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Brain Marionette Online  作者: まるいもの
ステージⅠ
25/67

24

人口衛星【アリウム】。【軌道エレベーター】により惑星【マシリアヌ】と繋がっている宇宙への入り口。

【フィンリス】所属、カラー白のプレイヤーの殆どが、ここから【宇宙要塞ファーニエル】や惑星【マシリアヌ】など重要なフィールドや施設へ行くのに【アリウム】を拠点として利用している。




Keizirou―――


【軌道エレベーター】が終着点に着き、俺たち四人は【アリウム】の入り口へと踏み込んだ。

千人単位で収容できそうな大広場に空港ラウンジのようなリラックスルームが設置されていて、大画面のディスプレイがいくつも動画を流している。

大広場にはプレイヤー達がショップを開くスペースがあり、未だ生産職は未実装なのに先を見越しての売り買いが活発におこなわれていた。

そして、そのほかのプレイヤーたちはと言うと。


『第二暗礁宙域にパラサイト退治にいきまーす、探査アップ持ちのヒュームさん一人募集ー』

『赤の補給艦襲撃ミッションにいくよー、ワイルディーあと二人募集』

『遠距離一人あいてるよー、エルフィンでもOK』

『ドラゴニュート以外誰でも、二十ポイント稼ぎます好きなときに抜けてOK』


などなど、激しいPT募集合戦が繰り広げられていた。

ただ……ドラゴニュートまじ人気ねー。


【軌道エレベーター】の入り口横にジェナ中佐が立っている。ラピスが話しかけるとイベントが始まった。

PTを組んでいるとイベントは同時に始まる物と一人一人バラバラに行かないと始まらない物がある。今回は前者だ。


「さて、私たち特殊部隊は一度解散する事になった。詳しい詳細は各個人のID端末に書かれているはずだ。今【フィンリス】は他惑星国家やパラサイトとの戦争で人材不足になっている。そこで私たちは特別にフリーの兵士として各作戦に参加できるようにアンスガー少将が取り計らってくれた」


そこでジェナ中佐は俺たちを含めた特殊部隊の生き残りたちの顔を見回す。


「ここで多くの作戦に参加し、今この宇宙がどうなっているのかを探るのが私たちの使命だ。いずれ大きな作戦が始まるだろう、その時にここに居る全員がまた揃うことを祈っている。それでは解散!」




ここでムービーが終わり、メインミッションも次のVUまでは進めないようになっていた。


「これでミッションは一応終わりか、しかしそれならどうやって階級を上げるんだ?」


「あんたいいかげん公式HPぐらい見なさい! 今ここで大勢のプレイヤーがPTを募集してるのは階級を上げるためのミッションをするためよ」


「ふん? メインとは別にあるミッション?」


「そうだよー、たしかねー少尉から中尉に上がるのにミッションでもらえる作戦ポイントが百いるんだよ」


「それって多いのか?」


「えっと、一日に平均で二十ポイント、トップクラスのプレイヤーで一日三十ポイント稼ぐらしいです」


「ちなみに中尉から大尉になるのに五百ポイントいるらしいわよ」


「うへぇ……やってらんねー」


「でもさー、そのうちメインミッション進める為にも階級は上げなきゃいけないんだよ? それに階級が上がらないと性能のいい機体に乗れないし」


「ああそうか、機体って階級で乗れるランクが決まってたっけ」


「まぁそこら辺は人それぞれじゃない? 無理してガツガツすることもないわよ」


「だな」


そこで話が途切れる。丁度いいのでこれからどうするか決めようか。


「で、これからどうする?」


「そうね、今のところ急いで何かすることはないし……」


「あの、その事なんですが、私とピスカはシミュレーションに行こうと思うんです」


「【シックスセンス】を取るために?」


「はい」


「僕もにーちゃんみたいにぎゅんぎゅん避けまくりたいんだ!」


マーナとピスカに一度どうしてそんなに攻撃を避けられるのかと聞かれ、【シックスセンス】の事は話している。別段隠すつもりは無いしな。


「そっか、二人ともがんばれよ」


「なにか分からない事があったらメールを送ってくればいいからね」


俺とラピスはマーナたち姉弟とフレンド登録を済ませている。この機能は直接話すこともできるし使い勝手がいいよな。


「はいっ、色々有難うございました」


「ありがとうー」


マーナが礼儀正しく、スピカが元気に頭を下げる。


「そんなに気にしなくていいのよ? 私たちもう友達……仲間、うん仲間でしょ?」


「ラピスさん……」


「えへへ、僕ラピスねーちゃん好きー」


そういってラピスに抱きつくお子様……羨ましくなんかないからな、ないからな!

そしてマーナたち姉弟と別れる、【アリウム】にもシミュレーションルームはあるのでそこに行くのだろう。


「なあ」


「なによ」


「俺も仲間か?」


「なに? 入れて欲しいの? まぁあんたなら入れてあげてもいいわよ。でも、今度の戦争イベントはキッチリと白黒つけるわよ?」


「上等、圧勝してやる」


お互いにやりと笑い、そして分かれる。


「それじゃ四日後午後七時にここでいいか?」


「ええ、四日後にまたあいましょう」


四日間お互いにプレイヤースキルを磨いて勝負に挑む。さーてがんばりますか!




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