。
「お、お嬢ちゃん、職業は?」
「聖女」
微笑むフランシスカに、奴隷商人たちは土下座した。
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