ヒト型・種族
ベタベタな、ファンタジーに出てくる人類の枠に入る(一部疑惑あり)種族達のご紹介。
ご紹介と言ってますが実際は皆さんご存じの種族ばかりなので、確認とか蘊蓄語りみたいなものです。
明け透けにぶっちゃければ、知性を持ってヒトの形をしたアレコレの紹介? です。
普通の人間
書き方が悪いでしょうが、分かりやすいのでこれで失礼。
この種族の名称は人間・普人・トールマン他。
例で出した数は少ないですが、調べれば色々出るんじゃないでしょうか?
人類や人間と呼称すると、こいつらこそ人類の全てでそれ以外の種族は人類にあらず。
そう勘違いされそうで嫌ったり、気をつかう作家さんがいたりする様で。
いわゆる地球の人類ですね。
ファンタジー世界なら、魔力を生み出したり空気中から吸い込み蓄える臓器があったり、魔力関係の臓器が無くても魔力を使える機能を持っていたりして、全く同じって訳では無いですが。
んで、この種族は総じて平均的な能力。
多数の種族とも子供を作れる異常な繁殖力。
かなり厳しい土地でも“住めば都”とばかりに、住みやすく工夫して生き抜ける順応性。
これが特徴とされる場合が多いですね。
亜人とデミヒューマン
普通の人間以外を指す言葉ではありますが、自分で調べた限りでは、意味合いが違うと受けとりました。
亜人ってのは、あくまでも人類の一部。
人類って枠の中の、人類だけど人間以外の存在として分けた呼称。
亜種って言葉から受ける印象だって、基本種と同類で、でもそこから枝分かれして違う部分を持っている派生種。
そんな感じなので、種としてあまり大きく離れていないモノであるとも受け取れる訳です。
デミヒューマンってのは、人類の外。
ヒトじゃない扱い。
ヒトに似せたナニカ。 モドキ。
人類に似てるけど、人類とは別枠の存在。
demi には半分や部分的って意味がありますが、今回の意味では“部分的に人間”の方で受けとりました。
が、部分的に似ているから同族……とならないのが人間で人類。
人類と類人猿は哺乳類って大きな枠では同じでも、同類とされないですから。
ウミヘビには海を泳げるヘビと、ヘビに似た海水魚と2種類ありますが、あれらは別種ですし。
そもそも肌の色の違いだけで同類じゃねえと叫ぶのが現れ、馬鹿らしいほどに差別が発生する可能性がある位ですよ?
同じ人類のはずなのに、他の種族を受け入れられない事態は容易に想像できるでしょう。
こんな感じに受け取れる記述を見まして(ソースは記憶の彼方)亜人って悪い意味じゃないじゃん。 と。
なので自分は、これを基本スタンスとしています。
ですが読んでおられる方々が、亜人とデミヒューマンの意味をどう解釈するかは、お任せいたします。
獣人
大きく分けて、人間に動物の要素を追加したタイプと、動物が知性と理性と人間の直立歩行能力を得たタイプの2種類有り。
その違いは“ケモ度”で画像検索していただければ、ある程度は理解出来ると思います。
この種族はかなり幅があって、どんな動物の要素を持つかによっての能力差が大きい。
犬なら聴覚や嗅覚がとても優れ、猫なら聴覚・嗅覚は人間より良い程度だが体つきがしなやか、熊なら嗅覚と筋力に優れ、ウサギなら聴覚と脚力が優れる等。
大体がなんらかの感覚と身体能力に優れるパターン。
感覚で動き、考えるのが苦手で魔法関係に弱い。
なんて定義されるのがお約束。
魔法だって感覚で使えるタイプの世界設定なら、むしろこの獣人こそ魔法が達者なんじゃなかろうかと、思ったりもします。
……まあ結局は設定次第で、苦手とする理屈も納得できる形で説明されれば、それで引き下がりますが。
しかし、例外も存在。
筆頭は狐の獣人ですね。
管狐や妖狐やお狐様と呼ばれる存在や仙狐や稲荷神社の御遣いなどの、神秘やオカルトに属するイメージが強い為です。
狐の大妖怪が栃木県の日光で討伐だったか封印だったかされて、殺生石が遺った逸話なんかもありますね。
なので魔法の扱いに優れている設定が多く見受けられます。
他にも猫なら猫又と呼ばれる猫の妖怪や、招き猫の不思議な由来だって良い。
犬ならイヌガミと呼ばれる本当にヤバい怨霊の存在もありますし、怪物猿を退治した早太郎(別名:しっぺい太郎)という霊犬も。 十二支って特別な動物の枠にもいますね。
なんなら狐と化かし合いをするとか、オカルト系でヒトを騙くらかす狸だって、魔法とかを得意としていておかしくない。
あとは妖怪に“かまいたち”とかいますし、イタチの獣人も風の魔法限定で優れていても、不思議じゃないですね。
なので、猫や犬等他の獣人が魔法の扱いに優れていても不思議ではないのですが……。
さっきの十二支だけでなく特別な、いわれのある動物が魔法を上手く使えても良いはず。
エルフ
日本人が大好きトンガリ長耳の綺麗な顔立ちでスレンダー体型、魔法や精霊への親和性が高い、弓を使う森を愛する長命な種族。
と説明すれば、大抵理解される種族ですね。
あとは独自性の為に、チョコチョコと設定を付け足す感じで。
じゃあ逆に、原点はどうだったのか。
北欧神話だったかギリシャ神話だったか、そこら辺に原型が出ていまして、イタズラ好きの妖精だったかな? しかも体は長身どころか、妖精だからかなり小さい。
そんなのが一番古いかな?
いちおう他に一般的なエルフイメージの原点として、妖精や精霊から派生した、物理寄りの存在って話がありますね。
後はテーブルトークRPGで敵として登場する事も多く、物理にも魔法にも強いかなりの強敵として扱われたりします。
なので物理的な戦闘能力は普通の人間と同等、又は人間より強い存在として出てきたりします。
つまり森で弓持って狩猟してるし、木々を跳び回って動いているんだから、肉体的に弱いなんて無いよねと。
普通の人間が出来ない動きをするエルフが、なんで肉体的に弱いのよと。
これは大抵、プレイヤーキャラクターとして使うの時の、ゲームバランスで調整された所為。
魔法に関して優れているのに、肉体まで優れていたら他の種族を選ばないよね。
特定種族だけ優遇されていると思われないために、出来るだけ平等・公平である様に、調整は必要だから。
それが広まって、一般に浸透してしまった影響だと、自分は思っとります。
ダークエルフ
エルフと比べて魔法類が苦手で、身体能力に優れるとか言われます。
が、そんなのは世界の設定でガラリと変わる。
ダークと言うけど、別に悪い種族って訳じゃない。
肌の色が暗いからダークエルフと呼ばれているだけ。
普通のエルフも、対義語として肌色が明るいエルフなんて呼ばれる事もありますが、別に光輝・神聖だって意味では無い。
作品によって邪悪な存在とかって定義されるダークエルフは仕方ないとしても、ダーク=悪い とは限らないと覚えて下されば大変にありがたい。
彼らは住んでいる場所に影響を受けて、その環境へ適応して枝分かれしただけです。
森以外にも、砂エルフとか山エルフとか海エルフとか街エルフとか、エルフの種類が沢山存在する。
となれば、どうでしょうか?
ダークエルフ=悪い のイメージが払拭されると思いませんか?
ドワーフ
小柄・筋肉質・立派なおヒゲさん・偏屈・樽腹・酒・鉱石掘り・鍛冶・斧
こんな感じでしょうか。
ハードなファンタジーだとドワーフの王国が有ったり、その王国が滅亡して復興の為に散らばって活動していたり、そんなの関係無く鍛冶に没頭していたり。
エルフと同じく、妖精や精霊から派生した種族って設定も見かけたり。
兎にも角にも強烈な個性を発揮している種族。
最大と言っても良い謎は、ドワーフの女性。
存在が曖昧過ぎるんですよね。
だから作品ごとに差が有りすぎて、統一性が全然無くて、これと言ったイメージを出しにくい。
おばあちゃんの年齢になるまで、見た目が幼女だったり。
ヒゲの無い胸の腫れた細身のドワーフだったり。
身長の低い肝っ玉かあちゃんだったり。
ヒゲが生えない位しか、見た目の違いが無かったり。
そもそも女性は存在せず、条件が揃ったら自然発生する生命体だったり。
本当に不思議な種族。
意外なところでは、白雪姫についていたアイツらも、実はドワーフだったとかいう小話も。
本当に本当に不思議な種族。
なおドワーフにも偏見が有って、能力が物理アタッカーや壁役に適したモノと見られがちですが、これもエルフ同様ゲームバランス調整の被害者。
妖精や精霊を先祖に持つ設定を示した通り、魔法も達者であっておかしくない。
むしろ魔法でも鍛冶を行える世界なら、典型的なドワーフが鍛冶に魔法を絡める事に興味を持たない訳がない。
それに高い工業力を持っている設定も有る世界なら、工業力を活かす知識が豊富=機械技術を使いこなす高い知能 になるので、知力が高くないとおかしい。
つまり脳筋種族はあり得ないとなるのです。
ああ、悲しきかなゲームバランスの影響力。
エルフとドワーフの四方山話
ソースは覚えていない。 それが大前提の馬鹿話。
ファンタジー作品でその2つの種族のイメージが固まる代表作が生まれるヒントになったメモ帳から、どうにも日本人が元ネタになったんじゃないかって話が。
ドワーフの偏屈職人は、まんま日本の頑固職人。 西洋人から見れば身長も低いし。
エルフのも、自然に囲まれて、自然からの恵みに日々感謝して生きる真面目で穏やかで慎ましい生き方から、それがヒントになったんじゃないかって。
どれだけ思い上がっているのかって言いたいでしょうが、そうであったなら面白いなと。
ノーム
ドワーフと間違われたり、混同されやすい種族。
違いはノームの方がヒョロヒョロで、筋肉質な体を持っていないイメージです。
ドワーフと同じく地(山)中を棲みかとする種族。
両方が登場する作品では、どうやらドワーフとお互い間違われたり混同されるのがイヤみたいで、それについて怒る描写がよく登場します。
ノームの得意分野は、装飾。
いわゆるアクセサリーや、彫刻なんかの芸術方面への製作を得意とするそうです。
対するドワーフは、武器や防具の見事な飾りには興味を示すが、アクセサリー関係は素材以外は気にしない。 そんな感じでしょうか。
ただお互い酒好きなのは代わり無いし、得意分野も違うしで、根っから嫌う程の相手ではないのでしょう。
酒が入ってしまえば、肩を組んで仲良く騒ぐ様子が見られるとか。
ドワーフに対してハッキリとした区別をつけるために、土の精霊と定義される事もよくある、ドワーフと並ぶなんとも不思議な種族。
ハーフリング
人間の子供みたいな身長しか無い、小柄ですばしっこく、手先が器用でズル賢い。
でも案外信心深くてお人好しな、憎みきれない種族。
とある本では、陽気で家庭的。 臆病な性格だが、やると決めたらとても勇敢で粘り強い戦士へと変わる。 とある。
安定を願う種族であるが、なんだかんだと好奇心の強い種族でもあるらしい。
ぶっちゃけて、この種族で一番向いている役割はシーフとかの斥候役。
体が小さくて隠れやすく、素早く動けて、器用な指先で宝箱の罠も外せる。
隠れた場所から不意討ちとして弓やナイフで攻撃すれば、それは致命の一撃にもなり得る。
そう、根っからの斥候……スカウト役がこの種族。
力は頼りなくとも、それ以外を求める場面ならば、とても頼りになるだろう。
この種族は決まった種族名を持たない。
……いや、持てない。
理由は凄く簡単。
版権や商標と言う名の大人の事情が絡むので、大元の名前を使えないから。
だから皆様。 権利者様の許可無くホとかビとかつく、4文字の種族名を使ってはいけません。
ゴブリン
大抵は戦闘経験の少ない又は無い成人でも、1対1で勝てる程度の弱さである場合が多い。
小柄で醜悪な顔つきをしていて、文化的な生活をしていないので、体臭が非常にクサい。
非常に残忍で残虐な存在。
群れで生活し、繁殖力が極めて高く、大集団になると街ひとつ国ひとつを陥落させられるほどに危険になる。
作品によってメスのゴブリンが存在せず、繁殖するために人類から拐ってきて……なんて胸糞設定もあったりなかったり。
こんなヤツですが、作品によっては、これも亜人として存在したりします。
具体的には、理性があるかどうか。 原始的だろうが何だろうが、道具を使う知性は最初から持ってますし。
実はこいつらは、とある地域では妖精だった存在です。
いつもは姿を隠しヒトを困らせるイタズラばかりするが、本当に困っているヒトの所ではこっそり手伝いをし、助けてくれる妖精。
それがとある宗教の布教の為に、イタズラをする部分を強調され、悪魔へと落とされたそうです。
……個人的な感想だと、妖精だった頃のゴブリンの動きって、まんま子供なんですよね。
だからゴブリン=子供 だと自分は確信しているのですが、当時の悪魔へ落とした連中はどう考えていたんでしょうね?
オーク
肌は緑だったり人肌だったり。
頭が豚で、肥満体の長身。
力持ちで、普通のヒトでは勝てない怖い存在。
アレな本では女性を酷い目に遭わせている代表格ですが、豚の雑食性を考えれば、普通に食肉にするんじゃ? なんて思ってみたり。
ですが、これも結局は理性が有るなら亜人として人類に受け入れられている世界もあり。
頭から豚肉扱いされますが、食えるかどうかは世界の設定やヒト型でも平気で食えるメンタルを持っているかどうか次第。
小話で、オークとエルフの起源が同じ妖精や精霊で、そこから分かれて相争っているとかいないとか。
これを聞くと、ただの同族嫌悪なのかな?
なんて益体もない考えをしてしまう自分。
ほら、きのこ派か、たけのこ派かで戦争するじゃないですか。
そんな感じで、お互いの価値観で少しだけ違う、でもその違いがあるから認められない相手……とかで。
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結局の所、人類なんて物事を考えられて道具を使えて意志疎通できるだけの知性と、社会生活を平穏に営めるだけの理性があれば、どんなのでも人類って受け入れちゃえばいいんじゃね?
そんな暴論をはきたくなった訳です。
特定民族や種族の至上主義とか、○○できる我々こそ最高とか。
そんなんどーでもよくね?
それぞれの得意分野で、それぞれ活躍できればそれで良いんじゃね?
種族の得意分野以外でも、それらに興味のある主流とは違う連中を入れても視野が広がる感じで良いだろうし。
世の平和と発展のために良いようになれば、それで良くね?
非常に厚かましく他者のモノを盗んでは「オレ達が発明した!」とか訳分からんこと言ったり迷惑を振りまくとか、国に居場所が無いの助けて! とか言って他国へ来たのに、その国で我が物顔して「オレ達の国を作る!」とか乗っ取り宣言し出すどーしょもないのは、平和につながりそうも無いからお断りですが。
とか、そんな暴論をはきたくなった訳です。
知ってました?
ゴブリンが妖精の一種だったと。
そして宗教の布教の為に、土着していた宗教等の信仰を貶めて、踏みにじって改変させられた悲しさを。
そんな意味でも、西洋の主要宗教圏でゴブリンが悪者となって、貶められた復讐として残忍で残虐な動きをみせるのも、当然かもしれませんね。