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銀河連盟生徒会が行く  作者: 百合華
第一章 花澤卯月の辛苦
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4 すごく真面目なので……

 聞き間違いではない。確かに名前を呼ばれた七人の中に自分の名前があった。ならば、早く生徒会室に行かなければ。

(でも、生徒会室って、どこにあるんだろう?)

 卯月はすぐさま生徒手帳を取り出して、校内の地図を表記したページを開く。

「ええっと、生徒会室生徒会室……あ、あった」

 西棟の三階。中等部は東棟なので、ちょうど反対側だ。ちなみに、今、卯月がいるのは一階である。

(い、急がないと!)

 校舎は北棟、東棟、西棟、南棟と名前通りの位置に建てられている。なので、中庭を上履きのまま突っ切らない限り、東棟から直接西棟に行くことはできない。一旦、別名クラブ棟と呼ばれている北棟か、高等部の教室が並ぶ南棟を通る必要がある。

 卯月は、南棟経由で生徒会室に向かうことにした。現在位置から考えると、その方が若干近かったからだ。

 渡り廊下を駆け抜け、南棟に入る。そして、左手側に高等部の教室がずらりと並ぶ長い廊下を進んでいく。

 卯月は、走りながら考える。

(そもそも、僕の人に知られたくない恥ずかしい秘密ってなんだろう?)

 思い当たる節がないので、ちょっとだけ気がかりだった。

 テストの点数は、悪くない。卯月は春休み明けのテストで一番だった。つまり、中等部三年の首席だからだ。男なのにゴキブリや毛虫で悲鳴を上げるなんてこともないし、乙女趣味もないし、女の子ではないからスリーサイズも気にならない。思いつく限りの自分のプロフィールについて考えても、特に奇抜なものはなかった。

 それに、卯月は元々、隠し事が嫌いなのだ。天涯孤独の一人暮らしの上に友達もいない今のところでは、隠し事をする相手すらいないのだけれど。

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