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Delighting World  作者: ゼル
Break 第四章 魔王城編 ~死の宴と勇気の心(ブレイブハーツ)~
79/139

Delighting World Break ⅩⅤ

魔王デーガによる抑止力の試練が始まった。


行われたのは、魔王デーガが展開した特殊な結界“死の宴”の中で行われた。


広い場所へと場所を移されたビライトたちにデーガは試練の内容を伝える。




「お前たちの勝利条件はただ一つ。この俺に一撃だけ攻撃を当てて見せろ。」



攻撃を一撃与えること。それだけであった。


だが、その一撃を与えることが非常に困難であることはビライトたちは承知でいた。

相手は世界に仇名すものを裁く抑止力。

ビライトたちとの実力は目に見えて雲泥の差だ。


その中で死の宴の結界能力を伝えられる。



「死の宴の結界内では“どんな状況でも1度きりの死を許さない”。」



「この死の宴でのお前たちの敗北条件は2つ。まず1つ目。“1人でも戦意喪失”。確認した時点で全員敗北とみなす。」



「そして二つ目―――“お前たちの誰かの死の回数が43回を迎える”ことだ。」




この結界内では死が一度きりではなくなる効果がある。

この結界では44回死ぬまでその命は消えないというのだ。


本気を出すデーガの力によって結界内でバラバラになってしまったビライトたち。


森に飛ばされて森から飛び出したビライトは一瞬で何かに攻撃され、それを発見したレジェリーと共に、早々に1度死んでしまった。


まだ行方の分からないクライドとヴァゴウ。

そして、この死の宴の効果を身をもって経験したビライトとレジェリー。



まずはクライドが分散される前に言った、合流を大前提としてビライトたちは行動することになった。



何処から狙われているか分からない状況だ。ビライトとレジェリーは森の中で息をひそめ、これからの行動を考えるのだった。




残り死数


ビライト・シューゲン あと42回

ヴァゴウ・オーディル あと??回

レジェリー・ウィック あと42回

クライド・ネムレス  あと??回



--------------------------------------



死の宴の結界の範囲は直径およそ1kmの球体だ。



魔王デーガからビライトとレジェリーはおよそ500m離れた付近に飛ばされたようだ。

そして魔王デーガが位置している場所は結界の北端。

つまり最も遠い位置が最南端の1km先である。


そして4人の中で最も遠くに飛ばされたのがクライドであり、クライドが位置している場所がちょうど最南端だった。


クライドは飛ばされたのち、すぐに近くにある森へと逃げ、気配遮断で姿を消した。



(…迂闊だった。)

クライドは後悔していた。

魔王デーガの戦い方の全てを理解してはいないが、自身の記憶を遡った際に魔王デーガの攻撃手段の一部を見ていたはずだ。


(奴は何らかの遠距離攻撃を持っている。それもかなり繊細なものだ…故に俺たちが遠くに分散されてしまう可能性もあったはずだ。)

クライドは気配遮断を使いながら森を走っていく。


飛ばされた場所がちょうど結界の境目の傍であったため、ここが端であることはすぐに把握した。

そして吹き飛ばされた時に自分がどの方角に飛ばされていたのか。それを判断出来ていたため、クライドの行先は北で間違いない。


ここまでわかっていてもクライドは慎重に行動する。



クライドはデーガの攻撃手段をビライトたちに提供していなかったのだ。


ビライトたちは恐らく何も知らずに狙い撃ちされてしまう可能性がある。

その可能性を危惧したクライドは気配察知を使い、すぐにビライトたちと合流するべきだと判断していた。

自分の向かっている方角が分からなくなってしまわないようにしながら、気配察知を使い、ビライトたちの気配を探る。



(…西に2つ。この気配は…ビライトとレジェリーか…)

しかし…


(!――消えた…?)

1つの気配が消えた。


するとしばらくしてもう一つの気配も消えたのだ。

この時、ビライトとレジェリーは1度死んでしまった。


(…まさか…!)

クライドは足を速めた。

クライドの予感が的中したなら、今ビライトとレジェリーに何かがあったはずだ。



そして、クライドはもう一つ同時に危惧しているものがあった。



それは、ヴァゴウの存在だ。


気配察知によると、ヴァゴウはデーガの位置からあまり遠くに飛ばされていないようなのだ。

精々150m程度の距離しかないのだ。



つまり、今デーガに最も近いのはヴァゴウであり、自分やビライトたちとも最も遠い位置に居るのもヴァゴウだ。

ヴァゴウがどう行動するかは分からないが、クライドはまずは4人が揃うことが大前提だと判断しているが故、まずはビライトとレジェリーと合流することを考え足を動かした…




--------------------------------------



一方、ビライトたちは森に隠れていたが、状況を整理するためにレジェリーと話をまとめていた。


「死んだって…あたしたちが…?」

「間違いないと思う…それに…手の甲を見てみろよ。」


「手の…あっ、これ…!」


ビライトとレジェリーは自分の手の甲を見る。

すると、そこには数字が刻まれていた。


2人の手の甲には【42】と刻まれていた。


「これ…もしかして残っている死の数ってこと…?」

「そうだと思う。魔王デーガとアトメントが言ってただろ。この結界では43回の死が認められていて44回目で死を迎えるって…この数字はきっと…死のカウントダウンなんだ。0になったら…」

「…もう復活出来ないってことね…そして今1回死んだから43から42になった…ってことなのね…じゃぁこの胸の痛みは…」


レジェリーは胸に手を当てる。大分落ち着いたが、まだ少しズキズキと痛む。


「恐らく何らかの形で蘇生した時の…反動みたいなものかもしれない…」

「…あたしたち…とんでもないことさせられてる…」


「…そう、だな…でも、ここでじっとしていても仕方ない。なんとかみんなと合流して魔王デーガの元まで辿り着かないと。」


ビライトは立ちあがる。


「…!ビライト伏せて!」

「えっ。」


何かを感じたレジェリーはビライトの身体を下に引っ張った。

バランスを崩したビライトだったが、その顔の傍を何かが通り過ぎた。

「ぐぁっ…!」

かすった。頭の端の方を焼かれたようだ。

「ビ、ビライト!」

「…大丈夫…軽傷だよ…」

ビライトの頭からツーッと血が流れる。


「…魔力を感じたの。それがとんでもない速度で迫ってくるのを感じた。」

「…俺たちは狙われているのか…!」

「みたいね…あたしたちの何かに反応してあたしたちを狙っているんだわ。だから森から飛び出すのは危険だし…森の中でも迂闊に動けない…」


現に森の中に居たはずのビライトが動いただけで狙われた。しかしこのままだと動くこともままならない。いつまでも何も起こらない。

時間制限があるわけではないが、常に命を狙われている状況など気持ちのいいものではない。あと42回の死が約束されているとはいえ、その時の痛みや心の痛みは本物だ。

願わくば二度と死にたくはない。


「レジェリー、魔力を読んで移動することは…?」

「できなくは無いけど…出来て1度に1回が限界よ。無数に狙われたら流石にあたしでも無理。」

「…くそっ、どうしたら…」


何も出来ずにいるビライトに苛立ちが襲う。

「落ち着きなさいよビライト、多分そうやってるのも師匠の思う壺よ。」

「ッ…ゴメン…」


謝るビライト。そしてそれと同時にガサッと後ろから物音が聞こえる。

振り返るビライトとレジェリーだったが、そこには見覚えのある姿が立っていた。


「そうだ、冷静さを欠くと死ぬぞ。」

「クライド!」

「あんたよくここまで来れたわね…!」


「気配遮断だ。何度か狙われはしたがな…」

クライドの耳、左肩と腰のあたりに血が流れておりドクドクと流れている。


「…気配遮断すらもあまり役には立たなかった。デーガは何らかの手段で俺たちの動きに反応した遠距離攻撃を行っているようだ…最も…お前たちは経験済みのようだが…」

クライドはビライトたちの手の甲の数字を見て言う。


「すまない、デーガが遠距離攻撃を持っていることを俺は知っていた。伝えるべきだった。」

クライドは自分の過失をビライトたちに謝った。


「いいさ、それより頼もしいよ。来てくれて助かった。」

「そうね、ここは素直にありがとうって言っておいてあげる。」

ビライトとレジェリーはクライドを責めることなく感謝を伝える。


「…あとはヴァゴウだな。」


「クライド、オッサン場所は分かるのか?」

「…最初に見た時にもヴァゴウはデーガからあまり距離は離れていなかった。もう一度見てみよう。」

クライドは気配察知の魔法を使う。


すると次の瞬間だ。


「!クライド!危ない!」

「何っ…!?」


クライドの顔が一瞬光ったのを見逃さなかったレジェリーが飛び出した。

クライドを後ろに倒し、レジェリーは何かに打ち抜かれたように悲鳴をあげた。


「イグッ…ァァッ!!!」


「レジェリー!!」

頭に何かが貫通した。

「ギッ…グッ、ア…ッ…アッ…」

レジェリーは倒れ、頭からドクドクと血を流す。身体がびくびくと震え、身体が冷たくなっていく。

「レジェリー!しっかりしろ!レジェリー!」


「…!ビライト!レジェリーを抱えて奥へ行くぞ!」

「あ、あぁ…!」


ビライトがレジェリーを抱え、その場から離れた。

すると離れた瞬間に地面が大きく爆発した。


「ッァッ!!?」


黒い森が炎をあげて燃え上がる。


「…!」

「ッ、魔力を感知されたか…!」

「レジェリー…!」

レジェリーはすでにこと切れていた。

「…!」

しかし…


「これは…!レジェリーの身体が…!」

レジェリーの身体が復元していったのだ。

傷が塞がっていく、身体も暖かくなっていき、血の気も元に戻っていく。

そしてレジェリーの手の甲のカウントダウンが42から41になった。


「…あれ、あたし…?」

「レジェリー…!」

レジェリーは何事も無かったかのように起き上がる。


「…そうだ、あたし…」

レジェリーは手の甲を見る。自分のカウントダウンが1減っていることを見て察した。

「…頭が…痛い…ッ…」


「すまないレジェリー、迂闊だった…しかし…魔法すら迂闊に使えんとは…こうなれば…俺たちは一刻も早くデーガの元まで辿り着かねばならん。ヴァゴウと合流も大事だが…アイツに一撃浴びせるどころかお目にかかれないかもしれん。」

魔法や身体の動き、あらゆるものに反応して一撃必殺を繰り出してくる魔王デーガの遠距離攻撃は相当に質が悪い。

森の中だろうが多少しか意味を成さないことを身をもって理解したビライトたちは段々と追い詰められていった。



―――息をひそめる中…ビライトたちに次の変化が訪れた。


「何だ…頭に…」

「なにこれ…!」


頭に何かを語り掛けるように声が聞こえる。




(全員の合流が確認されるまでの間、カウントダウン途中経過を連絡する。参考にするがいい。)


アルーラの声だった。


「アルーラさんか?」


(――ビライト・シューゲン 残り42回)


声は一方通行のようだ。これは前にボルドーが使っていたエコーウェーブだ。

周囲の人々に言葉を一方通行だが脳内に伝えることが出来る魔法だ。



(レジェリー・ウィック 残り41回・クライド・ネムレス 残り43回。)









(―――ヴァゴウ・オーディル 残り23回。)




「「「!!!」」」


その言葉にビライトたちに一気に衝撃が走った。


「23…!?23って…!」

言葉の衝撃にぶるっと身体を震わせ動揺するビライト。


「じょ、冗談でしょ…?ヴァゴウさん、もう20回も…!」

レジェリーも声を震わせる。


「どうやらここでいつまでも考えている余裕は無いようだな…」

クライドも冷や汗を掻いている。


事態が急変した。ヴァゴウは今もこうしている時にも死のカウントダウンを進めているかもしれない。


「…どういうことなんだ…オッサンは何で…!」

「気配察知を使った時、アイツは最もデーガから近い場所に居た。交戦している可能性が高い…急ごう。だが俺たちも…数回の死は覚悟した方がいいだろう。」


「オッサン!」

ビライトは今すぐにでも飛び出しそうだ。


「待てビライト。無策では俺たちも辿り着くころにはボロボロだ。すぐに作戦を立てる。時間をかけられぬが故、粗削りになるだろうが無策よりはマシだ。」

「そんな悠長なことしてたらオッサンが…!」

「ビライト、こういうところもきっと師匠は見てるんだよ…クライドの、言う通りだわ。」


レジェリーは震える身体を抑えながらも冷静に判断を下した。


「…オッサン…!」

「ビライト、これは試練だ。死を経験したとしても、本当に死ぬことは無い」

「クライド…」


「デーガは俺たちが束になっても敵わんだろう。故にアイツは試練と題売って俺たちの行動や意志、心を見ている。そんなデーガが無策で死んでもいいから突っ込んでいく様を見て満足すると思うか。」

「…でも…オッサンが…」

拳をぎゅっと握り、震わせるビライト。


「気持ちは分かる。だが…“無謀と勇気は違う”。サマスコールでやったことを繰り返すつもりか。」

「…ッ…」

すぐにでも飛び出したい。ヴァゴウを助けに行きたい。

だが、何も考えずに飛び出すのは愚策。ビライトは何とか自分を抑え込むことが出来た。


「ありがとうクライド。俺、また繰り返すところだった。」

ビライトはクライドに礼を言い、クライドは頷く。


「…作戦を立てる。お前たちも案を出せ。なるべく死を回避しながら切り抜けるぞ。」

レジェリーとビライトは頷いた。



時間は無い。だが、だからと言い無策の行動は多くの死を招く。そして、魔王デーガの望む試練にも反していると睨んだクライド。

そしてそれを受け入れたレジェリーはデーガと対話をしたからこそ、このような判断を下すことが出来たのだろう。


ビライトは自分の衝動を必死に抑え、クライドたちと作戦を練るのだった。




--------------------------------------




「ッ…ハッ…ガッ……」


(クッソ…格が…違いすぎる…)



ビライトとレジェリーが合流し、クライドがまだ合流していない頃にさかのぼる。

ヴァゴウは飛ばされてからすぐにデーガに目を付けられていた。


デーガから最も距離が近かったヴァゴウだが、落下した場所も非常に良くなかった。

ヴァゴウが落下した場所は森の中ではなく、周りに木も無い平原だったのだ。

故に、何らかの行動や魔力で遠距離攻撃を仕掛けてくるデーガの技の恰好の的となってしまったのだ。


最初の1回目は意味も分からず胸を撃ち抜かれた。

その後、すぐに森へ逃げこもうとしたが、それまでの間に2度死んだ。


まるでこの結界の様子を全て把握しているかのようだった。復活してからすぐに遠距離攻撃は始まった。

とてつもない速度で細い紫色の光線がヴァゴウを自由を奪い、そして致命的な一撃を与えてくる。



2度の死を経てようやく森の中に逃げ込むが、既に現時点の身体はボロボロだ。

腕を撃ち抜かれそこから容赦なく赤黒い血が流れ、地面にボタボタと落ちる。


(ビライト…レジェリーちゃん…クライド…無事だよな…)


ヴァゴウは自分の右手の甲を見る。

そこには死のカウントダウンが刻まれている。

そこには【41】と記されている。このカウントが0になった時に命を奪われれば本当の死を迎えてしまうこの特殊な結界、死の宴。


このカウントが0になったらその時点で全員の敗北となる。

ボルドーの蘇生も臨めなくなるだけでなく、魔王デーガの試練に失敗すればキッカを助けるためにイビルライズに挑むこともできないと判断されてしまう。


それだけは絶対に避けなければならなかった。絶対にこの試練を越えなければならないと、誰もが強い決意を持っている。

だが、ヴァゴウはデーガと会敵すらしていないのに既に2度死んでいる。


そして…


「グォッ!?」

ヴァゴウの傍を何かが通り過ぎた。


そして目の前が爆発し、ヴァゴウはその熱を全身に浴びた。

熱風を全身に浴びて地面をゴロゴロと転がり、黒い木に衝突した。


「グアッ…身体が……熱い…ヤベェ…これは…っ…」


森の外から追撃されたようだ。燃え盛る炎がヴァゴウを燃やす。


「…クソッ……何度もやられて…たまるか…ッ…よおおおおおおおおッ!!!」



ヴァゴウは叫んだ。


負傷したままヴァゴウはその姿で北へ向かって走り出す。

その大胆な動きを察知してか、デーガの遠距離攻撃も回数を増す。

身体を撃ち抜かれながらもヴァゴウは前だけを向いて走り続ける。


そして…




「ほぉ、よく戻ってこれたもんだ。」


ヴァゴウは上空に浮かぶデーガ本人と会敵した。

息を大きく切らしながら空を睨みつける。


「普通は2発も当たれば死ぬんだが…大した防御力だな。」

デーガは手を前に出す。


「とりあえずいっぺん楽になったどうよ?」

デーガの手から先ほどの遠距離攻撃が放たれた。


「…ガァッ…」

それは今までのものとは比較にならない光速であり、撃たれたと自覚したのは既に撃たれて数秒経ってからだった。


ヴァゴウは倒れ、3度目の死を迎えた。

そして少し時間が経ち、再び復活したヴァゴウはフラフラと立ち上がり、胸を押さえながらもデーガを睨みつける。


「…」


「よかったじゃねぇの、怪我治ったぞ。」

「…ッ…」



まだビライトたちは合流できない。

いつ合流できるかも未知数だ。きっとビライトたちも先程のヴァゴウのように遠距離攻撃に苦しめられているはず。

遠くに飛ばされているならここまで来るのに時間がかかるのは間違いないだろう。


だが、ヴァゴウはもうここから逃げることは出来ないと悟った。


ならば、ここで自分が壁になってでもデーガの力を削り、気を逸らし、ビライトたちがここに来やすいようにするしか選択がなかった。


(みんな、ワシがコイツの気を逸らす…その間に急いでくれよ…待ってるからな…!)




―――ヴァゴウは言葉を発することなく、武器を出せるだけ浮かせ、デーガ目掛けて飛ばす。

そしてヴァゴウ本人も銃を持ち、デーガに向かって撃つ。


「ほぅ、なるほど。その武器はヒューシュタットの銃だな。」


デーガの周りには紫色の球体が防御壁を張っている。

全ての攻撃はそこで受け止められてしまい、デーガに一撃を与えることが出来ない。

放った武器は無慈悲にも地面に落ちていく。


デーガは球体に埋め込まれた弾丸をつまんで笑う。


「こんなもんで俺に一撃食らわせられると思ってんのか?」


「…思ってねぇさ…ワシなりの時間…稼ぎだッ!」

ヴァゴウは魔力をありったけ使い、無数の武器を繰り出し、デーガ目掛けて放つ。


「ホレ。これ返してやるよ。」


デーガは弾丸を指でピンと弾いた。

その弾丸はまたも光速となりヴァゴウも心臓を撃ち抜いた。


「ガッ…ッ…」

即死だ。4度目の死。起き上がっては殺され、復活…そしてまた、死ぬ。


「粘るなぁ。そういうの俺は好きだぜ。」

余裕の笑みを浮かべる魔王デーガのその姿はもはや世界の味方などではない。そこにはただ目の前の相手を殺すことに快楽を覚えている悪魔にしか見えなかった。


「…ハッ…ハッ…」

だが、ヴァゴウは何度も、何度も武器を召喚し、デーガに攻撃を与え続けた。

「どうした?勢いが弱いぞ?」



「…」

復活して傷は治っている。だが、死んだときの痛みはヴァゴウの心には刻まれている。







―――気がつけばカウントは32まで減っていた。11回の死の痛みがヴァゴウの全身に響き渡る。

わずか15分もない時間の中で11の死を身に受けたヴァゴウの精神は限界を迎えそうに見えるが…ヴァゴウの目は死んでいない。


「その目はまだ諦めてないな。何がそこまでお前を駆り立てる?」

「…ガハハ…生憎だがワシは絶対に折れんぞ……?」

ヴァゴウは銃を構える。


「もう誰も失わせねぇ、もう誰も泣かせねぇ、絶望させねぇ、そう決めたから…ワシは仲間の為に、家族の為にここに立ってんだ…!!」


弾丸を放つヴァゴウ。

「大事なモンを取り戻す為に…大事なモンを守るために…ワシはここに居るんだッ!!」


それをいつものように受け止め、お返しするデーガ。


しかし、その弾丸はヴァゴウの顔をかすって地面に勢いよく埋まった。


「お?」


「…」

ヴァゴウは再度弾丸を放つ。

それも同じように受け止めて返すデーガだが、今度は明確に回避された。


ヴァゴウの動きがデーガの動きに対応できるようになっている。

「へっ、へへっ、良いね!面白れぇじゃねぇか!!」


「皆で誓ったンだよ…笑顔で帰るってなッ!!」

ヴァゴウの決意の目を見て上機嫌なデーガ。


「いいぜ。もう小細工はやめてやる。」

一瞬だった。

デーガの顔が目の前まで迫ってきていた。

「ッ…!」


「てめぇの覚悟、見せてみな。」

一瞬全身に襲い来る殺意。

とてつもない圧力にヴァゴウの身体は動けない。

そして鋭い爪に引き裂かれ、ヴァゴウの身体からは潜血が飛び散った。

「グッ…ア…」


「折れねぇなぁ。その目凄く良いぜ。」

目を紫に不気味に光らせ、楽しそうに笑うデーガ。


だが、ヴァゴウの心は折れていない。


何度命を落としても、ヴァゴウは耐えて、耐えて、耐える。


「……」


「どうしたどうしたッ!やりごたえがねぇぞ!?」


デーガは余裕の笑みを浮かべてヴァゴウを殺し続ける。攻撃の一撃、一撃に膨大な魔力がデーガから噴き出す。

その魔力は瘴気の毒の影響があるのか毒となってヴァゴウを苦しめる。カウントダウンは30を切った。


ヴァゴウの左肩の防具は砕け、ボロボロと地面に破片が落ちていく。


身体がどんどん重たくなっていく。死の回数が重なり過ぎているのだろう。身体が修復されていても痛みだけは残っている。

その痛みと追い詰められていく死のカウントダウンにヴァゴウの精神は酷く傷ついていた…


しかし、ヴァゴウの目はまだ死んでいない。

荒い呼吸でデーガの前に身体を広げ、その攻撃を耐え続ける。


「タフだなお前。普通ならとっくに折れてんぞ。」

「…ワシは…折れねぇよ……ワシの後ろには…仲間がいンだよ…」


「仲間ねぇ。お前の相手しててちょっと感度鈍ってるけどよ。俺の感知射撃魔法“センサー・オブ・カタストロフ”に相当苦戦してるみてぇだけど?合流する前にお前のカウントダウンが無くなっちまうんじゃねぇの?」


「…ガハハッ、ぬかせよ…悪魔め…!」

「ま、信じる気持ちは認めてやるけどよ。」

デーガはヴァゴウの身体をしっかり抱え、首をへし折った。


「ま、せいぜい足掻くこった。」


残り29回。




(なぁ…ビライト、レジェリーちゃん、クライド…ワシ…かっこわりぃな…何回死ねばいいンだよって話だよなぁ…ガハハ……)


腕が、足が吹き飛ぶ。



28回。


身体が魂ごと焼き尽くされる。


(けどな…時間稼ぎは…出来てるよなぁ…信じて…待ってていいよなァ…)


27回。


頭が吹き飛ぶ。


(いや、それだけじゃ…いけねぇよなぁ…)



26回


魔力を過剰に注がれ、身体が崩れ落ちる。


(ワシは…お前らが来るまで…足掻き続けるからよ…だから……)



25回


爪で八つ裂きにされる。


「信じなきゃ…いけねぇよな。」


「お?この魔力の高鳴りは…」


ドクン。


24回



ヴァゴウの心臓の鼓動が高まる。


23回



それはついに沸点を超え、その目は鋭く、光を放つ。


「グルアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」



「!」

ヴァゴウの叫びにデーガは一歩後ろに下がった。

ヴァゴウの身体が大きくなる。これは潜血覚醒だ。身体が岩のようになっていき、防御に特化した岩石の鎧を身にまとい、その咆哮は結界を揺らした。



「へぇ~こいつが潜血覚醒か。おもしれぇじゃねぇか。」


「グルアアアアーーーーーッ!!!」

その咆哮でデーガの身体もブルッと揺れる。


「良いじゃねぇの!!お前の覚悟受け取ったッ。ヘヘッ!まだ楽しめそうだなァ!」


ヴァゴウは力の全てをデーガにぶつける。

全てはデーガのセンサー・オブ・カタストロフの感度を鈍らせ、ビライトたちが合流するのを信じて待つための時間稼ぎだ。


そんなヴァゴウの決死の覚悟にデーガは心を躍らせていた。




―――


(そうだ、俺はこういう命懸けの覚悟の力が見たかったんだよ。コイツは素質あるぜ、ヴァゴウ・オーディル。)

(そのようだ。しかし…楽しそうだな。)

(楽しいさ。こんなに楽しませてくれるやつがあと3人も居るんだぜ?)


―――


--------------------------------------



「分かっていることがあるとしたら、まず魔力と行動に反応して攻撃をしてくることだ。」

「そう、だな…魔力はレジェリーが感知出来るよな。」

「えぇ、でもあたしが感知出来たとしてもあの攻撃が速すぎるわ。精々自分に来る分を回避できるかどうか…ってところでしかないわ…」


ビライトたちはクライドを中心として、どうやってデーガの元に辿り着くかを作戦立てしていた。

時間はあまり残されてはいない。付け焼き刃になるかもしれないが少しでも死を減らす為だ。


いつもならばクライドが一人で策を練っているが今回はビライトもレジェリーも参加し、意見の出し合いをしていた。


「あとは攻撃が来る直前にその箇所が光るわ。」

レジェリーがクライドを庇って死んだ際に判明したことだ。

「…クライドの気配遮断で多少はかいくぐることは出来るかもしれないけど…不安定なんだよな。」

「そうだな…現に俺はこのザマだ。」


クライドはまだ1度も死んでいない。だが、胸や耳からの流血は止まらない。

気配遮断では気持ちマシになる程度の効果しかないことが分かる。


「けど、何もしないよりはマシだよ。クライドは気配遮断を俺たちと自身にかける。これは確定で良いか?」

ビライトの言葉にレジェリーとクライドは頷いた。


「問題は狙われた時の対処よ。1発ずつならあたしの魔力感知でなんとかなるかもしれないけど…」

狙われる確率を下げることは出来ても狙われた時に被弾してしまえば怪我では済まない。

足を狙われたらもうその時は死を覚悟しなければならない。



「…万が一、誰かが死んだときのことも考えた方が良い。」

クライドは考えたくも無いことだが、この提案にはビライトとレジェリーも乗るしかない。

1度も死なずにデーガの元まで行ける…とは考えにくいからだ。


「被弾したらすぐに叫べ。近くに居る者がソイツを抱える。もうこれしかあるまい。見捨てるという選択肢は無しだ。」

「そうだな、俺たち全員が行かないと意味が無い…」



「…ねぇ、思ったんだけど…さっきからあたしたち、狙われてなくない?」

レジェリーは違和感に気が付いた。

ここに留まってしばらく経つが、狙われる気配がしないのだ。


「…」

クライドは少し考える。

「…」

クライドは地面に転がっている大きな石を拾い、森の外に投げた。


石はコロコロと転がって森の外を転がるが、何の反応も無い。


クライドは気配遮断を使い、少しだけ外に出ようとする。

「ク、クライド!?」

「危険よ!」


クライドは森から少しだけ出るが、何の気配も感じない。

だが、しばらくして、地面が光るのを確認し、ジャンプして一気に後方に下がる。

すると地面が爆発して投げた石ごと地面に大穴が空いた。

だが、その遠距離攻撃は石を直接狙ってはいなかった。そしてクライドの足元が狙われていた為、先程までのように急所狙いではなくなっていることを見つけた。



「…感度が落ちている。石どころかあの攻撃は俺の急所を狙わなかった。」


「…魔王デーガの力が落ちている…?」

ビライトは考えるが、クライドは首を横に振る。

「それはあり得ん。アイツは1000万年分の魔力を持っている。この程度で弱るわけがない。」

「じゃぁ…どういうことなの?」

レジェリーとビライトは考える。

「…誰かが…魔王デーガの気を引いている…?」

ビライトは呟く。


「…なるほど、可能性はある。そしてそれを担っているのは間違いなく…」

クライドはビライトの意見に同意。

そして、デーガの気を引いている…それが今の現状出来る者は…


「ヴァゴウさん…!」


「…行こうクライド。気配遮断で一気に走り抜けよう!俺もエンハンスで速度を上げるよ。ほぼ無策かもしれないけど、お陰で冷静になれた。」

「…わかった。レジェリーは俺の手を繋げ。」

「へっ!?」

レジェリーは急なクライドの指示に驚く。


「何を驚いている。この中だとお前が一番足が遅いのだ。死を少しでも回避しなければならんのだ。」

「あ、あぁ…っと、わ、分かったわよっ!」

レジェリーは少し顔を赤くする。

「…レジェリー?」


「なんでもない!!ホラ、覚悟はいい!?」

「あ、あぁ!」

ビライトはエンハンスをサードまで解放。メギラエンハンスは使用後のリスクが高いため、サードまでに留めた。


「気配遮断…」

クライドは3人全員に気配遮断をかけた。


「…行くぞ。俺たちの仲間を助けに行く。」

「あぁ、行こう!」

「ヴァゴウさん…待ってて…!」



森の出口に立つビライト、そしてクライド、その手を繋ぐレジェリー。



「「「ハッ!!!」」」」




一気に足を踏み、外に出る。


次の森まで100m。


一気にそこまで走り抜ける。


もうあと少しの所でレジェリーの頭部が光りだした。


「レジェリー!伏せろ!」

「えぇ!読めてるわ!」

魔力感知で遠距離攻撃を躱すことに成功した3人は森にまた逃げ込む。



「フゥ…なんとかなったな。」

「油断するな。行くぞ。」


ヴァゴウの元まであと400m。

ビライトたちは急いで北へ向かって走る。



―――森を走る3人。足場の悪い中走っていると、大きな叫び声がウオオオオオオと北から聞こえる。



「…叫び…声…?」


「ヴァゴウさんの声…?」

「あの叫び声は…知ってるぞ…潜血覚醒だ…!」

ビライトは近くであの叫びを聞いている。故に確信を持てた。


「やっぱり戦ってるんだ…!」



ビライトたちは再び森を抜ける。

「…来る!でも3方向!」


今度は3方向から魔力を感知したレジェリー。


「クッ、まとめて始末する気か!」

クライドはダメもとでレジェリーをひっぱりジャンプした。


「フェッ!?」

「ッ…!」


明かに心臓を狙っていた一撃はクライドの足に命中した。

クライドは転倒し、足からドクドクと血を流す。

「…ッ…即死は免れたが―――ハッ…!」

クライドの顔が光る。


「―――ッ…」

「うあああああ!!!」

「ビライト…!?」

ビライトが目の前に立った。

ビライトは大剣を前に出し、遠距離攻撃を受け止めた。


「ッ…うおおおっ!!!」

しかし…


「―――ガッ…」

「ウアッ…!」


後方だ。

もう一撃が後方から追加で攻撃してきたのだ。

クライドの頭部とビライトの心臓を精密に撃ち抜き、2人は倒れてしまった。

「このおおおおおおおっ!!」


レジェリーは何処にいるか分からない魔法の元を断ち切るために魔法を連射するが、無慈悲にもそれは無意味に終わる。

そしてレジェリーにも無数の攻撃が直撃する。


「ッーーーホント…無茶苦茶よぉ…―――」



「レジェリー!」

命尽きようとするレジェリーを抱え、蘇生したビライトとクライドは走る。


「走れ!!!例え死んでも前に進めッ!!」

「うおおおおお!!!」



--------------------------------------




――


「…グッ…ガッ…ごアッ…」


「防御に固めた姿っていうのかねぇ。身体を自由に戦闘スタイルごとに変えれるとはなかなか面白い潜血覚醒じゃねぇか。」


潜血覚醒したヴァゴウは地に伏していた。


「グゥゥッ、グルアアッ…!」

身体が動かない。ヴァゴウの身体にはバインド魔法がかけられていた。デーガがやったのだろう。

暴れるヴァゴウを押さえつけ、デーガは笑う。


「ま、俺の敵じゃねぇけどな。」

あの後もひたすらに一方的な戦いが続いていた。


防御に徹していたヴァゴウだが、死のカウントダウンは18まで下がっていた。

潜血覚醒後も5回の死を体感したヴァゴウの意識は混濁していた。


「―――」

潜血覚醒が解かれ、ヴァゴウは地面にうつ伏せで倒れる。


「ま、よく頑張ったで賞ってことで。とりあえず一回楽になっとくか?」

デーガはヴァゴウの顔に手を当てる。



(―――駄目だ…身体…動かねぇや…ガッハハ…奥の手も駄目とか…夢だったら…良いのによぉ…)

心が折れそうになる。


ヴァゴウの身体がブルブルと震える。死んでも復活することは分かっている。

だが、その痛み、どうやっても太刀打ちできない現実にヴァゴウは絶望しかかっていた。

ビライトたちの為に身体を張ってきたが…ヴァゴウは悔しさで歯を食いしばる。


(クソッ、クソッ…クソォッ…すまねぇな…ビライト…みんな…キッカちゃん…ボルドー…ワシはダメかもしれねぇ……心が折れちまいそうなんだ…)



ヴァゴウの目に涙が流れる。


「んー…流石に折れたか?」

それを察したデーガであったが…


「…おっ、良かったな、ヴァゴウ・オーディル。お前の最後まで諦めなかった根性の勝利だぜ。」

「…?」


デーガの目の先から強い気配を感じ、デーガは微笑んだ。














「オッサンから…離れろおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」














茂みから高く跳躍して飛び出してきたのはビライトだった。






メギラエンハンスのかかったするどい獣の目でデーガの防御壁に大剣を叩きつける。



「来たな。ビライト・シューゲン。」

「うおおおおおーーーーーーーーっ!!!」

防御壁とぶつかりあうビライトの大剣がはじけ、ビライトは地面に着地。



「ヴァゴウさん!」

「ヴァゴウ!」


奥からレジェリーとクライドも現れ、2人はヴァゴウの身体を起こす。


「…ハ、ハハ……わりィ…全然アイツの力…消耗、させれなかったわ…」

「ううん!そんなこと、そんなことなかったよっ…!師匠の技は明らかに感度が落ちていた!ヴァゴウさんが頑張ってくれたからだよ!」

レジェリーはヴァゴウのあまりにも悲惨な状態に涙をボロボロと流す。



クライドはヴァゴウの手の甲の数字、【18】を見て、呟いた。




「…よく頑張った。よく耐えてくれた。だがもう大丈夫だ。お前は一人じゃない。」

「……アァ…そうだな…そうだよなッ…」



ヴァゴウの目から涙があふれる。

ビライトはデーガと交戦しているが、ヴァゴウの方を見て小さく微笑んだ。

「オッサン!ありがとう!今度は…俺たちがオッサンの勇気に応える番だッ!!」


「ビライト…ガハハ…頼もしいわ…」

ヴァゴウはそう呟き、目を閉じる。意識が途絶え、死のカウントダウンが【17】になった。


「…ヴァゴウさん、少し休んでて。」

レジェリーはヴァゴウの死の瞬間を見て立ち上がる。


「あたし、戦うよ。全力で。」

「あぁ、ヴァゴウの思い、無駄にしてなるものか。」


デーガはその姿を見て拍手を送った。

「よくここまでたどり着いたもんだ。」


「散々だったよ。何度死んだか分からないぐらい酷い目にあった。」

ビライトは手の甲を見せる。



ビライトのカウントダウンは42から38へと減っていた。


レジェリーが41から37。


クライドが43から40へ。


「でも俺たちなんかよりオッサンの方がよっぽどだ。それに比べたら俺たちの死なんて大したことない。」


ここまで来るのに何度も何度も倒れていた3人だが、その目は強い決意に満ち溢れていた。

死んでも、前に進んできた。必死で前を目指して走り抜けた。


血を流し、痛い思いをしてもこの足だけは何度も何度も立ち上がった。


痛みなどどこかに置いてきたかのようで、その強い心はデーガの心を躍らせた。

「良い目をしている。さぁ、来な。」



「ここからが本当の俺たちの戦いだッ!」


「ようやく本番ってところだ。ヘヘッ、楽しませてくれよ…?」

デーガの全身から更なる強力な魔力が噴き出す。


「さァッ!!本当の宴はここからだぞッ!!!命を捨ててかかってきやがれッ!」




「みんな!行こう!」

「えぇ!」

「あぁ。」


ビライトたちと魔王デーガの会敵。ここからが本当の勝負となるのだ。



「…ビライト…みんな…ワシも…まだやれることがある…だよな…まだ…終わりじゃねぇよな…」

復活したヴァゴウは希望を取り戻した。




―――さぁ、死の宴、第2ラウンドを始めよう。






残り死数


ビライト・シューゲン あと38回

ヴァゴウ・オーディル あと17回

レジェリー・ウィック あと37回

クライド・ネムレス  あと40回



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