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Delighting World  作者: ゼル
第九章 ヒューシュタット編~悲しみと憎しみの果てに~
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Delighting World ⅩⅩⅩⅩ

Delighting World ⅩⅩⅩⅩ



ヒューシュタットに潜入したビライトたち。

城の100階までなんとかたどり着くことが出来たが、いまだ四従士の3人は現れておらず、恐らく最高層にいるガジュールも姿を見せていない。


ドラゴニアの為、世界の為、そして未踏の地に行くため。大きな決戦はまもなくだ。







ヒューシュタット城もとい、ビル101階。


階段を登った先に次の102階に繋がる階段は無い。

何処かに102階に通じる階段があるはずだ。


「さーて…いるな。ワンサカとな。」

階段を登った先にはオートマタが大勢居た。


「なるほど、ここから先はオートマタだらけ…ってことか。」

ヴァゴウは武器を召喚し、構える。

「今更オートマタなんて敵じゃないわ。一気に片付けちゃいましょ!」

レジェリーは杖を構える。


「避けられる戦いは避けていくぞ。俺は罠魔法が使える。ある程度のバインドは出来るだろう。」

クライドは罠を設置する魔法も熟知している。

「そいつは良いな。俺様もその辺りは多少心得ている。」

ボルドーはエクスリストレイを再発動させ、魔法を唱える準備をする。



「みんな、正面突破だ!!」

ビライトもエンハンスを発動し、一行は大勢のオートマタに向かって走り出す。


オートマタは今までも大勢倒してきた。

そしてビライトたちは戦いの中でレベルアップしているのだ。今更オートマタが来ようが大した問題ではない。

ただ、数で押されてしまう可能性は大いにある。


だからこそクライドとボルドーの発動する罠魔法、そしてレジェリーの範囲系の魔法が重要になる。



「グレイモア。」

クライドは罠魔法を発動。

迫りくるオートマタたちの先の床に地雷を設置した。

オートマタはそれを踏んでしまい自爆していく。


「初級魔法だが…俺様はそれを範囲化出来るぜ!バインド!」

ボルドーは初級魔法だが、それを範囲化させたバインド魔法を発動。


オートマタたちは武器を封じられ停止した。


「一気に駆け抜けろ!」

ビライトたちは襲ってくるオートマタだけを切り捨てながら102階に向けて走り出す。


102階、103階とオートマタだらけであったがビライトたちは切り捨てて先に進む。


「…止まれ。」

そして104階にあがる前、クライドは皆を停止させた。

「…この上に人間の気配を1つ感じる。油断するな。」

「四従士か…!」

ゴクリと唾を呑むビライト。


「行くぞ。」

クライドを先頭にビライトたちは階段を登る。


そして…



「今までと違う一本道…そして奥には扉。恐らく向こうには大きな部屋がある。その中に1人居ると見た。」


扉の前に立つと扉は自動でウィーンと音を立てて開いていく。


「自動で動くドア…ヒューシュタットでは当たり前かもだけど…」

「なんだか気味が悪いな…」



扉の先にはクライドの予想通り大きな部屋になっていた。

そして奥には105階に繋がる階段が見えた。



「ようこそ、愚かなる者たちよ!」


声が聞こえる。知っている声だ。


「…そのムカつく声…シルバーだな!」

「その通りだ。それにしてもムカつくとは心外だなァ。」


シルバーが飛行装置を起動させたまま、宙に浮いている。上から見下すような目つきでビライトたちを見る。


「シルバーッ!!」

ヴァゴウはシルバーを睨む。

「ほう。生きていたのか。フフ、まぁ良いでしょう、あなたたちの命はどうせここまでなのですから。」

シルバーは手に持っていたスイッチを押した。

すると…

「な、なんだ!」

「城が揺れている!?」

突然この部屋一体が揺れ始めた。

クライドはその状況を見て咄嗟に判断した。


「レジェリー、来い!」

「へっ!?」

クライドはレジェリーの腕を引っ張った。

「ボルドー!ヴァゴウと同行しろ!」

「!なるほどな…!」


「お兄ちゃん!」

「キッカ!」

ビライトとキッカも密集する。


言葉を理解し、6人はそれぞれ2人ずつで密集する。


「ではごきげんよう。」


シルバーの一言で

ヴァゴウ・ボルドー以外の4人は姿を消した。


「シルバー!皆を何処へやったんだッ!」

「上の階ですよ。」

「上だと…?」


「フフ、流石に私も6人がかりで挑まれたら厳しいのでね。分断させてもらいました。」

「チッ、分断は避けられなかったってことか。」

「ボルドー、4人は2人ずつで密集していたはずだ。」

ヴァゴウがボルドーに言う。

「…そうだったな。信じるか。」

「あぁ。ワシらはまず…」

ボルドーとヴァゴウはシルバーを睨みつける。


「「てめぇをぶっ倒す」」


「フハハ!これまでのようにはいかない!本気であなたたちを潰して見せますとも!!」


ボルドーとヴァゴウVSシルバー。104階での戦いが始まる。


-------------------------------------------------------



「ッ!」

ビライトは単独で飛ばされていた。後ろにはキッカ。

「キッカ、大丈夫か?」

「うん、平気。」


「私の相手はお前か。」


「!」


ビライトは奥から現れる姿を見た。

「…ブロンズ…!」


ビライトとキッカの前に現れたのはブロンズだった。


「ここは106階。お前たちの仲間はそれぞの四従士が相手をしているだろう。」

「…戦うしかないのか。」

「そうとも、お前たちは私たちとは相いれる存在ではない。」

ブロンズは床に何かの魔法陣を発動させる。

ブロンズ自身も何やら様子がおかしい。


サマスコール出会ったときは不敵な笑みを浮かべ、少し丁寧な言葉遣いをすることもあったが、今のブロンズはまるで別人のようだ。

目の焦点が合わないほどに狂人のような顔を浮かべ、笑みなど浮かぶことも無い。


「こ、これは…!」


床からは身体が腐ったような人間が大勢現れた。

「な、なんなのこれ…これが…ネクロマンサーの力ってことなの…!」

キッカはそのあまりにもおぞましい姿に気分が悪くなりそうだった。


「…キッカ、今この場には俺たちしかいないんだ。それに俺たちが目指す場所は…ここじゃない!」

「…うん、そうだね。」


「ここは俺たちにとっては通過点でしかない!あんたを倒して俺たちはガジュールの元に行く!!」


「やってみろ。」

ブロンズの顔の耳元にある電極のようなものが電撃を帯びている。


「お前たちの仲間に情報屋が居るようだから私の力は分かっているだろうが…だからと言って遅れは取らんぞ。」

(クライドが行ってた“超能力”ってやつか…!)


大勢のゾンビとブロンズの超能力。

ビライトとキッカは少し不利な状況に立たされている。



-------------------------------------------------------


そしてクライドとレジェリーは…


「…ここは…」

クライドは周囲を見る。

壁には“107”という数字が描かれていた。


「ここ、107階みたいね。」

「この上にガジュールが居るようだ。」


「だが、通さない。」

声だ。クライドもレジェリーもその声の主を知っている。



「ようレジェリー。お前がまさか俺の前に立ち塞がることになるとはな。」


「ナグ…!」


クライドはすぐにスピードを上げ、ナグに短剣で斬撃を与えようとする。

「クライド!?」


「ほう、早速飛ばすじゃんかよ。クライド。」

ナグはクライドの短剣を装備している爪で防御する。


短剣と爪がぶつかり合い、お互いに一歩も譲らない。


「そこを通してもらうぞ。ナグ。」

「俺はガジュールに仕えるヒューシュタット四従士とかいうダッサイ名前で雇われてる。だが…依頼は依頼。相手が誰だろうがここは通さない。」


お互いの武器が弾かれ、クライドとナグは後ろに下がり、再び武器を構える。

「ナグ!」

レジェリーはナグに呼びかける。


「どうしても…やらなきゃいけないの!?」

「そうとも、俺たちはそういう教えの元で育ってきた。依頼は必ず全うする。相手が誰であろうとも。やる気がないなら引っ込んでな。」

ナグはクライドを見て微笑む。

「いい顔してるじゃん。血が騒ぐ。」

「一度でいいからお前とは本気で戦いたかった。」

クライドは短剣を持ち、ナグに迫る。


「ハハッ!俺もだよクライド!」

「フッ!」

クライドの短剣を受け止め、爪で反撃を加えようとするナグ。

クライドはそれをジャンプで避け、屈強な足で回し蹴りする。

「ッ…!へへ、やるねぇ。」

「まだまだこんなものではないぞ。暗殺者は辞めた身だが…それでもこの身体を鍛えなかったことは無いッ!」

足技が、爪技がぶつかり合う。


そんな光景をレジェリーはただ見ていることしか出来ない。

「…仲間同士だったのに…!」

杖を構え、覚悟を決めるレジェリーだが、クライドは再び下がりレジェリーに声をかける。

「ここは俺一人でやらせろ。レジェリー。」

「え?」


「フッ、依頼に私情は挟まぬ主義だが…俺のわがままだ。」

クライドはレジェリーの身体を掴み、下り階段の方に放り投げる。

「な、なにすんのよ!」


「下の階層に行け。恐らく助けを必要とする奴らが居るはずだ。」

「…!」


「おいおいクライドよぉ。せっかく2人居てお前の方が有利だってのにわざわざ不利にすんのか?」

ナグはゆっくりとクライドに向かって歩いてくる。


「フッ、不利ではなく対等だ。それにお前など俺一人で十分だ。」

「舐めた口を利くじゃないか。」


「行け。レジェリー。」


「…やられんじゃないわよ!」

「俺を誰だと思っている。」


レジェリーはこの場をクライドに任せ、レジェリーは下の106階へと降りていく。

レジェリーは最後に一声。

「ナグ!あたしはあんたをまだ信じたい!信じてるんだから!!!」

そう言い、106階へと降りていった。



「…ヘッ、甘ちゃん野郎だな。」

「あぁそうだ。アイツは甘い奴だ。」


「まさかお前までそんな甘ちゃんになったんじゃないだろうな。クライド。」

「どうだかな。お前の自身がこの戦いで勝手に判断してろ。」


「へへ、そうさせてもらうとするか。だが、俺は甘ちゃんには負けねぇ。てめぇを倒し…ガジュールの依頼を達成するまで俺は誰もここを通さねぇ。」

「ならば押し通るまで。」



クライドとナグ。かつての友人同士の一騎打ちが始まる。


-------------------------------------------------------


106階。


ブロンズが召喚した無数のゾンビをキッカが引き付け、光魔法を連射する。


「攻撃魔法は苦手なんだけど…だったら!」

キッカは回復魔法をゾンビに向けて放つ。

「ヒールアクセルッ!」

キッカの範囲回復魔法だ。


回復の光がゾンビに当たると、ゾンビは苦しんで蒸発していった。


「やった!効くみたいだよ!お兄ちゃん。」

「よし!」


(クライドの言う通りだ。)

ここに来る前に立てた作戦が上手く行っている。

キッカの魔法はやはりゾンビに対して有効だ。


ビライトはキッカの範囲魔法でゾンビたちを蒸発させている間、ブロンズと対峙する。


「なるほど、対策済みか。」

「あんたは未知数だけどなッ!」

ビライトはエンハンスを発動。

セカンド以上は体力を消耗する為、まずは通常のエンハンスで様子見をしながらビライトは連撃を加える。


しかしブロンズに攻撃は届いていない。

ブロンズの目の前に何か電磁波のような壁が出来ている。


「ッ!」

その壁に大剣が当たると、電磁波が大剣を伝いビライトにしびれを与える。


「お兄ちゃん!」

キッカがゾンビを蒸発させている回復魔法はビライトにとっては回復魔法だ。

ビライトの傷は実質いつでも回復できる状態にある。


「妙な壁を張ってる…あれがクライドの言ってたブロンズの“超能力”ってやつなのか。」


「名は知っているようだな。」

「どこかに隙があるはずだ…!」


ビライトは走りながら周囲を見る。

(あの電極が超能力の源か…?)

ブロンズの耳元についている2本の電極。あそこから電気のエネルギーが出ていることを確認できる。


「ッ!」

ブロンズは周囲にある家具や鉄の板などを浮かせ、ビライトに向けて投げる。

「物を動かせるなんて…!」

明らかに魔法ではないはず。しかし、魔法のようなことが出来てしまう。超能力という力はこれまでにない未知なる力だ。

ビライトは突破口を見つけようとするが、なかなかその突破口は見つからない。


(どうする…!攻めれば電磁波にやられる…だからと言って俺は後方から攻撃する手段を持っていない…!)

ゾンビはキッカが引き受けているとはいえ、状況は有利に見えて不利だ。まず相手の超能力という力の未知数さ。そして接近戦が現状封じられている。


「くっ…!ヤバイ…!」

「どうした。その程度ではあるまい。」

ブロンズは投げた家具再び浮かせ、ビライトに投げつける。

飛んでくるスピードがどんどん上がっていく。

ビライトのエンハンスでは間に合わなくなってきている。


「このままだと…!」

「そろそろ当たるか?」

ブロンズが浮かせて投げた鉄の塊がビライトに迫る。

「!」


「ファイアシュート!!」

その声と同時に炎の大きな球が鉄の塊にヒットし、軌道が逸れて壁に直撃。

ビライトに直撃は免れた。


「レジェリー!」

「レジェリー!?」

「大丈夫!?ビライト!キッカちゃん!」

レジェリーは魔法をブロンズに連射し、煙を発生させ、ビライトとレジェリーは少し距離を取った。


「レジェリー!誰かと一緒じゃなかったの?」

キッカは回復魔法でゾンビを倒しながらレジェリーに言う。


「クライドの馬鹿が一人でやるって言うからよ!」

「クライドが?」

「えぇ、アイツは…ブロンズね。ってことはシルバーと対峙してるのはヴァゴウさんとボルドー様みたいね…!」

誰が誰と対峙しているかを把握し切ったレジェリーは杖を構え直し、ブロンズに連撃を加える。


「多分防がれてるわね…でもブロンズをなんとかしないとゾンビも無限に湧いてきそうね…!」

「ブロンズの目の前には電磁波の壁のようなものがあるみたいなんだ…触れると大剣を伝って痺れてしまう…!」

「ならあたしの出番ね。あたしが電磁波を打ち破るからあんたはその隙にブロンズに攻撃よ。」

「分かった。行こう!キッカ!もうちょっと頑張ってくれよ!」

「うん!」


ビライトとレジェリーは二手に分かれ、挟み撃ちをするようにブロンズを囲った。


(電気を通さない物質…)

レジェリーは周囲を見渡す。


「これしかないわね!」

レジェリーは杖を構え魔法を放つ。

「グラビティ!」

レジェリーは重力魔法を窓ガラスに向けて放つ。


ガラスはひび割れ、破片が重力で吸収されていく。

「何…?」


「ビライト!突っ込んで!」

「…分かった!」


「させん!」

ブロンズは電極から強い電気を発し、雷の防御壁を作った。


「えいっ!」

レジェリーの重力魔法で作ったガラスの破片で出来た大きな球体がブロンズに放たれる。

「!」

破片はブロンズの防御壁に当たるが、そのガラスに感電はしていない。

そして飛び散った破片がビライトの大剣に集まっていく。


「なっ!」

「ガラスは電気を通さない!」

「うおおおっ!」

ビライトはエンハンスセカンドを発動。

ビライトの大剣は防御壁と電磁波の壁を打ち砕いた。


「うぐっ…!」


「ダアアアアッ!!」

「おのれっ!」

ブロンズは咄嗟に防御壁を張ろうとするが、ビライトのエンハンスセカンドによってそれはあっという間に打ち砕かれ、その衝撃でブロンズは吹き飛ばされ、床に強く叩きつけられた。


「ぐあっ…!」

「アイス…バインドッ!」

レジェリーはすぐにブロンズに魔法を発動。

両手両足を氷でブロックし、身動きが取れないように拘束した。


「…くそっ…」


それと同時にゾンビたちも消えていき、相手はブロンズ1人になった。


「…降参しろ。俺たちはあんたを殺さない。」

「ホントは半殺しにでもしてやりたいところだけど…そんなことはしないわよ。」


「…ふざけるな…こんなところで私は、俺は、僕は負けるわけにはいかない…!」

ブロンズの目はより鋭くなり、身体から電流がはじけ飛ぶ。


「!」


「この世界は…未完成だ…だから…俺が…作る…僕が…作る…作る…作る…」


「な、なんだか様子が変だよ!」

キッカはブロンズのただごとではない乱れに驚く。


「作る!誰も!僕が許される世界をーーーーーーーッ!!!」


「バインドが!」

ブロンズの全身から電磁波がはじけ飛び、アイスバインドが解かれる。

宙に浮き、息を荒げ電撃を周囲に地面を這うように放っていく。


「もう間違えないッ!かつての僕が間違えた世界を間違えないッ!!」


「かつての…ってどういうことなんだ…!」

「お兄ちゃん…ブロンズ…苦しんでるよ。」

「…まるで自分は自分ではないような言い方だけど…!」


「僕はブロンズ、僕はサトル、僕は――――――――――――ッ!!」

言葉にならない叫びを訴えるブロンズ。

その中で出てきた“サトル”という名。


「…まさか!」


「僕はサトル…サトル…サトル………チガウ、僕は、私は、ブロンズだッ!!」




「「転生者!」」


ビライトとキッカ同時にその答えを発した。


「転生者って…ファルトさんと同じってこと!?」

ファルトから一行は転生者のことを聞いている。

だが、ファルトと違いまるでブロンズという人間と、サトルという存在が区分けされていないようだった。


「もしかして…自分と転生前の自分が混ざり合って…本当の自分を見失っているのかも…」

キッカは仮説を立てる。しかし、それが有力だろう。

ブロンズは明らかに自身をサトルという存在ということにしようとしている。


「きっと転生者はみんながファルトさんみたいじゃないんだよ。だから…ブロンズは自分を見失ってる。このままだと…心が壊れちゃうよ…!」

「サトルサトルサトルサトルサト―――――」


「うわっ!」

電磁波の威力が上がっていく、身体から放出される超能力の力が物を浮かせ、ビライトたちに飛んでくる。


「ッ!」

「むちゃくちゃよ!照準も定まってないじゃない!」

飛んでくるものは無造作に飛んでいっては浮き、また違う方向に飛んでいく。


「…何があんたをそうさせてるのかは分からない。でも…俺たちはあんたを倒して先に進むんだッ!」

ビライトは走る。


「お兄ちゃん!」

キッカは補助魔法をビライトにかける。

レジェリーも走り、ビライトに飛んでくるものを魔法で撃墜した。


「苦しんでるなら…自分を見失ってるなら…じっくり自分と見つめあえばいい!だから…まずはあんたを眠らせてやるッ!!」

ビライトのエンハンスセカンドの乗った一撃がブロンズにヒットした。


「うあああああああああああーーーーーーーーーーーっ!!!」

吹き飛ばされたブロンズは壁に勢いよく背中からぶつかった。

超能力は消え、ブロンズはぐったりと壁に倒れかかった。



「ハッ、ハッ…やったのか…!」

「…」


ブロンズは力無く項垂れる。



「また、救えなかった。また。また。」

小さく言葉をぶつぶつと呟くブロンズ。


「こんなことが…救いであってたまるか…ヒューシュタット…あんたたちのせいで何人死んだと思ってるんだ……ガジュールの元についてることが世界を救うことになると思うなら…あんたの理想、間違ってるよ。」

ビライトはキッカとレジェリーを見て、「行こう。」と言い、その場を離れようとする。



「ヒ、ハハ、ハハハ。失敗した失敗した、ハハ。またやり直さなきゃ。そうだ。やり直そう。やり直そう。ハハ。」

「何を…」

ブロンズはフラリと立ち上がり、ズボンから刃物を取り出した。


「!まさか!!!」

「――!!」


ブロンズは自分の心臓を刃物で刺した。

血がぼたぼたと流れ、身体を大きく後ろに倒し…ニヤリとして、高笑いした。


「ハハ、ハハハ!!!次また生まれ変わったら…今度こそ僕は…世界を守るぞォ!!」

「あぁ嫌だ!私はなんてことを!嫌だ、死にたくないッ!お前は誰だァァァァァッ!!!!!」


ブロンズの人格と、サトルと呼ばれる存在の人格が交互に言葉を発し、相入れずブロンズという命は絶命した。



サマスコールで会った時と明らかに様子が変だったのは、サトルという人格がブロンズの人格を支配しようとしていたからなのかもしれない。


これはファルトのように転生前の自分と自身が共生出来なかった転生者の末路なのかもしれない。



「…なんなのよこれ…」

「…どっちがどうなのか分からないけど…なんだか…悲しいね…」

レジェリーは唖然とし、キッカは悲しんだ。

「…詳しい事なんて分からないさ。でもアイツはアイツで色々あったんだよ。でも…もう俺たちには何も出来ない。俺たちは先に進むしかないんだ。」

ビライトはそう言い、歩き出す。


「―――俺たちみたいに信じられる仲間がいたら…こんなことにはなってなかったんじゃないのかな…」

そう呟き、ビライトたちは絶命したブロンズを背にする。


「下から音が聞こえる…ボルドーさんとオッサンが戦ってるのかな。」

「上からも聞こえるわね…上ではクライドとナグが戦ってるわ。」


「二手に分かれるか?」

「…そうだね、その方が良いかも。」

「でもクライドは一人でやるって言ってたわ…自分で決着をつけたいんだと思うけど…」

レジェリーはクライドの意志をくみ取ってはいるが、そのようなことを考えている場合なのかと言われると違う。




(――――――おいッ、聞こえるか!?)

脳内に声が響く。


「何!?」

「これ、エコーウェーブよ!てことは…ボルドー様ね!」


テレパス魔法、エコーウェーブ。

周囲に声を届けることが出来る魔法だ。


(一方通行だが、聞いてくれ!今上の階で魔力が1つ消えた。誰かが誰かを倒したんだろッ!?なら聞けッ!104階のシルバーの所には俺様とヴァゴウが居る!そしてここは俺様とヴァゴウが引き受ける!だから皆はガジュールの元へ急げッ!なぁにすぐに追いかける!心配すんな!!頼んだぜ!)


声は消えた。

ボルドーのエコーウェーブでビライトたちは情報を共有出来たことだろう。


「…信じよう。2人を。」

ビライトの声に2人は頷いた。


ビライトたちは上の階、107階に昇る。




-------------------------------------------------------


そして一方、ヴァゴウとボルドーはシルバーと対峙。


「私の本質は魔法。魔法ならば。」

シルバーは廃草地では雷魔法を岩に纏わせて放出する技を見せていたが、今のシルバーはそれとは大きく異なる状態を見せていた。


「…色んな属性を操れる系か。」

「そう、私はこの世界に存在する魔法を余すことなく使うことが出来ます。」

シルバーの周囲に地水火風だけでなく、光闇、氷や雷、あらゆる属性の力を確認できた。


「魔法なら俺様の出番だな。」

ボルドーはエクスリストレイを発動している。

魔法はほぼ打ち放題だ。

グリーディ戦では飛行を行いながらであったため、最終的に魔力切れを起こしたが、ただ魔法を撃つだけであれば、よほどの数を撃たない限り魔力が切れることはないだろう。


「フッ、フフフ。フッハハハハ!!!」

シルバーは笑いだす。

「ああ?何がおかしいってんだ?」

「様子が変だぜボルドー…」


「ハハハ、いやはや、これは失礼!いやいや楽しみで仕方がないのだよ!ついにドラゴニアに復讐するとこが出来るのですからねぇ!!!!!」

「なんだと…?」

シルバーは不気味な歪んだ顔を浮かべて笑う。


「全ての種族を掌握し、人間こそが頂点に立つという私の野望を打ち砕いたドラゴニアとその英雄共!!英雄はもう存在しないがドラゴニアはのうのうと今も残っている!!」


「てめぇ…何が言いてぇんだ…?俺様たちはてめぇに個人的な危害を加えた覚えはねぇぞ…?」

ボルドーはシルバーの表情の変化にイラつきながらも答える。


「英雄って…昔ドラゴニアを守ったっていう英雄たちの話か?」

ヴァゴウは言うが、それは1000万年以上昔、世界統合前の話だ。

そんな話をシルバーがしているとするならば答えは1つしかない。


「…そうか!てめぇ…“転生者”か!」


「そうともボルドー・バーン!忌々しいバーン家の子孫め!貴様の遠い祖先であるオルセルド・バーンに倒された私は今ここにシルバーとしてよみがえったッ!!」


「オルセルド・バーンって、英雄の1人だよな。」

「あぁ。俺様達の偉大なる英雄の1人であり、ドラゴニアを大きく反映させた最高の王。俺様たち王族の憧れだ。それがてめぇを倒したと?」


「その通りだ!私の転生前は“人類王 ギン”として人間の国を治めていた!」

シルバーは魔法を放つ。勢いよく色々な属性を纏った金属が乱射された。


「ッ!聞いたことがあるぜ…!人類王ギン…!」

ボルドーは魔法を回避し、応戦する。ヴァゴウも武器を展開し、銃弾を射出する。


「オルセルド様の時代、人間だけの国を作り、他種族を制圧し…世界を征服しようと企んだ悪名高い王の名だッ!」

「悪名高いとは失礼な。私は当たり前のことをしていたのだよ!」

シルバーは防御壁を張り、ボルドーとヴァゴウの攻撃を防御し、更に数を増やして魔法を連射する。どれも上級クラスの魔法だ。


「何が当たり前だッ!!他種族を見下し力で多くの者を屈服させ、逆らうものは皆殺しにしたって聞いてるがなァ!」

「それの何がいけない?私は最高の存在、最強の魔法使い!だから何をしようが私が全て正義なのだ!!」


「狂ってるぜ…てめぇ…!」

ヴァゴウは遠距離攻撃をボルドーに任せ、前衛に出る。

リーチの長い槍を魔蔵庫から出し、シルバーに突っ込む。


「人間こそ正義!同じ思想を持つガジュール様と共に私は天下を取る!!今度こそドラゴニアを滅ぼし、やがては世界を取る!!」


「お前の何がそこまで動かしているのかは知らねぇッ!けど他種族を見下し、気に入らない者は追いやって殺して…その結果がこのヒューシュタットのスラムや他種族差別かッ!!」

ヴァゴウはシルバーを攻撃しながら叫ぶ。


「そうとも、この政策を打ち出したのは私だ!」

「ざけんなぁぁぁぁッ!」

ヴァゴウは怒りを見せる。


「ワシはこの旅でここに来た時に…ガジュールの野郎に子供が殺されるところを見たッ!スラム街では多くの人が病に苦しんでるのを見たッ!それは全部てめぇの政策だってなんなら…ワシはてめぇを許さねぇ!!」

「許せないならばまずは私に一撃浴びせてから言うんだなッ!!」

「ンの野郎ォッ!!」


シルバーの防御壁は破れない。強い魔法の防御壁だ。

それだけでない、飛行できる機械を装備しているシルバーは空を舞い、動きが早い。リーチの長い武器でも届かない範囲に移動されてはどうにもならない。

銃を召喚し、浮かせて乱射しても動きが早く当たらない。


-------------------------------------------------------

その時だ。

上階から魔力反応が一つ消えたことをボルドーが感知した。


(…誰かが倒したか。なら。)


ボルドーは移動しながらシルバーに悟られないようにエコーウェーブを発動した。


(――――――おいッ、聞こえるか!?)

(一方通行だが、聞いてくれ!今上の階で魔力が1つ消えた。誰かが誰かを倒したんだろッ!?なら聞けッ!104階のシルバーの所には俺様とヴァゴウが居る!そしてここは俺様とヴァゴウが引き受ける!だから皆はガジュールの元へ急げッ!なぁにすぐに追いかける!心配すんな!!頼んだぜ!)


上に居る誰かにそのメッセージを届け、ヴァゴウは気合を入れ直す。


(ったく…天狗野郎め…何が最強の魔法使いだっつーの。)

ボルドーはそう思いながら隙を見て近接戦闘中のヴァゴウに接近していく。



「アッハハハハッ!遅い遅いッ!ヴァゴウ・オーディル!お前もドラゴニアに毒された愚かな存在。私が粛清してやる!」

シルバーは巨大な岩石に炎を纏わせたものを発射する。

「でけぇ!」

「死ぬがいい!」


「おう。俺様を忘れるんじゃねぇぞ。」

ボルドーがヴァゴウの前に割って入る。

「ボルドー…!」


「ハッ!」

キングエンハンスを発動させ肉体を強化させるボルドー。


「拳で砕くつもりか?無駄だ無駄!そんなもので私の魔法を打ち砕けはしない!!」


「俺様を舐めるなよ?…破ァァツ!!!!」


ボルドーの拳が巨大な岩石の中央に衝突する。

「岩石ってのはなぁ…完璧じゃねぇんだ。必ず砕けやすい場所がある。」

「何…?」

「その位置さえ分かれば…どんなにデカかろうがあとは俺様の力でどうにでもなんだよォッ!!!!」


岩石にひびが入る。

「ヴァゴウ!」

「おう!」

ヴァゴウは魔蔵庫から鈍器を取り出す。

一瞬だけ翼に魔力を集中させ、高く飛ぶ。


「砕けろォォォッ!!!」

ヴァゴウの鈍器がヒビに一撃。

岩石ははじけ飛び、砕けた。


「ほう…!」


「サンキューヴァゴウ。」

「おうっ。」


「流石はボルドー・バーン…と言ったところか!」


「いい加減てめぇのにやけ面見るのも飽きた。」

ボルドーはキングエンハンスで速度も力も大幅に上昇している。


すぐに間合いを詰め。懐に。

「何!?」


「ようやくそういう顔を見せたな?」

ボルドーはニヤリと笑い、拳をシルバーの防御壁にぶつける。


「だがこの防御壁を破れるものか!」


「だからよぉ…てめぇは俺様を舐め過ぎだ。マジであんま舐めるなよ…?破ァァァァッ!!!」

ボルドーは叫ぶ。力が徐々に増していき、防御壁が大きく揺らぐ。


「な、なんだと?!」


「もう一つ見せてやるよ。」

ボルドーは更に魔法を発動させた。


「ビライトの重ね掛けエンハンスの応用だ。」

ボルドーはキングエンハンスに更に重ね掛けをした。


一気に力が増幅し、防御壁にはついにヒビが入った。


「馬鹿な!キングエンハンスは重ね掛けが出来ない魔法のはず…!」

「んなこと誰が決めた?」

「なっ!」


「てめぇの魔法の知識なんてその程度だってことだよ。最強の魔法使いが聞いてあきれるな。」

「だ、黙れッ!」


「覚えときな。魔法は進化してんだ。無限の可能性を秘めている。最初からキングエンハンスは重ね掛けできないなんて、当たり前に囚われてる時点でてめぇは三流だ。」

「わ、私を三流と言うかッ!!愚か者めッ!」


「ヴァゴウ。」

「おう。」


「!」

その声と同時に防御壁が割れる。

すぐに新しい防御壁が張られる。だがボルドーはその隙を与えやしない。

ヴァゴウが後方に回り込んでいたのだ。


「竜人…風情がァァァッ!!」


「その竜人の力、骨身に刻んどけ。」

ヴァゴウの拳がシルバーの頭部に頂点から真下に命中。

シルバーは頭から勢いよく鉄の床に叩きつけられた。


「アガッ…馬鹿…な……!またしても…私は…!!」

シルバーはそう言い、身体を震わせる。



「ボルドー。」

「おう!」

2人は手を片手をパンと高く叩き、ハイタッチした。


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「う、ぐぐ…またしても…またしてもッ!!」

シルバーは動けない。完全にこちら側の勝ちだ。


「安心しろよ。殺す気はねぇ。どうせてめぇはもう動けやしねぇ。大人しく囚われろ。」

ボルドーは鉄の床を叩き、床を変化させた。鉄をアーチ状にし、身体、手足を固定し、拘束した。


「ヴァゴウ、ガジュールぶっ飛ばしに行くぞ。」

「おう。」

ボルドーはヴァゴウと一緒に上の階に行こうと後ろを振り返る。


「ハ、ハハ、冗談じゃない!お前たちに捕まってしまうぐらいなら…!!」

「!」



シルバーから奇妙な魔力を感じたボルドーは振り返る。

「ヴァゴウ!あぶねぇ!!」


その時には既に何かが放出された後だった。


迫る黒い球体のようなものがヴァゴウの背に迫っていた。


「ボ、ボルドー!」

ボルドーは咄嗟にヴァゴウをかばい、その球体がボルドーの胸に当たった。


「…?なんともねぇぞ。」


「ハ、ハハハ……終わりだよォ…貴様はなァ………ぐふっ……」


シルバーに接近するボルドー。


「てめぇ、何しやがった…っておい…」



「どうした…?」

ボルドーはシルバーを見るが、なんとシルバーは絶命していた。


「死んでるのか…?」

「みてぇだ…」


「ボルドー、大丈夫か?お前、何かされたんじゃ…」

ヴァゴウは自分をかばって何かを受けた。その魔法を撃ってシルバーが絶命したのなら…と、考えると嫌な予感がよぎる。


「大丈夫。きっと不発だ。」

ボルドー自身には今のところ何も違和感はない。

ボルドーは絶命したシルバーを見て呟く。

「生きていれば何度だってやり直せるんだよ…もしまた転生することがあるなら…今度こそは考え直せってんだ…馬鹿野郎。」


「…あと2人だな。」

「おう、ガジュールとあと1人の四従士だ。行くぜ。」

「おう。」

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ヴァゴウが先頭で階段上る。

ボルドーがその後ろを続くが…


「…!」

ボルドーは胸に違和感を感じた。なにかが埋め込まれたような。何かが体の中で時を刻んでいるような…


ヴァゴウに気づかれないように服の下を見る。

すると、何か亀裂のようなものが胸に現れていた。


(…こいつは……まさか…)


ボルドーは階段を登りながら考えた。これは間違いなくシルバーが最後に放った魔法だ。


(…ッ、厄介なもん受けちまったかもしれねぇが…だが、俺様は…止まらねぇ。この手でドラゴニアを救うと決めたんだ…!)



ボルドーは違和感をヴァゴウに気づかれないまま先に進む。




残すはナグとガジュールのみ。

そして、ナグはクライドとの一騎打ちの最中。

ビライトたちは一足先にナグとクライドの居る107階へ。


「クライド!」


クライドはナグと交戦中だった。

クライドはビライト、キッカ、レジェリーの姿を確認し、一気にナグに攻めよった。

「ハアッ!」

「チッ!」


クライドはナグの身体を足技で吹き飛ばし、壁に叩きつけた。

「このっ…!」


「行けッ!!!ガジュールはこの上だ!!」

クライドはビライトたちに向かって声をあげる。


「だ、だけど…!」

「コイツは俺がやる…!すぐに追いかけるから安心しろ…!」

「分かった!」


「させねぇ!」

ナグはクライドをはねのけようとするが、クライドは力を全身に込め、ナグを抑え込む。


「行こう!」

ビライトはキッカと走り抜ける。

レジェリーはナグを見るが、クライドの目は本気だ。

その目にレジェリーは何も言えず、ビライトたちと上の階に行くことしか出来なかった。



「てんめぇッ!!」


「残念だったな。」

クライドはナグを蹴飛ばし、壁に叩きつけて宙を飛び距離を取った。


「やるじゃねぇか…」

「フン、お前の雇い主が倒れるのももうすぐだ。」

「ガジュールは俺なんかよりも強いぞ。」

「それも俺たちは打ち砕く。俺には…絶対に譲れないものがあるのだからな!」


クライドはナグは再び交戦状態に入る。


-------------------------------------------------------




階段を登り、最上階の108階に到達したビライト、キッカ、レジェリーの3人。

108階はいたってシンプルで、1本の長い廊下。その先に扉があるだけのシンプルな構成になっていた。




「居るわ…強い力を感じる。グリーディ以上の…」

レジェリーは魔力を感知したのだろう。今までないぐらいの強い力を感じる。

「グリーディ以上…か。」

ビライトはグリーディ相手でもあまり健闘したとは言えない状況だったことを思い出す。

それ以上に強敵となると、果たして自分に打ち倒すことが出来るのか。


「あんたは一人じゃない。あたしたちも居るんだから。ボルドー様やヴァゴウさんもすぐに合流する。みんなで力を合わせれば絶対いけるわよ。」

レジェリーは不安になっていたビライトを励ます。

「…そうだな…よし、行こう。」


ビライトたちは廊下を歩く。


そして奥の扉に手を触れる。すると扉がウィーンと音を立てて開いた。




「…よくここまで来たものだ。」


奥に人間の形をした人影が見える。

しかし、下の方には機械化した尻尾が見える。

そしてその人間の左目は何やら機械のようなものが埋め込まれている。


ヒューシュタットに初めて来たときに見たガジュールの姿そのものだ。


「ガジュール…!」


ついにガジュールと対面したビライトたち。

ヒューシュタットの決戦はついに最後の戦いへ突入しようとしている。



ナグと戦いを続けているクライド。


そしてシルバーを倒し、上に向かっているボルドーとヴァゴウ。

そして、シルバーが絶命と引き換えに放った何かを受け、違和感を感じるボルドーの身体。胸に撃たれた何かは亀裂となってボルドーに巣食っている。ボルドーに身体に何が起こっているのか…?


戦いはついに決戦へ…

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