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銃器・手持ち火器

 ファンタジーらしくありませんが、ファンタジー世界に現代兵器を持ち込む作品もありますので、これくらいは知っておいても良いのではないか?


 そんな感じで個人が持ち運べる銃器に限って、雑にちょっとだけご紹介。

 銃なんてファンタジー世界にとっては不粋なモノを持ち込むな!


 そう(おっしゃ)られる方もおられるでしょうが、現にファンタジー世界へ現代兵器を持ち込む作品のアニメ化もありましたし、ある程度許容(きょよう)される余地も出来てきたのではないでしょうか?


 実際にファンタジー世界の設定に多い中世ヨーロッパの時代をモチーフとするにしても、中世の終わり頃に火縄銃とかその程度ですが銃が登場してきているので、存在しても不思議ではありません。


 ただまあ、登場しても世界の設定次第では使い物にならないとして、(すた)れる技術として扱われる事もありますが。



 それで火器の知識をある程度知っておくのも、作者として、読者として楽しむ一助になるのではないでしょうか?




〜〜〜〜〜〜



銃火器? NO!



 それで、そんなファンタジーに銃器が登場するファンタジー作品を拝見しておりますと“銃火器”なんて言葉が出てきますが、個人的にはNOでございます。


 銃器は有っても、銃火器は無い。

 手持ち火器(かき)は有っても、銃火器は無い。

 小火器(しょうかき)は有っても、銃火器は無い。

 重火器(じゅうかき)は有っても、銃火器は無い。


 そう。 銃火器なんて、自分は知らんのです。


 検索したらちょこっと出てきますが、多くは《もしかして∶重火器》と出ます。


 つーか銃器と重火器が混ざって、変に(あやま)ったまま認知された謎言語が、銃火器と言う()()なのではないでしょうか。


 むしろ銃火器(その言葉)が定着してしまいそう(してそう)で、勝手にモヤモヤしとります。





そもそも火器とは



 ()薬等を使って弾丸等を飛ばす() (どうぐ)の総称です。


 戦車の戦車砲もバズーカもグレネードランチャーも、大体が火器。


 落下傘(パラシュート)花火も火器と呼べるでしょう。 多分。





銃器



 火器の中でも、銃と呼ばれるジャンルに属するモノを指す言葉。


 拳銃(けんじゅう)やアサルトライフル、スナイパーライフル、分隊支援火器(機銃)等。


 ファンタジー作品ではよく、杖の様な物と呼称されるアレコレです。


 他の項目でも書きましたが、登場し初めた頃の最初期の銃でさえ中世ヨーロッパで最強の鎧と呼ばれる板金鎧(プレートアーマー)総板金鎧(フルプレートアーマー)を着た相手すら簡単に倒せる威力を持っており、これの登場で戦争は変わりました。





小火器



 あくまでも個人の認識ですが、人間が持って、走りながら撃てる銃の事であると思っております。


 重要なのは、狙いは二の次で()()()()()撃ちたい方向へ()()()ですね。


 それだけ()()()軽い火器であると。




重火器



 バズーカや対戦車ロケット砲、対物ライフル、機関砲、個人携行迫撃砲など。


 立ち止まり、相手をしっかり狙い、全身を使って火器の大きく重い反動に耐えながら撃つ。


 または地面へ設置しないと、反動で人間が吹き飛んでしまってマトモに弾丸を撃ち出せない、人間が持ち運べる中でも重い火器。


 なお、立ち止まって狙わなければならないものの、それは性質上のものである狙撃(スナイパー)(ライフル)は、小火器であると個人的に思っております。





手持ち火器



 文字通り。


 生身の人間が手に持って使える火器です。


 なので地面へ設置しないと使えないタイプの重火器は、多分コレに含まれないでしょう。 





旋条(ライフル)について



 和名では旋条(せんじょう)と書きます。


 これは銃器の弾丸を()ちだす(つつ)の内側に刻まれるモノで、このライフルを刻むことで弾丸が回転するようになり、風の抵抗を受けにくくなって弾丸をまっすぐ飛ばせる様になる仕組みです。


 ライフルが無かった時代の銃の弾丸は風の抵抗で軌道(きどう)がブレブレで、狙った場所を撃つ……なんてのは難しかったそうで。


 つまりこれの登場までは有効射程(ゆうこうしゃてい)距離……狙った場所に当てられる距離が短く、下手をすると弓の方が遠くまで狙った場所に当てられた。

 なんて事があったかも知れません。


 と言うかこのライフルこそが現代の銃の代名詞ですので、旋条が刻まれた(ライフリング)(ガン)を省略して、ライフル。


 現代でライフルライフルと銃……アサルトライフルをそう言っていますが、これが元ネタになります。



 なおライフリングされていない戦車砲等もありまして、そういうのは滑腔(かっこう)砲と呼ばれています。





拳銃(ハンドガン)



 大体は手の平サイズの銃で、持ち運びしやすいのが特徴。


 服の内側にも隠せるから、銃の携帯が許されている職業の人や国の人が、護身用に持っているのも居るとか。


 威力はまあそれなり。 射程距離もそれほど長くない。


 急所に当てれば命を奪えますが、弾丸のサイズによっては急所に命中しても命は無事だったりする程度の威力です。

 …………ただまあ、急所に銃弾を食らっても命が助かろうが、大抵は後遺症(こういしょう)をもらってまともに生活できなくなったりする例が有るとか無いとか。


 しかし現代では防弾チョッキ(ベスト)によって大抵の弾丸を受け止められてしまうので、命を奪うよりも弾丸を当てた衝撃で相手の動きを止められるチカラ……マンストッピングパワーとやらが重視されて来ているとか。


 なお、そんな弱い武器認定をされがちなハンドガンですが、大人の男性でも変な持ち方で不用意に撃つと、(すじ)をおかしくしかねない反動が来るそうなので舐めてはいけません。



 例外としてマグナムやハンドキャノンと呼ばれる、拳銃とは思えない威力を持つ拳銃も存在します。


 これらは……特にハンドキャノンは戦車にもダメージを与えられるほどに強い弾丸を放つそうで、それ相応に反動もすごいので、使用の際は注意が必要。



 ファンタジー世界でこの拳銃を持ち出すなら、一番簡単な攻撃魔法を飛ばすだけの魔法銃とかになって、まずはここから開発が始まるのではないでしょうか。





サブマシンガン



 拳銃で使う弾丸を連射する銃。


 これの利点は拳銃よりは多少大きくなるが、それでもかなり小さいので室内や通路等の狭い場所で、思うように使える便利さ。


 しかし聞いた話で本当かどうか分からないのですが、どうも最近はサブマシンガンの評価が下がりまくってて、要らない子になりかけているとか。


 前述の防弾チョッキの性能向上により、サブマシンガンの効果が無くなってきたそうな。


 …………本当かどうかは分かりませんよ?





ショットガン



 散弾銃と書いてショットガン。 理由があって普通の銃より銃口が広い。


 円柱状のカプセルに小粒の鉛玉をいっぱい詰めた物を弾丸として撃ち出す銃。


 カプセルは(はじ)けて、中身がバラバラになって飛んでいく。


 そのため攻撃範囲が直線ではなく、三角コーン状になる。


 それだけ命中率は高いものの、バラけるために弾丸自体の一粒(ひとつぶ)辺りの威力は低い。


 そのために鳥を狙う猟銃(りょうじゅう)としても使われたりする。


 銃弾で精密な射撃をする目的の銃ではないので、銃身にはライフルが刻まれていない。



 特殊な弾丸として、一粒(スラッグ)弾というのもある。


 これはカプセルの中に一粒(ひとつぶ)()()大きな鉛玉が込められており、そこらの銃より大きい銃弾であるために、威力も反動も大きい。


 これは主に猟銃でクマや大きな猪なんかの大物を狩る時に使われる物で、むしろコレを使わなければ狩るのは難しい。



 余談として、とある有名な古い2Dガンシューティングアクションゲームに登場するショットガンは、入手する時に『シャッガァン!』と言うので、それの影響かショットガンをシャッガンと言う者がいる。


 そのシャッガンに不快感を示す者、シャッガンではなくショットガンだと分かっている事を指摘されて不快感を示す者がいるため、シャッガンと言う・書く場合はデリケートになっても良いかもしれない。





アサルトライフル



 突撃銃と書いてアサルトライフルと読む。


 ライフル弾と呼ばれる、拳銃弾より大きな銃弾――つまりそれだけ威力も高い――を恐ろしい速さで連射する銃。


 種類にもよりますが、連射するモードの切り替えが可能で、安全装置――引き金にロックがかかる――モード、1発だけ銃弾が出る単射モード、引き金を引き続ける間銃弾が出続ける連射モード。


 そんな感じで切り替えられる種類も有るとか。


 一部の日本向けのアサルトライフルには、それぞれの頭の文字を書いて ア・タ・レ なんて切り替えレバーないしダイヤルにあるそうです。



 このアサルトライフルが、歩兵が持つ基本の武器です。


 両手で構えるのが基本で、野外でも室内でもソコソコに使え、対人で十分な威力を持ち、連射が可能。


 アサルトの名前通り、連射しながら突撃する姿は、突撃を受ける相手から見れば恐ろしく感じるでしょう。





グレネードランチャー



 専用の銃も存在しているが、アサルトライフルに取り付けられる付属品で射出できる物もある。


 これは爆発物(グレネード)を撃ち出す銃である。


 飛び方は特殊で、山なりな軌道で飛ばす。


 威力自体はそこらの手榴弾と同程度か、手榴弾より大きいがミサイルや個人携行迫撃砲なんかには流石(さすが)に届かない程度。


 使い方は、敵が隠れている障害物や建物の壁を壊したり、山なり軌道を利用して相手の障害物の向こうへ撃ち込んだり、敵のひそむ塹壕(ざんごう)の中へ放り込んだりするのが主。


 発射音が特徴的で、グレポンと呼ばれる専用の銃が超有名。



 ファンタジー世界なら普通の魔法で使えそうだから、この武器はあまり普及しないかも。





スナイパーライフル



 狙撃銃。


 狙撃手の腕次第でキロメートル単位離れた相手を狙うことも可能な、長距離武器。


 長距離となると普通の銃ではあまり問題にはならなかった風の影響を受けるようになり、かなり難易度の高い銃。


 だって1,000㍍とか離れた所を狙っても、狙いがわずかでもズレたら着弾地点では数十㌢単位とか㍍単位とかズレていても不思議じゃないので、使いこなすのは、本当に難しい。


 動いている相手なら尚更(なおさら)。 撃った瞬間に着弾する距離で撃つ銃では基本無いので、着弾地点を予想して撃つなんて計算も必要なので難易度が本当に高い。


 だが一発当たれば命を奪えるよう、弾丸の威力はかなり高い。



 どこにいるか分からない見えない敵から狙われ、ひとりひとりを着実に撃ち抜かれる恐怖は本当に恐ろしい。


 熟練のスナイパーは、たった一人でひとつの軍の足を止めることも可能だとか。



 これは某指輪の物語でも登場人物が弓矢でやっている事でもある。

 油断しきったタイミングで軍の頭脳となる将官を射抜かれてしまえば、体である軍はどうすれば良いのかわからなくなり、たちまちパニックとなるだろう。


 そして姿の見えない相手に仲間が次々と射抜かれて絶命する様子を見てしまえば、正体の分からない者に命を次に取られるのは自分かもと恐怖心を(あお)られ、最早(もはや)まともな精神ではいられない。


 熟練の狙撃手は、それだけで恐怖の存在足り得るだろう。





対物(アンチマテリアル)ライフル



 一部の人間が大好きで有名な大型銃器。


 戦車すら撃ち抜ける(かもしれない)ほどの威力を持つ大型銃器。


 その弾丸の大きさと反動は本当に大きく、そもそもとして人間相手に撃つものではない。





バズーカ



 なんか正しい呼び方ではないっぽい。


 形状は太くて大きい筒状の物に、取手のついた物が代表的。


 爆発する大きな弾体を撃ち出す。


 使うときは、建物や戦車を壊すときが多い。


 使う弾体で威力は大きく変わり、目的別に効果的な弾体があって、使いこなすのは案外難しいらしい。



 ファンタジー世界なら《ロックスピア》とか言う大きな石のトゲの中に《ファイヤーボール》とか詰めれば、似たようなのが作れるかもですね。





対戦車ロケット砲



 長細い棒の先に、推進用と攻撃用2つの火薬が詰まったロケット弾。 と言うのが基本形状。


 棒をそのままにしたり、銃……と言うかバズーカみたいな持ち方になる取手をつけたりしたのが一般的。


 この武器の弾丸の様に、自力で飛んで爆発する弾丸の事を、和名では噴進弾(ふんしんだん)と呼ぶ。


 対戦車用のロケット弾は、戦車の装甲を少し破った後に爆発する仕組みになっている物があり、それを知った時にけっこういやらしい弾だなと思いました。


 なおロケット弾とミサイル弾の明確な差は現実では無くなっていると言っても良いいらしい。


 が、自分は、自分が遊んでいた頃の体が闘争を求めるロボットゲームに(もと)づき、無誘導弾がロケット弾で誘導式がミサイルの認識です。





ミサイルランチャー



 打ち上げロケットを小さくしたような弾体をしているのが良くあるイメージのヤツ。


 それを発射する重火器なのだが、コレといった形が無いので、形はかなりバラバラ。


 要はミサイルを打ち出せるようになっていれば良いので。


 ミサイルが4本入る四角柱だったり、ボウリングのガターみたいに筒を半分にした形だったり、バズーカっぽかったり。


 ゲームではコレやスナイパーライフルで敵の戦闘ヘリと戦うステージが、けっこう有る。





分隊支援火器



 機関銃。


 文字通り、小隊を半分にした分隊。 それの攻撃を支援する火器。


 元は戦車やジープなんかに取り付けられる固定機関銃……だったかな?


 を、歩兵が扱えるように軽量化したもの。


 それでもアサルトライフルよりは大きく重いので、取り回しは比較的に悪い。


 だがその威力は(まさ)に分隊を支えるのにふさわしく、頼れる重火器。


 走りながら撃つのは重く反動も大きいので難しく、大体は銃の下部につけられたニ脚(バイポッド)で銃を半固定して、それで撃つ。


 バリバリに連射する。


 なので射撃光(マズルフラッシュ)が良く見えて射撃位置がバレやすく、脅威度(きょういど)が高いのもあり、分隊支援火器を持つ兵士は狙われやすいので注意。





ガトリングガン



 機関砲。


 本来なら戦闘機や戦艦や戦闘車輌等に載せて使う機関砲を、人間が持って使おうという狂った重火器。


 ガトリング方式と呼ばれる、銃身を何本も(たば)ねて連続して付け換える様にグルングルン回りながら機関砲弾をバラ()く、狂った重火器。


 あんまりの重さに、持った者はまともに歩けないほど。


 人間では押さえるのがとても難しい狂ったその反動を、もし歩きながら撃ったのであれば、押さえきれずにひっくり返って倒れることだろう。


 なぜそんな物を生身の人間が手に取ろうと思ったのか分からない、狂った重火器。





個人携行迫撃砲


 個人で携行(けいこう)できる小型の迫撃(はくげき)砲。


 軽迫撃砲とも。


 イメージとしては、地面に落ちてから爆発する打ち上げ花火。 それを巨大にした物。


 なおこの迫撃砲はとても重く、何十Kgもあります。 が、百ウン十Kgとか言うのを小型軽量化したものですので、軽迫撃砲なのです。


 個人携行迫撃砲を操作するのは最低1人。 資料にした写真では4人単位で運用していましたが、それだけの数で運用できる火器としては強力な部類に入ります。


 これは打ち上げ花火と例えたように、銃口を狙ったところに向けて直接弾丸をぶつける重火器ではありません。


 方角、角度、風の具合。 全てを計算して撃ち出し、狙った場所()()に攻撃を落とすもの。


 だから精密な射撃はできないのです。


 それでも撃ち出すものが広範囲に爆発する強力な弾なので、それでいいのです。


 なので手に持って使えず、設置して使うものとなります。


 これを何個も設置して連続で撃ってやるだけで、敵は相当に痛手を負うことでしょう。


 小話としては射出時に轟音(ごうおん)が出ますので、耳をふさいでいないと耳がおかしくなる危険性がある事です。

 形状を説明していないものもありますが、それは興味が湧いたら読者様がご検索なさってみて下さい。


 銃の形状って色々あって、コレって言う説明がしにくいのです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 大変勉強になります。特に銃火器の辺りはそういうものだったかと感心することしきりです。 いわゆるイメージとして定着した言葉、もしくは執筆側が伝えたい表現として、使い勝手をよくした造語というヤ…
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