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オトシゲ:乙女は資源になりました。 ~今日からあなたに。笑顔で楽しい「教育」を~  作者: 428の968
第一章:関東圏統一戦争

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12話:勝者の反省会

【東京帝国学園 本部棟 戦略会議室 (作戦終了直後)】


勝利の紅茶が振る舞われる優雅なテーブルだが、そこに広げられているのは、赤字で修正が加えられた損害報告書(ダメージ・レポート)だった。


「――報告します」


防軍長・桐生 鋼が、感情を殺した硬い声で切り出す。彼女は、勝利に浮かれることなく、軍人としての責務を果たしていた。


「戦闘時間35分。本戦争における我が軍の損害は、決して軽微とは言えません。 特に第一波として投入した『C級・奴隷歩兵大隊(他校からの徴用兵))』ですが、約13%が死亡し、約24%が重傷でした。重傷者は全て生贄処分とします」


「へぇ、結構やられたねぇ」武蔵野からオンラインで出席している 遠征軍長・舞花が、クッキーを齧りながら他人事のように言う。


「武蔵野の生徒たち、装備は旧式でしたが、個々の射撃精度は高水準でした。特に校舎内での近接戦闘(CQB)においては、地の利を活かした待ち伏せによって、我が軍の正規歩兵にもそこそこの損害が出ています。」


鋼は淡々と分析を続ける。


「彼女たちは『戦争』の訓練こそ受けていませんでしたが、個人の護身術レベルは高かった。……我々のスピード侵攻がなければ、長期戦になり、正規兵(帝国生徒)にもかなりの被害が出ていた可能性があります。侮れない相手でした」


「ふうん。ま、奴隷兵なんていくらでも補充できるし、いいんじゃない?」 舞花が笑うが、鋼は眉をひそめたままだ。 「資源の無駄遣いは軍として美しくありません。次回はドローン支援を厚くすべきです」


「それよりさぁ」 会長・玲緒奈が口を挟む。


「気になっていたのだけど。……なんであちらさんは、地下の蘇生ホールが爆破されるまで、異常に気づかなかったの? あそこは重要施設よ。定時連絡ぐらいはあったはずでしょう?」


視線が、情報長・如月零に集まる。 零は端末を操作し、当時の通信ログをホログラムで表示した。


「……種明かしをすれば、単純な『すり替え』です」


零が再生ボタンを押す。 『こちら第一蘇生ホール。異常なし。エリアクリアです』 『こちら中央警備室。了解』


「これか?」 「はい。侵入の10分前、当直のオペレーターを無力化し、彼女の声紋データを合成しました。 定時連絡のタイミングに合わせて、AIが自動生成した『異常なし』という報告と、監視カメラのループ映像を警備室に送り続けました」


「なるほどねぇ」 第一副会長・椿が感心したように頷く。 「警備室の人間は、モニター越しに『いつも通りの平和な映像』を見て、スピーカーから『いつも通りの声』を聞いていた。……その裏で、貴女の部下が爆弾を仕掛けていたとも知らずに」


「はい。人間は『異常がない』と思い込んでいる時が、一番盲目になりますから」 零が小さく口角を上げる。近代化されたセキュリティの穴を突く、鮮やかな手口だった。


「さて、反省会はこれくらいにして」 玲緒奈がパンと手を叩く。


「問題は、残りの小学園共、30校よ。武蔵野の金魚のフンたち。 いちいち軍を送って制圧するのはコストが見合わないわ。鋼、どう思う?」


「肯定します。現在、遠征軍は再編中です。30箇所に分散させれば防衛準備を整えた学園相手にかなりの被害が出ることが想定されます」 鋼が即答する。


すると、内務長・白鳥詩織が、静かに挙手をした。


「会長。でしたら、統治方針を少し変更しませんか? 本来なら全校を併合・管理する予定でしたが……正直、30校すべては要りません。質の悪い生徒(穀潰しども)を管理しても、食費と場所代の無駄です」


「それで?」


「『優秀な5校だけ残してやる』……と、通達するのです」


詩織は、残酷な笑みを深めた。


「同盟30校の中で、帝国への『貢献度』が高かった上位5校のみを、傀儡学園として存続させ、自治権を認めると。 貢献度の基準は、『差し出した生徒(生贄)の数』と『他校を裏切った回数』です。さらに、『亡命した武蔵野の生徒を差し出せばポイント2倍』とかもいいですね」


「残りの25校は?」 「『隷属』です。全生徒に隷属化チョーカーを取り付けて、私たちの好きに使いたい時に強制連行します」


その提案を聞いた瞬間、宣伝長・夢咲ららが目を輝かせた。


「わぁ〜っ! すごぉい! それって、『椅子取りゲーム』だねっ!!」


ららが立ち上がり、クルクルと回ってみせる。


「昨日まで『仲間だね! 頑張ろうね!』って励まし合ってた子たちが、たった5つの椅子(生き残る権利)を巡って、お互いを蹴落とし合うんだぁ! 『ごめんね、私たちの学校が助かるために、あなた達が生贄になって!』って、後ろから刺し合うんだね! あはははは! 最高にエグくて可愛いゲームだと思いまぁす♡」


「……ふふ。気に入ったわ」 玲緒奈も嗜虐的な笑みを浮かべる。


「いいでしょう。採用よ。 自分たちの手は汚さず、勝手に送られてくる資源を受け取るだけ。……まさに帝王の戦い方ね。 らら、ゲームスタートの合図をすぐに全校へ通達しなさい」


「はーい! 可愛く残酷にアナウンスしちゃうねっ☆」


「結衣、回収車両を各学園に届ける手配を」


「了解です。今回は楽しいことになりそうですね」


こうして、東京帝国学園の高笑いと共に、関東全域30の小学園を巻き込んだ地獄のゲームが幕を開ける。

またまたまた見に来てくれてありがとう!!

次回、13話 椅子取りゲーム です!

次回投稿予定時刻は2/5 21時です。

感想、ブクマ、評価などいただけると、更新のエネルギー(生贄コスト)になります! よろしくお願いします!

またね!

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