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あなたにインタビュー〈桜井優馬〉編

 コン、コン、とノックの音が二回響いた。どうぞ、と言うとドアが開き、青年が「どーも」と軽く会釈をして部屋に入ってきた。


「初めまして。桜井優馬です」


 服装に関しては特に気を使わなくても良いとは言ったが、僕は思わず笑ってしまいそうになった。優馬くんは、日曜日の朝に起きてから部屋着に着替え、そのままコンビニに買い物に出かけたみたいな格好をしていたのだ。僕の視線に気付いてか、優馬くんははにかむように笑った。


「できれば畏まった服よりも、いつも外出するときみたいな服が良いって聞いたから、これで来たんですけど」

「友達と遊ぶときも、いつもそんな感じなんですね」

「いや、友達いないんで、そこらへんはよくわからないんですけど」


 そんなことを平然と言ってのけ、僕が促すと、優馬くんは椅子に座った。

 君のことを小説にしたいから、インタビューを引き受けてくれないか、と依頼をしたのだが、初めは断られてしまった。しかし、彼の家族全員が快く引き受けてくれたので、優馬くんもしぶしぶ首を縦に振ったのだ。そして、優馬くんにとある会社の一室まで足を運んでもらい、今回のインタビューが実現したのだ。


「皮肉じゃなくて、僕もその方が嬉しいですよ。全員が全員、スーツを着て登場なんて言ったらつまらないですからね」

「っていう皮肉ですか?」

「バレました?」


 冗談らしい笑みをこぼしながら言うと、優馬くんはぷっと噴き出した。


「まあ、とりあえず、どれだけ面白いことを語れるかわからないけど、よろしくお願いします」

「こちらこそ、よろしくお願いします」


× × ×


★好きなこと、もの:

・漫画、アニメ、ゲーム、読書全般……こう言うと廃人っぽく思われそうですけど、これでも時間は守っているんですよ。すみれちゃんにそう言われているから、破ったらどうなることか……(震え声)。

・あと、一人カラオケとかも好きですね。「一人」カラオケですよ? みんなに気を使いながら歌を歌うの、あんまり好きじゃないんで。




★嫌いなこと、もの:

・みんなで協力して何とか!、みたいなノリはあんまり得意じゃありませんね。だって、そういうのって、その意見が正しいか正しくないかはさておいて、とりあえず口が上手い人の意見が通っちゃうじゃないですか。その感じが、どうも納得いかなくて。




★好きな食べ物:

・何かひとつだけを挙げろって言われたら、そうですね……、すみれちゃんの作ってくれた唐揚げかな。その他には……すみれちゃんの作ってくれた味噌汁と、すみれちゃんの作ってくれた卵焼きと、それから……。




★嫌いな食べ物:

・たまに賞味期限切れた物でも平気で食う奴いるじゃないですか。俺は絶対無理ですね。




★習慣、癖:(口癖。毎朝8時に起きる。〜を前にすると…になる。etc)

・習慣……何だろう。笑 強いて言えば、起きる時間と寝る時間は大体一緒ですね。あと、寝る前に小説読んだりします。




★その他:

・最近、居候みたいなのがうちに転がりこんできて、あ、居候って言っても、向かいの家に住んでる奴なんですけど、朝ご飯とか夜ご飯とかいつもうちで食べるし、日曜日とか何故かうちにいるときもあるし……。で、そいつ、俺に結婚を申し込んでくる神様なんですけど、神様を天国に戻す方法って、なんか知ってます?

・ティナは、可愛いっちゃ可愛いけど、俺は結婚願望がとにかくないんですよ。笑 一人で気ままに生きていきたいんです。


× × ×


「本日はわざわざお越しいただき、ありがとうございます」


 僕は立ち上がり、優馬くんに頭を下げた。すると、優馬くんも照れたように笑った。


「どうせ暇なんで、あんまり気にしないでください」

「これから、何か予定でもあるんですか?」

「家に帰って、本でも読もうかなって思ってます」


 そう言って、優馬くんは次に苦虫を噛み潰したような顔をした。


「……ティナの邪魔さえ入らなければ、ね」


 今回の「あなたにインタビュー」なんですけど、僕が気まぐれで作ったおまけみたいなものです。だから、まだ実験段階だし、内容も薄いかなあ、という感じはします。あるいは、この優馬編が最初で最後になるかもしれません。笑

 そもそも、この小説はとにかくキャラクターに「色」を付ける(つまりキャラクターの個性を重視する)ことをテーマにしていて、そのあたりを試行錯誤して悩んではいたんです。インタビューするノリでキャラクターに喋らせてみて、それを作品の一部にできないかなあと考えていました。もともとテンプレの質問の内容があって、そこにちょっと文章を書き加えたようなものです。だから、実際に書いて「薄いなー。笑」とは思いましたが、何でしょう、せっかくなので成仏してやりたいと思って載せました。本当におまけ程度の気持ちで読んでくださったら嬉しいです。

 ちょっと長いあとがきまで読んでいただいた方は、ありがとうございます。それでは、失礼します。


〈お知らせ〉


 「第七話 優馬と雪菜の初デート(?)」で第一部的な部分は終わりです。

 言い訳になりますが、最近ちょっとスランプ気味で筆が進まず、次回の更新は少し遅れてしまうかもしれません。読んでいただいている方には、大変申し訳ありません……。完結はさせるつもりではいますが、これから一話ごとの間隔が空いてしまうかもしれません、ということを一応お知らせさせていただきます。


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