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ドナルドの悲劇

今まで投稿してから修正していましたが、マイページで見ると直ってないので、校正してから投稿することにしました。それが本来本当なのでしょうね。

 俺は水魔法で空の水筒の中に水を一杯に入れた。

 今日は薬草も早めに集めることができたので昼前だが帰ろうと思う。

 それで俺はカップに入れた水に茶葉を入れ、魔力操作で分子運動を激しく起こした。すると水はお湯になりお茶の香りがして来た。

 水を湯にするには水の分子運動を促せば良いのだ。

 そして水は空気と違い圧縮できない。水が一番体積が最小になるのは4°Cの時だ。

 そのとき1ccの水が1gになるのだ。

 俺は水を圧縮して最小の状態にしてからその体積が1,1111……倍に限りなくなるように少し圧力を緩めるのだ。すると水は氷になる。

 氷になる前に尖った形にすればアイスアローとかアイスランスになるが、それを飛ばすのには魔力操作が必要だ。それも随分苦労した。そして更にあのアンさんが出した霧、いわゆる『フォッグ』という魔法だが、魔力操作で霧吹きスプレーのように発生させるのには試行錯誤をしてかなり苦労した。

 それと熱い水蒸気を作るのとはまた全然別な方法になる。

 お湯を作る方法を進めて沸騰から気化するように持って行くのだ。これは気を付けないとやけどをする。ファイヤーボールほどではないが、スティーム攻撃に使えると思う。但し沸騰させて気化させるまでに時間がかかりすぎるという難点があるから実戦向きではない。

 そして俺はさらに実用的な応用を考えた。

 まず『血抜き』と『脱水』だ。水を魔力操作で動かすテクニックで、狩で獲った獲物の血を動かし、スピーディに血を排出する方法だ。これは血管の配置をある程度把握しないと難しいのだ。だから若干『呼び水』ではないが水を血管に流して血の流れを促進させる方法をとる。

 『脱水』というのは『乾燥』とほぼ同義になるけど、洗濯物を乾かしたり、ドライフルーツや乾燥野菜、乾燥肉を手早く作ることができるのだ。

 それと獣や魔獣を狩ったときに『皮剥ぎ』というのがあるが、実はこれは水魔法を魔力操作することによってできるのだ。皮と脂肪の層を水で剥がすようにすると綺麗に皮が剥げるのだ。

 そしてとっておきなのはちょっと難しいが、『クリーン』だ。お湯を作ること、それを衣服や皮膚や髪全部にわたって魔力操作で振動を与えて泡のようにしゴミや汚れや角質を剥がすこと、そしてそれをゆすいで洗い流し、その後『脱水』『乾燥』することが俺なりの『クリーン』だ。

 お湯を使うのである意味『入浴』に近い安楽感がある。

 俺は水魔法こそすべての属性魔法の中で最も活用範囲の広い魔法だと思った。


 ところで俺は街に戻ったとき、広場で例の大道芸をやっていた。俺はあの水芸が結構気に入っていたので、見物客の輪の中に入った。

 老人の口上で剣を使った二人の少年の剣舞と軽業、そして少女の歌と女性の舞が終わったところで、少女が楽器を持って、女性がゆったりした舞をつけながら、そのBGMでアンさんが歌うように語り出した。

 

 「皆さん、この数日の間私たちの芸を堪能していただきありがとうございました。

 けれどもそれも今日が最終日、この後私たちはまた別の都市や町や村を旅して行くことになります。

 今まで応援して下さった、みなさん本当にありがとうございます。

 そしてそれとは別に私たちが感謝の気持ちを特別に捧げたい方が、恐らくこの都市にいるのです。

 その為に、私たちはある出来事を紹介しなければなりません。

 実はこれは私たちが本当に経験した、嘘のような本当の話です。

 そのとき出くわしたあるできごとはきっと一生忘れないと思います。


 都市から都市へ町から村へ歩き回る私たちは旅の大道芸人です。荷物も多いので私たちはご覧のような荷車を引きながら移動致します。

 

 そしてこの都市の近くになって森の中で野営をし休憩することになりました。

 テントも張り、食事も作ってほっと一息ついたとき何があったと思います?


 恐ろしく逞しい男性たちが武装して私たちを囲んだのです。

 急に現れたその男たちは二人が剣を持ち二人が槍を、そして後の二人は弓矢をもっていました。

 御覧の通り私たちは老人と少年と女だけの所帯です。

 そして彼らは驚くようなことを言ったのです。

 彼らは私たちの持ち物やお金を要求しただけでなく、体も命もすべて差し出してもらうというのです。言うことをきけば苦しまずに死なせてやるとも。

 彼らは盗賊ではないのです。どうやら冒険者のようなのです。こちらにいる代表のお爺さんが、なんとか説得しようとしましたが、それもむなしく向こうは怒鳴りつけるとお爺さんを殴り倒しました。そして二人の少年がかかって行くと、二人とも蹴り飛ばしました。そして大男が六人で残りの私ども女たちの方に来たので、私は無我夢中で……ほら……こういう風に霧を出したのです。今少しだけ出してやめましたが、そのときは辺りが真っ白で見えなくなるほど濃い霧をたくさん出したのです。

 さあ、ここからが大切なところです。その次に何が起きたと思いますか?

 ある方向から疾風のように誰かがやって来て、男たちを襲い次から次に倒して行ったのです。それはどうやらこの旅芸人一座の少年たちくらいの体格で、男女の区別もわかりません。ですがどう考えても足音や息遣いや気配からすると一人のようでした。

 その方はどうやら最初に男たちに目潰しを食らわしたようで、霧で視界が悪いとはいえその分有利に動いたようです。

 けれども多勢に無勢きっと逆に殺されてしまうのではないかと、私は応援の積りで必死に霧を出し続けました。そして恐らく最後の男をその方が倒した時でしょうか、私は魔力切れで気が遠くなりたおれそうになりました。

 すると私を抱きとめた手があったのです。

 その方は私を地面にそっと横たえると、また姿をくらましました。

 後は一座の仲間が私を助け起こしてくれ、私は霧を飛ばしました。

 すると私たちを襲った六人の男たちは全員こときれていました。

 中には首から槍を突かれてそれが頭の上に突き出たままの死体もありました。でもどうして私たちを助けて下さった方がその場を去ったのでしょうか?

 そして私は最初その方が駆けつけて来た方向を捜してみました。足跡を見ると本当に小柄な体格だと思います。

 そして発見したのです。詳しくは言えませんがその方の持ち物と思われるものがそのまま置いてあったのです。

 そしてどうしてその方がそのままそこを去ったのか理由が分かったような気になりました。

 私はその方の持ち物に感謝に意味を込めて、あるものを書きました。それが言葉なのか絵なのか印なのかは言えません。

 その方だけが知っていることです。そしてこの場でその方に言いたいと思います。ありがとうございました。

 さあ、この話はこれで終わりです。皆さんは今の話本当の話だと思いましたか?

 でも私たちは旅から旅を渡り歩く根無し草のような者たちです。どこまでが本当でどこまでが作り話かそれは永遠の謎ってことにしておきましょう。

 それでは最後に私の水芸をご披露してお開きにしたいと思います」

 それから例の水芸が始まったが、俺はそれを見る為にここに立っているのに、殆ど見ていなかったと思う。

 俺はそっと自分のバックパックを外し、こっそり調べてみた。いったい何を書いたんだろう。俺は気づかなかったから、きっと小さな印をバックパックの底の方に書いたに違いない。

 だが結構汚れることがあったから何度も『クリーン』で洗っているから、消えて見えなくなったのかもしれない。

 それにしても俺の持ち物を見ただけで、どうして俺が正体を明かさずに立ち去ったのか分かったと言ったがどういう意味だろう。あのときはバックパックの中には採集した薬草があった筈だ。

 そうか……薬草集めは低ランクの冒険者がするクエストだ。しかもソロでやっている。一方持ち物装備を見ても『屈強の刃』は高ランクパーティであることは明らかだ。となるとギルドでの信頼度が格段の差があるから、正直なことを言っても信じて貰えないと考えて立ち去ったのだろうと推理したのか?

 俺は静かにそこを離れて宿に戻った。

 すると宿のおかみさんが俺の部屋に来て言った。

「トムさん、あんたにお客さんだよ」

 俺は誰かと思ってドアを開けると入って来たのはアンさんほか二人の女性だった。

 


 アンさんは言った。

「そう……あなたが言うように、私も薬草を見てGランクくらいの冒険者だと思ったの。しかもソロで動いていたから、低ランクでぼっちの子なら、彼の言うことを誰も信じないというリスクがある。だから正体を隠した。私たちも敢えてそのことを考えてギルドにあいつらのことを訴えなかった。どうせ奴らは死んだのだから。

 髪の毛の色とか体格とかでしかも低ランカーということで、私たちの恩人はあなたではないかってすぐに分かったよ。

 でも決定的な確証がなかった。そこで今日あの茶番をやったの。私は水芸をしながらあなたの様子を見てました。

 すると一生懸命バックパックを調べていましたね。それで分かったのです。ごめんなさい。あれはトラップなんです。そんな言葉も印も何も書いてません。あなたは私たちの命の恩人です。何をお礼に差し上げますか? お金と言ってもこの町で投げ銭で稼いだお金は安宿に泊まっても残りは僅かです。

 だからどうして女だけでここに来たか分かりますね?

 この中から選んでくださっても良いですし、全員でも構いません。今日はこのまま泊りがけでご奉仕しても良いです。私たちのうち二人は男を知っていますが、この子はまだおぼこです。でも本人は覚悟してますので、どうぞ気になさらずに」

 そうか、そうなるのか。結局体でしかお礼をできないということか。正直俺は心が揺らいだ。主に前世の俺なら全員オーケーだし、トムも結構心が揺れている。でもエドワードは拒否していた。十才のしかも潔癖なエドワードは『据え膳食わぬは……』の考えは受け入れないのだ。だから俺は彼の考えを尊重した。

「ありがとう。でもその気持ちだけで結構だ。あの時はどうも俺が見ていたことをやつらの誰かが気づいて知らないふりをしていたのだと思う。だからやつらを殺さなければ俺がきっと後で殺されていたと思う。あれは俺自身の命を守るためにしたことで、あんたたちのことなんかどうでも良かったんだ」

「なるほど、私が倒れかけたときに抱きとめてそっと寝かせてくれたのもご自分のためというのですね」

「ああ、そうだ。あそこで良い人を演じておけば、俺の望むことを察して、放っておいてくれると思った。だから今のこれは余計なんだ。もう帰ってくれ。女には不自由してないし、その子なんか頂いてしまえば悲しむ奴がいそうで、とっても手を出す気になれない」

「そういう訳にいかないのはあなたもお分かりになるでしょう。私たちはしがない旅芸人だけど、人から恩を受けておいて知らん顔できるような恩知らずじゃないんですよ」

「わかった。でも六人のうち女のあんたたちだけというのも変な話だ。そんなに感謝したかったら六人全員で俺を歓待して呉れりゃ良いじゃないか」

「えっ、トムさん、あなたは両刀使いなんですか? しかも守備範囲がそんなに広いなんて」

「おいおい、なに勘違いしてるんだ。六人と一緒に何かうまいものを食べさせてくれって言ってるんだよ。あと一人ずつ俺と握手してお礼でも言えば良いんじゃないか?」

 その結果俺は彼らに招待されてちょっと高めのレストランでおいしいものをたくさん食べることになった。

 そして最後に一人ずつ握手してもらってお礼の言葉を貰った。あっ、アンさんだけは握手を断った。その代わりハグをリクエストしたよ。


 その後で自分を鑑定したら以下のようになった。

氏名:トム(エドワード・キャンティ)

年齢:15才

性別:男性

種族:人族

(中略) 

スキル:模倣。剣術。槍術。弓術。格闘術。鑑定。剛力。歌唱。舞踊。交渉。初級水魔法。魔力操作。


 アンさんの初級水魔法と魔力操作に加えて少女の歌唱、女性の舞踊、老人の交渉が握手のお陰で増えていた。

 よく分からないのが槍術と弓術だ。俺は奴らに触ってない。

 しいていえば、彼らの返り血はあびているので、それでもコピーができるのかと思った。

 後日談になるが、ギルドの方に旅芸人の『ある出来事』の話が伝わった。

 よそから来た旅芸人が『屈強の刃』の武器の構成を知っている訳がないので、これは実話ではないかということになった。

 しかも一人が首から頭頂部にかけて槍で貫かれたというのも白骨死体の頭蓋骨にそういう穴があったことから、ますます真実味を帯びて来たのだ。

 そして『屈強の刃』には表の顔と裏の顔があったという事実が浮かび上がってきたのだ。

 けれども彼らはギルドの顔ともいうべき高ランク冒険者だったため、ギルドそのもののイメージダウンになるということで、ごく上の者だけにその共通理解が持たれるのみにとどまった。だが問題は誰が『屈強の刃』を殺したのかという謎だ。

当然体格や年齢から俺も容疑者の中に入ったし、「お前じゃないだろうな?」くらいの尋問はされた。だがゴブリン14匹討伐しても3匹分の耳しか出さなかった俺の深謀遠慮がここに効を奏した。俺は近頃になってようやくゴブリン2匹とやり合ってなんとか勝てるようになったことになってるのだ。だから誰も俺の偽の実力を疑う者はいないのだ。

 そしてどういう訳かたった4年でDランクになった16才のドナルドという少年が最有力候補になったのだ。


 そうなった経緯を複数の冷静な観察者たちが推理したものを総合すれば以下のようになる。


 彼はDランクパーティ『夜明けの星』のリーダーでもあるが、ときどきソロでも活動することがある。例の事件があった日彼はパーティを休みにして自由行動にしている。だから彼が一人で常時依頼のクエストをしに森に行ったという可能性もある訳だ。その日はギルドに顔を出していないが、町でも見かけたという目撃談もない。

 王都の門番は兵士が交替ででているが、いちいち門を出入りする冒険者の顔まで覚えていない。

 Cランク一人とDランク5人のパーティを全滅させるのは至難の業だが、ドナルドだったらありえないことでもない。

 普通順調な感じでもGからFにランクアップするには1年、さらにFからEにあがるには2年、EからDにあがるときには三年かかるというのが通説なのだ。だから12才に登録したとしても、運が良くても最低6年、つまり最低18才まではDランクに上がらないとされている。  

 それでも才能があって、良いパーティ仲間に恵まれて運が良い場合でもそれだけかかるのに、彼は最初の2年で冒険者としては一人前とされるEランクにあがり、それからたった2年でベテランといわれるDランクまで駆け上がったのだ。

『夜明けの星』には女性冒険者が2名もいる。そんな彼が『屈強の刃』の暴挙を見れば、なんとしても女性たちを助けたいと思ったのも頷ける。そして幾ら彼でも六人の男たち相手に無謀にも仲裁にはいることはできなかったろう。何故なら彼らのやろうとしていることは強盗殺人であり、たとえ未遂でも重罪に問われる行為だからだ。だから第三者に見られたと分かった時点で目撃者を殺そうとするだろう。

 でもそのときアンという女性が白い霧を発生させて男たちの視界を奪った。

 彼は土くれを掴んでそれを目潰しにして奇襲をかけたものと思われる。姿勢を低くして移動すれば彼はかなり小柄なので気づかれるのが遅くなるだろう。

 そして、男たちはわりと固まっていたので無暗に武器を振り回せない。味方に当たったら困るからだ。その点ドナルドは自分以外のものを襲えばいい。手加減したら自分が危ないから確実に致命傷を与えて行ったに違いない。一人の頭蓋骨は槍で貫通した跡があるので、同士討ちもあったのだろう。白い霧、目潰し、小柄な体格、同士討ちさせうる条件、奇襲などなどがすべて彼に有利に働いたということだ。

 けれども同じ冒険者が冒険者を殺したとなれば、都合が悪いのでそのまま姿を消したと考える。きっと旅芸人が離れた木の根元で見つけたものは冒険者を示す持ち物だったのだろう。

 また『屈強の刃』の表の顔が非常に模範的な冒険者のそれだったので、それも自分が名乗り出ることを躊躇った理由なのだろう。


 以上のことがあちらこちらに広がり、それが本人を避けて周囲に公然の事実として浸透していったのだ。


 ドナルドはそれを同じパーティメンバーに聞かされたとき、本気で否定した。

 だが周囲はそれが彼の奥ゆかしさだと捉え、彼を英雄に祭り上げて行った。

 そのうち彼はそのことを積極的に否定することをやめた。

 何故ならそれ以前も彼は冒険者として有望株として女性に人気があったが、ちょっとモテる男から『アイドル』的な存在になって行ったからだ。色々な女性に憧れの眼差しを向けられることほど気持ちが浮き立つものはない。だから彼は無意識に自分はそうではないと告げる時も暗に『本当はそうなんだけれど』という含みを持たせた表情や表現をするようになった。

 彼はパーティが休みの時に自分だけソロで出かけるときがある。そうやって精進してるからこその異例のランクアップのスピードだったのだろう。

 彼は特に卑怯な人間でも、人の手柄をとったり、嘘をついたりするような人間ではない。

 ただあまりにも周りがそうだろうそうだろうと騒ぎ立て自分を担ぎ上げたり、憧れの目で見つめられたりすると、否定することが周囲の期待を裏切るようでついつい弱腰になってしまっただけなのだ。


 本当に彼こそいい迷惑だったに違いない。ある日彼は森の中で独りの見慣れない男に声をかけられた。中年の男だが薬草を集める籠を背負っている。他にも薬を入れるバッグなど持っていているので『旅の薬師』という感じだった。

「冒険者の方ですか? あっしはギブソンという者で」

「ああこれは、俺はDランク冒険者のドナルドとい……」

 そのときドナルドは顔に何かをかけられた。するとその液体が目や鼻に入ると激しい痛みで悲鳴をあげて地面を転がりまわった。

「お前に殺されたロブソンの兄貴だ。南蛮液の目潰しだ。ほんのお返しだと思え」

 それから軽くドナルドの腕をナイフで切った。

「毒のついたナイフだ。これで苦しみながら死んで行ってくれ。最後はゴブリンか魔獣の餌になるがいい」

 ギブソンという男はそのまま立ち去った。

 ドナルドの白骨死体が発見されたのは、それから三日後のことだった。

 彼はとても運が悪かったのである。


 俺はドナルドが森で不審死をしたと聞いて、共同墓地に埋められた彼に向かって花を手向けた。それを見ていた少女が俺に声をかけた。

「兄のドナルドとお知り合いだったのですか?」

 俺は無意識に彼女から目を背けていたと思う。

「ええ……彼には口ではいえないほどお世話になったんです」

「私はドナルドの妹のキンバリーです。あなたは?」

「Fランクの冒険者のトムと言います。突然のことでお悔やみ申します」

「トムさんのことは兄から聞いていませんでした。宜しかったら兄のことをお聞かせくださいませんか?」

 俺は背中に冷たい汗が流れるのを感じた。どうしよう? 

更新がどん亀になってます。すみません。

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