僕が誰かを殺す理由
僕が、初めて人を殺したのは、中学生の時。
どうしようもない、父親だった。
あいつは、カスだ。クズだ。
昼間から酒を飲んで、暴力を振るった。
僕と母さんは、いつも部屋の片隅で堪えて。堪えて。堪えて。
僕は、限界だった。
だから、父親の呑む酒に、ネズミ殺しの薬剤を入れておいた。
あいつは、いつでもベロベロに酔っ払っていたから、味なんて気付きもしなかった。
そして、のたうち回って、死んだ。
あいつは、苦しんで喉を掻きむしって、虫けらみたいにのたうって死ぬのが、お似合いだろう?
母さんは、真っ青になりながらあいつの名前を呼んでたけど、本当は喜んでいたんだよね。
僕には、解るよ。
母さんもスッキリしただろう?
その次は、高校生になった時。
あのクズは、僕のお気に入りの女の子によく、ちょっかいを掛けていたんだ。
迷惑この上ない事だよ。
その女の子は、仕方なしに君に付き合わされていたんだ。
だから、僕は彼女を救う為にあのクズを、屋上の壊れたフェンスから突き落とした。
まぁ、こんな事もあろうかと、僕が壊しておいたんだけどね。
準備しておいて、良かったよ。
彼女もこれで、一安心だと思った。
なのに、彼女は直ぐに転校して行った。
せっかく救ってあげたのに。
なんて恩知らずな子なんだろう。
それから、僕は目覚めたよ。
だから、僕は世の中から、クズを排除しようと決めたんだ。
誰にも内緒だけどね。
だって、恥ずかしいじゃないか。
自分から正義のヒーロー騙ってるみたいだしね。
今もね、クズを一人、片付けたところなんだよ。