3/5
駆出しのアーティスト
1996年 秋
♪one more time季節よ移ろわないで
one more timeふざけ合った時間よ♪
大学祭に来た駆出しのアーティストが野外ライブで歌ってた。
そのギターとハーモニカの音色が切なくて、気が付いたら私は泣いていた。
出店のたこ焼きを焼く手を思わず止めて、私達は聞き入ったんだ。
♪いつでも捜しているよ
どっかに君の姿を
向かいのホーム 路地裏の窓
こんなとこに居るはずもないのに♪
終わった恋が心から離れないのは、やり残したことがあるから。
そして全ての思い出にその人が居るから。
♪記憶に足をとられて
次の場合を選べない♪
この歌がBIGSONGに育っていった時間の流れの中で、私達も年齢だけは一丁前にかさねていった。
大人になれたとは思ってないけど、今の方が、この歌詞が重く鈍い痛みを連れて来る。