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あやしい影に転生しました ~自己主張できない周囲に流され系だった不遇モブが、異世界デビューで思いつくまま気の向くままに投げっぱなしジャーマンする話~  作者: yatacrow
最終章 あやしい影に転生してました

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第54話 あやしい特別職


「っ!? ここは!?」


「はれ、もうお家かのう? おいそこの若いの、わしはお腹空いたぞ」


 分断はやや失敗か、アレス&ジジリアスはラスト大陸とスー大陸に振り分けたはずだけど、旧シンフォニア王国の近くに出てきたみたいだな。


『ふっ、まあいい。コイツらの相手は任せたぞ! いでよっ!』


「はああああ? いや無理だって! いくら魔人になったからって俺はアイテム開発のほうが向いてるって!!」


「……あの、シェイド様、大変申し上げにくいのですが私は商人ですし、そもそも四天王の大役は無理だとかねてから申し上げておりますのに、いきなり戦えと言われましても……」


 魔人化して便利アイテム開発係兼四天王のルーク、魔王商会会長兼四天王のギリアムがぶちぶち文句垂れてきた。


 俺に逆らえないものの不平不満はあるらしい、悪魔神父たちを見習ってほしい。


『もう、すぐ文句言うぅ! やってみないと分からないだろ? 何かあれば俺がフォローしてやるって!』


「むっ!? 敵か!? まだ若い小僧と商人の格好をした男か。ふっ、ジジリアス殿、どうやら我々は侮られているようですぞ」


「あんだってー?」


 残念、ジジリアスにアレスの声は届かなかった。


「……ま、まあ良いでしょう。貴様ら魔王軍なぞ恐るるに足らず! 我輩だけで十分だ! さあ、来いっ!」


『よし、行けぇ!』


「いやいやいや無理だって、ギリアムのおっさん先に行ってくれよ!」


「なっ!? ルーク君は冒険者だろ!? 私は戦いに向いていないんだ! やめろ、前に押すな!」


 押すな押すなって、お前ら二人とも早く逝けよ!


「ふわぁ、わし、寝る」


『おい、お前ら舐められてるぞ! 爺さん、寝ちゃってるぞ、チャンスだろ!』


「いや、あのアレスって人だけで俺たち何百回って殺されそうなんだけど……」


「あ、アレス殿? 私はギリアムと申します、訳あって魔王商会の会長をしておりますが、この場を見逃していただけるならばこちらの金貨を――」


「むんっ!」


 大振りだけど正確にアレスの剣がギリアムに……。


「うぎゃあああ! 手が! 手がああぁ!」


 金貨が手のひらから地面にころころと少し転がってぱたんと横に倒れてしまった、ちなみにギリアムの手は地面に落ちている。


『いきなり手を伸ばすからそうなるんだよ。だいたい俺の目の前で裏切り交渉とかするんじゃないよ。【魔素注入】――』


「ぐあああっ! 多い! 多いです、魔素止めてぇ!」


 ギリアムの手を生やしてやろうと魔素注入したクレーム来た、マジでコイツ我が儘すぎる。


『はあ、もういい。他の場所にいる奴らも心配だし、野郎だらけだしここはお前らに任せたから頼んだぞ。俺は影から様子見てるから何かあれば助けてやるけら頑張れよ!』


「っちょ! そう言ってあんたいっつも――」


 ルークが何か言ってたけど、既に俺の意識は女の子たちの方に向かっていた。




◇◇◇




 シーナ、キルフィ、イレーナVS四天王ペタ子、ミンシア戦はどうなってる!?


――ぷるるん!


――ぽよーん!


――どーん!


――ぺたーん!


 とりあえずペタ子が敗北していた。


『ペタ子、安心しろ! 需要はある! 俺は持たざる者も好きだぞ』


「……マスターだけです、成長期も過ぎ去った三十近い私を励ましてくれるのは……大好きです!」


 あれから二年、ずっとセクハラと応援の飴と鞭を与え続けた結果、ペタ子は俺が大好きになってしまったようだ――魔素の影響ではないと思いたい。


 少しだけ目がイッちゃってるけど気にしない。


『ペタ子、お前には仲間がいるだろ! 周囲を見るんだ!』


「べだごぉ! いっじょお!」


 ぺたーんっと胸を張るミンシアちゃんはこの二年で、脳がかなり劣化してしまった。


 でもちゃんとペタ子の事は仲間だと思っている。


「うう、ぐすっ。ミンシアちゃん、それに……あっ!」


 ペタ子の視点がロジエルに止まる。


「ぼ、ボクは違いますよ! ボクはこれから大きくなるんですから!」


「やーん、ロジエルちゃんきゃわいい!」


「盗むっ!」


「ちょ! イレーナさん、戦闘中に抱きつかないでください! ううう……シーナさん、ボクのパンツ返してくださいよぉ!」


 バニーと僧侶のゆりゆりしい光景、そしてシーナちゃんナイス!


「ところでロジエルさん、私、この補正ブラのおかげでツーランクアップしてますよ? 今なら大金貨――」


「お、おい! ほ、ほんとか!? 買う! それ買わせてくれ!」


 ペタ子が一番食いついたけど、寄せて上げるブラは寄せる物が必要だからっ!


『……マスター、これって戦闘中なんですか?』


『戦闘中かどうか怪しいけど俺は見てて楽しい』


『……はあぁ』


 ソニアから盛大なため息いただきました!


『ねぇねぇ、シェイドちゃん……?』


 ラァブは参戦したそうだし、触手プレイも見てて楽しそうだから仲間に放り込んでおいた。




◇◇◇




『……強いな』


 俺の分断作戦によって、ハレルヤ親子はローマン城手前に取り残されている状況だ。


 ソニアたち側近以外の魔物たちで取り囲んでみたのだが……、全然倒れてくれない。


『――息子を狙うのはやめろ! 俺に対してのヘイトがヤバい』


 通常であれば足手まといのハレルヤ君を狙うのがセオリーだと思う、どんなに強くても誰かを守りながら戦うのは不利なはずだ。


 だが――


「ハー君に手を出すなああぁぁ! 魔王の仕業だろおお!? ほら、そこぉ! 【天雷円舞】――」


 ハレルヤ君に狙いを定めた魔物がいると、そこを中心に聖気混じりの痛そうな雷の雨が降り注いで魔物たちを挽き肉にしていくんだよ、怖い。


『ソニア、逃げようか?』


「……よろしいのですか?」


『うん、なんとなく攻めて来るから反撃してただけで別に世界をどうにかしたいわけじゃない』


 俺、平和主義者だったのを思い出した。


 実体化を目指して世界中に散らばった魔素を集めるのが目的であって、人が嫌いなわけじゃない。


 むしろレディのおっぱいが見たくて魔素の少ない街中を散策するぐらい人が好きなんじゃないかな?


 その結果、人がゾンビや魔人になってしまったり、人が住めない地域が増えただけ、うん、俺はそこまで悪くなさそう。


 魔素に関しても始まりの大陸の少量を除けば集めきったと思う。


 なぜなら――


――ポーン 一定量の魔素が集まりましたので特別職条件が解放されました。


【ワールドエンド】

 解放スキル【実体化】


 ね? 実体化とか嬉しいやん? テンション上がりそうやん?


 でもね、本能が特別職が解放されてからずっと静かなのよ。


 こう、固唾を飲んで見守ってる感じ?


 まださ、『――使え』とか命令されたほうが使ったかもしれないけど、怪しすぎるだろ!!


 んで、ウィキソニアに神様とか魔王の事を聞いたわけだ。


 魔素が魔王の素で、それを集めきったら……ねぇ?


 ちなみに使うことのない死蔵スキルの中でもランキング上位にある特別職ディザスターの地震、雷、火事、親父のスキルはワールドエンドが生えてからは実体化することが条件になっている。


 怪しいのでしばらく放置、保険もかけている。


「マスター、ローマン城を捨てててどこへ行きますか?」


『うーん、一番日本に近い雰囲気があったジャピャンかな。あそこの和風美人を見るのが好き』


 残念ながら巨乳は少ないが和風美人が多い島国だった、正直日本人の俺としてはソニアやハルピたちの洋風な美人よりも和風美人のほうが良かったりする。


 それになんだかんだでずっと一緒にいるから恋人というより家族って感じがする。


 それに――


「……マスター、なぜだかとても気分が悪くなりました」


「がーがぁー! 吐き気するっす!」


 そう、コイツら二年も一緒にいるのに好感度が全然上がらないんだ!


 いやいや、おえってせんでも……よし泣こう。


――ぁああああん! ラァブの愛はトルゥラァブよおおぉ!!


 黙って触手プレイやっとけや! 地獄耳すぎる。【魔素吸収】――


――ンヂイイイイイィィィィィ!!


「好感度が一人だけ高いラァブさんが可哀想です……」


「くぁ! ラァブ様を虐めすぎっす!」


 だけって断定された。


 しかもラァブから好感度得てもなぁ……。


『と、とにかく! 世界中の俺の好み且つ魔人として生きている美人さんを中心にジャピャンにお引っ越しするぞ!』


「良いのですか? 征服した国々の内政をやるって言ってませんでしたか?」


『NAISEIか、俺の異世界知識チートで魔人たちの楽園を創ろうかと思った時期もあった。でもやっぱり面倒くさいやん?』


 やりかけて止めたから“始まりの大陸”以外はデビルプラントの世界、森だらけ。


 小さい島国なら管理しやすそうだし、そもそも三國志のシミュレーションゲームでの俺のプレイスタイルは、一国集中で空白地は最後に埋める、なんなら各地で徴兵しては洛陽で軍を解体して民族大移動して遊んでたし悪くない判断だと思う。


「……好感度稼ぐ気ないのに、好感度がどうとか文句言わないで欲しいんですけど」


 あれ、ソニアから不満たらたらの独り言が聞こえるんだけど?


『異世界で初めて絡んだヒロインちゃんは、何をやっても主人公にホの字になると思っていたのに……解せぬ』


「どこのチョロインですかっ!」


 俺、ソニアのマスターなのに怒鳴られた。


「ここね! 喰らええぇ! デモリスウゥオォブ! トオォルマアリイィ――」


 扉の向こうで大声が聞こえたと思った瞬間、扉が爆発して謁見の間中に雷が!?


 ヤバい、雷攻撃……!?


『やばばばばばばば!!』


 聖気のせいか痺れるるるるぅ!


「マスター、大丈夫ですか!?」


 飛翔してるハルピに掴まって安全地帯からのご心配ありがとう!


 浮遊使ってるからハルピは重たくないらしい。


『ソニア、コイツら来てるなら早めに言ってくれよ!』


「すみません、てっきり気づいているものだと。それに聖気が混ざった雷攻撃なんて効かないかと思いまして……」


 いや、効かないけど痺れるし、痛いものは痛いのよ?

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