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打撃武器

 打撃武器。

 人類が初めて手にした武器……の石には触れませんが、それ以降で人類が手にした殴り付ける武器のデータ集。


 で、特に自分が覚えとこうかな?

 と思った物の寄せ集め。

 打撃武器。


 鈍器です。

 いわゆる、手で持って殴(())って攻撃する道具(アイテム)類。


 これに拳打(けんだ)用の手や腕に装着する装備の、小手(こて)や手袋、メリケンサックやナックルダスターと呼ばれる補助具まで入れるかは、人によりけり。


 基本は棍棒(こんぼう)やメイスやハンマー等の、棒状で振り回す物。

 その場に置いてある大きな石やレンガ、手に持てる家具やベッドや机の足等、即席で振りかぶって殴り付ける物も鈍器ですね。



 たかが鈍器。 剣の方が強いじゃんなどと、(あなど)ること無かれ。

 硬いもの相手には、むしろ鈍器の方が向いている。

 たとえ切れなくても、叩き付けた際の衝撃が打撃武器の威力なのだ。

 殴った時に起きる衝撃は、鎧から内側の肉体へ伝わり、体の(しん)へダメージを与える。

 頭を殴られてもし脳震盪(のうしんとう)が起きれば、ただ立っている事すら困難になるのだから。




 その中で、有名な物や自分が知っている特殊な物を簡単な解説付きでご紹介。



~~~~~~



棍棒(こんぼう)


 (なぐ)(ため)にある棒。

 それ以上でも、それ以下でもない。


 剣みたく刃を立てないと切れ味が! とかを考えずに、ただ振っているだけでも威力を出せるので、知能の低い人型の魔物や細かく考えるのが苦手な人類に向く武器。


 そう言った印象からよく、ならずものや野蛮(やばん)な存在が持っている武器として愛用される。




木の棍棒


 棍棒と言えばコレってイメージされるほど、代表的な打撃武器。


 ただの木の枝から始まり、持って力を込めやすいよう加工をする経緯を辿(たど)る。

 それから殴り付ける部分の威力を上げる為に、トゲトゲしい形に加工したり。

 金属の欠片(かけら)を棍棒に打ち付けたり、(しば)って固定したり。


 原材料の調達と加工難度の低さから、石と前後か同時かで使われる事になっただろう、原始的な武器。


 拉致(らち)されて、何も持っていない丸腰の状態で見つけた、ベッドの足をもぎ取って即席の棍棒とするシーンも有るかもしれない。


 なお、金属片を巻き付けたりすると“ブラジオン”と呼ばれる事もあるとか。


 それと、杖も一種の棍棒。

 魔法使いとかが何らかの理由で持っているけど、直接殴り付けて攻撃するなら、その時は棍棒と扱いは変わらない。

 杖の詳細については、他の項目で語るかもなのでここではざっくり棍棒として使う場合の話を少しだけ。



メイス


 かなり発達した棍棒。

 木の棒の打撃部に、加工した金属を先端に取り付けた物。

 又は総金属製で、メイスの打撃部を(こぶ)状にして重くした物。


 結局殴打武器だし、大分野蛮な物だと思うだろ?

 でもこれ、西洋の僧侶(そうりょ)御用達(ごようたし)の武器なんだぜ?

 剣で切りつけて、血を流させるのはイカンとして、出血させないメイスは慈愛(じあい)の武器だーとか言って。

 しかもこれはリアルのとある宗教の古い話で、実在したとか。


 そんな訳で骨太ファンタジー世界の回復職(ヒーラー)が剣を使えない理由が前述の通りで、メイスを使うのはそんな事が原因だったとさ。


 ちなみに見事な装飾を(ほどこ)したメイスは王や宗教指導者などが儀礼(ぎれい)用として持っていて、その事から決して野蛮なだけではない武器である。


 そう言った流れから、メイス=聖職者の武器となる。

 なので神に関係して聖なる力を持ったメイスはイメージしやすい。


 神の力が宿ったメイス。

 対アンデッドに有効な金属で鍛えられた、金属メイス。

 聖職者が借りるか(さず)かった神の力を増幅する効果のある金属のメイス。


 逆に神を信じられなくなって、反転して正反対の力を持ってしまった、闇堕ちメイスなんてのも(おつ)


 ネタ枠で凶悪なメイスを紹介。

 打撃部が宗教の象徴となる像(アイドル)になっている、ある意味最強のメイスなんてのもとあるゲームに有りましたね。



 なおメイスに(やいば)をつけた、ソードメイスなんてのもあるそうだけど、詳しい解説はしません。



木剣・木刀(ぼくとう)


 木剣の読み方は“ぼっけん”なのか“もっけん”なのか、よく分からん。 作品で違うし、正確な読み方も調べてないので。


 西洋剣を木の棒で模倣(もほう)して作ったのが木剣。

 刀を木の棒で模倣して作ったのが木刀。


 大体は剣術・刀術の練習用として使われる。

 分類上は打撃武器だし、棍棒の一種となる。

 ……が、ゲームでは剣とか刀の一種として分類される事が多い、不思議と都合に振り回される武器。


 だが、コレが弱い武器なんて誰が決めた?

 ファンタジー素材で鉄より硬い木の木剣とか、世界樹から切り出した木刀とか。

 色々変な能力の付いた木剣・木刀は、さぞ強かろうな。



フレイル


 訳すと、連接棍(れんせつこん)連接棍棒(れんせつこんぼう)となる。

 脱穀(だっこく)などで麦の実なんかを叩くのに使っていた唐棹(からさお)殻竿(からざお)が原形。

 二本の木の棒を(ひも)や鎖やリングでつなげて、片方の棒を握って振り回し、遠心力を味方にする。


 フレイルの仲間に、(チェイン)鉄球(フレイル)がある。

 (むち)みたいに振り回す、棒から伸びる鎖の先に鉄球がついた武器。

 軽いチェインフレイルの場合は複数本の小さな鉄球が繋がっている物もあって、軽いと言えど馬鹿に出来ない強さを持つ。


 なお、鎖で繋がったヌンチャクはこれの仲間。

 紐やリングの場合は普通のフレイルの仲間。


 振り回した事がある人なら分かるだろうが、扱いはとても難しい。

 下手だと振り回した棒で自分を傷付けるなんて当たり前なので。



モール


 メイスの()を長ーーくして、両手でブン回す凶器。

 本来は長柄(ながえ)武器として別項で紹介すべきだけど、都合によりこっちで失礼。

 長い柄(棒)の先に鉄球なんかがついていて、遠心力の助けも有って恐ろしいほどに痛い武器。


 長ーーい分振り回す空間が必要なので、狭い場所で活躍する機会はほぼ無い。


 だが重さと遠心力が十分に使える環境なら、本当に冗談にならない威力となるのは忘れてはならない。



モーニングスター(明星)


 いわゆる、トゲ付き鉄球。


 よく勘違いされるので、これは特別にひとつの枠を使って解説。


 トゲ付き鉄球の見た目が、明星(金星)(一番星)を連想(イメージ)して名付けられた……らしい。

 記憶があいまいで、自信はないけど。


 モーニングスターは()()()()()()()()()()()を指す。


 つまりメイスもモールも、鎖鉄球でも、相手へぶつける部分がトゲ付き鉄球なら全部モーニングスター。


 見た目がモーニングスターなのであって、メイス型じゃないから、モール型じゃないから、チェインフレイル型じゃないから、モーニングスターじゃない!

 なんて決めつけは良くない。



ブラックジャック


 闇医者ではありません。

 これも立派な棍棒の一種。

 こいつは主にならず者や、暗殺者等の隠し武器……暗器(あんき)として使われます。


 どんな武器かと()かれると、実に簡単。

 丈夫な袋状の物に、コインや砂利(じゃり)や小石や鉄球なんかを詰めて、振り回す武器。

 音が出にくく、見た目が中身の詰まった袋なので、武器として見られにくい。

 使用後は中身を財布に戻すなり捨てるなりすれば、武器の範疇(はんちゅう)から外れる物となるので、凶器として特定するのは困難。


 主に対人武器として使われる。

 中身の調達が容易(ようい)で、処理も簡単。

 油断した所を狙って振るわれるので、かなり怖い暗器となる。


 推理小説とかで見たことは有りませんか?

 靴下に魚の水槽の砂利を詰めた物が凶器になるトリックとか。

 それもブラックジャック。 現代でも、とても身近な危険物です。

 もしこれをこうして知ったからと言って、気軽にやってみようとしてはいけません。

 本気で、冗談抜きの凶器ですので。



十手(じって)


 江戸時代に、十手持ちとか呼ばれている岡っ引(おかっぴき)が持っているアレ。

 45~60㎝位の金属の棒に、(かぎ)が付いた一種の警棒。

 刀から守るもヨシ、殴ってヨシ、突いてヨシ、守りながら相手に組み付いて投げたり関節を()めたりして制圧するもヨシの万能打撃武器。

 かなり便利に使える道具みたいで、これ一本で()人の()分の働きをするから十手なんだとか。


 ちなみに㍍越えの長い十手もあるそうで、そちらは対長物用の使い所も制限されている特別製とかって調べたら出てきた。



特殊警棒


 いきなり時代とか文明が飛んだ?

 いやいや、時代や呼び方は違えど、昔からありますよ?


 鉄鞭(てつべん)って知りません?

 いわゆる鉄の棒。 鉄パイプも棍棒として振り回せはするけど、それとは別の物。

 それなので、形状が少し変わっても似たようなのは、金属を使う文明である限りいつの時代でも存在するのです。


 少し脇道に()れますが、せっかく鉄鞭が出たのでご紹介。

 日本の時代劇で、同心って現在の警察みたいな事をしていた人が、捕まえた人を尋問(じんもん)(?)するのに使ってた物。

 竹刀(しない)みたいな竹の束。 それを叩きつけて「本当の事を吐け(話せ)!」とやっているシーンを知りませんか?

 アレの名前は(むち)

 笞なんです。 鉄鞭と似た使い方でもあります。


 特殊警棒(これ)も一種の棍棒。 文明が進んでも、棍棒は古くからの人間の友。

 有効な道具って訳ですよ。



スタンロッド(ロッド・スタンガン) 又は スタンバトン


 これも文明の産物。

 警棒とかそう言った物に、スタンガンと同等の電気を流して使う。

 自衛や非殺傷で悪漢(あっかん)等を制圧する際に使われる。


 これは文明の産物だけど、魔法を金属の棒に(まと)わせれば、ファンタジー世界でも同じ使い方が出来る。




ハンマー


 木槌(きづち)金槌(かなづち)問わず。

 棒の先に、打面(だめん)のある殴りやすい形をした重い頭がついているもの。

 主に大工(だいく)仕事で、木に(くぎ)を打ち付けたりするのに使う道具。

 ふたつの打面は同じではない。

 片方は平らで、もう片方は丸くなっている。

 打ち込む釘の刺さり具合で使い分けるのだとか。


 つまり“殴り付ける”のに向いた道具であり、使い方次第(しだい)では人を傷付けてしまう事もある。


 その危険性に目をつけ、武器として改造したのが戦槌(せんつい)ウォーハンマーと呼ばれる物。

 打面がふたつあるのは無駄だとして、片面が鶴嘴(ピッケル・ピック)みたいになっている。

 全身(フル)板金(プレート)(アーマー)を軽くへこませる槌と、鎧を貫通するピック。

 ただ殴り付けるだけなのに、その破壊力は正に脅威(きょうい)である。


 ()()ネタ枠だけど、肉叩き(ミート)ハンマーなんてのも。

 料理で肉の筋を切るのにも使う、お肉が柔らかくなると言われるハンマー。

 これを大きくして“人間の”お肉を調理するハンマーとして、悪趣味すぎるブラックジョークな武器ともなる。

 こんなのを好んでヒトに使うキャラを作り、狂った(マッドネス)シェフとして設定すると、シナリオにヤバ味を簡単に付けられるでしょう。


 ピックではなく(おの)の刃になっている物もあり、それは様々な名前で呼ばれていて、統一性が無い。

 代表としては、タクティカルハンマー、ハンマックス、ハチェットハンマー、レスキューハンマー、サバイバルアックス等。


 基本は片手武器なのだが、破壊力を求めて大型化する奴も当然現れる。

 その時の両手持ちじゃないと使えない大きなタイプは、頭に“グレート”とかつけておけば大体通じる。


 例としては、大剣(グレートソード)大斧(グレートアックス)万里の長城(グレートウォール)

 OH(おぅふ)……GREAT(大きいでござる)



その他


 原始的な武器の石。 大きいのを叩きつければ立派な凶器、小さいのを手で握って殴るだけで威力増強、投げれば当たりどころでは目が潰れたり気絶したり。 油断は禁物。


 伝説の武具。 あまり無いですよね。 見栄えが良くないからかな?(ため息)

 雷を()びたハンマーがミョルニルで、有名なのはその位?


 金色のハンマー。 有る意味最強武器扱い? 気絶属性が付与されたり、殴った相手を光に変えたり。


 ピコピコ音のするハンマー。 有名なRPGでは技として、とある会社のDRPGシリーズではお馴染みの武器として、愛用されるブツ。

 特にDRPGの方では付与された行動不能(スタン)効果が一部のボスにも有効で、攻撃で敵の多くにスタンをばらまけるキャラに持たせると、凶悪。


 トンファー。 昔はトンファーと言えばキック!

 腕の長さ()()の棒に、持ち手となる取っ手を棒から直角に取り付けたやつを2本1組にした物。

 攻防一体の武器で、変幻自在なトンファーさばきは見るヒトを魅了(みりょう)する。

 ……らしい。 私見でどうしても強いと思えず、なんとも言いにくい武器。

 ただ一言、棍棒といっても種類があったり。


 たかが打撃武器と思われても、実は奥深いものであったり。


 案外侮れないカテゴリーなんです。

 打撃武器って。

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― 新着の感想 ―
[一言] ビームジャベリン(初代〇ンダム)はモーニングスターに入るのでしょうかね。あれも先端はトゲドケ
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