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あやしい影に転生しました ~自己主張できない周囲に流され系だった不遇モブが、異世界デビューで思いつくまま気の向くままに投げっぱなしジャーマンする話~  作者: yatacrow
第二章 あやしい知り合いが増えました

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第51話 あやしい侵略者


――ポーン 条件が揃いましたので、新たに上位職が解放されました。


【ホロウ】……必要スキル 【空中遊泳】【切断】【幻妖】【幻影】【透過】【天雷】【言語理解】

 キーアイテム 【大空の因子】

 解放スキルなし


【アースシャード】……必要スキル 【影伸縮】【歩行】【集団行動】【影移動】【踏ん張り】

 キーアイテム 【大地の因子】

 解放スキルなし


 はい、外れ上位職が解放されまくりだよ!


 ついでに、【ファントム】のエキストラスキルも魔素だったり、龍の栄養のおかげか生えていた。


 【現影】……幻を実体化することができる


 検証したいところだけど、今はそれどころではなかったりする。


 ちなみに、キーアイテムの説明はこんな感じ。


 【大空の因子】……空の素、“天龍王”の秘宝で、空系の魔物を従わせる効果があるらしい。


 【大地の因子】……地の素、“地龍王”の秘宝で、バハムールが地龍王不在のため預かっていたもので、地系の魔物を従わせる効果があるらしい。


 さらに! 驚くなかれ!


――ポーン 条件が揃いましたので、新たに特別職が解放されました。


【ディザスター】……必要な上位職 【シーハインド】【ホロウ】【アースシャード】

 解放スキル【竜巻】【洪水】【噴火】【地震】【落雷】


 どうも、歩く災害でっす! ってやかましいわ!


 ヤバいよ、特別職! 外れ上位が三つ集まるとこんなにヤバいのが出てきたよ。


 もう世界を軽く滅ぼせるレベル、魔素次第ではあるし、俺もそんな面倒な事はしないけどね。


 さあ、これでバハムールがどうでるか……折れてくれたらいいんだけど。




◇◇◇




 ついてこいって颯爽と南に飛び去るバハムールさんご一行を見送った俺たちだが、誰かついて行く奴はいるのだろうか?


『ラァブ、そろそろ回復しただろ? バハムールさんとこ行って来いよ』


『……ンヂ! ま、まだダメよぉ。それにシェイドちゃんでしょ、ご指名されたのは……ンヂ! はぁ、はぁ』


 はぁはぁと虫の息のラァブ、また聖気に当てられて回復が仕事しないらしい。


『マスター、行かないのですか? もうどこにも逃げられないと思いますが』


『え? 行くわけないだろ、シンフォニアの建造物を壊したくない、つまり盾に出来るってことだ!』


 ふふふ、俺、天才じゃね?


『……次にバハムールが戻ってきた場合、ここを更地にしてでもマスターと戦うと思います』


 んー、まあそうだろうね。


『今は少しでも時間が欲しい、勝手についてくると勘違いしたバハムールたちの事は置いておこう。しばらく分身にめっちゃ濃い魔素を練り込んだピュアスライムさんを入れてるから多少はごまかせるはず』


 俺の魔素に反応してる感じだし、魔素操作で俺の核の魔素を抑えて、ピュアスライムさんの魔素を増大させればあら不思議、替え玉の出来上がりだ。


 ちなみに、ピュアスライムさんは俺の魔素のおかげでキングピュアスライムさんに進化している、きっと強い。


『時間を稼いで何をするのですか? サラマンドル大陸への転移ぐらいではすぐに追いかけてきますよ』


 早口気味のソニアからのご意見はごもっとも!


『そうだな、時間を稼いで逃げるの下策だ。俺は逃げない、むしろ現在進行形で攻めこんでるところだ、もうすぐで制圧出来そう』


『え? 攻めこ、んでいる?』


『ンヂ? 現在進行形?』


 シャドスペ内のせいで表情が分かりにくいが、ソニアもラァブもとぼけた顔してるな。


 以前のソニアなら増加する魔素に反応してたはずだけど慣れたのかな。


『バハムールたちの失敗は自分たち龍族がこの世で最強と思っているところだ。そして、傲慢にも全部を自分でやりたがる。部下に任せずにラスボスが単騎で突っ込んで来ている辺りに油断があるんだ』


 俺を潰すために時間を稼いで強化バフをかけたり、自分の有利なフィールドに連れていこうとしたり色々と慎重に見えるが、実は遊んでいるんだ。


 舐めくさっている、詰めが甘い、そんな奴にはお仕置きをせねばならない。


――本人以外にね!


『動くな貴様ら! 動けばお前らの可愛いパピーちゃんの命はないぞ! すでに城外の女子供は確保済みだ!』


「ぐるるる、お前! 離せっ! くそ!」


「ムートっ!」


「くっ! なんめ卑怯な……」


『ふん、卑怯なのはどっちだよ! オーバーキル気味の戦力で来やがって! 人間たちが何をしたと言うんだぁ!!』


「「「「いや、お前が諸悪の根源だろ! 魔王っ!」」」」


 むう、バハムールが出発前に経緯(いきさつ)を伝えていたとは……。


『魔王じゃ……、もう魔王でもいいか。とにかくお前ら、空から下りてこい。バハムールが戻ってくる前にお前らを管理下に置く』


「……管理下、だと? 何をする気だ!?」


 宰相風ドラゴンがゆっくり下りてきた、よしよしいい子だ。


『こうするんだよ! 【隷属化】――』


「ぐるああ!」


「がああああ」


「ムー……きゃああああ!」


『なんか悪役みたいだな……。まあいい、とりあえず巣? にいる奴ら、特に女子供ちゃんは全員俺の支配下に置かせてもらった!! ムート君とママさんはシャドスペ経由で現場に連れていくからな!』


 宝物庫らしきところからお宝も貰ったし、山の麓のダンジョンも美味しくいただいたぜ!


 ひゃっはー!!


 っとと、テンション上がりすぎてコイツら殺さないようにしないと。


 魔物の死生観とかでクールなバハムールだったらヤバい。




◇◇◇




『と、言うことがあってだな。お前について行けなかった、すまんな』


 にやにやしながらバハムート君とムートママを交互に影から出し入れして人質アピール。


「すま」


「あな」


「父上っ!」


「た……」


 会話はさせないスタイル。


「ぐるるるる、卑怯な……」


「外道……」


「これが魔王か」


『クズですね』


『カタストロフちゃんより無慈悲ねぇ』


『くぁ! モグラ叩きみたいっす』


 待て、フレンドリーファイアはやめろ。


 ハルピはそんなこと言わないよ、やられてる本人たちの気持ちになってごらん?


『さあ、どうする? バハムールさんよ。今ならほとんど無事な状態で返品出来るぞ? お前の隷属化が条件だけど』


「……度しがたいクズだな。愚かな……我は調停者、我に情は……ない! 我は魔がこれ以上この世界に広がるのを止めねばならぬ。例え我の一族が滅びようとも……。貴様は我の逆鱗に触れた、全てを消し去ってくれる。――全てを浄化せよ【聖浄の咆哮】」


 ごがあああああぁぁぁ! って吸収したらお腹痛くなりそうな聖気がたっぷりの咆哮で範囲攻撃とかありかよ!?


 シンフォニアの建造物、気に入ってたんじゃないのかよぉ!


 建物が風圧でぼろぼろになっていく、俺の世界遺産認定計画がああ!


 と考えるぐらいに余裕っす。


 立ち上がれ九九匹の壁! 【影収納】――


「「「「「ぐぁああぁっ」」」」」


 龍のご加護か知らんが、天龍たちに聖気は効きにくいはず。


 つまり、肉壁としたはとても優秀なわけだよ!


 瓦礫による物理ダメージについてはバハムールが悪いというとこで一つご理解願いたい。


「なっ!? 貴様、どこまで腐っているんだ!」


「我らの一族を壁にするとは……」


「鬼畜、鬼畜魔王めぇ」


 血の涙初めて見た。


『ドン引きですね』


『あぁん! 味方を壁にするなんて血も涙もないわよぉ!』


 ……言葉のフレンドリーファイアの件は後で折檻することにしよう。


「ち、父上……がふっ!」


 ムート君は俺の近くの壁だったせいか瓦礫の集中砲火を浴びたようだ。


『おい、お前のせいでコイツら……特に息子さんが死にかけてるぞ! 死んだらドラゴンゾンビにするからな!? いいのか? さあ、無駄な抵抗はやめろ。さっさと下りてこいや!』


「わ、我は調停者。例え一族が……」


「……父上っ! わ、私ごとこの悪魔を……! 魔王を……浄化し……さい」


「……貴方、今までありがとう。私たちの事は構わずあの技を……」


 え? なに、あの技ってまだ何か持ってるの?


 すっごい危険な気配がするんだけど!?


『こら! お前たち余計な事を言うな! 自分を犠牲にするとかそういうのダメだから! 残されたバハムールが可哀想だろ! バハムールも父親として一族の長として――』


「ぐるがおおおおおおお!! ……それ以上囀ずるな、我ら一族の誇りを汚すな、そして輪廻の中で地獄の苦しみを受けるがよい」


 ばっと大きな翼を広げてハイジャーンプ!


「海よ、大地よ、空よ……」


 なんか詠唱が始まったんだけど、そして、何かしらのエネルギーがバハムールさんに集まって凝縮されて始めてる?


『まさか!? 元気玉?』


『マスター、あれは不味いです』


 でしょうね! よし逃げよう!


 っ!?


「に、逃がさない……。父上のためにも」


「我らが、楔となり魔王をこの地にとどめよう」


「「「「「【聖縛地】――」」」」」


『おい! 転移出来んぞ!? 貴様ら殺すぞ! 影収――』


『マスター、それをやっている間にバハムールの力が!』


『よし! バハムールさん、落ち着こう! 謝る、隷属化した一族は解放するし、スー大陸は返す、ね? だから死なばもろとも的なのはやめよ?』


「……聖は魔となり、魔は聖となる。我の命を捧げ、我の血肉でもってかの者を……」


 聞いてない? スルーされたようーんこの!!


 そこまでして俺を消滅させたいのか?


 そんなに俺がやった事って悪いことなのか?


 たしかにちょっぴり不幸になっちゃった奴らもいるけど、ハルピみたいにご飯食べられれば幸せな奴とか、ラァブみたいに誰かといれば満たされる寂しい奴、ソニアみたいに俺といるのが大好き……『は?』、うわソニアのせいで心にダメージ。


 げふん、ソニアみたいに新しい景色を見るのが嬉しくて生きてる奴もいるわけじゃない?


 女の子のおっぱいを揉み揉みするために実体化を目指す事のどこが悪いわけ?


 そのために邪魔する奴らを排除したっていいじゃない!


 思いつきで生きてみたっていいじゃない!


『俺は俺の好きに生きたいだけ! この世界は、強い奴が自由に生きる世の中だろうが! お前より俺は強いんだから従えやあああ! 飛べぇ、ラァブ! 【影吹き】――』


「何でぇラァブううう!?」


 戦略と俺の八つ当たりを兼ねてバハムールにラァブを直撃……は無理か。


「……愚かな、クラーケンを我に当てて落とそうとしても無駄だ」


 バハムールがより高く飛び上がってひょいっと避けられてしまった。


 けど、それが俺の狙いだったりする。


『そのまま高いとこで元気玉作ってろや! 【影伸縮】――』


「もうすぐだ、もうすぐ力が集まる。無駄だ、今さら影傀儡なぞ効かんぞ」


 バハムールの影は捕まえた、影傀儡? いやもういいよ。


――お前は要らない、消えてくれ。


『特に新必殺技があるわけでもない! シータウンの悪魔神父は言いました。引いてダメなら押してみなってね!』


 喰らえ! 【魔素注入】――


「っ!? 貴様、何を!? やめろ! ここで魔素なぞ……」


『遠慮はいらん! 貰ってくれ、俺の魔素を!! おらあああああ』


 どうせスー大陸で集めた酸っぱい聖気混じりの魔素だ、おらの元気も分けてやる!


「や……、やめろ、これ以上は」


「……ち、父上!」


「貴方ぁ!」


 バハムールの集めたエネルギーが俺の魔素も含んでどんどん大きくなっていく、もう制御なんて出来ないだろ?


 といってもあまり近いところでドカンされると巻き添え喰らいそうだから、なるべく高いところに飛んでもらったんだ。


 もうエネルギーを暴発させないように調整するのに集中しててバハムールはその場から動けない。


『それでは夏には早いし、まだまだ明るい時間ではございますが一発だけの大花火、バハムールさんに魅せてもらいましょう! 【魔素注入(点・火)】――』


「ぐるるらああああああああああああ!」


 かっ! と光、音が遅れて……、そしてエネルギー波がラスト大陸の上空で爆散する。


『ふっ、汚い花火だ……』


 この日、スー大陸(山だらけ)とラスト大陸(荒れ地)は俺のものになった。

第二章、完でございます。


次章は最終章の予定です、下手したら数話で終わるかもしれません。


ここまで読んでいただいた読者の皆様、ありがとうございます。


引き続きよろしくお願いいたします。


ブクマ、評価、感想があると作品を肯定されている気がしてモチベーションが上がりますので応援よろしくお願いいたします。

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