3話: サクラチル
武蔵野庭園学園の朝礼。 全校生徒が校庭に集まり、生徒会長・清川 撫子が演台に立った、その瞬間だった。
『――ごきげんよう、愚かな家畜の皆様♡』
学園中のスピーカーがハッキングされ、甘ったるい声――宣伝長・夢咲ららの声が響き渡る。
「な、なにっ!?」 撫子が空を見上げた時、世界が割れた。
上空に展開された巨大な「大規模転移門」。 そこから、真紅の軍旗を掲げた東京帝国学園・遠征軍の着陸艇が、雨のように展開してきたのだ。
『東京帝国学園は、ただいまをもちまして貴学園に対し宣戦布告を行いま〜す! なお、これは事後承諾で〜す! 拒否権はありませ〜ん!』
「迎撃ッ! 防衛部隊、展開!!」 撫子が叫ぶが、遅い。
ドォォォォォォン!!!!
轟音と共に校舎が揺れる。 空爆ではない。地下からの爆発だ。 メーテル突撃隊が仕掛けた爆弾が、命綱である「蘇生装置」を吹き飛ばしたのだ。
「そ、蘇生ホールが……!?」 「嘘でしょ……じゃあ、死んだら……?」
生徒たちの間に「本当の死」の恐怖が伝染する。 パニックに陥り、逃げ惑う生徒たちの群れに、空から二つの影が舞い降りた。
「あはははは! 最高のデート日和だね、ほむらちゃん!!」 「ああ、舞花。血飛沫が桜のようだ」
遠征軍長・不知火舞花と、第二副会長・一ノ瀬ほむら。 帝国学園遠征軍のツートップが、一番乗りで戦場に降り立つ。
混乱のさ中、生徒達の中に紛れ込んでいたメーテル突撃隊員が、演台上の撫子に向けて電撃ダーツ銃を連射した。
バシュッ、バシュッ、バシュッ!
「あがっ!?」 電流が走り、撫子の体が激しく痙攣する。 即座に撫子の護衛部隊が襲撃者を射殺したが、時すでに遅し。 二人の視線は、演台の上で崩れ落ち、ピクリとも動かなくなった生徒会長・撫子を捉えた。
倒れた撫子を安全な場所へ移動させようとと護衛部隊が駆け寄るが、次の瞬間、駆け寄った舞花が振るう巨大なチェーンソー剣が、護衛部隊の生徒を制服ごと真っ二つに引き裂いた。 「あ、ギャッ――」 内臓を撒き散らして絶命する生徒。
「ほらほらぁ! 逃げないと『備品』になっちゃうよ〜? 抵抗したら『生贄』だよ〜?」
舞花は返り血を浴びて、うっとりとした表情で隣のほむらに抱きついた。 「ね、ほむらちゃん、私強い? 可愛い?」 「ああ、最高だ。たまらないぜ……さて、重要目標は確保できたし、狩りはあいつらに任せて、私たちもお仕事の方を始めようか。」
上空から降下してきた数十隻の着陸艇のハッチが開く。 そこから降りてきたのは、ボロボロの服を着ており、グレネードを胴体に巻きつけている虚ろな目をした「奴隷歩兵」たちだった。
「う、うわぁぁぁ!!」
彼女たちは『隷属化チョーカー』の命令に突き動かされ、逃げ惑う生徒を守るために武器を構える武蔵野学園の防衛部隊に突撃する。 防衛部隊は必死に撃ち返す。 ビームが奴隷歩兵の手足を吹き飛ばすが、彼女たちは痛みを感じていないかのように防衛部隊員に飛びつくと、至近距離で体につけた麻酔グレネードのピンを口で引き抜いた。
ボンッ!
「げほっ、う、あ……」
紫色のガスが蔓延し、敵味方関係なく、その場にいた全員が昏倒していく。 一人一人を自分諸共道連れにし、制圧が進んでいく。
そして校庭に動くものがいなくなったあと、残りの着陸艇が悠々と降下して漂うガスを吹き飛ばす。 そこから降りてきたのは、清潔な軍服を着た帝国学園遠征軍の正規兵たちだ。
「うお、こりゃいいね。船から展開する瞬間がいっちゃん危ないからな」 遠征軍の兵士が、防衛部隊と折り重なるように倒れている奴隷兵を踏みつけながら笑う。 「しっかし奴隷兵ってのは大変だなぁ。死んでも代わりはいくらでもいるし、蘇生もしてもらえねぇ。」 「痛みも恐怖も麻痺させて突っ込ませるんだろ?ほぼゾンビじゃんねぇ。 あたしは絶対につけられたくないね」
「さ、校舎に逃げた獲物を狩りますかぁ!」 「競争ですよっ。綺麗な子はボーナスポイントが出ますからね!」
また見に来てくれてありがとう!!
次回、4話 リソース・コレクション です!
やっと少しすけべなお話が書けます!!また見にきてね!
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