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食の衛生関連

 西洋風ファンタジー世界への異世界転移・転生モノだとテンプレと呼ばれるマヨネーズ。


 悪い言い方をすると、現代で中毒者も発生する万能調味料ですね。


 それを作って「うまーーーーーいっっ!!」と現地民に言わせるのは、ある意味で醍醐味(だいごみ)





 でもちょっと待って。


 そのマヨネーズの原料に、生卵が使われてませんか?


 衛生管理技術が無い世界で、卵を火を通さない状態で気軽に食べられると思いますか?


 現代の英語圏の多くでも、生卵=食中毒の素と認識されていて、卵の生な要素は忌避(きひ)されているのに。

 日本並に卵の食中毒対策に力を入れている所は、そうないのに。


 半生のトロトロ黄身の目玉焼きなんて火がキチンと通ってない物を、食べられると思いますか?


 卵の(から)の外でも内でも、O157やサルモネラ菌とかをはじめとした危険な菌が付いている可能性がかなり高いでしょうね?


 一応他の原料にお酢があって、お酢には殺菌作用がある。

 回らないお寿司屋さんでまな板をお酢を含ませた布で()いている所があるのは、そんな意味もあるのです。


 だけど、どこまで効果を信用できますか?

 ネットで調べたら、マヨネーズは強い殺菌作用を持つとありましたが、どこまで信用できますか?


 “サルモネラ菌 マヨネーズ”で検索したら、入れる酢の割合が低い自家製マヨネーズでは、()()()()食中毒が発生する事例が有るみたいで。

 都マークのついたページで注意喚起されてました。

 なので自分は警戒します。


 そして酢の割合を多くしたやつで完全に殺菌したとしても、衛生管理技術も意識もない人達が使ったマヨネーズが、いつまでも品質維持できるはずもなく。


 密閉容器も簡単に作れない世界で。

 適切な保存をできる機械も手段もない世界で。


 どうやって安全なマヨネーズを見分けろと。



 ちなみにマヨネーズが乳化マヨネーズがマヨネーズになっている状態から分離って現象が起きて変化してしまうと、殺菌作用は弱まるそうで。


 それらの対策が無い状態なら、自分だったらマヨネーズを作らんし回避しますわ。


 広めてしまったら、そう時間が()たない内に食中毒がどこかで発生して、発案者が毒物を広めたと吊るし上げられるのが目に見える。






 他にも、ミディアムレアで焼いた肉とかどうでしょう。


 同じく衛生管理が出来てない世界で、飼っている動物が病気になっても、適切な治療が(ほどこ)せない世界で。


 寄生虫や害がある菌にやられていても、対処出来ないし、そもそも気付けない世界で。


 ミディアムレアとか、せめてもの自衛策である良く火を通す。

 それすらしないで食べられる勇気。


 自分だったら間違いなく、しっかり火を通します。 ……多分。



 少し話がズレますが、日本だってレバ刺しが許されているのは(さくら)肉だけ。

 その馬のレバ刺しだって、食べられるよう処理したモノ。

 ですが調べたら、レバ刺しってだけで、どんなレバ刺しでも食中毒リスクはどうやってもあるみたいです。


 それと牛のレバ刺しを食べられる所は、極めて難しい許可をなんとかとっている所か、違法な所か位。


 生レバーだけ見ても、それだけ“現代”でも肉の衛生管理に心を砕いているのに、食中毒はおさまらない。 無くならない。



 それなのに、ファンタジーな異世界でちゃんと火を通さない肉を食える勇気よ。


 …………あ、ファンタジー世界で牛肉の代わりに牛肉扱いされるミノタウロスですが、アイツは筋肉モリモリマッチョマンの○○(ピーー!)として出てくるのが(つね)ですね。


 ならば脂肪なんて、ほとんど付いてないでしょうね。


 日本人で牛肉(だけの話じゃないですが)好きな人って、脂身(あぶらみ)()めますよね。

 脂の甘味が~って。

 脂がとろける~って。

 溢れる肉汁(あぶら)が最高って。


 ミノタウロスは筋肉質。 つまり赤身肉。


 日本人が好んで食べますかね?


 ……あ、いや。 大抵の脂身大好きコメントはテレビだのなんだのが言っているだけで、黙っている層に赤身好きがいっぱいいる可能性だってありますが。






 んで、案外生野菜とかも。


 大先生の情報を信じるならですが。

 古代ローマでは生食をしていた記録がありますが、それから中世後期・14世紀のフランス辺りで“サラダ”って言葉が確認出来る文献が見つかるまで話が無いです。


 ……そのフランス辺りでサラダの言葉が~ってのは、また別のサイト情報です。



 その後、14世紀末にイギリスの王家の料理人が記したレシピ……と言うかメモ? で記されていたとか。


 つまり野菜の生食をしていたか不明。


 しかもこの少し後に、ファンタジー世界では異物に近い銃が地球の歴史(西洋の中世時代の末期も末期)では出てきます。


 ついでに日本では畑の肥料の関係で、第二次世界大戦後にGHQの指導がはいるまで、回虫とか寄生虫とかが畑に蔓延(はびこ)っていて衛生面がヤバかったとか。


 なので、中世風ファンタジー世界では野菜を生食していたのか問題にもなるかもです。


 表面の、目に見える汚さ位しか分からないのですし。


 不潔の代名詞となってしまった魔物のゴブリンが、畑にやって来てしまう世界ならなおさら。


 あいつらが良くないモノを運んでくると勘繰(かんぐ)るのも自然かも。


 火を通して(茹でて)温野菜にしてから食べよう。


 と自衛感覚で思っても、不思議じゃない。


 農薬も無いですし、ゴブリンとかで何事も無かったとしても、

 アブラムシわさわさの蝶々が産み付けた卵ビッシリの孵化(ふか)した青虫がニョロニョロの野菜を見て、異世界へ行った日本人が生野菜を食えるのかと。


 どれだけキレイにすれば、安心して生のまま食べる気になれるのかな? と。






 牛乳の話なんかも行っちゃいましょうか。


 今飲まれている牛乳ですが、昭和27年頃まではとても飲みにくい牛乳だったそうな。


 その年にとある企業から()()()牛乳が発売されるまでは、乳脂肪が氷山みたいに固まって水面に浮いていて、底の方と水面近くで味の濃さに違いがある牛乳が主体でした。


 その年に発売された特別な牛乳とは、



 均質化(ホモジナイズ)牛乳



 略してホモ牛乳。


 音の響きがアレですが、画期的だったんです。


 それ以降、それまでに売られていた牛乳を ノンホモ牛乳 と呼び分けられる様に。


 水面に浮く乳脂肪が飲むときに動いて邪魔だし、口に入れれば脂肪だから口の中がねっとりするし。

 そんな思いをしながら牛乳を飲んでも、なんか楽しくないし。


 そんな苦労が全く無くなり、いつ飲んでもサラッと流れるのは、感動ですよ。


 ………………あ、自分はノンホモ牛乳が主流だった時代の人じゃないですよ?

 小さい頃にノンホモ牛乳の氷山が面白くて、親にねだって買ってもらったんです。

 それで飲みにくい思い出と、その後いつもの牛乳をのんで違いに感動したんですわ。


 ちなみにですが、牛乳を直接飲むならホモ牛乳。


 牛乳を加工して、チーズとかにしたいならノンホモ牛乳が向いているそうで。


 そして中世風ファンタジー世界に、均質化(ホモジナイズ)処理をする概念って有りますかね?




 本題。


 牛乳は熱で殺菌消毒をしないと、結構危ない飲み物です。


 牛乳パックの食品表示にも必ず表記される位に、大切で必要な事です。


 中世風ファンタジー世界で、そこまでそんな意識はありますかね?


 一応乳牛の体温位で乳脂肪はキチンと溶けきってるみたいなんで、飲む前にその位に温めて脂肪を溶かして飲む位はするでしょうが。


 ちゃんと殺菌したと言えるほどに温めますかね?

 ……するかも? ホットミルクを作るなら。


 でも常温位で飲む場合、どうなるんでしょうね?




~~~~~~



 なおこれまで書いていたのは、衛生面の対策を一切施していない異世界設定の場合ですね。


 魔法の【浄化】【清潔】【消毒】【洗浄】【ピュリフィケーション】とか、そう言った無毒化や汚れを落とす魔法が平民でも普通に使われる世界なら心配無用な話。


 それ以外にそう言った魔法が使えずとも、今までやって来た異世界人が衛生観念や技術なんかの知識をばらまいて、進んだ考えを持っている場合も心配無用ですね。


 ファンタジー世界なら、目に見えないはずの悪い菌等を瘴気(しょうき)として見えてしまう能力者がいて、それからの指摘と試行錯誤で対策が確立してしまった世界があっても面白いかも。



 暴論に近い世界設定で、ステータス数値の概念があって、地球の人類より強い体をもつ異世界人ならそこらの寄生虫や菌に負けるわけがないと、寄生虫や菌類がほぼ淘汰(とうた)されてしまった世界とか面白かったですね。

 ただそうなると、アルコールを醸造したり醤油(しょうゆ)やお酢や味噌や納豆やチーズやパンなんかで、発酵等をする菌までいなくなっている世界にもなりますので善後策は必須。

 あー、腐敗菌も居ないですから、腐らなくてゾンビも存在しない可能性だってありますね。

 と言うか菌がいないなら、腸内細()はどうなっとんだ? その世界。

 うわー、気になる!





 そんな訳でして「異世界マヨネーズで腹痛にならないのは絶対におかしい!」ではなく、ストーリー進行に都合の良い部分以外は無視されがちな寄生虫や食中毒菌にまで配慮(はいりょ)をした世界を設計すると、作品のリアリティーに深みが出てくるかもしれませんよ?


 考慮するっても、生食は腹を下す。 それで(ちゃんと)火を通したら食える食べ物が増えた。

 ならばとりあえず食べ物は全部火を通しとけば、なんとか食えるかな?

 程度の認識ですね。

 だって肉眼で細菌とか寄生虫とかを見られず、どうして腹を下すのか原因が分からんのですから。

 だから異世界人視点でなぜ火を通すのかを書くときは、その程度で。 何も知らないはずの異世界人がなぜか「ウイルスの所為で生食できない」とか言い出すのは不自然ですもの。



 ああ、なぜ腹を下すのかの説明に“らしさ”を演出するなら。


「食べ物は全て(けが)れている。 それを神から授かった火によって浄化して、我々が食べられるようになるのだ」


 とかって、料理に使う()()の火をそう言わせれば、宗教が身近にある世界又は神との距離が近い、はたまた神が降臨するとかで確かに存在している世界。

 そんなのを読者に思わせるのに有効かも知れません。





 って話でした。

 野菜についての言及は、これを書き始めるきっかけですわ。


 ふと思ってしまったんですよ。


 大腸菌とか食中毒菌がついた生卵でマヨネーズを作る恐怖を思い浮かべている時に。


 異世界モノで平気な顔して食べてる生野菜(サラダ)も、不衛生な環境で育てられてたら生食すると腹痛(ぽんぽんぺいん)になるかもだから、温野菜にしないと食べられないんじゃね? って。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] マヨネーズ、テンプレだったのか…… じゃあ早速私もお話に出さないと! [一言] ファンタジー世界の平均寿命とかってどうなるんでしょうかね? 食の安全性が確保されていなければ当然死亡率も…
[良い点] 異世界無双であるあるの疑問ですね。やたら主人公がマヨやカレー、生魚、違う世界の食材や、殺したモンスターの肉を食べたがります。そして諸々の問題は魔法やチートでほいっと解決が多い。 下処理や熟…
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