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あやしい影に転生しました ~自己主張できない周囲に流され系だった不遇モブが、異世界デビューで思いつくまま気の向くままに投げっぱなしジャーマンする話~  作者: yatacrow
第一章 あやしい影に転生しました

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第12話 あやしいキャラ変更


『ふっくぅ……』


 え? 変な声出てる!


『んっ』


 ちょと! ぴくんぴくんてぇ!


『っ! ん、んん! んあっ!!』


 ち、違います! この子が勝手に……、いや、俺は魔素を入れただけなんですって!


 ほら、俺、見ての通り核ですし、実体ないですし。


 いや、本能さん、通報の信号って何ですか?


『んっ! ふうぅ、マスターの魔素、濃厚ですね』


 ぺろりと唇をなめて、妖艶な瞳で俺を見据えるソニアの姿に、思わず見とれてしまった――


 おめでとう! ソニアは【その道のプロ】に進化した!




◇◇◇





 というわけで、その道のプロに進化したソニアだが、今は下着姿でシャドスペ内を片付けている。


 なかなかエロい。


 片付けといっても、その辺に散らかっていた核や、没収した武器、防具関係を簡単にまとめているだけだが――倉庫欲しいな。


 ちなみに、進化したソニアは、お腹ぽっこり子どもスタイルを卒業して、高校生ぐらいの身長に、メリハリの利いたわがままボディで、すらりと伸びた長い足はファンタジーに出てくる定番美少女スタイルになっていた。


 顔? めっちゃタイプ。


 おそらく、その道のプロとしてデビューしたら、諭吉さんが大集合することだろう。


『あの……、マスター? 私、その道のプロって響きがあまり……』


 こいつ、進化に合わせて妹キャラを卒業しただと?


 いや、俺の心をつかむための妹キャラから入って、見た目が変わったから敬語キャラに?


『なんか無理してない?』


『っ! な、無理とは何のことでしょう』


 こいつ、顔に出やすいな。


 そして、俺の心に刺さるぜ、その可愛さ!!


 もう好きにしてくれ。


 まったくどこでそんな知識を得たのか。


『あ、そういえばソニアってゾンビじゃないんだよな? 嗅覚をオンしても腐臭しなくなったし』


『はい、マスターの魔素とドクロ石のおかげで【ノスフェリア】という種に進化しました』


 種 :【ノスフェリア】

職 能:【マスター】

スキル:【呪い】

    【不死】

    【吸血】

    【透過】

    【健康】

    【浮遊】

    【催眠】

    【魅了】

    【夜目】

    【眷族召喚】……眷族【コウモリ】【ネズミ】

    【眷族変身】

    【格闘】

    【肉体強化】

    【状態異常無効】

    【精神干渉】

    【床上手】

    【成長速度二倍】


『いや、チートやん! 俺より絶対強いやん!』


『いえ、私は聖属性が苦手ですし、マスターには到底及びませんよ』


『ん? 俺も聖気は苦手だよ? さっきも教会に入れなかったぞ』


 そして、正直シモン君の遺体をここでリリースしようと思ってた。


『マスターは【反射】というスキルを使えばよろしいのでは?』


『透過と反射の違いがよくわからんのだけど、そういうもんなの?』


『はい、そういうものです』


 ソニアがゆっくりと頷く。


『ふーん。あ、職能のマスターってなんだ?』


『人だった時に授かった【極める者】のことだと思います。【成長速度二倍】が代表的なスキルになります』


 なるほど、そういえばソニアもレアジョブ引いてたよな。


 チート羨ましいな。


『ところで【床上手】ってのは?』


『えと、そのままの意味です』


 ここだけ頬を染めて、少しうつむく仕草とかズルい。


 ていうか……。


『その道のプロやん!』


『その道のプロって……――もっと別の言い方ないのかな』


 なんか呟いてるが、そもそも実体化するまでは俺には何の恩恵もないし……。


『えっと、マスター失礼します!』


 って! おい、俺の核に何をする?


 一瞬で距離を詰められた。


 ソニアが殺る気なら普通に死んでるレベル。


 ふおぉ! いや、もう死んでもいいや。


『のわっ!? ソニアさんや、その……、柔らかいのが当たってるんだが……』


『マスター、こうされるの好きですよね?』


 はい、大好きです!


 いや、待て待て、全力投球されたらどうしよう?


 シャドスペの壁ってちゃんと衝撃吸収できるよな?


 俺の不安をよそに、ソニアは胸と膝で俺を優しくサンドイッチ――影生初の一番幸せな感触かもしれん。


 あぁ、思い出をありがとう――


『――はっ! は、離せっ! これは孔明の罠だ!!』


 俺を骨抜きして支配しようとするのが狙いだな!?


 俺は慌てて転がり逃げた。


 もし俺が“ヨコヤンミッテルー? 三国志”を愛読してなかったら罠にはまっていたかもしれん!


『あれ、マスターはこういうの好きだと思ったんですが――』


 もちろん大好きだ。


 うーん、ソニアの行動が読めない。


 だいたい初対面で、その道のプロとお店以外でのトークなんてハードル高いよな。


 てことで、【影読み】――


 あれ? 敵意がない? 無理やり頑張っている?


 ダメだ、読んでも自信が持てないとか。


 ……考えても女心なんてわからん、とりあえず目の前におっぱいがある。


 それでいいや。


 離せと逃げた手前、また抱っこして……は恥ずかしいな。


 だが、俺は草食系むっつり主人公ではない。


 俺は思ったことはすぐにやっちゃう!


『ソニア、ごめん、やっぱりさっきのヤツやってくれるか?』


 はいはいと嫌な顔一つせず、俺を膝に乗せてくれた。


 よく考えたら、ここで破壊されても問題ないよな。


 俺の目標は、なるべくリスクなしでおっぱい触ることだった? はずだし、まあ、ソニアしか堪能してないまま死ぬのが少し残念と思うぐらいか。


――目標が低いとすぐに達成できるから楽だなぁ。


 あ、そうだ。


『今から反射のスキルをソニアに付与することは出来るのか?』


『いえ、これ以上のスキル付与は無理です。多分、破裂します』


 急に怖い。


 スキル付与で適当にぶちこんだだけだけど、ナイスな配分だったようだ。


『そうか、教会の中を一緒に見学しようかと思ってさ、ソニアが反射を使えないならやめとくか』


『いえ、影の中にいる限りは大丈夫ですよ。それと、この格好だとさすがに外に出るのは……』


 おう、下着だったね、すまん。


『教会見学ツアーが終わったらどこかの商店で服を調達するか。それと冒険者の登録だな』


『お手数をおかけします。ちなみに、冒険者の登録って何かメリットがあるんですか?』


『いや、身分証明書がもらえるとか、ランク上げて、名声もらえたりって異世界っぽくて面白いかなって』


 何も考えてないよ――なんとなく異世界なら冒険者って思ってるだけだし。


『なるほど、でしたら他の支部で登録したほうが良いかもしれません』


『どうして?』


『今朝、……私が失敗したせいで、冒険者ギルドはかなり警戒しているはずです。このタイミングで新顔が登録するのは……』


 あ、首振りぽーん事件か、そんな申し訳なさそうにする必要ないよ。


 そのあと、俺も好き勝手やったし。


『そうか、わかった。じゃ、もう少し町を探索したら次の町に行こうか』


『マスター、ありがとうございます』


 いや、俺を膝枕したまま、頭を前に倒すとね? ふにゅうって頭に素敵な弾力がね……、こちらこそありがとう。


 よし、なんか元気になったし、教会見学ツアーへゴー!!




◇◇◇




――どうかヨウスフィアの神の導きを。


 お邪魔しますよー、司祭服のおじさんのお祈りシーン。


 ちょうど一息ついたところかな?


 あ、高そうな服を着た口ヒゲのおっさんが入ってきた。


「神父サショエルよ、少しいいかな?」


「これはムンロス様。こちらにわざわざお越しになったということは、例の件ですな?」


「ああ、察しがいいな。どこかで話したいのだが……」


「いえ、では談話室の奥に個室がございますのでこちらへ」


 お! 悪巧みのお時間ですか?


 ムンロスの影にイン! 【影宿り】【影読み】――


「む?」


「ムンロス様、どうされました? こちらにお掛けになってください」


「……いや、何でもない。神父も忙しかろうにすまんな。それで、神託の件だが本当なのか?」


 時々、俺の気配に気づく奴がいるよな。


 神託とかあるんや。


『祈る者には神託が下りることがあると聞いたことがあります』


 へー、普通はジョブを授かるとき以外に神の声を聞く者はいないのか。


「はい、恵みの森に異変があり、それが魔王復活の兆候だとか……。それからブレッシェル村の子どもたちを至急保護せよ――とございました」


『ちょ! 魔王復活の兆候ってやべぇじゃん!! それに、子どもたちの保護って間に合ってないよ!!』


 もっと早く来てくれればソニアたちも助かったのに! 動きが遅いよ、神さまぁ!!


『…………』


「やはりそうか。恵みの森の調査については、昨晩、戻った冒険者たちから報告が上がってきている。……恵みの森は、瘴気の影響で野生生物が魔物化していたり、かなりの数のアンデッドが湧いていたそうだ。大賢者ゴンドールの力が弱まっていたのかもしれん。それから、子どもたちの保護は――」


 ムンロスはそれ以上言わずに頭を横に振った――首が落ちることはなかった。


「おお……。では、ブレッシェル村が魔物大暴動で壊滅したという噂は誠でしたか。神よ、ヨウスフィアの神よ、どうか迷える御霊をお救いくだされ」


 神父が膝をついて祈りだした。


 安心してくれ、ブレッシェルの村人たちは俺がきちんと復活させてるから!


「今朝方、調査団を派遣した。追って情報が入るだろう。神父サショエルはすまないが怪我をした冒険者たちの治療をお願いしたい。それから、今日は町の中もどこか雰囲気がおかしい。くれぐれも気をつけてほしい。では――」


 くれぐれもどう気をつければいいのか詳しく教えてほしい、どうしよ。この町、ヤバいよな?


 俺たちも早めに他の町に向かったほうが良くないか?


『マスターならほとんどの異変に対応できると思いますが……』


 そうか? それじゃ、せっかくだしこのまま町長さん家に行ってみようか。


 メイド服とかあるかもしれないし。


 町長は教会を出るとそのまま隣の自宅に向かっているのでついていく。


 なんだぁ、用事は神託の話だけかよ。


 あ! ちょっと影糸を神父まで伸ばして。【精神干渉】――


『よっ! ブレッシェルの村人たちはゾンビとして復活してるから安心してくれ。では神のご加護を!』


「っ!? えっ? ……うわあああぁぁぁっ!!」


 そんなに崩れ落ちるほど嬉しいことかよ。


 慈悲深き事だ。


 町長は教会の門を出たタイミングだったから、神父の歓喜の雄叫びは聞こえなかったみたいだ。


 ま、そのうち冒険者たちから似たような報告が入るだろ。


 次は町長のお家にお邪魔するぜ!



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