逆立ちできない罪
掲載日:2025/10/13
素直になれない。
優しくしたいのに、つい冷たい態度を取ってしまう。
自分は天邪鬼だと、ため息を吐く。
優しくなりたい。
そう決め込んで口を開けば、ツンケンした言い草だ。
まるで自分には、優しさなど無縁かのように。
弱った父に、きつく当たる。
すぐに後悔する弱さはあるのに、優しさはないのか。
なぜ僕は、こんなにも天邪鬼。
親孝行したいのに、心に余裕がもてない。
僕が弱いことが原因か。
いや、弱いなど生ぬるい。
僕は悪だ。
優しさからは程遠い、僕は穢れているのだ。
穢れた僕には、親孝行などできないのか?
優しさの欠片もない僕に、
そんな悩みが生まれることすら滑稽な話だ。
悪が足掻いても悪でしかない。
手を差し伸べる、なんて簡単なことだ。
それを躊躇う、心の中にモヤがかかる。
優しいフリなど無駄な足掻きだ。
天邪鬼で穢れた悪の化身。
弱る父に、笑ってほしいはずなのに。
なぜ僕は、この化けの皮が剥がれないのか。
嗚呼、悔しい。
また罪が増えていく。
後悔が積み重なる。
どうか僕を壊しておくれ。
壊れてしまえば、全てがひっくり返る。
天邪鬼も罪も悪も打ち砕かれる。
僕はそんな世界が見たい。
この世界、逆立ちできたなら、
僕の世界は晴れ晴れとするのだろうか。
赤く燃える太陽は、変わらず西へ沈んでいく。
自然界の摂理は、変わることはない。




