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マンホール・ダンジョン2

ピラミッドといえばミイラと罠、探索をしているこのダンジョンも多分に漏れずそれらが襲いかかってきた。


「兄ちゃん!またきたよ〜」


「ああ!」


砂漠地帯とは打って変わって、モンスターの方からかなりの物流で襲いかかって来るミイラ・骸骨兵・蝙蝠。


「次から次ぎにしつこい!」


雪が相当イラついてる、今までのモンスターと違いダンジョン産のモンスターはきっと〟軽い〝んだろう、地上のモンスターは色々な意味で〟重い〝ので心が疲労するが此処ではあまりソレを感じないのだ。

当然の用に宝箱はスルー、ピラミッドの宝など呪ってくれと言ってる用な物である。


「兄〜ちゃ〜ん、まだ〜」


「そろそろ最上階だな」


階段を上がるとの赤・青・黄・緑・黒・白の六つの扉と何やら謎々が壁に書いてあった。






"ソレ"は雌雄同体、両端がオスとメスに分かれてる

オスの部分はカクカク曲がり、メスの部分はクネクネ曲がる


体の真ん中を切断しても、オスだけ、メスだけ、にはならない

オスの断片からメス生えて、メスの断片からオス生える


"ソレ"とは何か?









「兄ちゃん、何コレよくわかんない」


「謎々だな」


このフロアに上がってからモンスターは攻めて来ない、恐らく謎解きに集中しろという事だろう。


「雌雄同体って雄と雌両方の役割を持ってるって事だよね?」


「ああ、そうだな」


しかも体を二つにしてもまたそこから雄雌に別れると………所謂答えを喩えるタイプの謎々だろう………となると答えは動物ではない可能性が高いな、そういう性質の物体か………ふむ答えが解ったがさて。


「兄ちゃん、解った?」


「ああ、答えは青の扉だな」


俺達は青の扉から部屋に入った。

部屋に入った途端に入り口は消滅中には広い部屋に入り口と同じ六色の扉が俺達の入って来た反対側にあり、そして部屋中央には大きな黄金の棺からツタンカーメンのマスクを付けたミイラが出てきた。


「ボスみたいだね、兄ちゃん!」


構えた俺達は一撃を加えようとマスクミイラに一足飛びで近づくが、ミイラの攻撃が先に振るわれた、鞭のように包帯を振り回しマスクミイラに近付けない。

包帯なのに攻撃が重すぎるだろ!

内心そんな愚痴を吐きながらも木刀でマスクミイラの攻撃を弾く、火花とか散ってるけど本当に異変からこっち色々ムチャクチャすぎる。


「炎風二閃・ファイアァァァストォォォムクロォォォォォス!!」


雪の魔法剣が遠距離から炸裂、一時的にマスクミイラからの攻撃圧力が下がる……が数秒後また復活した。


「兄ちゃん!効いてないよ!」


「雪!違う属性でもう一度打ってくれ!」


これだけ攻撃して相手の包帯も雪が切り飛ばしている筈なのに一向に弱まる気配すらない、RPG的には何処かに弱点が有るのが普通か?取りあえず雪が魔法剣を放つまで雪を守りながら時間を稼ぐ事に専念する。


「地水二閃・アァァァスクロス!ウォォォタァァァ!!」


再度放った魔法剣がマスクミイラにヒット、弱った瞬間に2秒程『加速』を発動、マスクミイラのマスクを全速力で剥がして砕く………が一瞬マスクミイラのおぞましい顔が表れるも数秒後に再生して元の部屋中央に現れた。

弱点はないのか?てっきりマスクが弱点なのかと思ったのだが。


「兄ちゃん!後は後ろの棺位だよね?有りそうなのは?」


「ああそうだが」


雪の使える属性は4種類、もしかしたら光属性や回復魔法以外ダメージを受け付けないタイプか?


「炎剣一斬・フレイムソォォォォォド!」


魔法剣はマスクミイラの背に有った棺に直撃………棺は壊れたままマスクミイラは依然部屋中央に立っている、棺は修復はされない。

マスクミイラを攻撃しながら暫く観察したが、どうやら棺とマスクミイラは余り関係無いらしい。


「兄ちゃん、どうしよ!」


どうする?入り口のドアが間違ってたのか?謎々の答え通りなら合ってる筈なんだが…………そうか!謎々か!


「雪!壁に手をつけ!」


「OK!」


俺も壁際に下がり手を壁につく、やはりマスクミイラの攻撃は止んだ。


「兄ちゃん?なんで止まったの?」


「まだ俺達はキチンと謎々の答えを示してないんだ」


「あーそういえば僕達から襲い掛かったもんね」


「そうだな、壁に手をつけながら赤の扉まで行くぞ」


要するにあいつは不死身の門番で謎々を理解せずに正解を選んだ者を排除する役目を持っているのだ、そして謎々の答えを正確に理解していれば戦わずに済むのだろう。

こうして謎々の答え通りに赤の扉から出て次ぎの階層に行く階段を見つけ出した。









街・マンホール・雪原・砂漠の次は森林であった、鬱蒼とした木々が並々と続いている。


「どこ目指せばいいのかな?定番なら世界樹とか?」


雪は某RPGのファンなので世界樹みたいな物が有れば見てみたいんだろうな。


「取りあえず木登りしてみるかな」


雪と一緒に木登りか………子供の頃を思い出すな、家の近くの公園に一本だけ木が有って意味もなく登っては、遠くを眺めるのが好きだった。


「本当にあるのかよ」


「アレを目指すよね!」


遠目に一本の巨大な樹がある、それ程距離は離れていないようだ。


「凄い景色だね!兄ちゃん!」


「ああ、雄大って言葉がよく似合う」


暫し見とれる、なんか疲れが癒える気がした。


「兄ちゃん約束覚えてる?」


「なんのだ?」


「昔、よく木登りしてたじゃん」


「ああ、そんな昔の約束よく覚えてるな」


約束、小さな頃の約束、雪はあんまり今と変わらない、俺もまだそこまで性格がすれてなかったような気がする………そんな小さい頃の約束。


あの頃俺は親に続けて約束を破られてた。

例えば休日に父親と遊ぶ約束、例えば母親に良い子にしてたら好きなお菓子を買ってくれる約束、そういう親からしてみれば小さな約束だったんだろう。


今にして思えば色々な事情が有ったと分かる、でも子供にしてみれば大きな約束で、親は絶対の存在で、約束を破られたショックは大きかったのだ。

だから俺は誰とも約束をしなくなった、俺は最後にした約束を全力で守ると決めたのだ。俺の約束が破られた、という事は雪の約束もまた破られたのだろう。

だからお気に入りの木の上で雪は泣いていたのだ、俺は何とかして雪の涙を止めてやりたかった、だから約束したのだ。


「雪が大人になるまで俺が沢山遊んでやるよ!」










「懐かしいね〜あれから兄ちゃん、僕と遊ぶ為に全力で家に帰ってたよね!」


「まあな、子供心に約束は絶対と思ってたんだろうな」


あれから大分たった、雪が周りと沢山遊ぶ活動的な性格になったのは、小さい頃、俺と男の子がやるような遊びばかりしてたせいかもしれないな。


「ねえ、兄ちゃん?約束守る為に帰宅部で、家から一番近い高校に決めたの?」


「違うよ、俺は面倒くさがりで頭が悪いだけさ」


「本当?兄ちゃん僕としか遊んで無いしさ……」


「子供の頃の約束だぞ?たんに出不精なだけだよ……さあ、あの世界樹っぽいのに向かうぞ」


雪は友達が沢山いる人気者、俺はぼっちな根暗野郎、そんな性格の分岐点になったのは確かだろう。

約束は守るもので雪が大人になるのはもうすぐなのかもしれない、それまではできるだけ守りたい、


"雪に泣いて欲しくない"


という自分にした約束を。








森の中、適当に歩けば当然のように迷う、なので雪と交互に定期的に木登りをして巨木の位置を確認する。

当初そんなに離れていないと思った巨木は思ったより遠く、それが更に巨木の巨大さを感じさせる、またモンスターも頻繁に出てくるのが行軍を遅くさせていた。


「兄ちゃん!またお猿さんきたよ!」


「了解!」


現れる大半が猿型のモンスター但し四本腕だ、更に森の中は動きづらく視界が悪いのでどうしても接敵までの距離が近くなってしまう。


「オラァ!」


気合いを込めた叫びと共にモンスターの右手を狙う、猿型は木登りが得意で戦闘中木を足場にしたり、腕を巧みに扱い立体的にトリッキーに攻めてくる。


「おらぁ!」


雪が足元を狙った一撃で猿型を切る、猿型は残った腕で木を使い逃げようとする…それを逃がす程俺達は甘くない、背を向けた猿型は隙だらけで、其処に躊躇なく木刀を叩き込んだ。


「強いけど沢山魂持ってるよね〜コイツ!」


「次は雪の番だ、手早く魂を回収しろよ」


「OK〜」


魂を回収した猿型の死体は霧の様に消える、ダンジョン内は死骸が残らないのがどうしても命を軽く感じさせる。


「そろそろ木登りするぞ」


俺の番だったので一声かけてからさっさと木に登る、巨木の方角を目指し歩いてきたがそろそろたどり着く。



「このペースなら後一時間て所かな」


「最初の位置から結構歩いたね!」


木から降りて雪と会話する、魂も集まり順調に見えるこのダンジョンがどの階層まであるのか、本当に脱出できるのか、不安は感じるが黙々と先に進む。










「おぉ」


思わず感嘆の声が漏れた、急に視界が開けたと思ったら目の前にはその圧倒的な存在感を持つ巨木が目に映った。


「やっぱりでかいね!」


雪も感動しているようだ。

さて何時までも呆けている場合では無い、次の階層に行く階段を見つけなくては。

まずは木の周囲をぐるっと回る…………………でけぇな、特に何が有るわけでもないか。


「兄ちゃん!僕思うんだけど登ればいいんじゃないかな!」


「俺もそんな気はするがな、少し待ってくれ」


いわゆる世界樹信仰、幾つかあるが日本で有名なのは北欧神話のユグドラシルだろう、ならば暫く待てばリスが現れる可能性がある。


「少しってどれくらい?」


どれくらいか、流石に一時間は長い気がするな、


「三十分という所かな?」


「なんで〜?」


「これがユグドラシルをモデルにしているなら、ダンジョンマスターか次の階層に行くヒントが手に入る可能性があるんだよ」


「何から?」


「リス」


「リスか〜」


リスの名前は忘れたが、北欧神話では世界間を言葉で繋ぐ伝令役だったと記憶している。


「よくあっしの事を知ってましたね?」


「リスだ!しかも喋った!」


「早かったな、もっと遅い登場だと思ったよ」


「いやぁまさかあっしの事を知ってるチャレンジャーがいるとは思わなくて、マスターがあっしの事を知ってる人間には親切にしてやれと言ってたっすよ。」


「丁度良かった、出来るならこのダンジョンから脱出できる所まで案内して欲しいんだが」


「其処まで分かるっすか?」


「兄ちゃん、どゆこと?」


「世界樹、北欧神話では色々な世界に繋がっていて様々な世界を内包しているから世界樹と呼ばれてるんだそうな、それを踏まえると恐らくこのダンジョンの色々な階層に繋がっている可能性が有るかなと、住宅街を含めるとこの階層は五階層で切りが良い、なにかしらのギミックが有ってもおかしくないしな」


「では付いて来るっす」


こうして運良く案内役を手に入れた俺達は木登りを開始した。


「絶対枝の方に行かないようにしてくださいよ、変な階層に落ちても知らないっすからね」


「は〜い!」


「おう」


巨大な木を掴みながら登る、しかも枝では休めない、肉体が魂で強化されてる俺達でもリスについて行くのは大変であった。

また、登る距離も長くかれこれ二時間ほど休まず登っている。


「まだなの〜リスさ〜ん、流石に僕疲れたよ〜」


「もうちょっとっす、がんばるっすよ」


しかし、景色がすごいな、世界樹から眺める景色は広大なジャングルを一望できる、しかし鷹の目を使ってもジャングルの端が見えないのはやはり此処がダンジョンだからだろう。


「なんか、兄ちゃんのお尻ってセクシーだね」


「雪は何を言ってるんだ」


「いやなんか、景色ばっかり見るのも飽きたし、兄ちゃんのお尻見てたらつい」


雪がなんかあまりにも暇で壊れ始めてるぞ、元々活発でじっとしてるの苦手な性格だからな。


「着いたっすよ、この枝に乗るっすよ」


リスが乗った枝は結構な太さがあり、意外と簡単に枝の上を歩く事ができた。


「あの魔法陣に触れると移動出来るっすよ」


「ああ、此処までありがとうな」


「ありがとねリスさん!」


「いえいえ、ではあっしはこれで」


リスは更に上の方に凄いスピードで登って行った、どうやら俺達に合わせて進んでくれてたらしい。

リスを見送ってから魔法陣に触れると景色が一瞬で切り替わり、辺りが玄関に変わっていた。


「いらっしゃい」


「ああ、お邪魔します」


「おっじゃましまーす!」


出迎えてくれたのは二十代位の線の細い男性だった。


「取りあえず、リビングへどうぞ」


俺達は案内されるままについていった。


「さてどうしたいですか?」


「どうとは?」


余りに抽象的すぎるのだが。


「外に出たいです!」


雪はぶれないな。


「まあ、幾つか選択肢はあります、実はあの住宅街は1日過ごすと元の場所に自動的に脱出できる仕組みでして」


「という事は俺達は無駄足だったのか」


まあ普通あそこまで積極的には行動しないかもしれない、なんせ敵がいない上に安全そうな寝床が沢山あるしな。






「まあ一応クリア特典みたいな物も有りますよ」


「なに!なにくれるの!」


食いつき過ぎだろ。


「まず特殊なアイテムですね、腕輪型のアイテムボックスか、後は錬成の布ですかね」


「アイテムボックスは想像できるんだが、錬成の布とは?」


「えっと、この布の上に必要な素材を乗せて両手を布の上に置き、錬成と唱えると脳裏に何を作るかメニューが出てきます、で出来る物を選択するとそれが現れます」


それは凄いな、色々応用出来るだろう、ノーリスクなら。


「素材意外に必要な物はあるのか?」


「特に必要ないですね」


「凄いね!」


「後はダンジョンマスターの権利ですかね」


「それも凄いな」


ダンジョンマスターの権利か、自分に都合の良い土地を作り出す事が出来るのか。


「このダンジョンは私が管理していますが、ダンジョン踏破者がこの赤い宝石を持ち、"ダンジョンクリエイト"と唱えるとその中心から半径五キロを異界化して二十四時間、あらゆる干渉を防いでダンジョン作りをする事が出来る」


どのアイテムもなかなか魅力的である、だが最初に一応と注釈していた、という事はこの後本命があるのだろう。



「後は私を殺す場合ですね」


何でもないかのにサラッと彼は言ってのけた。


「なんでそんな事言うの!?」


雪は信じられない事を言われたようで、かなり怒っている。

俺といえば、幾つか有るパターンの内の一つだろうと、別段予想通りだったのであまり驚いてはいない。


「いえ、実は私はですねこんなに若い見た目ですが118才なんです」


「えぇ!そんなお爺ちゃんだったの!?」


これには俺もびっくりである。


「という事は、死にたいけど死ねない、という事ですか」


「その通りです、もう7日程も経ちますかね……異変が起きてから、異変当初はお昼寝をしていたんですがね、急に目が覚めたらこの家に居まして、私は入院していた筈なんですがねぇ」


なるほど、という事は異変後は一部の人間はダンジョンマスターの力を与えられた後に転移させられて、ダンジョンに配置しているのか。


「また色々な制約がありましてね、私自身は戦闘能力は無いんですよ、自殺出来ないのも制約の一種です」


ダンジョンマスターに成ったら自身を強化出来ないのかね?あるいはしなかったのか。


「まあ、実際ダンジョンマスターになると人の死を何回も見せられてね、しかもある程度ダンジョン製作しないと、ダンジョンのエリア内が勝手にダンジョンになってしまうんだそうです」


だからか、このダンジョンは比較的危険な物が少ないと思ったよ。


「できる限りチャレンジャーが死なないように頑張って作ったんですよ、

ダンジョンの制約を守ってなるべく弱いモンスターを設置して」


確かに一番上は無人街だったし、マンホールもゴブリンだけ、雪原はモンスターが現れず、寒くも無かった。


砂漠は暑いが此方からモンスターに攻撃しなければピラミッドまでは安全だったし、恐らくピラミッドは制約を守る為に必要で宝箱を調べれば有用なアイテムでマスクミイラ達アンデット系を楽勝で討伐出来たのかも知れない。


ジャングルも出て来たモンスターは一種類だけで、それがあの階層で設置できる一番弱いモンスターだったのかもしれない。


極めつけはリスだろう、あんな分かりやすい手助けモンスターが自分から来たのだ、ダンジョンマスターが俺達を観察して案内したと考えた方が自然だろう。



「で、なぜ死にたいんですか?」


この爺さんの話で一番重要だと思ったものを俺は聞いた。


「この歳になるとね、生きるのが辛くなるんだ、それこそ年寄りのままゆっくり死ねたら一番幸せだったんだが」


爺さんは何かを思い出しているのか辛そうな顔をしている。


「ここまで長生きするとね、女房も死んで、息子も娘も死んで、孫もね異変が起こる4日前に死んだんだよ、こんな役に立たない、くそ爺が生きるのも辛いのさ、それでもね私も高齢だったからさ、どんなに長くても後十年程度で死ねると思ってたんだがね」


爺さんは溢れ出した感情が止まらないのだろう涙を流していた、その顔は酷く疲れ果て、俺には二十代の顔に見えなかった。


「こんな若い体なんて欲しく無かった、安らかに眠れる老体のままでいたかったよ」


それはどんな思いなのか、若い俺には理解出来ない、いや理解できるのはこの人だけなのかもしれない。

百年という時間がとてつもなく重く、苦しく、辛い、それでも安らかに眠れるならと生きていて、急に若返ったのだ、心が耐えられなかったのだろう。

制約なんて無くても自殺なんてできる筈が無い、そんな事したら自分の親族に申し訳がたたないからだ。


雪が静かに泣いている、涙は流してないけれども、確かに泣いている。


「爺さん、残念だが爺さんの願いは聞けないよ」


「そうですか………仕方ないですね、私の願いは重すぎる、若いあなた達には余りにも」


「ああ、という訳でなアイテムボックスを二つお願いする」


「はい、コレとコレだ」


爺さんから渡された金の腕輪をそれぞれ身につける、さてダンジョンを脱出させてもらおう。


「爺さん、そろそろこのダンジョンを脱出したいんだか、いいか?」


「ああ良いぞ、玄関から出たら普通に表に出られるようになってるよ、一方通行だがね」


「では、おじゃましました……ほら雪も行くぞ」


「おじゃましました」


表に出ても雪はかなり落ち込んでいるようだ、感受性が強いのかな、かなり苦しそうだ。


「にゃーにゃー」


黒猫が現れた、てっきりはぐれてそのままサヨナラだと思ったのだが、まあ今は雪を慰めて貰おう。


「黒猫さん、人間て難しいね」


「にゃにゃー」


黒猫を抱きしめてポツリとそんな言葉を零す雪は………少し大人になったのかもしれない。

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