ビネハリスとマイセクローラ
後宮。
学園生達は全員入ることになった。
なのだが
「ねえねえ。なんでうちら学園出たのに机に向かって書き物してるの?」
ビネハリスが面倒くさそうに言う。
「それが仕事よ」
淡々と書き物を続けるマイセクローラ。
妾の仕事は、聖女であるミルティアの独り言を聞き取りまとめる事なのだが。
「聖女様、民衆の苦情に混ぜて、ご飯の話するの止めて欲しいんだけど」
ミルティアは、妾に対して延々と「信徒の声」を伝え続けていた。
それを交代で書いて、まとめていくのだが
「ケルベロスらしいものがサウダ山を彷徨いています。どうにかしてください。砂糖豆を食べたいのです。と」
「マイセクローラ、最後削って」
ため息をつくビネハリス。
「セッ○スもどうかと思うけどさぁ。これ神官の仕事じゃないの?妾ってなんなの?」
ずっと愚痴っていると
「そうですね、はっきり言うと、神官はゴミです」
「聖女様」
ミルティアが蜜豆を食べながら来る。
「先代までの聖女様の停滞の原因の一つは神官です。こいつら仕事してないのです」
「なるほど。でもだからと言って、妾にやらせるの?」
「私としては、別に妾の必然性はありません。前例もこだわりませんし。特にマイセクローラさんと、ビネハリスさんは神官みたいな感じで専属になってもらおうかと」
「……まあ、私はそれでいいけど」ビネハリス。
「私も聖女様に従います」マイセクローラ。
「マイセクローラさんは、性格的に神官向きですからいいと思います。神官長とかにすれば御家族も納得されるでしょう。
ビネハリスさんはどうします?」
「どうします?って?」
「男性漁れる役職が良いでしょう」
「ブッ!!!」吹き出すビネハリス。
「教師とセッ○スしてたのは知ってますから」
「ビネハリス!?本当に!?」
マイセクローラがビネハリスにつかみかかる。
「マイセクローラさん、終わった話です」
「で、でも」
「禁忌は、禁忌であるから拗れるんです。前の後宮の主の美少年セッ○ス三昧も、禁忌が故にあんなにおかしくなった。一般の方にするわけには行きませんが、まあ色々考えますよ」
ルピアは蜜豆を食べ終わると
「お二人には期待しているんです。よろしくお願いします」
夜
「あ、あのね、先生とセッ○スって、まさか」
「まあ、うん。ゴウラ先生」
「……あなたねぇ」
ゴウラは、好色で、学園生を狙っていた。
金があったため、金で釣っていたのだが
「いくら貰ったか知らないけど」
「300金」
「……は?」
「300金だよ。さすが釣られたわ」
300金は、慎ましく生きれば庶民が10年暮らせる額。
「にしてもバカでしょ」
「セッ○スにも興味あったし」
「それで有力候補逃したんでしょ?」
「まあねぇ。でもいいんじゃない?私も貴女も」
「なにが?」
「お互い聖女様の器じゃないよ」
「……そうかもね、正直今の仕事は気に入っているわ」
二人は笑いあっていた。