「桜のサクラ」
何とかクラス表を受けとることができた俺と天は一年生の教室が並ぶ廊下まで来ていた。
「・・・・・・一年CーB組だ」
「・・・・・・私も一年CーB組」
クラス表をまじまじと確認すると偶然にも二人とも同じクラスだった。
「おお、同じクラスだな」
「う、うん!そうだね!・・・・・・・やったぁ・・・!」
「どうした?」
「なんでもないよ♪♪」
妙に上機嫌な天に俺は少し疑問を感じながら自分達のクラスを探した
「・・・にしても、一年生だけでこんないっぱいクラスがあると相当やばそうだねー、休み時間とか特に」
そう、この神騎高校、国内最大規模の学校のため年間で入ってくる一年生の量も、他校を圧倒しているのである。
そのためクラスはもはや十桁は当たり前といった感じだ。
「勧誘戦争並の騒がしさが毎日くるのか・・・・死ぬな」
「死ぬね」
などと、下らない未来予想図を語りながら自分達のクラスを発見すると少し早足で入っていった。
教室に入り黒板を見ると「自由席」と書いてあったため俺と天は窓際の空いていた二つの席にそれぞれ座った。
しかし窓際とは運がいい。なんと言うか窓際と言うのは俺が思うに高校生活における特等席だと思う。
ちなみに天は俺の後ろの席(一番後ろ)だ。
何とか間に合った、チャイムが鳴るまで残り三十秒もなかっただろう。
そこでふと俺は一つの疑問が浮かんだ。俺の隣の席にまだ誰もいない。
机があまるほど余裕はないのがこの学校の現状のはずだ。ということは休みか、あるいは初日早々見事に遅刻か・・・もしそうだったら勇者だな。
そんな特に気にやむことでもないことを気にしているうちに校内にチャイムの音が鳴り響いた。
「どんな先生かな?」
興味津々と言った感じで天が後ろから声をかけてきた。
「お前的にどんな人がいいんだ?」
「うーん・・・優しい先生とかおとなしい先生とか熱血先生とかでもいいんだけど何か今までにない感じの、独特感あふれる先生がいいな!こんな先生もありなのか!みたいな?」
「俺は普通でいいと思うけどな・・・」
すると教室のドアが開き一人の男性が入ってきた。
ボサボサと全く手入れされていない黒い髪とあごひげ。
手はポケットに突っ込み口には火のついた煙草をくわえている。
年はパッと見三十代でおっさんとも言えなければお兄さんとも言えない微妙な顔立ちだ。
「今日からお前らの担任的なものになる工藤だ・・・あぁ、好きなものは酒と煙草と女、嫌いなものはめんどくさいもん全般だ、つーことでよろしく」
「・・・・・・・・・・・・」
クラスメイト全員もののみごとに絶句していた。
「・・・天、あの先生は今までにない感じの先生だけどどう思う?」
「・・・・・・・・・・・さすがにあれは無理」
「だろうな」
誰だって疑う、あんな第一印象が最悪な教師は見たことがない。本当に教師なのか疑わしくなってくるくらいだ。
「なんだよなんだよ全員しけた顔しやがって、まぁいいか。んじゃめんどくせーけど出席確認するぞー、俺に一回で聞こえる声で返事しなかったら通知表の評価一つ下げるからな」
厳しすぎだろ・・・。
しかし、そうなると余計に隣の席が気になってきた。やはり休みだろうか・・・。
その時、教室の後ろのドアがゆっくりと開く音がした。
明らかに音をたてないようにゆっくりとゆっくりと、もちろん先生は気づいていない。
俺はチラッと視線を後ろのドアに向けた。他の生徒の机が邪魔でよく見えないが誰かいる。
多分、というか絶対俺の隣の席の奴だ・・・遅刻だったのか。
遅刻してきたその生徒はゆっくりとかがみこみながらこちらに近づいてきた。女子だ、長い白い髪の片方を桜のような髪止めでまとめている。
しかし俺が気にしたのは髪などではない、身長だ。
かがみこんでいるから正確な大きさは分からないが見るからに小さいく最低限高校生には見えない。下手をすると中学生にも・・・。
見るからに子供に見えるその生徒は手作りのような旗を両手に持ちながら少しずつ少しずつ俺の隣の席に接近していった。
ちなみにその旗には「de puiet」と書かれている。意味が分からない。
おそらく「be quiet(静かにしなさい)」と言いたかったんだろうが残念なことにbとqが逆になっている。中学のころよく間違えたものだがさすがに高校生にもなって間違えるのは恥ずかしい。
というか仮にあってたとしても命令形とはいい度胸だな
そんなことを考えているうちに小さすぎる女子生徒は俺の隣まで来ていた。
小さすぎる女子生徒は椅子に手をかけると素早く席についた。
しかしその時、持っていた誤字の英語の旗がポロリと床に落ちてしまった。
「・・・・・・あっ!」
小さすぎる女子生徒は何故か慌ててその旗をとろうと身を乗り出そうとした瞬間、足が椅子に引っ掛かり・・・
ガシャーンッ
どんな不幸か机も巻き込み床に転倒し、クラスの視線が一斉にそちらに向けられた。何人か俺を見てるような気がするのは気のせいだよな?
「あ・・・・あぐ・・・・・・う、うぅ・・・」
顔面から地面にダイブした小さすぎる女子生徒はうめき声をあげながら顔をあげ、周囲を見回した。
教室に入ってわずか一分ほどでクラスの注目のもとになるとは、なかなかやるな。
「!・・・!・・・!・・・!・・・!・・・さ、桜イリュージョンでした!」
小さすぎる女子生徒は両手をバッと開くと開き直った顔で言った。
どうした、大丈夫かこいつ。完全にテンパってるぞ?というか今のどこがイリュージョンなんだ?
「あ、あ、あ、あの!違いますよ!?決してそういうのじゃなくてああいう感じでこうなんです!だから・・・どういうことですか?」
本当にどういうことだろうね?お前の頭。
自分から引き起こしておいてなんで疑問形になるんだよ
「あ、あわわわわ!?桜早くも電波的な女の子のレッテルを貼られてしまったんでしょうか?せめてバカ程度でお願いしますよ!?あ!こういう場合は「てへ♪転んじゃった♪」と言っておけばドジッ子として人気者になれてたかもしれません!」
なんなんだこの一人芝居は・・・。
「・・・・・・・・・・」
ちなみにさっきから先生がすごいジト目で彼女を睨んでいる。
「あ!!句読点先生!」
「工藤だ」
「そんなさげすんだ目で見ないでください!桜が中学の時の先生みたいに卒業の時のお別れの手紙に「これからがんばって大人として成長していってください!身長と胸は成長しませんけど(笑)」とか書いたりするんですか!?軽くトラウマです!!」
「そんなんやるくらいなら通知表でお前をトラウマにしてやるよ、というか遅刻したことさっさと謝れバカヤロー」
「あ!バカっていった方がバカなんですよ?知ってました?」
こいつさりげなくうざいな。
「・・・・・・・お前全教科の評価全部Cな」
「ごめんなさい嘘つきました!ごめんなさい嘘つきましたぁ!!」
「ああったく!うるせぇな!今日は特別に許してやるからさっさと席につけバカヤロー」
「桜の頭脳派プレイの勝利ですね!みなさん拍手!!」
もちろん誰も拍手などしない、わざとか?それとも本気なのか?駄目ださっぱりわからん。
「学校初日でいじめが始まるなんて・・・桜ここで泣きたいです」
安心しろ、全員お前のテンポについていけてないだけだ。俺もそうだけど。
「春鈴桜です!いじめもどんとこいです!桜負けません!!あ!今「いじめには勝てても身長と胸は勝てやしないね」て思った人!心の中で桜に謝っといてくださいね!?桜テレパシーでみなさんの思考もいっぱつですよ!ファイトイッパツじゃありませんよ!?」
・・・・いかん、駄目だ・・・全然こいつの頭が理解できない、むしろ理解したら逆にやばい気がする・・・。
こんな奴とクラスが一緒とは実に先が思いやられる・・・。
俺は頭を押さえながら軽くため息をついた。
「ふぁあ・・・・・・ん、んぐぅ・・・・あぅ」
今さっき一人で勝手に騒ぎまくっていた春鈴桜だったが騒ぐだけ騒いだらいきなり隣で大きなあくびをした。
どうやら眠気が襲ってきたらしい、本当に子供だ。
とりあえず首は前に向け、視線だけ横にうつす。
そこには首をコクンコクンとかしげ今にも眠ってしまいそうな桜がいた。
「ふにゃ・・・・・・あむぅ・・・・ふむぅ・・・・・・ZZZ」
寝た。
対して睡魔に抵抗することもなくすんなりと机に突っ伏してしまった。
「・・・・・・・・・・・」
起こすべきなのか起こさないべきなのか、究極の選択と言うわけではないが何故か少し迷ってしまう。
理由は簡単、起こすのは人間みんなにある良心に従って起こしてあげること、そのまま放置はこの桜が騒ぐのを防ぐこと。
うるさくされるのも十分困るが、寝ていたせいで大事な話を聞き忘れたなんてことになったらそれはそれで彼女がかわいそうだ。
やはりここは己の良心に従い起こして・・・・・・・・。
「ふにゃ・・・・・んむぅ・・・・・な・・・なめこぉ・・・」
・・・・・・・・・・・ナメコ・・・・・?
春鈴桜の訳の分からん寝言は無視して起こそうとしたがやめた。
こいつの寝顔が・・・なんというか良すぎる。
平和ボケしたなんとも情けない顔ではあるがぐっすりと深い眠りにつおている。これを起こすのはどうしても気が引けてしまう。
それによくよく考えれば大事な話を聞き逃したとしてもこいつが起きたあと俺が説明でもすればいい話だ。
いつのまにか首も桜に向けられていた、どこをどう見ても小学生にしか見えない。世に言う「幼女体型」というやつだろう。
世の中にはこういう小さな子を見て欲情や恋愛感情がわく輩もいるとか言っていた気がする・・・・・・なんつったっけな・・・・ろ・・・ロリ・・・・んん?
「ロリコン」
「そうだそれだ!・・・って、え?」
俺が後ろを振り向くと物凄い疑惑の目で俺を見つめてくる天がいた。
ちなみに今ロリコンという単語を言ったのは天だ。
「優人ってさ、そういうちっちゃい子が好きなの?」
ああ・・・・・・疑われてんのね俺。
「馬鹿、そんなわけないだろ、こいつがあまりにも高校生とは思えない体してたから不思議に思ってただけだって」
「・・・・・・・・・・・本当?」
「本当だって」
「じ、じゃあさ・・・その子と私、どっちの方がかわいいと思う?」
「そりゃあ普通に考えてお前だけど?」
「本当!?」
「ん?あ、ああ」
春鈴桜がかわいいなんて言ったら完全にロリコンにされてしまうからそう言ったのだが、俺がロリコンでないのが分かったのがよほど嬉しかったようだ。
「そこは桜でしょー!?」
「うぉ!?」
突然隣で寝ていたはずの春鈴桜が急に目覚め、身を乗り出してきた。
「お前寝てたんじゃなかったのか?」
「寝てました、ナメッコ星に行っている夢を見ている最中でしたが桜よりもその人の方がかわいいという聞き捨てならない話が聞こえた気がしたので強制的に目覚めました!」
本当に寝てたのかこいつ・・・?ってかナメッコ星ってどこだよ
「こんな子のどこがいいんですか!?全然かわいくないですよ!そんなことより桜を見てください!自慢ですけど桜こう見えて中学生の頃は一部の男子生徒に大人気だったんですよ!「よーじょもえー」とか「ひんぬーもえー」とかよく分からないこと言ってましたけど」
幼女萌えーに貧乳萌えーか、その一部の男子生徒っていうのは正真正銘ロリコンだろうな。
「いわば桜、中学生時代はアイドルと言ってもおかしくはありませんでしたね!みんなかわいいかわいいって桜の美貌を褒めてくれてましたから!」
多分別の意味合いだろうけどな。
「今のうちに桜と接点持った方がいいですよ?いずれ桜はここの学校でもアイドルになるかもしれないんですからね!」
「・・・・・・・・言わせておけばさっきから好き放題言ってくれてるねこのちびっこ!!」
天が軽くキレた。気持ちは分からなくはない
「ちゃんと私を見てからそういうこと言ってよね!」
「なっ!桜ちびじゃありません!それにかわいさなら桜の方が・・・」
天の顔を見た瞬間春鈴桜の動きが止まった、なんというか唖然としている。
春鈴桜はしばらく天を見つめた後、カバンから小さな鏡を取り出し、自身の顔と天の顔を見比べるように交互に見た。
段々と春鈴桜の顔が曇ってきている気がする。
「ちょっとすみません、髪触らせてください」
「え?べ、別にいいけど・・・」
天の了承を得ると春鈴桜はそっと天の綺麗に澄んだ青い髪を撫でた。
「・・・・・・・・はうっ!」
再び春鈴桜の動きが止まった、今度は唖然というか絶句している。
絶句の表情のまま春鈴桜は恐る恐る自分の髪を撫でた。
「・・・・・・・・・・・・・サラサラ感が足りない・・・」
言葉と同時に先程よりもさらに表情が曇ってきている。
そして最後に春鈴桜が目をつけたのは天の、胸。
「・・・・・・・・・・・・・・えいや」
「きゃあっ!?」
突然春鈴桜が天の胸をわしづかみにした、何がしたいんだこいつ。
しばらくわしづかみするとパッと手を離し、今度は自分の胸にそっと両手をあてた。
おそらく胸の大きさを比較したのだろう、残念ながら俺から見てもその差は歴然。天の方がでかい。
「・・・・・・・・・うぅ・・・・完敗です・・・・」
唖然、絶句を超えついに涙目になった桜。
どうやら自分と天を全体的に比べていたらしい。
それにしても完敗か・・・大体予想はついた。
「顔も髪も胸も全部!そっちの方が上じゃないですかー!!」
おいおい身長を忘れてるぜ?
「ふぇぇん!!」
泣いた、高校生が泣いた。
「えぇ!?こ、これ私のせい!?」
オロオロ腕を回しながら混乱する天。お前はむしろ被害者では?
「おい、泣き止めよお前」
「お前じゃありません桜ですー!」
「じゃあ桜!早いとこ泣き止めって、恥ずかしくないのか?」
「恥ずかしいですよぉ!!」
やれやれ、これは当分泣き止みそうにないな・・・ほら見てみろ周りのみんながこっちをじっと見て・・・。
「ね、ねぇあれって会長さんを泣かした人じゃない?」
「あ、ああ俺も見た、たしか第一体育館にいたよな?」
「私違う体育館だったけど友達があいつに目つけられたってすごい騒いでたよ?何か目付き超怖いとか言ってた」
「あぁ・・・・・・さっそく一人泣かすなんて・・・しかもあんな小さくてかわいい子を・・・・」
・・・・・・・・・あれ?俺のせい?
というかそれ以前にどんだけ広がってんだ俺の不良疑惑!?
それを悟った時、全員の視線が俺に向けられていることに気付いた。
最悪だ・・・せめて自分のクラスくらいは疑惑を消そうとしてたのに
「頼む桜・・・!早く泣き止んでくれ!そうしないと俺の不良疑惑がどんどん広がっちまう!」
俺は桜にだけ聞こえるように焦って言った。
「・・・・・・うぅ・・・・・ぐす・・・・ふぐ・・・・ん」
案外素直に泣き止んでくれた桜、しかし周囲の視線は未だに痛い。
とりあえずこの状況を考えると、全員俺が桜を泣かせたものだと思っているため不良疑惑が発生している。
おそらく俺がいくらみんなに違うと言っても全く意味はないだろう。
ならばどうするか、桜に言ってもらうしかない。
「なぁ桜、ついでにみんなに俺は不良じゃないって言ってくれると嬉しいんだけど・・・」
「・・・・・・じゃあ毎日桜に昼食おごってくれるならいいですよ?」
「・・・・なっ・・・・はぁ?」
「もしできないんならまた泣きます」
「わ、分かった!あんま高いものでなければ大丈夫だ」
「やった♪これで桜昼食代を払わずにすみます♪大丈夫ですよ、桜昼食はパン一個でたりるんで」
「分かった、じゃあ早いとこ頼む」
桜は一度だけうなずくとそっと席を立った。
「みなさん!この人は不良じゃありません!決して悪い人じゃありません!みなさんは見た目や噂だけでこの人を判断しようとしています!みなさんがそうやって自分達だけで人の価値を判断するからありもしない噂が流れていくんです!そんなにこの人が怖いですか!?恐ろしいですか!?だったら一回真面目に話してみてから判断するべきです!真正面から話してそれでも怖ければ不良扱いはしてもいいと思います!ですがもしもいい人だったらどうするんですか!?とにかくみなさん間違っています!みなさん全員・・・・・腐ってるよーー!!!・・・・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・桜良いこと言いました・・・」
意外だった、会ってまだ間もない桜がここまでしてくれるとは思わなかった、正直超嬉しい。
息を整えながらそっと席に座る桜、視線が合った。
「桜良いこと言いました」
「二回も言うな・・・・まぁサンキューな」
「桜やるときはやりますよ」
少しいばった感じでふんっと自慢げに鼻をならす桜、あんなことを言ってくれた後では怒る気分にはなれない。
「あの、優人?・・・・・・なんかごめんね?私のせいなのに」
「気にしてないって、むしろこれで良かった気がする」
そう言いながら周囲を少し見渡すとほとんどの生徒が何かを話していた
「・・・・・・・た、確かに考えてみると相場君が不良って断言するにはちょっとね・・・」
「ああ、それに生徒会長を泣かしたとか言ってたけどあくまで噂であいつが生徒会長を泣かした瞬間は見てないからな・・・」
「見た目が怖くても優しい人ってたくさんいるもんね」
「俺達の勝手な行いで不良でない生徒を不良に仕立てあげるところだったのか・・・」
話している内容はそのようなことばかり
やった・・・!やったぞ・・・!!これでなんとかクラスではやっていける!桜、お前は俺の救世主だ。
「桜のおかげですね♪え~と・・・?」
「相場優人だ、ほんとにありがとな」
「え、えへへ~♪そ、そんな大したことはしてませんよ~♪でもまぁ?桜の手にかかればこんなクラスの一つや二つ操るのも容易いもんですよ、それにやろうと思えばいつでも優人くんを不良に仕立てあげることだってできるんですからね~、それをやられたくなければ一生桜につくすことですね~♪哀れな狼に手をさしのべる、エンジェル桜とでも呼んでもらいましょうか」
前言撤回、やっぱりこいつかなりむかつく・・・!完全に調子に乗ってやがる!
「それにこの人助けは桜の始まりに過ぎません・・・桜の夢の第一歩なのです」
「・・・・・・夢?」
「桜はいずれこの学校の・・・・・・生徒会長になる女です!!」
「・・・・・・・・・・・・マジかよ・・・!」
まさかこの春鈴桜が三年間、共に生徒会を作り上げていく仲間になるとは知りもしなかった。