表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
銀河連盟生徒会が行く  作者: 百合華
第一章 花澤卯月の辛苦
14/40

3 遅刻は厳禁

 生徒会選挙が行われた日の放課後になって一時間もすれば、投票結果を示した紙がそこら中の掲示板に貼られる。

 だが、帰宅部である卯月は、その日もいつも通り、放課後になると同時に下校してしまったし、関心がないので後日も掲示板に目をやることはなかった。

 御門蓮。

 名前だけなら聞いたことがある。宝月学園の三大王子と謳われる、成績優秀、スポーツ万能、ついでに超絶美形という、学生モテ男の三種の神器を兼ね揃えた有名人だ。よく女生徒たちが話題にして騒いでいるのを耳にする。

『ということで、今から今年の生徒会執行部員を発表する。同じことは二度言わないから、しかと聞いておけよ』

 卯月は、自分には関係ないだろうと、適当に聞き流そうとした。

 が。

『高等部二年の雪峰師走。高等部一年の熱海葉月とヴィゼルフ・ベルス。中等部三年の熱海文月と雨植皐月と花澤卯月。中等部二年の多波如月。今、名前を呼ばれた奴、この放送が終わり次第、三分以内に生徒会室まで来い。この俺様を刹那でも余分に待たせた奴は、罰として人に知られたくない秘密をつまびらかに放送してやるから、くれぐれも遅れないよう……』

(……え?)

 卯月は自分の耳を疑った。

(今、僕の名前を呼ばれた?)

『人に知られたくない秘密って、お前がもう知ってんじゃん! どこから仕入れた、そんな情報!』

『全校生徒の個人情報は全部把握している。生徒に関するプロフィールで俺にわからないことなどない。なぜなら、俺は生徒会長だからな』

『なぜなら、の意味がわからんわ! そんな生徒会長、フツーに気持ち悪いっつの!』

『つうわけで、三分以内だぞ。ちゃんと計っているからな。では、よーい、スタート!』

『ちょ、マジで計るのか! マジで罰ゲームとかしな……』

 ピンポンパンポーン。

 放送が終了する。

(え、え、ええ!)

 卯月はただちに席を立って、教室を飛び出した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ