エピローグ2
出雲グループ総帥の私室は、鈴波市にある超高層ビルの最上階に作られている。
頭に白い髪が混じり始めた初老の男性、出雲輝彦が数枚の報告書に目を通していた。
「……まさかたった十七日でシンクロ率95%を越える者が出るとはな……」
輝彦が今目を通している報告書には慶次郎のことが事細かく書かれていた。
父親と母親のことから、いままで何をし、今どんなことをしているのか調べられる限り全てを。
その他の書類も、全てが十代前半から後半の少年少女たちのことを調べた報告書だ。
その中には早川瑠璃の名前も混じっている。
「……ふぅ、結果は予想以上だったということか。ッ! ゴホッゴホッ!」
机の引き出しから薬瓶を取り出し、どう考えても適量以上のカプセルをペットボトルの水で流し込む。
「予定を早めなければいけないかも知れんな……」
土気色の顔をしたその口元と掌には、赤いべっとりとした物がこびり付いていた。
これで一章が終わります。
別の作品の続きを書きますので暫くこちらは更新がないと思います。
できるだけ早くこちらの続きも書きたいと思います。
ここまで読んでくださって有難うございます。




