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再び天界へ

俺がいない間の雪の行動や、俺が天界でどんな戦いをしていたか、等を夜遅くまで雪と話し合ったその翌朝の事。


「そういえばさ、兄ちゃんは太君と会って無いよね?」


「あの坊主か、面倒だからな、雪の話しだとヒーローみたいに思われてるんだろ?」


「兄ちゃんが本当にヒーローみたいな事したからねぇ〜会いたがってるよ!」


ヒーローみたい……か、きっと本物のヒーローならあの坊主の母親も救えたんだろうな。


「俺はヒーローじゃないさ、憧れてはいるけどな」


「ふーん」


きっと男なら誰だってヒーローに憧れる、例えば絶対絶命のピンチに駆けつける、或いは毎日何かと戦い続ける、現実でも警察官や消防士だってヒーローだと言う人がいるだろう。

だけどソコに自分が辿り着けるか?と問われれば無理と俺は答えてしまうだろう。

何故なら、そういう人達は他人の為に戦える人達だからだ、俺はきっと他人の為には戦えない、雪がいるから結果的に他人を助ける事はあるだろう、だけど雪がいなければきっと俺は自分の為にしか戦えない人間だ。


「雪こそヒーローみたいな性格だろう?」


「それこそ違うって!僕はただ真っ直ぐ自分に嘘を吐きたくないだけだよ!」


そのセリフ自体ヒーローのセリフみたいなものだろ。


「……って違うよ兄ちゃん!太君に会ってあげてって言う話しだよ!」


ちっ、上手く話しを逸らせたと思ったんだがな。


「そうだな、天界から帰って来たら会うよ、それまで太君が俺に憧れ続けたらの話しだが」


「なら大丈夫だね!約束だよ!」


「ああ、俺は雪との約束を自分から破った事は無いだろう?」


「うん!」


さて、転移まで後3時間て所だな、それまでどうするか。










結局転移の時間まで俺は雪と部屋で駄弁ってしまった、途中門番さんが


「雪ちゃんもお兄さんと一緒にいたいでしょうから、雪ちゃんの戦闘班との合流は明日からでいいよって、日比野さんからの伝言よ」


と伝えに来てくれた、なかなか融通の効く人だ、きっとこの雪との時間も、心を癒やす大切な時間で無駄じゃないと思える。


「そろそろだな」


転移までの正確な時間は時計の動かないこの世界では普通なら分からない、しかし神様の計らいなのか、不思議と感じ取る事ができた。


「ねぇ、兄ちゃんの願いって何?」


ふと雪が訪ねてきた、ソレは今まで雪と会話しながらも何故か雪は触れてこなかった話題だ。

天界に行った、という事は叶えたい願いが有るって事だ、ソレを今聞いてくると言うのは、正直に話して欲しいって事だろう。


「うーん、まあ色々あるけど、その時にならないと分からないかな?」


そう言って俺はごまかした、別に何か悪い事を願う訳じゃない、でも恥ずかしかったのだ、雪に正直に自分の願いを伝えるのは。


「そっか!じゃあ兄ちゃん!頑張ってね!」


「ああ、雪も頑張れよ!」


こうして1日だけ過ごした下界での活動は終わった、戦う理由を再確認した俺は、全力でこの先も諦めずに戦うと誓って、再び光と共に天界に転移した。



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