7話:血路を開け
放送を見た生徒たちはパニックに陥り、出口を求めて殺到していた。 しかし、正門にはすでに帝国軍の戦車部隊が展開し、ネズミ一匹通さない。 残された脱出路は、構内5箇所にある「学園間転移ゲート」のみ。
「急げ!! 第3ゲートならまだ生きている!!」
叫んだのは、たまたま外交交渉から戻ったばかりで難を逃れていた第一副会長・カエデだった。 彼女は即座に状況を理解し、残存する防衛部隊と数百人の生徒を引き連れて、地下のゲートホールへと走る。
しかし。
「ごきげんよう、お姉さんたち」
第3ゲート前の通路には、黒いスーツの小柄な悪魔たち――メーテル突撃隊が待ち構えていた。 昨夜から潜伏していた彼女たちは、すでに他の4箇所のゲートを制圧・破壊済みだったのだ。
「ここが最後の出口だよぉ。通りたい?」 突撃隊の分隊長が、くすくすと笑いながら軽機関銃を構える。
「撃てぇぇぇッ!!」
カエデの号令と共に、防衛部隊が突撃する。 だが、狭い通路は瞬く間にキルゾーンとなった。
ダダダダダダッ!!
「ぐああっ!?」 「いやぁぁぁ!!」
突撃隊の正確無比な射撃と、持ち場が突破されると見るや、ピンを抜いて抱きついてくる自爆攻撃により、先頭集団は肉片へと変わる。 だが、ここは唯一の逃げ道。引くことはできない。
「副会長!私が盾になります!! その間にゲートの座標入力を!!」
カエデは仲間の死体を盾にしながら、制御盤へと滑り込む。 背後では、下級生たちが次々と撃ち殺され、あるいは手足を撃ち抜かれて転がり、突撃隊の捕虜になっていく。
「システム起動……! 座標、ランダム! どこでもいい、繋がれッ!!」
ブゥゥゥン……!
ゲートが青白く輝き始める。 「ああっ! いかせないよっ!」 突撃隊員が体に鈴なりにつけたグレネードのピンを纏めて抜き、ゲートへ走り込む。
「させないッ!!」 護衛の生徒数名が、小柄な突撃隊員を引き倒し、覆いかぶさった。 ドォン!! 肉の壁が爆風を吸収する。彼女たちの犠牲で、ゲートは守られた。
「行けぇぇぇッ!!」
カエデは近くに居た数十名の手を引き、光の中へと飛び込む。 背後で、逃げ遅れた生徒が突撃隊に髪を掴まれ、引きずり倒される断末魔が聞こえた。
「いやぁぁ! 副会長! 助け――」
プン。 転移の音が響き、カエデたちの姿が消える。 残されたのは、血の海と、死体と、傷つき、捕虜となって震える数百人の少女たちだけ。
武蔵野庭園学園は、陥落した。 31校の学園同盟は、わずか半日で盟主を失うという壊滅的な打撃を受け、「東京帝国学園」の支配下に置かれることになったのである。
またまた見に来てくれてありがとう!!
次回、8話 英雄達の帰還 です!
感想、ブクマ、評価などいただけると、更新のエネルギー(生贄コスト)になります! よろしくお願いします!
またね!




