表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あやしい影に転生しました ~自己主張できない周囲に流され系だった不遇モブが、異世界デビューで思いつくまま気の向くままに投げっぱなしジャーマンする話~  作者: yatacrow
最終章 あやしい影に転生してました

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

57/59

第56話 あやしいサプライズ


 ピンチをチャンスに!?


 えーと、状況整理すると俺の命はママンの手のひらの上、ソニアとハルピは宙にいるけど動けない、幻ハー君はさっきの光で消されてしもうた。


 俺に出来ること、影を伸ばしたいが現状は床についてないから移動無理、手のひらの影には……入れない! それじゃ転移――


「ふふっ、私の手のひらからは逃げられないわよ? 転移って触れている者も一緒についていけるのよ?」


 まじか! 検証って大事!?


「くぁ! 今、シェイド様が自分だけ逃げようとしたっす!」


「マスターは自分が良ければそれでいいですから……」


 いや、その通りだけど口に出されるのは気まずい!


 とりあえず話せるように人化しておこうって影人形の頭部だけ手のひらに出てきた。


「うわ、キモ……」


 誰だ、今の声!?


「お、俺を破壊するとカタストロフ先輩が黙ってないぞ!」


「ふん! 魔王が出てくるなら望むところよ、早く魔王を引っ張りだしてハー君を銀河最強の戦士にするの……」


 丸いピンク風船キャラの物語に登場する奴や!


 ママンの野望がとどまるところを知らない!


「この世界でも銀河とか知ってる奴がいるとは……」


「私の家系は勇者なのよ? それぐらいのえーと知識チート? は知ってるわよ」


 その知識を生かせば……あ、銀河なんてこの世界の人には分からないか。


 それに()()()()()()のせいか異世界知識は何をやってもうまくいかないんだよな。


「さあ、無駄話はおしまい。ハー君、ママが粉々にするから最後にその剣で一太刀入れてね?」


 いや、粉々の時点で俺は死んでるような。


 うぐっ! ママンの握力ヤバっ! 核……が悲鳴を上げてる、超痛い!!


「これでハー君はギャラクティ●クナイトに、私はその母親になる――」


「う~ん、不快? この辺りかなぁ~? 死んで。【聖天雷連】――」


 ヤバい気配が来たっ! と思った瞬間、落雷がローマン城に落ちまくる!


 説明しよう!


 お天使ちゃんであるアンゼリカはヨウスフィアの名前を俺が心の中でこっそり呼んだとしても、不快電波が発生するとかで俺を駆除するために何処からともなく無差別聖雷を落としてくるイカれたレディだ!


 聖雷はママンを避けて落ちてくるから、ママンの手のひらにいる俺もノーダメージ、イカれ天使ちゃん、ありがとう!


 聖雷は当たらなくても落ちてくるのが天井部分、あーいい天気だ。


 ローマン城の屋根が破壊されて青空が広がる、遠くに小さく天使ちゃんが見えるけどあんな遠距離から攻撃されたとか怖い。


 破壊された天井部分はママンにもハー君にも平等に落ちてくる。


「きゃあ! なに!? ちょっと危なっ! ハー君、こっちに来て!」


 ハー君に気を取られて俺から意識が外れた今が大チャンス! 【変形・トゲ】――


「痛っ!」


 手のひらにトゲを刺して離脱からの――


「そんなに魔王に会いたいなら会わせてやるよ! 一か八かの大勝負! 【実体化】――」


――どくんっ!


 ぐっ! 魔素がすげぇ持ってかれる!


――どくんっ!


 手綱を引けない……意識持ってかれるんだけど。


――どくんっ!


 ぐえぇ、結局やっぱり実体化って俺が実体化出来るスキルじゃないのね!


 完全な地雷スキル……。


 俺の魔素が一ヶ所に集まって、だんだんと人形になっていく……きついぞこれ!?


 ……俺の本体が野球ボールサイズになって来たところで手持ちの魔素が切れた。


「ハー君、今よ! そこのぐるぐるに魔王殺しの剣を刺して!」


 おい、ラスボス降臨の演出中にお約束破りの攻撃はやめてさしあげろ!


 といっても俺が実体化するわけじゃないから、俺ももうどうでもいいけど!


「マスター! こちらのシェルターにどうぞ!」


 おう、ソニアがシェルターとかいう安全そうな箱を出してきてる、どこから出したのか分からんが避難じゃー!!


 ちなみに、ハー君は状況が飲み込めてないせいで動けない。


 ぐるぐる魔素は大きな山羊角に苦労したのか顔まで完成したあとはゆっくりと身体を形成し始めた、ここから攻撃しても手遅れだと思う。


 金色のトカゲ眼が二つ、額に一つの三只眼吽迦羅(さんじあんうんから)仕様、酸いも甘いも吸い分けそうなデカっ鼻、口を閉じると飛び出す大きな犬歯が上下ににょっきにょき、あの外に出てる牙って乾かないのかね?


 皮膚は青色、むきむきの首が……って実況してる場合じゃないわ、さっさとシェルターに――


「ふはははっ! よくここまで魔素を集めてくれた。我が下僕、シェイドよ! 貴様は我の予想を超える動きをしてくれた。よくやってくれた! 褒美をやろう」


 あ、最近ずっと実体化しろってしつこかった本能さんの声だ。


 今さらだけど俺の本能って魔王だったのか。


 とりあえず褒美をくれるならシェルターに乗り込む前に貰いたい!


「って誰が下僕じゃ! ちなみに褒美って何くれんの?」


「褒美はな、これまでの無軌道な暴走、我の名を不当に語り、不当に貶めた無礼、その他色々の罪で死ぬより辛い地獄を見せるところだが、一発で楽に消滅させてやろうと思う」


「ありがとうございます! 一発で楽に消滅……推定死罪? うおぉい! ざけんなっ! 執行猶予くれや」


 いや、執行猶予じゃねえわ。


 金銀財宝酒池肉林のご褒美くれないと割りに合わんぞ!


「あれれ~? 魔王復活? キモい~から溶けて? 【聖強酸雨】――」


「勝手に話し込まないでもらえるかしらぁ!」


 天使ちゃん、何でも聖を付ければいい感じの技になるとでも?


 強酸の雨とかヤバいの降らすなよ!


 ソニアたち大丈夫か? おお、傘とか持ってるし準備がいい。


 ママンたちは……、あ、聖気絡みで大丈夫か、てことは俺と魔王だけかよ!


「むぅ? うるさい羽虫に、貴様は我を封印したクソどもの臭いがする。よかろう、シェイドを片付けたら貴様らの番――」


 待て待て! 優先順位なんで俺から?


「ま、魔王様! 今は私への処罰よりコイツらを先に倒すべきでは?」


 とりあえず擦り付けよう。


「いや、まずは貴様の中にある魔物たちの核を貰いたい」


「うわーん! ソニア、助けてぇ!」


「マスター、こちらへ」


 ごろごろ転がってシェルターにイーン!


 ソニアもハルピも笑顔でお迎え、うん、可愛い。


 ばたんっと蓋を閉められたけど、ずいぶん真っ白い箱だな……。


「ふっ、そんなところに逃げても無駄だ。そろそろ我の肉体も完成……あれ?」


 箱の外からアホの声が聞こえる。


 姿は見えないけど、恐らく首から下は大した肉体は出来てないはず!


「ぐぬぅ! 魔素が! 魔素が足りぬぞぉ!」


 バカめ、実体化フラグが立ったときから何も対策を講じてないとでも?


 やってて良かった分散投資!


 各地のデビルプラントちゃんやダンジョンに魔素は貯め込んでるわ!


「おーい、ソニア! このまま外に出てローマン地方の分身()と合流しよう」


 流石に手持ちの魔素量だと転移が使えない。


 シェルターに入っても危険察知が落ち着かない、こんな危ないところからはさっさと離脱するに限る。


「はい、マスター! ハルピさん、お願いします」


「くぁ、いよいよっすね! ではソニア様、シェイド様逃げるっすよ」


 浮遊してるソニアをハルピが掴まえて逃げる準備をしてくれていたのか、持つべきは素敵な恋人……おい、箱を離そうとするな、部下って訂正しますからごめんなさい。


「う~ん? ウザい丸いのは後回しで~。半端な魔王を成敗?」


「魔王の首はハー君の物よぉ! 斬、斬、斬、魔王の首を、斬、斬、斬♪」


 ママンの謎の歌が怖い……。


「マスター、このまましばらくハルピさんに飛んでもらいますよ」


「おう、早くここから立ち去らないと危険察知がうるさくて敵わん」


「ぐおおおぉ! 全ては! 貴様らの計画だとでも言うのかぁ!! 許さん、許さんぞおおぉぉ!」


 ドップラー効果で魔王の低音ボイスが更に低音になるのを聞きながら、俺たちはなんとかピンチを切り抜けた……。




◇◇◇




 ローマン城から何とか逃げることが出来たけど、まだ危険察知が仕事をしている。


「ソニア、ここってどの辺? 危険察知が止まらないんだけどさ、ローマン城の近くならもう少し離れた方がいいぞ? というか近くのデビルプラント貯魔素を回収したいんだけど?」


 ママンに影を分断されたせいで分身たちとの合流が出来ない、手持ち魔素がなさすぎて心許ないんだよな。


「……ここはまだお城の近くです」


「ちっ! おい、ハルピ! 最近、食べ過ぎてまともに飛べないんじゃないのか!? 今回の件が落ち着いたらダイエットな!」


「くぁ! 失礼っす! 飛翔はスキルっす! 体重は関係ないっすよ!!」


 んまぁ! 反抗的! 後でお尻スパンキングだ!


「……ハルピさん、そろそろ下りましょうか」


「かぁ、わかったっす!」


おお、エレベーターが下に降りる時の重力を感じる。


「着いたか? よし、箱を開けてくれ」


 魔王と天使と勇者親子が争ってるうちに世界中にある俺の魔素を集めて、一気に駆逐してやる。


 ってなかなか開けてもらえない、あっ? もしかしてサプライズ?


 実は覚えてないけどこの世界での俺の誕生日?


「ちょ! ソニア、お前らいつの間に準備してたんだよ? いや、良いよ?

そういうの俺好きだぞって痛っ!」


 がたんって、ずいぶん乱暴に置いてくれたな!


「あのさ、もう少しさ、丁寧に置いてくれる? あと、この箱って当たると超痛いんだけど?」


「……あぁ、すみませんマスター。やっと準備が整ったので気持ちが逸ってしまいました」


 お、いよいよサプライズかな?


「危険察知が止まらないけど大丈夫か? つーか、何の準備? いい加減教えて欲しいんだけど、もしくはさっさと箱を開けろ!」


 ちょっとイラついちゃった。


「くぁー、イラついてるっすよ!」


 あ?


「……マスター、マスターの知識ですけど()()()()()()()()って結構な確率で裏切りますよね?」


「……え?」


 ソニアの顔は見えないんだけど声色がにやけてる感じ?


「え? じゃなくて分かりませんか? 準備は整いました。今から私とハルピさんの復讐の宴を始めます」


 …………え?


 さ、サプライーズ♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ