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大切なもの  作者: 杉谷ゆぬの(果樹)
プロローグ
1/1

暗黒の雨

「ついに…この日が来てしまったんだ…。」

窓際に立つ一人の男性は外の雨を見てつぶやいた。

「父さん…この雨、なんかおかしいよ…?」

彼の娘であろう少女は言う。

「色が変なの。ふつう雨って水だから透明なはずなのに、この雨は黒いよ。」

「黒い、雨…か。…アンナ、もしかしてこの雨の中で外に出たりは…」

「してないよ。あ、でも降り始めたのが帰りだったから、少し濡れたかも。」

男性はその言葉を聞き、急に目の色を変えた。

「どこが濡れたんだ!?」

「え、ふつうに頭とか…。」

「体に変化とかは!?頭痛いとか、ないのか!?」

「う、うん…。」

少女、アンナの言葉を聞いて今度は胸をなで下ろす男性。

「何でそんなこと聞いたの?」

アンナは不思議に思い聞いた。

「アンナ、よく聞くんだ。この雨は、百年ほど前にある人物が予言した『呪いの雨』なんだ。その人物はこの雨のことを『暗黒の雨』と名付けた。きっと、この雨に濡れると呪いがかかってしまうんだ。」

「父さん…怖いね。いつになったらやむのかなあ…?」



降りしきる黒い雨の中、少年は家の前に座り込んでいた。

「おとうさん、おとうさん…どうして帰ってきてくれないの…。」

黒い雨は容赦なく少年を濡らす。

「はやく…はやく……」

だが、その声は誰にも届くことはなかった…。



まだ幼い子供が黒い雨の中で泣いていた。

「…ごめんね。ママはあなたと一緒にいることは出来ないの…。たまには遊びに行くからね…。だから泣かないで…?」

「あーん!!やーあだあ!ママー!ママー!!」

母親は子供を乳母に任せ、その場を離れる。

子供はその乳母に連れられ、家の中に入っていった。

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