表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/28

神の宣告

玄関出て直ぐの通りに、アクセルホッパーを見つけた、どうやら爺さんが届けてくれたらしい。

ヘッドライトをチカチカさせてアピールしている。


「雪、そろそろ動こう」


「うん、分かってる」


念の為もう一度玄関を開けて家の中を確認したが、やはり爺さんの居た所とは別の場所であった。しかしこの黒猫は途中から見かけなかったが、ダンジョンに迷い込んだ時に異変に気づいてたのかね?だから途中から居なくなったのかな。


「あの夢が本当なら今日中になにかしらのアクションがあるだろう」


それまでどうするかな。


「兄ちゃん、一回都市部に行こうよ、何か困ってる事が有ったら解決してあげたいし」


「俺達に出来る事はモンスター退治位だぞ?」


「それでもだよ……ね、お願い!」


「……分かった」


「兄ちゃん大好き!」


俺はアクセルホッパーに乗り雪を待った。

雪は黒猫に喋りかけて、リュックに匿いアクセルホッパーに乗ってきた。


「黒猫は無理矢理のせて無いだろうな?」



この黒猫、普通に人語を解してる節があるので嫌がるのなら自分から抗議するだろうが。


「大丈夫だよ!黒ちゃんは喜んで付いて来てくれるって!」


「ならいいが」


「にゃー」


確かに嫌がってはいないようだな。

さてアクセルホッパーで都市部に向かう、道中はやはりゾンビ達が道を塞いでいるので、アクセルホッパーの両端に有るカッターを出して上手くゾンビを倒して行く。


「そろそろ都市部だな」


「ここら辺からモンスターを勝手に倒したらダメなんだよね?」


「ああ、だから雪も気を付けてくれよ」


アクセルホッパーのカッターを収納して、今度はゾンビを倒さないように街中に入って行く。

最初こそゾンビもそこそこの数がいたが都市部に近づくに連れて減っていき、恐らく避難所になっている学校の周りではモンスターを見かけなくなっていた。



「そこのバイクの人、止まって下さい!」


現れたのは30代位の警察官であった。


「はい、なんでしょうか」


「ここから先は便宜上男性グループの縄張りになっている、まあ治安はそこそこ良いが、そちらの彼女は余り近付かない方がいい、若くて可愛い女性は危険かもしれない」


「兄ちゃん!兄ちゃん!可愛いだって!」


雪は無邪気に喜んでるが、危険の意味分かってるのかね。


「失礼、妹だったのか。オススメは女性グループだな、近くにそちらのアジトが有るから妹さんだけでも其方に預けた方が安心出来ると思うぞ」


「お気遣いありがとうございます、俺達は多少腕に覚えがありましてモンスター退治で困っていたら助けようかと来てみたんです」


「僕達、結構強いよ!」


「ありがとう、だがそういう危険な事は大人の仕事だ、ここら辺りは自衛官や警察官の人が頑張ってるからな、女性のグループも戦闘部隊は女性の自衛官や女性の警察官が頑張ってくれてる、だから君たちが戦う必要は無いよ」



「分かりました、では女性グループのアジトを教えて欲しいのですが」


「ああ、あそこの大きいビルがみえるかね、その直ぐ向かいに警察署と病院が近くにあるから、其処が女性グループのアジトになってるよ、多分君の方は此方に再び案内されると思うから、妹さんを送ったら帰っておいで」


「ありがとうございます、ただ基本的に留まる気は無いので、あちらにおじゃまして戦闘面で困って無かったら都心は離れようと思ってます」


「そうか、だが一人二人では守るものも守れなくなるぞ、なるべくコミュニティーには所属した方がいい」


「ええ、分かってるつもりです」


「僕達強いから大丈夫だよ!」


そして軽く警察官に挨拶してその場を離れようとした瞬間、キャーという女性の叫びが聞こえて来た。


「兄ちゃん!行くよ!」


「ああ」


本来なら雪を連れては行きたくない、此処は男性グループの縄張り内で、何らかの危険な状況でも男性グループの戦闘部隊がキチンと仕事する筈であるからだ。

………が、雪は関係無く助けようと行動するだろう、それが雪という少女の性格で俺の自慢の妹だ。


アクセルホッパーに跨がり悲鳴の聞こえた方を目指す、警察官の制止する声が聞こえたが無視だ。

見えてきた、それ程高い所では無いが、空を飛ぶ鮫が大口を開けながら戦闘部隊と戦っているようだ。

戦闘区域に入る、部隊は拳銃やマシンガンで鮫と交戦している、恐らく自衛官や警察官はジョブ能力で銃火器を使えるのだろう。


「兄ちゃん!あいつ弾を全部よけてるよ!」


「ああ、それよりあそこに子供がいる、あの子を保護しよう」


子供が母親だろう人にすがりついて泣いている、母親は四十位か………既に息を引き取った後のようだった。


「坊主!急げ!逃げるぞ!」


「ママが死んじゃった、僕を守って、僕が悪い子だから死んじゃったんだ」


「雪、この子をアクセルホッパーに乗せてさっき説明してもらった女性グループのアジトまで逃げろ」


親が死んだ恐らくこの坊主の目の前でだ………"弱肉強食"鮫にしてみれば自然のルールに従っただけだろう、だから今からの行動は八つ当たりだ、俺の八つ当たり。


「分かったよ兄ちゃん、無茶しないでね」


心配そうに雪が俺を見ている、子供が泣いている、銃声が響き渡るここは……戦場だ。


「坊主、仇はとってやる………だから沢山泣いて涙が枯れたら、また笑えるように頑張れ」


「お兄ちゃん、お願いします、僕は勝てないから代わりに倒してください。僕頑張って恩返しするからお願いします」


「ああ」


泣きながら頭を下げる子供をバイクの後ろに乗せる。


「坊主、しっかり掴まれよ」


「うん」


「雪、運転しないで良いからな、アクセルホッパーに従って乗ってるだけでいい」


俺が運転しないとアクセルホッパーは全力を出せない、逆に言えばある程度は走ってくれる。


「アクセルホッパー、雪とこの坊主を頼んだぞ」


任せろと返事したのか、ヘッドライトを二回光らせてからアクセルホッパーは戦場から離れていった。


戦闘部隊の人達が上手く銃撃をしているおかげで空飛ぶ鮫はアジトには近づけないようだ、鮫は諦めたのか高速でアジトから離れて行く、だがそれでは俺が八つ当たり出来ない、あいつには俺の糧になって貰う。

俺は全力で『加速』を発動させた。






side雪


アクセルホッパーに跨がり男の子を後ろに乗せてアジトに向かう、男の子はじっと泣きながら鮫の方を見ているようだ。


「お姉ちゃん!あれみて!」


僕はとっさに鮫の方を見た、紅い輝きが道路を走り抜けて行きながら、離れた位置にいた空を泳ぐ鮫に近づいてく。


「兄ちゃんだ!」






紅い輝きは跳び上がり、一瞬でその巨大な鮫の体を切り落とした。


「流れ星って本当に願いを聞いてくれるんだね」


きっと天から落ちる流れ星は願いを聞いてくれない、天には人の声が届かないからだ。

でも地を駆けて、天に登る流れ星はきっと願いを叶えてくれる、人の声が届くから………だよね兄ちゃん!




side九条大助


「いってぇ」


取り敢えず鮫から魂を回収………ふう、かなりのパワーアップができたな。


全力で『加速』の時間一杯まで連続使用した、その反動なのか体の節々が悲鳴を上げている。

逃げる鮫を追い掛けてかなり遠くまできた、本来なら女性グループのアジトまで雪を迎えに行かなければならないのだが、そろそろ時間的に異変が始まってから丁度7日間だ、夢が本当なら天界とやらに行くか行かないかを選べる。

そして願い事を叶える為に最後の一人になるまで戦うんだろう。


十二時………その時がきたようだ、さながら神の宣告という所だな。





―――――――――――願い叶える為に天界に登る事を承諾する者は天に向かい両手を上げ目を閉じよ、資格がある者は天界に行けるであろう

―――――――――――



やはり、男のような女のような子供のような老人のような不明瞭な声と、目の前に現れる光がかたりかけてくる、俺は指示通りに両手を空に向け目を閉じた。

雪と男の子は無事にアジトにたどり着いたかな、アクセルホッパーは天界に持って行きたかったな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ