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Delighting World  作者: ゼル
第一章 旅立ち編 ~まだ見ぬ地を目指して~
6/139

Delighting World Ⅴ.Ⅴ




※各章が終わるたびに0.5巻が更新される予定です。

 0.5巻目は、簡単なキャラプロフィールや、シンセライズの世界観や、シンセライズに残る伝承や歴史、種 族の詳細の解説。

 そしてショートスキットとして短いショートストーリーをいくつか掲載しております。








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Delighting World メインキャラクター紹介 Ver.1.0


~ビライト・シューゲン~


・性別…男性

・年齢…17歳

・身長…173cm

・体重…59kg

・種族…人間

・能力…自己強化魔法エンハンス

・一人称…俺

・各キャラの二人称

 キッカ…キッカ

 ヴァゴウ…オッサン

 レジェリー…レジェリー


コルバレーの町出身の青年。幼い頃に両親を亡くし、それからずっとキッカと2人暮らし。

生計を立てるために日々労働に勤しんでいたが、キッカの身体が無くなったのをきっかけに外の世界へ手掛かりを求めて旅立つ。

普段は冷静に行動する常識派だが、初めて見るものや珍しいものを見るととことん追求してみたくなる性分で、面白いものや楽しいものを求めることが好きで、密かに旅の目的の一つとなっている。

武器は大剣。亜血の薄いほうの血が獣人であるためか、筋力が高い。

得意技はエンハンス。自身の能力を強化し戦うことが得意。極めれば身体の負荷をリスクに相当な能力向上が可能だが、やりすぎると命にかかわることがある。



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~キッカ・シューゲン~


・性別…女性

・年齢…13歳

・身長…144cm

・体重…ナイショ

・種族…人間

・能力…回復魔法・補助魔法

・一人称…私

・各キャラの二人称

 ビライト…お兄ちゃん

 ヴァゴウ…ヴァゴウさん

 レジェリー…レジェリー


ビライトの妹。0歳で両親を亡くしているので両親との思い出は無い。

ビライトの頼れる存在で、家事洗濯料理なんでもテキパキこなせる。

好奇心旺盛で、ビライトと同じく珍しいものや楽しいものが大好き。

本人は精神体であるため、見られない人も存在し、寝ることも食べることもできないので、元の身体に戻れたらやりたいことリストを脳内に旅をしながら貯めていっているらしい。

自分のためにビライトや仲間たちが傷つくことを何よりも恐れており、仲間の危機に過敏に反応しがち。

武器は無し。主に回復魔法によるサポートがメインではあるが、中等級程度の光属性の攻撃魔法程度は使うことができるが、本人が戦いを好まない性格なのでめったに使わない。

本や歴史が大好きで、自身で手に触れられない本をビライトに読んでもらっている。




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~ヴァゴウ・オーディル~


・性別…男性

・年齢…41歳

・身長…238cm

・体重…147kg

・種族…竜人(???)

・能力…魔蔵庫による武具召喚

・一人称…ワシ

・各キャラの二人称

 ビライト…ビライト

 キッカ…キッカちゃん

 レジェリー…レジェリーちゃん


コルバレーの町に住む武器職人。

その技術は非常に優秀だが、本人が武器を作るよりも素材を集めたりするほうが好きで、なおかつ超お人よしでなんでもかんでも困っている人を助けようとするため、本職をそっちのけにしてしまうことが多く、「仕事しない凄腕職人」という肩書を持っている。

とてもおおらかで豪快な性格で、1度決めたことは必ず貫き通す強い精神を持つ。

武器は、武器全般。本人の魔力を使って利用できる魔蔵庫から様々な武器を召喚し臨機応変に戦うことができる。

職人なだけあり、ほぼすべての武器を使うことができる。

普通の竜人よりも何故か魔力保有数が大幅に高く、普通の魔法使いとなんら変わらないほどの魔力を使うことが出来る。


両親の居ないビライトとキッカが自立するまで面倒を見ていたため、実質3人は家族のような間柄である。



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~レジェリー~


・性別…女性

・年齢…16歳

・身長…159cm

・体重…ナイショ

・種族…人間

・能力…攻撃魔法・??魔法

・一人称…あたし、魔女っ子レジェリーちゃん

・各キャラの二人称

 ビライト…ビライト

 キッカ…キッカちゃん

 ヴァゴウ…ヴァゴウさん


旅先でヴァゴウに武器を注文していた際にビライトたちと出会う。最初は出会いがしらのみの出会いだったが、お金を払う前にヴァゴウがビライトたちと旅に出て行ってしまったため、それを追いかけることに。途中で行き倒れるも、謎の獣人に助けられビライトたちと合流する。旅の事情を聞いてパーティに加入することになった。

とてもおてんばで明るく元気な女の子。自分のことを「魔女っ子レジェリーちゃん」や「あたし天才だから」言うこともあるぐらいには自分大好き。

ヴァゴウと同じくお人よし。そのうえ、ヴァゴウと同様アクティブなのでトラブルメーカーでもあり、ムードメーカー。

ドラゴニアの魔法学校に憧れている。

武器は魔法の杖。ヴァゴウお手製の天然の樹木で作られた杖。

主に攻撃魔法を得意とし、全属性の魔法を惜しみなく使えるのであながち天才なのは間違いないのかもしれない。

あまり見られない種類の魔法を使うこともある。


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(キッカが読んだ本をまとめた)解説・おはなしコーナー




キッカ「私たちの冒険に役立つかもしれないこの世界のことを記録しておくね!」


ビライト「まとめるの俺なんだけど…」(※キッカは物に触れない)




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シンセライズ誕生の物語




”かつて世界は7つに分かれていました。”



”この世界に生まれた1人の神様はよりよい世界を作るため、6人の神様を作り出しました。7人は力を合わせてよりよい世界を作ろうとしましたが、それは失敗に終わったのです。”


”世界は1つだったのにそれは7つに分かたれ、神々はそれぞれの世界に閉じ込められてしまったのです。”


”最初に生まれた神様”主神”は閉じ込められた神様を助け出すために奮闘しましたが、せめて意識を飛ばすことが限界でした。”


”そんな中、主神と最も親しかった神様が閉じ込められた場所は、世界中の”負”が集まる恐ろしい世界でした。その恐ろしい力に翻弄され、苦しむ神様はついに”邪神ヴァジャス”となってしまったのです。”




”閉じ込められてしまった残りの神様の次々と邪神となっていきました。戦の神”邪神ディスタバンス”。歪みの神様”邪神アーチャル”。滅びの神様”邪神グァバン”。”


”邪神となった神様の世界は滅びの道を歩むように崩壊していきました。争いが絶えない世界、空間が歪んでしまった世界、守護者が居なくなった世界…”


”そんな中、希望を捨てなかった”主神”と残り2人の神様、自然の神”ナチュラル”、魔法の神”レクシア”。合わせて3人の神様は手を取り合いました。”


”手を取りあった3人は各世界から英雄を集めました。邪神となった各世界の神々の力に抵抗し、打ち勝った者を。神々の力を恐れずその世界を生きる強き者を。集まった戦士たちは”負”が集まる世界に捕らわれた邪神ヴァジャスの暴走を止めるために動き出しました。”





”彼らは邪神ヴァジャス以外の邪神たちにも協力を仰ぎました。英雄たちに力を示され、敗れたディスタバンスは手を貸すことを約束し、アーチャルは英雄たちの強い意志の力に敗れ手を貸すことを約束しました。”



”邪神グァバンは自身の命を捨て、新たな神を抜擢。新しい神、歴史の神”シヤン”を生み出しその命を散らせました。終結した6人の神と英雄たちは邪神ヴァジャスの元へと飛び込みました。”



”邪神ヴァジャスを救いたい。世界の負はすべての神が引き受けるべきだ。戦いの果てに導き出した神々たち。その手を掴んだ邪神ヴァジャスは黒き邪神の黒き体から解放され白銀の神となり、7人は改めて世界の統合を願い世界は生まれ変わりました。”


”すべての世界がひとつになり、すべての生物の血は混ざりあい、1つの7つ分の世界を統合した大きな、大きな世界が誕生しました。これが新世界”シンセライズ”の誕生なのです。”


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シンセライズとは


この世界の名称。

1000万年前に誕生した。

それ以前は7つの世界に分かれていて、7人の神が居た。

不安定で歪な世界により、負のエネルギーがあふれ出し、神々の一部は邪神と化し、7人の神々は対立した。手を取り合いたい主神は各世界から英雄を募り、説得のため戦った。


それまでには様々な経緯を経て神々は分かりあい、手を取り合い力を合わせ世界を統合させた。

7人の神は手をつなぎ、1つの世界を7人で支えあうことを決めた。

新しく生まれ変わった世界。それがシンセライズである。


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シンセライズに暮らす種族と血によるカテゴリー分けについて


・大分類


1.生物

知的生命体とも呼ばれる。

基本的に意思を持ち、心があり、自分の意志で行動をし、考えることができる者を指す。


2.魔物

生物のカテゴリーに属さない者がここに区分けされる。

基本的に生物の討伐対象であるが、魔物自体も様々な姿形をしている為、凶暴な魔物もいれば危害を加えない大人しい魔物もいる。


3.魔族

魔物を統率する上位種。生物同様、意思があり、心があるため、生物と同じような存在ではあるが魔物を統率出来る為カテゴリー分けされている。

しかし、その存在は幻であり、存在しているのかどうかは不明である。


4.神

かつてシンセライズを作ったとされる7人の神。

こちらも魔族同様幻の存在であり、本当に存在するのかは不明である。


5.古代人

世界統合前から生きているとされている存在。

ドラゴニアにその存在がたった1人確認されている以外には確認されておらず、現時点では世界でたった1人だけと言われている。

古代”人”と書かれているが、ドラゴンや魔物も統合前から存在しているならば、古代人と呼ばれる。


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・生物の種族分類


1.人間

 知力に優れている種族。

手先が器用で頭の回転が速く、主に道具や機械を使って生活を豊かにしている。

他種族に比べ、身体能力が大きく劣るが魔法を使える者はそれを補うようにしている。


2.獣人

 力に優れている種族。

どの種族よりも力と身のこなしの良さ、素早さが優秀。

血の気が多い種族であるため、現在でも原始的な暮らしをしている者、集落等も存在する。



3.竜人

 力と知識に優れている種族。

竜の頭を持つ人型獣人であり、他種族に比べて大柄な容姿をしている者が多い。

魔力を保有できる魔限値が全種族で最も低いため、魔法を使って行える飛行能力が使えないため、竜人の背についている羽はただの飾りである。


4.ドラゴン

 全ての能力に長けた種族。

人型ではなく、獣に近い容姿で全長も3mを軽く超える。

魔法だけでなく、ブレス、長時間の飛行など他種族には出来ないことも出来たりする。

他種族と違いあまり外界との交流をしない傾向にあり、存在数も少ない。

ドラゴンを使い移動できるドラゴン便というものが存在するが超高額なため、利用客は金持ちばかり。




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・生物の血関係


1.純血

 1つの血のみが流れている純粋な生物。

世界統合時、分かれていた世界が混ざり合った影響で純血の生物というのはあまり存在しておらず、シンセライズ全人口の2割弱程度と言われている。

混血と違い、比較的安定していて寿命も長く、魔力も非常に安定している。


2.混血

 2つ以上の血が混ざり合っている者の総称。

シンセライズの約8割強の生物がこれに分類される。


・混血の更なる小分け


混血の場合、その血の混ざりっている割合によってさらに細かくカテゴリー分けされる。


1.亜血

混血ではあるが、1つの血の割合が80%を超えている。

ほぼ純血だが、わずかに他種族の血が流れている者を指し、寿命や魔力の安定さは純血とあまり変わらない。容姿の変化も特に無い。

混血の8割はここに当たる。


2.双血

1つの血の割合が79%以下である者がこのカテゴリーに当たる。

2つ以上の血の混ざりがハーフになるほど寿命が短くなる傾向になり、例えば2つの血があり、50%と50%だと非常に寿命が短く、混血病を発病する可能性も大幅に上昇する。


3.重血

3つ以上の血を持つ者は亜血であってもここに分類される。

そもそも3つ以上の種族の血を持っている者自体が非常に稀なケースであり、基本拒絶反応により生まれる前に死んでしまったりすることが大半なのだが、ごくわずかに多重血は存在しているとされている。

多重血は他の混血と違い拒絶反応を克服している為、寿命も純血と同等ぐらい長く、混血病も発病しない。

生存率が相当低い分、生存した場合の生命力はその存在よりも高く、魔限値も魔力も一般以上という恩恵もある。



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・魔物について


基本的に言語を発することは出来ず、基本的に本能のままに生きているので温厚な者から狂暴な者、容姿も様々である。

魔族によりその狂暴性を抑え、生態系を安定させていると言われているが、魔族そのものが伝説扱いなので、真意は定かではない。


・弱魔物・強魔物

生物たちによる基準により設けられた魔物の危険性のカテゴリー。

弱魔物は比較的温厚であったり、並みの成人でも倒せる程度の魔物を指す。

強魔物は狂暴性が高かったり、一般的に戦っても分が悪いと判断される魔物が含まれる。



・魔獣人・魔竜人・魔竜

生物の獣人、竜人、ドラゴンの姿をしているが、生物としての条件を満たさない存在。

普通の魔物と異なり、言語を話す(言語能力は低い)、感情を持つ者も存在する為、強魔物よりも危険視されている

元々生物であった者がこのカテゴリーになることもあるらしい…






ショートスキット


”ビライトとキッカのお勉強”







「キッカ、あとどれぐらいだ?」

「んーあともうちょっと~」


ビライトは旅の夜、眠る前に本を読む。


ヒューシュタットを出て最初の夜…


しかしそれはビライトが好きで読んでいるわけではない。

本が大好きなキッカが読むためにビライトが読んでいるのだ。


キッカはビライトに憑依している。

イビルライズの渦と呼ばれるものに身体を奪われ、精神体となってしまったキッカ。

彼女はビライトの妹。

とても面倒見がよくて優しい少女である。

そんなキッカは世界の事を知り、調べ、それを見るのが大好きだ。

キッカの失った身体を探し出す旅に出たビライトとキッカ。そして同行者の竜人のヴァゴウ。人間の魔法使いレジェリー。

4人の旅はまだまだ始まったばかり。


訪れた都市、ヒューシュタットで貰った図書館の本を取り出すことが出来る魔蔵書庫を用いて本を読む。

キッカは物に触れることが出来ない。

なので、本が持てるビライトに読んでもらうしか、キッカが本を読む手立てはないのだ。


ヴァゴウもレジェリーも眠り、静かな夜。


「俺も世界の知識を知れるから良いんだけど…」

「私が個人で読めたら良いんだけどなぁ…」


ビライトも本を読むのが嫌いなわけではない。

むしろ好きな方ではある。ビライトも好奇心は旺盛な方で、キッカほど多方面ではないというだけだ。


「やっぱり俺が読まないとキッカも読めないからな。仕方ないさ。」

「うん、ありがとうお兄ちゃん。」


知識を得ることは世界を知るということ。

いつか世界を回って知らないことをたくさん知りたい。

それがこの好奇心旺盛な兄妹の夢だ。


そしてそれをするならば、もちろんキッカの身体を取り戻し、この旅を終えてからだ。

この旅が終わってからが、始まりなのだ。



ビライトとキッカは幼いころに両親を亡くし、ビライトは幼いながらも、両親と付き合いのあったヴァゴウの元で働き始める。

ヴァゴウやビライトたちが暮らしているコルバレーの町の人々たちの協力もあり、どうにかここまで育ってこれたビライトとキッカ。

2人は成長し、17歳のビライト。13歳のキッカ。夢を持つ2人の旅はまだ始まったばかり。


「ふぁ…」

「眠たいの?」

「ん…まぁな…」

「じゃ、今日はここまでかな。」

「あぁ、ごめんなキッカ。」

「うん、私こそごめんね。いつもありがとう、お兄ちゃん。」

「良いってことよ。」


ビライトは眠りにつき、キッカは眠るビライトを見つめて少し悲しい顔を見せた。

「お兄ちゃんは私の為に色々頑張ってくれる…私、お兄ちゃんに頼ってばっかりだな…」


キッカは眠ることは出来ない。

なので夜は1人きりだ。

まだキッカが身体を無くして1週間程度だが、やはりこの眠れない夜の時間は少しだけ寂しい様子。

そして、色々なことを考えるのだ。

自分がこれからどうなってしまうのか。自分はいつまでこの身体でいられるのか。

いつ自分がどうなってしまうか分からない状態にキッカは少し恐怖を感じていた。

しかし、キッカに希望はある。


「お兄ちゃん、私…絶対に消えない。消えないようにするにはどうしたらいいかなんてわからないけど…でも、消えたくないから。」


キッカは寂しく夜空を見上げる。

そして、改めて、決意もまた固めていく。


一行はイビルライズがある可能性の高い北の地、未踏の地を目指す。

その為に世界三大国家の王からの許可をもらうため、世界三大国家の1つ、ドラゴニアを目指す。

まだまだ旅は始まったばかりなのだ…


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ショートスキット2


”ヴァゴウとレジェリー”








「ヴァゴウさんとレジェリーってちょっと似てるよね」


キッカの言葉に皆は振り向いた。


「えーーーー!!!あたしがヴァゴウさんと!?」

驚くレジェリー。そして首をかしげるヴァゴウ。


「その驚いた時のオーバーな感じとかさ、あととっても元気!」

キッカは屈託のない笑顔で言う。


「え~…なんか…やだ。」

「おう!?」

否定から入られてヴァゴウも変な反応を見せる。


「えーそうかなぁ~ヴァゴウさん大好きだからレジェリーも大好きだよっ。」

「なによそれ~…」

「なんだレジェリー、ワシと一緒じゃー嫌かぁ?」

「そ、そうじゃないけど!そうじゃないけどさ!あたし、女の子だしぃ~…オジサマと同じにされてもっていうか!あーん!なんかもうわけわかんなーい!」

ヴァゴウは面白くなったのかニヤニヤしている。レジェリーは慌てて顔が真っ赤だ。


「あー…でもさ。」

収集がつかなさそうな雰囲気にビライトが声を出す。


「レジェリーもオッサンも、大事な時とても頼もしいし博識だよな。そういうところが似てるんだと俺は思うよ。」

ビライトは性格方面ではない方面で話を進めた。


「あー…そういうことなら…嫌じゃないかも…むしろそれは嬉しいわね。」

「よく分らんが、まぁよかったわい!ガハハ!」

まんざらでもなくなったレジェリー。そしてよく分かっていないままに笑い飛ばすヴァゴウ。

「やっぱり似てるね!」

「そ、そうだな。よくよく見たら性格とかも似てるかも」

「そこは否定しなさいよ!!」

「やべ、墓穴掘った。」



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ショートスキット3


”好奇心兄妹”





「おっ、キッカ、見てみろよこれ。」

「わぁ、なんだろ!なんだろ!」


川沿いを歩く一行。

流れる川に生息する魚を眺め、2人はすっかり夢中である。


「ビライト~キッカちゃん!何やってるのよ。置いていくわよ~?」

レジェリーが声をかける。


「キッカ、こういうとここそ本だ!生物図鑑を出すぞ!」

「うん、出そう出そう!」

ビライトは魔蔵書庫で生物図鑑を取り出した。


「ビライト!!!!」

レジェリーが大声でビライトの耳に叫んだ。

「うわわっ!なんだよッ!」

驚いたビライトは本を落とすほど慌てた。


「なんだよじゃないわよ!置いてくわよって言ってんの!」

「良いだろ、見たことない生き物がいるんだ!調べさせてくれよ。」

「まったく…ビライトってば何もないときは誰よりも冷静なのに、一回興味を持ち始めるとキッカちゃん並みに好奇心旺盛になっちゃうんだから…」

やれやれとため息をこぼすレジェリー。


「おーうなにしてんだァ?」

上から長身のヴァゴウがのぞき込む。

「見ての通り。2人とも好奇心モード真っ最中ってカンジ。」


「ガハハ!ほんとこいつら小さいころから変わらんな!」

「えー…この2人昔からこうなの?」

レジェリーは幼いころの2人をよく知るヴァゴウに尋ねる。


「おう、キッカちゃんがわりと多く飛びついてすぐ目移りする性分なら、ビライトは何でも飛びつきはしないが、一度ハマり出すと徹底的に追いかけちまうタイプでな。ほんと好奇心の塊なんだよこの兄妹は!」


「で、いつ終わるの?」

「そうだなァ…3時間ぐらい?」

「なっっっが!!!もうビライト!キッカちゃん!早くドラゴニアに向かわないと!」

レジェリーは何度も声をかけるがすっかり自分の世界に入り動かないビライト。きゃっきゃとはしゃぐキッカ。


「むーーーー!あたしの話を聞けぇーーーっ!!!」

レジェリーの持っている杖から水流が流れ出す。

「えっブグムグ」

発言を許さない水流は川の流れと逆方向にビライトを流す。

「あーーーーーーーーーーーー」

「お兄ちゃん?!」


「ばーかっ!」

レジェリーはそう叫び、足音高く歩き出す。


「ガハハハハ!最高のシャワーだなァ!」

ヴァゴウは流されてノックアウトされたビライトと慌てるキッカを見て大爆笑。


「フン、あたしの話を無視するからこうなるのよっ」


ビライトたちの冒険はのんびりである。


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次回のDelighting World!








俺はビライト。

ドラゴニアに向けて歩き出した俺たちの前に、レジェリーと俺たちを引き合わせた獣人が現れる。

そいつは俺たちが見てきたヒューシュタットの現実は当たり前に起こっていることだと語ったんだ。

期待していると告げられ、去っていく獣人。


謎を残したままドラゴニアにたどり着いた俺たちは、さっそくドラゴニア王に会うべく行動を開始したんだ。


観光ついでに俺もキッカもついついいろんなものに惹かれてしまうなか、町を散策していると偶然にも王族の人に出会い…?

レジェリーは内に秘めてた思いを語り、オッサンには何やら危険な予感が…!?


次回のDilighting Worldは、第二章 ドラゴニア編 優しい魔法と竜の国。

まだまだ旅は始まったばかりだ。

キッカ…絶対にお前の身体を見つけ出すからな…!




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