ドッペルゲンガー
はい。今回は都市伝説のドッペルゲンガーを引っ張ってきました
R-18Gの基準がわかりませんw←
「ねぇ、知ってる?ドッペルゲンガーを見た人は死んじゃうんだって」
そんな何処かで聞いた話。
都市伝説やら怪奇現象。
有り得ないと思うよな
――――――――――――――
「おい」
自室で勉強をしていたらいきなり声を掛けられた。
声の方に顔を向けると幼馴染みであり親友の裟蔵が、機種変更したのだろうか俺の髪と同じ淡く薄い黄色のスマホを俺に向けてきていた。
「ちょっとこれ見ろよ、お前が好きそうな噂あるぞ」
「どんなよ?」
裟蔵があまりにも上機嫌なので聞き返してやる。
「取り敢えずこの記事読め」スマホを俺に渡してきた裟蔵の目は今までに無いほど輝いていた。
てか、こいつの目に光入ったの初めてじゃね?
「ん」
スマホを受け取って例の記事を読む。
「どう?どう?」
やけにワクワクしている裟蔵に内心引きつつ記事の内容を読んでゆく。
「…ドッペルゲンガー…ねぇ」
画面をスクロールしながら呟く。
「どう?」
しつこい。
「裟蔵お前しつこい」
一喝してやると(´・ω・`)←こんな顔になった。
「正直言うと医学的に証明されてるんだけど」
確か側頭葉の腫瘍のせいだった思う。
「マジか」
裟蔵が少しだけテンション下がった。俺の発言のせいかw
スマホを裟蔵に返そうとしたタイミングに俺のケータイにメールが届いた。
「ん?」
後輩の花岡からだ。
《白十字なう。シュークリームうまー(*´∇`*)そして大量購入しましたー。一緒に食べます?
あ、そういえば夜原先輩さっき向かいのミスド居ました?》
だと。
ヲイ。
「霊的なドッペル信じてなかったけど信じたかも」
俺は溜め息を吐きながら返信した。
【白十字うらやま。マジかw一個俺ん家の牛乳箱に入れててくれ。
え?
家で裟蔵と勉強してるけど】
返信はすぐにきた。
暇人か花岡。
《了解ですー(≧▽≦)ゞ買い込んだヤツの一種類づつ入れておきますねw
髪の色とか目の色とか顔とか完璧に先輩でしたよ?ポンデも買い込んでましたし》
しかも写真まで添付されていた。
見てみると、写っていたのは自分だった。
信じられない。そんなこと、ある筈がない。俺は此処に居るのに。どうして?どうして!?どうして!!?なんでだよ!?
「…裟蔵…俺、どうしよう」
頭の中がぐちゃぐちゃになって混乱してきた。どうしようもないから裟蔵に助けを求めた。
「俺にふるな。取り敢えず、捜してこい」
「見たら死ぬんじゃなかったけ?!!」
裟蔵に助けを求めた俺が馬鹿でした!!
「写真見て死ななかったから大丈夫だろ?」
裟蔵の安易な判断により俺は自分のドッペルを捜しに行くはめになった。
裟蔵は自宅待機しとくとか言いながら俺を見捨てやがった
「ちくせう。見捨てられたぜ」
溜め息を吐いて家を出る。
「夜原せんぱーい!!」
白十字の帰りだったのだろう花岡が飛び付いてきた。
「グハッッ!!」
鳩尾クリーンヒットしやがった。めっさ痛い。
「良かった、本物だ」
花岡はあざとい笑みを浮かべ、抱き締めてきた。
痛い痛い痛い痛い
「花岡、ギブギブギブギブ!!」
背中をバシバシと叩いてやると花岡は少しブーイングしながら離れた。
「ドッペルには気を付けて下さいね」
花岡はそう残して牛乳箱にシュークリームをごっそりと入れて去った。
「シュークリームどんだけ種類あるんだよ!!?てか、果てしなく嫌だ。ドッペルなんて会いたくない」
ぷぅとむくれて歩き出す。
暫く歩いて、商店街から路地裏へ抜けてみる。
ひんやりとした日陰独特の涼しさに少し感動しながら歩いていると古ぼけてもう誰も通っていないような小さな商店街を発見した。
「おぉぉ……」
俺はそんな商店街に何かに導かれるようにフラフラと入っていった。
「東京にこんな所まだあったんだ……」
静かなシャッターだらけの商店街を感動しながら歩く。
辺りには俺の足音しかしなくて逆に神秘的だった。
「静かだなー、寂れてるし廃れてるしなんかちょっと怖いけど良い感じだなー」
長い長い廃れた商店街を歩いていると不意に背後から足音が聞こえた。
「!!?」
振り返ってみても誰も居ない。
「誰も、居ない…?」
心拍数が一気に上がり呼吸が乱れる。
前に向き直ると
「心配だったから後つけてきた」
目の前、てか、超至近距離。キス出来るくらいの位置に裟蔵が居た。
「ウワァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!?」
「うっさい黙れ夜原」
「って、裟蔵か……良かっ…!?」
足音が再び。裟蔵の後ろから俺が歩いて来た。
「裟蔵、逃げよう」
「は?…あぁ、逃げろ此処は俺が食い止める」
裟蔵、超かっこいい!!
俺は元来た道を全力で駆けた。
息が切れる。足が縺れて転けそうだ。
――――――――――――――
偽者の夜原を前にして俺は構えた。
「へぇ、そうくるの?そっちの裟蔵は。まぁ、俺は俺のままだしなー、すぐに此方の裟蔵も来るよ。裟蔵VS裟蔵、かっこいいかもね」
奴が言ったと同じタイミングでもう一人、俺が現れた。
「ッッ!!」
すぐに間合いを取る。
「「ドッペルゲンガーに会ったならば、本人は死ぬ」」
奴等は声を合わせて言った。俺は偽者の俺に殴りかかった。
「無駄だっつの」
ペシッと払われた。なんだよコイツ……完璧に俺じゃねぇか
「ねぇ、裟蔵」
「あー、オリジナルVSドッペル?うん。殺るわ、夜原はオリジナル殺ってこいよ」
「じゃ、行ってくる」
偽者の俺は此方に来た。
ちくせう偽者夜原行かせてしまった。夜原絶体絶命
「つーことで、オリジナルは死んでくれ。楽に逝かせてやるから」
偽者の俺が銃を構え、俺の眉間に銃口を向けた。俺は舌打ちをしてから屈んで、奴の懐目掛けて走った。
安全圏に入ると拳を構えた。すると
「そうくると思ってた」
鳩尾に互いの拳がめり込む。
「ガハッッ!!?」
「ッッ!!」
俺は痛みに耐え、偽俺がうめいている内に次の攻撃を仕掛ける。アッパーの準備。
口の中に溜まった血を吐き捨ててアッパーをかました。
「グッッアッッ!!」
偽俺はそのまま吹っ飛んだ。
「遅えよ。俺を、オリジナルの裟蔵優希を殺すとか言ってたよな?逆にオリジナルがドッペル殺すんじゃね?」
ドッペルの金玉潰してやろうかと思いながら近づく。
「さぁ、どうだろうね」
偽俺は立ち上がると何処からか液体の入った小瓶を取り出し口に含み、キスしてきやがった。
「んぅ!!?」
口の中に何かが入ってくる。飲み込めとでもいうのか?
舌を喉の奥に差し込まれ、抵抗虚しく液体を飲み込んでしまった。
「ぷはッッ。流石に自分にキスするとは思わなかった……」
偽俺は口元を拭いながら言った。
俺はその場に崩れ落ちた。
身体に力が入らない。
声も、喉が焼けるように痛くて出ない。
「飲ませたのは此方の夜原から貰った《強力な筋弛緩薬兼口腔以外の粘膜に触れると酸性になる薬》。じきにお前の身体中を酸が蝕むだろな。素直に眉間撃たれてれば楽に逝けたのに抵抗するから飲ませたんだ」
ッッ!!
苦しい、身体中痛い。でも、夜原を助けに行かなきゃあいつ殺されちゃう。
「もしかして自分が死んだ後気にしてる?」
気にしてねぇよ。てか、背中を踏みつけるな。仮にも自分の体だろ
「気にするよね、そりゃ。大丈夫、俺がお前として生きてやるからさ。オリジナルの夜原も、此方の夜原が殺して成り替わるだろ」
嫌だ。死にたくない。死ぬなら、夜原と死にたい。でも嫌だ。死にたくない。死にたくない。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。
俺の意識はそこで途絶えた。
「さてと、俺はw夜原の所にでも行こうかな。お前も連れてってやるよ、って…もう死んじゃったの?早いな」
偽裟蔵はつまんないのとか言いながら廃れた商店街を後にした。
「あー、夜原に連絡しなきゃな……せめてオリジナル夜原は楽に死なせてくれとでも頼もうか」
――――――――――――――
オリジナル裟蔵VSドッペル裟蔵の最中のw夜原
――――――――――――――
「ッッ!!」
俺は元来た道を全力で駆けた。
息が切れる。苦しい。足が縺れて転けそうだ。
背後にはクスクスと笑いながら追い掛けてくる偽俺が。
「ほらほら、逃げないと俺に殺られるよ」
距離はかなり開いているが(角を曲がれば何処か見失う程度離れてる)高笑いをしながら追い掛けてくるドッペル。しかもチャリで。
手には怪しい小瓶を持って追い掛けてくる。
「ッッ!!殺されて、たまるかよ!!」
俺は力を振り絞って足を動かす。
もう少しで家だ!!それでなんとか!!
家まで辿り着くと壁に立て掛けていたロードバイクに跨がり、ヘルメットを被って水筒に水を入れて全力でバイクをこいだ。
「死んでたまるか!!」
ふと振り返ってみると
「ふぅ……撒いた、か?」
ペースは寧ろ速くなってるから撒けたと思う。
前を向き直しても居ない。
よし、撒いた。
「秘密基地に行けば助かるかな……待てよ…こうならないか?」
思ったのは以下のこと。
〔俺はめっちゃスピード上げて小高い丘を目指した。
「う、嘘……」
「ザンネンでした、俺が知らない訳が無いでしょ【俺の逃げ場は何時も決まって裟蔵と二人で作った秘密基地】って」
舌打ちをして一気に坂を下る。
追い付かれないよう、懸命に下る。だが―――――――〕
「有り得る……東京から逃げられないしな…」
「だろうなぁw」
「!?」
ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!?居たし、ドッペル居たし、逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ!!
タイヤがキュッと音をたてるくらいスピードを一気に上げて逃げる。
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァァァ」
「どこぞやの吸血鬼かお前!?」
結構背後から聞こえるどこぞやの吸血鬼のセリフを吐きながら追い掛けてくるドッペルに思わずツッコミを入れてしまった。
そういえば……相手はママチャリだよな…ならば登り坂ならどうよ?
きっついきっつい登り坂。俺はママチャリで登れた覚えがない坂へ。
俺は息を大きく吸い込み加速した。
どんどんドッペルから離れてゆく。
山へ、ロードバイクでしか登ることの出来ない山へ。
山を登りきり一息吐く。
「流石にここなら」
辺りを見回すがドッペルは居ない。
「やっと撒いた……」
「ねぇ、俺から逃げられるとでも思ったの?」
まさかの急降下でしたかドッペルさん!!?
「チッッ!!いいよ、ドッペルゲンガー。お前を逆に殺してあげる」
俺は奥の手。油入りの小瓶を取り出し、奴が通る道に投げた。
小瓶は計画通り割れ、地面には滑りやすくなる為の油が広がっていく。
「カーブで滑っちゃっておKよ」
俺はクスと笑って山を少しだけゆっくり登る。
「お前せこすぎるだろ!!?」
ドッペルがドップラー効果効かせながら油の道に突っ込んで滑って転けたのを眺め、達成感に浸る。
「ふぅ……」
このままとばして家まで帰ればなんとかなるだろうと思いながらバイクから降りた。だが、奴は居た。
「滑って転けたからって絶対お前殺すからな」
途中途中咽せながらドッペルは俺を睨む。
そして手を挙げて指パッチンした。
「指パッチンておま…!!?」
上を見ると何かが落ちて…いや、降ってきた。
「小瓶はダミー。本命は此方でお前を殺る」
ドッペルがニヤリと笑った。
俺は何となく上空の何かが落ちなさそうな位置まで逃げた。
「そうくるの、分かってた」
奴は小瓶の液体を俺に浴びせた。
「あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!??」
「小瓶の中身は硫酸でしたー。しかもさっきのは幻覚だよ。ざまあw」
皮膚が激痛を伴いただれてゆく。痛い。痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
ドッペルはニィと笑って此方へやってきた。
「内臓ぶちまけて死ね☆お前死んだ後に俺がお前として生きてやるから心配すんな。あ、因みに言うと、オリジナルの裟蔵はもう逝ったよ」
痛みに意識が薄れ始めた頃、ドッペルはそう言うと俺の腹を包丁で縦に深く切りつけた。
「ッッ!!」
痛みにビクンと身体が跳ね上がる。
ヤバい。凄く眠い。痛みを段々感じなくなってきた。
「心配せずに早く裟蔵の所に逝けば?」
奴の言葉に俺は、内臓を引き摺り出される痛みを少し感じながら眠った。
―――――――――――――
「ねぇ、裟蔵」
「ん?」
「オリジナルの死体どうする?」
死体を入れた袋を持ったドッペル夜原は相方に問い掛けた。
「あー…どうするかな…」
悩むドッペル裟蔵。
「俺なんて殆ど原型留めてないから海に捨てれば良いけどさ、裟蔵が問題じゃん」
ドッペル夜原はドッペル裟蔵が担いでいる裟蔵の死体をつつく。
「つつくな。…だよな…体内は溶けてるから捨てにくいし…」
「んじゃ、コレと混ぜるよ。皮膚とかは刻んでさ。俺のコレはもうちょいぐちゃぐちゃにしたら完璧にとソレと混ざるよ。寧ろミキサーにかけて液状死体を海に捨てんの」
ドッペル夜原はドッペル裟蔵から裟蔵の死体を受け取り、何処からか巨大なミキサーを取り出し夜原と裟蔵の死体を放り込んだ。
「スイッチ入れて完璧に液体にしてやるんだ」
「あー、それならその辺の山でも海にでも捨てられるな」
なるほどと納得するドッペル裟蔵。
「んじゃ、スイッチオン」
ドッペル夜原がスイッチを押すと嫌な音をたてながら死体を粉砕し、液状に変えた。
「すげえ臭いだな」
「まぁ、人間殺すと臭いらしいしね」
ドッペル夜原は液状になった二人をミキサーから無駄にでかいペットボトルに詰め替えながら笑った。
「マジか……んでさ、結局海に捨てんの?」
「うん」
―――――――――――――
海に着いたドッペル二人組は夜原と裟蔵の液状混合死体を流して家に帰った。
「これからは俺が本物の夜原優弥で」
「俺が本物の裟蔵優希なんだ」
二人はニヤリと笑う。
その笑みは誰もが凍り付く様な邪悪さを帯びていた。
「「次は花岡と柳木だな」」
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
かいていたら何をかきたいのかわからなくなったので夜原と裟蔵をミキサーで粉砕しました
まあ、液状死体がかきたかったみたいな感じで