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Delighting World  作者: ゼル
第三章 サマスコール編~情報屋と狙われた一行たち~
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Delighting World ⅩⅢ

Delighting World ⅩⅢ






「で、どうだった?」


夜、サマスコールの宿屋にビライトたちは集まっていた。

ヒューシュタットの支配下にあるサマスコール。


既にヒューシュタットに特定され、顔が割れているビライトたち。迂闊に町長の家に近づいてヒューシュタットにどう目を付けられるか分からない。


慎重な行動と念入りな準備をするべきだと提案するクライドにビライトたちは同意し、その日の準備をビライトたちはクライドの指示のもと、分担して行っていた。



「とりあえず一人ずつ言っていこうか。」


「じゃまずはワシからいこうか。」

ヴァゴウは武器の買い出し。

遠距離攻撃可能な武器を調達するように指示を受けていた。


ヴァゴウは魔蔵庫を取り出し、武器を取り出した。

そこに並んだのは弓が2本、銃が4丁。

「武器屋の店主がな。ワシのこと知ってたみたいでなァ。サービスしてくれたんだぜ。」

「これが銃か。見るのは初めてだ。」

ビライトとキッカは銃を不思議そうに見る。


「ヒューシュタットで生み出された遠距離武器だな。遠距離武器には色んな種類があるらしいが一番扱いやすくてオーソドックスなのはこの銃って呼ばれているモンだ。この引き金を引くだけで弾丸が飛び、かなり強力な力が出せる。使う時の衝撃は結構強いけどな。」

「そして弓か。なかなか良い素材で作られた弓のようだな。」

クライドは弓を手に取り見る。


「使うにはどちらも技術が必要だと思うけど、難易度は弓の方が高そうね…」

「そうだな。銃の方が覚えやすいと思う。クライドはこの武器は使ったことがあるか?」

ヴァゴウはクライドに聞く。

クライドが一番情報にも技術にも長けているはず。ヴァゴウはそう踏んでまずクライドに尋ねた。


「銃は使ったことが無い。だが弓は使える。」

「そうかァ。じゃワシとクライドは弓を使おう。ビライトとレジェリーは銃を2本ずつ所持してくれ。使わないに越したことは無いがサブウエポンとして持っていてくれ。まぁ使わないに越したことは無いけどな。」

ヴァゴウはそれぞれに武器の配布をした。

「やり方は後で教える!ワシはこんなことかな!」


「よし、次はビライトとキッカ。お前らはどうだ?」


「うん、分かる限りの情報を集めてきたよ。まずヒューシュタットがサマスコールに現れたのは4日前。4体のオートマタと1人の人間が来たみたいなの。」

「そしてこれがここ4日間の新聞だ。町の人に貰ってきた。」


ビライトとキッカは情報を提供し始める。


「ヒューシュタットの人間とオートマタは真っ先に町長の元へ向かったらしくて…その後町長が何をされているのかは町の人たちには分からないらしい。」

「その次の日、町長から不用意な外出を控えるようにってお触れがあったみたい。それは新聞を通して知らされたみたい。」


「なるほど…町長は外に出られないようになっている可能性が高いようだ。」


「一応噂ではあるんだけど…ヒューシュタットの目的は、ドラゴニア地方の制圧…つまり領土拡大じゃないかって。」

「「!」」

反応をしたのはヴァゴウとレジェリー。


「確かにその可能性は高い。ヒューシュタットが何を目的としてドラゴニア地方に侵攻しているかは分からないが…」

「じょっ、冗談じゃないわよっ!」

レジェリーは声を荒げて言う。


「ドラゴニアが…あんな優しい国があんな、ヒューシュタットみたいになっちゃうなんて絶対に嫌よ!」

「落ち着けレジェリー。ワシだってそんなことはまっぴらごめんだ。だが今声を荒げたところでどうにもならんだろ?」

「ッ…ごめん。あたし、でも…もし本当だったら許せなくて…」


ヴァゴウは内心はレジェリーと同じ気持ちだろう。だが、ヴァゴウはその気持ちを抑え、レジェリーを制した。

「あくまで可能性の話だ。本当の所は分からない。でも、サマスコールの人は確かに困っている。そして…怯えてる。」

ビライトは顔をしかめて言う。

「なんとか…したいよね。」

キッカも不安そうにビライトを見る。


未知なる存在であるオートマタ。そしてヒューシュタットの人間。

とても冷たく、何やら得体のしれない者たちの侵入。

町人たちは不安になっていた。


「俺たちはこんなところだ。あんまり役に立たなかったかもしれないけど…」


「…新聞は貴重な情報だ。それ以外は…まぁ良いだろう。次はお前だレジェリー。」

クライドは新聞を取り、まとめた。そしてレジェリーに聞く。


「一応フリードさんにはサマスコールの傍にある森の中に身を潜めてもらうようにお願いしたわ。」

全員が頷く。


「噂のほうだけど…一応酒場で“妙な冒険者たちがヒューシュタットの邪魔をしようとしていること。翌日の夜、サマスコールの酒場で作戦を決行する”って言う話をしてきたわよ。」

「酒場か。良いチョイスだ。ああいう場所は情報が動きやすい。」


「一応買い出し次いでに世間話としてお店の人にも言っておいたわよ。」

レジェリーは嘘の情報を流しまくることは不本意なようで、少しかったるそうにクライドに伝えた。


「あたしはこんなもんよ。文句ある?」

嫌味のようにクライドに言う。


「…まぁ良いだろう。お前にしては上出来だ。」

「素直に言えばいいのに。ふんだ。」


そっぽを向いて不機嫌そうにため息をつくレジェリー。

「ま、まぁまぁレジェリー…で、クライドはどうだ?」

ビライトはレジェリーをなだめつつ、クライドに尋ねる。


「人の少ない場所を割り出した。」

クライドは地図を見せる。

そこには細かくメモや矢印などは細かく記載されている。また、この宿屋から町長の家までの最短ルートと、人通りの少ない場所とを組み合わせ、人が少ない道を通りながら最短で町長の家に行くまでの道のりと、そこにある障害物や地面の状態なども細かく記載されていた。


「す、すごい。こんな細かい情報まで…」

「基本だ。地形の一つでも俺たちには武器になる。障害にもなる。それを全て把握したうえで確実に遂行する。」

次にクライドは町長の家の図面を自分で記載して新しい地図を作っていた。


「これ、町長の家の地図か?」

「そうだ、町長と知り合いの竜人に聞き出した。」

「怪しまれなかったのか?」

「取引をした。相手も情報屋だったのでな。」


流石だ。

情報屋を探しだし、取引をしてほしい情報を確実に入手していた。

「これも全員に配布しておく。」

クライドは全員に町長の家の間取りが描かれた紙を渡した。

「なんか泥棒しに行くみたいだけど…」

「それでいい。町長の家の前にはオートマタが警備で立っていたのを見た。正面から入ることは不可能だ。」


「家の2階の裏側に非常口がある。屋根を伝い2階へ飛ぶ。そこから侵入し、町長の部屋を目指す。地図の通りに動け。」


「鍵閉まってるんじゃないか?」

ヴァゴウが聞く。

「鍵?そんなものは無意味だ。解除すればいい。」


「そっか!なるほどなッ!」


(それ…泥棒じゃないの!!)

(泥棒…だね。)

(泥棒…だな…。)


完全にやることが泥棒である。

ここまでする必要があるのだろうか。


一行はそう考えるが、作戦通りに行こうが、正面から行こうがオートマタに襲われる可能性はある。

どう転んでも危険であることに変わりはないのだ。

ならば、今はクライドの作戦を信じるしかない。

ビライトはそう考えることにした。


「明日の夜決行だ。もちろん作戦開始場所はここからだ。酒場で決行はフェイクだからな。」


「よし、ひとまず今日はもう休もう。明日も集められそうな情報を集めよう。」

全員は頷き、その日を終え、一行は眠りについた。


------------------------------------------------------------



「おーいフリード~」

翌日、ヴァゴウとビライトはフリードの元へと足を運んでいた。


「ん?ビライトとヴァゴウか。」

奥から大きな顔を覗かせるフリード。


「フリードさん、ごめんな。こんな森に居てもらって。」

「ごめんね、フリードさん…」

「良いさ。事情はレジェリーから聞いている。」


「ビライトとキッカちゃんが心配するもんだからよ。引率がてら連れてきた。」

ヴァゴウはよいしょと近くの石の上に乗り、あくびをする。


「して、作戦はうまくいきそうなのか?」

「クライドの作戦を信じるしかないよ。」

「クライドさん、凄く徹底してる。私たちはそれについていくしかないよ。」

ビライトもキッカもクライドの作戦を信じている。

あとは自分たちがどう動き、無事に町長に会えるか…ということになる。


「儂には何も出来ることは無いが…無事に終われることを祈っているぞ。」

「うん、ありがとうフリードさん。」

キッカは笑って感謝する。

「そろそろ行こうか。」

ヴァゴウは石から降り、声をかける。


「無事終わったらまた来るからしばらく辛抱してくれよなッ」

「あぁ。気をつけろよ。」


ビライトたちはフリードと別れ、サマスコールに戻った。


------------------------------------------------------------


クライドは地図を見ながら、人通りが全くない裏道を歩き、周囲を念入りに確認する。

「随分慎重なのね。」

「…何故ついてくる?」

そこにはレジェリーも一緒に居た。

「べっつに~。あんたには関係ないでしょ?」

「それもそうだ。」


クライドはレジェリーに見向きせず、町の調査を再開した。


「あんたさぁ。」

レジェリーは独り言を言うかのように言う。

「ほーんと、むっつりよね~少しは笑ったり出来ないの?」

嫌味のように言葉を投げつけるレジェリー。

「…感情など不要だ。」

「ふーん…まぁいいけどさ。ビライトやキッカちゃんやヴァゴウさんはあんたのこと信じてるみたいだけど…あたしはまだ信じられない。」


「信じて欲しいなどと思っていない。勝手に思っていればいい。俺は絶対に決めたこと、決まっていることを捨てたりなどしない。覚悟も出来ている。故に依頼は必ず達成する。」

「あっそ、ほんと…覚悟とか決意とか…そんなの…自分を縛り付けているみたいで…感じ悪い。」


ため息をついてレジェリーは曲がり角を曲がる。

ここでクライドとは別れたが…


「はぁ~あ…」

(なんであたしこんなムキになっちゃうんだろ。まるで…あそこに居た時と同じじゃない…分かんないけど…あそこに居た時も…イライラしてた…)


レジェリーは考え事が止まらない。

クライドが何を考えているかが分からない。

自分たちにとって無害なのかも分からない。


得体のしれない感じがなんだか嫌だった。

そして覚悟や決意。そんな言葉がレジェリーは嫌いなようだ。


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ビライトとキッカ、ヴァゴウの3人は宿屋に向けてサマスコールの裏通りを歩く。

人通りはほとんどなく、皆がカギをかけて家に閉じこもっている。


「活気がないな。」

「そうだね…人通りも無いし…」

奥に見える表通りには人の気配が無い。


「サマスコールは明るい町だ。ワシも来たことがあるが、まるで毎日がお祭りなぐらいに活気のある町なんだぞ。」

「なのに…今はまるでゴーストタウンだ。」


ビライトとキッカは信じられなかった。

この町はヴァゴウが言うような活気に満ちた町とは真逆だった。

明らかに異常な光景だ。


「とにかく、ワシらは宿へ戻った方が良いな。あまり大っぴらに外を出歩くのもよくないだろう。」

ビライトとキッカは頷き、3人は宿へと戻っていった。


宿屋に戻ると、レジェリーだけが居て、クライドはいなかった。

「あれ?クライドは?」

「知らないわよ。どうせ偵察でもしてるんじゃない?」

レジェリーはクライドの話をすると機嫌悪そうに言う。


「そ、そっか。とにかく作戦決行は夜だ。俺たちの目標を果たすためにも頑張らないとな。」

「そうだなッ。んじゃ今のうちに銃の使い方を教えておくぜ。」


ヴァゴウの指導のもと、ビライトとレジェリーは銃の撃ち方、使い方を学んだ。


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そして時は流れて、夜になった。すっかり陽が沈み、町に人影はない。

クライドが戻ってきた。

「待たせたな。そろそろ行動に出る。準備は良いな?」


「あぁ。大丈夫だ。」

「うん。いけるよ!」

「おう。銃の使い方も教えておいたぜ。」

「…」


レジェリーだけあまりいい顔をしていないが、小さくうなずいている。

「今回の目的はなるべく目立たず行動することが大事だ。ヒューシュタットの力は計り知れない。殺るときは1体ずつ確実に仕留める。それも静かに迅速に。」


物騒な発言をしまくるクライド。もはや殺人者のような発言だ。

「まずは状況を把握しないとな。ヒューシュタットがサマスコールで何をしようとしているのか…場合によってはその先のことも知る必要があるかもしれんな。」

ヴァゴウは先のことも見据えての発言をする。

「行くぞ。」


クライドはそこに対しての答えは出さず、陽が沈んだサマスコールの外へ出ようとするが…


「おい、そっちじゃない。」

クライドは宿の窓を開ける。

「おい…2階だぞここ。」

ビライトが言う。

「何か問題があるのか?俺たちはこれからあそこに忍び込むのだ。人の目に留まりにくい屋根を伝っていくのが基本だろう。」

「基本って…あんたね…」

レジェリーは呆れてため息が出る。


「屋根を伝うって…出来るか?」

「お前は出来るだろう。」

クライドはビライトに言う。


「お前のエンハンスとキッカの補助魔法があればいけるだろう。」

クライドはビライトとキッカの能力を把握したうえで言う。

「いけそうか?キッカ。」

「身体を軽くする魔法ならあるから…それで跳躍力を上げることは出来るかも。」

「分かった。やってみよう。」

ビライトとキッカはお互いに理解し、頷いた。


「で、あとはお前らだが。」

ヴァゴウとレジェリーを見るクライド。

「ワシはあれぐらいならジャンプで行けるぞッ!」

自信満々に言うヴァゴウ。

「…あたしは~…うーん…」

レジェリーは魔法使いだ。

身体能力が高いわけではない。

「私の補助魔法でなんとかならないかな?」

「キッカちゃんの魔法力を無駄には出来ないわよ。」

レジェリーはそう言うが、他に手段が思いつかない。


「なら。」

ヴァゴウがレジェリーを後ろからひょいっと掴んだ。

「へ!?」

「これでどうだ?」

ヴァゴウはレジェリーを肩車した。

あまりにもあっさりとレジェリーを肩に乗せてしまうヴァゴウ。

「ひゃっ!ああびっくりした!!急すぎよヴァゴウさん!!」

「ガハハ、お姫様抱っこの方が良いかァ?」

ヴァゴウはまたひょいっとつまんで腕にレジェリーを抱えて、見事に美女と野獣のようなシチュエーションが出来上がっていた。


「どっちでもいいわよ!!あたしで遊ぶのやめなさいよ!!」

「ガハハ、そいつは失礼!」


ヴァゴウはレジェリーをお姫様だっこしながら窓の外に出て、屋根に上る。


「ハハハ…一応これで全員屋根から行けそうだな。」

「そのようだ。」

一行は全員宿の屋根に立つ。

「ここからまずあそこの屋根に飛び移る。それからは俺が先行するからついてこい。」


クライドは軽い身のこなしで奥の屋根に飛ぶ。

「行くぞ。エンハンス!」

ビライトのエンハンスが発動した。

「それっ!」

キッカの補助魔法がビライトに発動。


「はっ!」

ビライトは勢いよく助走をつけて飛んだ。

どうにか屋根に飛び移ることが出来て、軽くホッと息をつく。


しかし、クライドはどんどん先に進んでいく。

「油断してたら置いていかれちゃうな!」

ビライトはすぐに走り出す。


「さーてワシらも行くぞォー!!」

ヴァゴウもレジェリーを抱えながら助走をつける。

「ちょちょっとビライトより助走弱くない!?落ちたら嫌なんだけど!?」

レジェリーは不安そうに慌てて言う。


「だーいじょうぶだって!」

宿屋の屋根を飛んだ。

その時レジェリーは一瞬身体をビクッとさせた。

ヴァゴウの背中の羽が1度バサッと動き、レジェリーが感じたのは宙に浮いたような感覚と、一瞬の魔力の大幅な高鳴り。


「…っ!?ふぇっ!?」

「そいよっと!」

ドシンと音を立てて屋根に着地。

「ヴァゴウさん、今…」

「ん?まぁ細かいことはいいじゃねぇか。行こうぜ~」

どかどかと屋根を走るヴァゴウ。

「…ホント、おかしな人たちばっかり。」

一瞬感じたことがなんだったのかが分かる。

だが、今は何も考えないことにしたレジェリーであった。


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屋根を順調に飛び越え、町長の家の裏側に到達したビライトたち。

「ここから侵入する。」

屋根からまっすぐ見えた場所はちょうど町長の家の2階のベランダだった。

「これを使う。」

クライドは屋根の上に置いてある鉄の板を使う。あらかじめ用意していたようだ。

それを音をたてないように置き、町長の家のベランダまでの道が出来た。


「物音を立てないように行くぞ。」


クライドは物音を立てないようにベランダに歩く。

それに続いてビライトも進む。

ヴァゴウも進もうとするがそこでレジェリーが言う。

「もう降ろしてくれてもいいわよ~…」

「おう、そうだな。」

小声で会話し、レジェリーをゆっくりと降ろす。

「さ、行きましょう。」

「…怒ってん?」

「怒ってないわよ。なんか疲れちゃったってだけ。」

「そうか?まぁ良いや。でもこれからだぞ?」

「分かってるわよ。」


一行全員がベランダに立ち、こっそり窓から中をのぞくクライド。


(…明かりが無い。)

「…どうする?」

「移動中、表側を確認したが明かりは無かった。」


「魔法を使う。」

クライドは目を瞑り、手に魔法陣を作り出した。

「気配察知の魔法…」

レジェリーがボソッと言う。

サマスコールに向かう途中でクライドがオートマタの場所を把握していたのは、これがあったからかもしれない。


「……オートマタと思われる熱反応が2体。そして人間が2人…残りの2体のオートマタは外の玄関前のようだ。」

小声でビライトたちに説明するクライド。

「2階には誰も居ない。潜入するぞ。」

クライドは別の魔法をビライトたちと自分にもかける。

「これは?」

「隠密魔法。姿を消すまではいかないが、魔法をかけた者の発する音を遮断する膜を張る魔法だ。」

「なるほど…でも今俺たちは会話しているが…」

「同じ魔法をかけた者同士であれば会話が出来る。もちろんその声は誰にも聞こえない。だが油断はするな。この魔法を打ち破る魔法も存在するからな。」


「分かった。」

ビライトたちはクライドを先頭に、クライドが取り出したピッキング道具で迅速に鍵を開けて中へ潜入した。


泥棒のようにして入った先は応接室のようだ。

細長い大きな応接机とふかふかのソファーが置いてあり、壁には美術の絵が飾られてあった。

「応接室か。」

ヴァゴウが言う。

「そのようだ。まずは階段まで行く。階段を下りた先にオートマタが1機。残りは1階のリビング。密集している。」

一行はクライドの声に頷き、慎重に扉を開ける。



「…」

音は遮断されている。

だが、物を動かしたりする音は聞こえてしまう。慎重に行動する一行。

「どうする?」

「俺たちは隠密魔法をかけている。打ち破られない限りは問題ないが…相手は機械だ。どう転ぶかは検討がつかない。」

クライドは考える。そしてすぐに答えを出した。

「音を出しておびき寄せる。小動物か何かと勘違いしてこちらへ誘導できるかもしれない。」

「なるほどな…」

クライドは小さな金具を取り出した。

それをカランカランと音を立てて転がした。

すると階段の傍にいたオートマタ1機が反応したのか、階段を上ってくる。


「…」

クライドたちは登ってくるオートマタから見えない位置に隠れ、様子をうかがう。

登り切ったオートマタは奥へと歩いていき、きょろきょろと周囲を見ている。

「…ヴァゴウ。」

「ん?」

「お前はここに残れ。」

「ワシが?なんでだ?」

「保険だ。万が一のことがあったとき、密集していては動きづらい。1人別の場所に居ればいざというときに突破口が見える。」

「おう、分かった!」

あっさり受け入れるヴァゴウ。


クライドは慎重に保険をかけていく。今までもこういう風に依頼や任務を請け負って行動してきたのだろう。

何が起こるか分からない。だからこそあらゆるイレギュラーに対応できるような状況を作っておきたい。


「行くぞ。」

その合図とともにクライドたちは速足で階段を下りる。


(気をつけろよ。)

ヴァゴウはそう願いながら登ってきたオートマタを隠れて監視する。


1階に降りたクライド、ビライト、キッカ、レジェリー。

リビングはすぐそばだ。

「感覚を良くする。」

クライドはさらに魔法をビライトたちにかける。

「これは…」

「五感を高める魔法だ。扉を開ければ気づかれる。まずは壁越しの音をよく聞いて状況を把握する。」

「なるほど…確かにいつもよりよく聞こえる。」


クライドたちはリビングの壁越しに耳を当てた。

人間であるビライトやレジェリーよりはクライドの方が獣人なので聴覚には優れている。

しかしビライトたちも魔法のおかげで獣人並みの聴力を得ている状況だ。

(壁の奥から聞こえる…!)


---------------------------------------------------------



「町長、そろそろ考えをお聞かせいただきたい。」

「…何度も言わせるな。私はこのサマスコールを手渡す気はない。」

町長と、1人ヒューシュタットから来ていると思われる人間の声。男性の声だ。


「我々ヒューシュタットは世界に大きな繁栄を望んでいる。それが実現すれば世界中の命が皆、幸せに、安全に、快適に過ごすことが出来るのです。」

「…フン、それと我々のサマスコールを奪い取ることとどう繋がるというのだ。」

「繋がりますとも。必要なのは統率。我々ヒューシュタットを皆が崇めることで、世界は調和されるのです。」

「そのような夢物語など…」

「可能ですとも!それが我々の王、ガジュール様の掲げる夢なのです。」



(ガジュール…それがヒューシュタット王の名前…)

(やっぱり…ヒューシュタットはこの町を支配下に置くつもりなんだ…!)



「ヒューシュタットの現状は知っている。お前たちのやり方は人間を強きものとして扱い、他種族は弱きものとして扱い…そして富の無いものをスラムに追いやっているではないか!」

「それがなにか?」

「なんだと?」


「世界一のヒューシュタットを創り上げた我々人間こそが世界の王たる種族。他の種族は皆劣等種族。」

「貴様!」


「そしてその中からさらに、富を持ち、名声を持つ、選ばれし優秀な人間こそが上に立つべきなのです。」

「そのような世界を…このシンセライズの人々が望むと思うのか!」


「望まなければ我々の前に跪いてただ泥をすするだけ…望んだものには地位を与えましょう。」

「そのような世界を…そのような考えを…私たちのドラゴニアに持ち込むとは…なんと愚かな…」


「さぁ、サマスコール町長。あなたも我々のもとに下りなさい。そしてこのサマスコールの町を我がヒューシュタットの科学技術で最高の町に仕立て上げて差し上げましょう。」

「…断る!」

「我々がここに来てから長い時間が経ちます。我々とて暇ではないのでね。最悪…あなたを痛い目にあわせてでも首を縦に振っていただかねばなりませんが?」

「…やりたければやるがいい!だが…それでも私はこの町をお前たちの好きにはさせん…!」

「チッ、劣等種族のくせに…おい。」

人間はオートマタに指示を出している。


それからしばらくして、町長の悲鳴が響く。

「ぐああっ!」

「さぁ、下りなさい。そして我々ヒューシュタットにこの町を委ねるのです。」

「ガアアッ!!!」

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「…許せない!」

レジェリーは立ちあがる。

「絶対許せない!あいつら!何が王たる種族よ!何が優秀な人たちだけが上に立つべきよ!そうじゃない人たちをゴミみたいに扱って…!そんな奴らにこの国を奪われてたまるもんですか!」


「落ち着け…体温が上昇してオートマタに検知されるかもしれんのだぞ…!」

「ッ…!」

レジェリーは我に返って黙り込んだ。拳が震えている。

「…情報は集まった。いったん出直すぞ。」

「…出直す?」

ビライトがここでようやく口を開く。身体が震えている。怒りを抑え込んでいるようだった。

「そうだ。後日改めて深夜に出直し、サマスコールの町長が1人でいるときを狙い、ドラゴニアの書類を手渡し、記載してもらう。それで俺たちの任務は完了だ。」

「ちょっと待てよ!それって…サマスコールの町のことはどうするんだ!」

「知ったことではない。俺たちの目的は未踏の地に行くことだ。ヒューシュタットを倒すことではないし、ドラゴニアを守ることでもない。」

クライドは目的のためにサマスコールを捨てる発言をした。

「そんなのって…私は嫌だ。」

キッカは首を横に振る。

「ッ!俺は…この国があんな考え方の下に支配されるなんて…嫌だ!」

ビライトは立ち上がり、扉のドアノブに手を当てる。

「!よせ!!」

クライドの声はビライトには届かない。


大きな音を立てて開く扉。

「!何者!」


「やめろおおおお!!」

ビライトは腰に持っていた銃を構え、オートマタを撃った。

素人にしては上出来だ。頭に見事弾が命中し、オートマタは倒れた。


オートマタに痛めつけられて蹲っていたのは橙色の竜人の男性。この人物が町長のようだ。


銃撃の弾みで隠密魔法が解かれ、ビライトとキッカの姿が丸見えになってしまった。

「人間の侵入者だと?」

「き、キミは…?」

「逃げてください!町長!」

「あ、ああ!」

町長は慌てて部屋の外へ飛び出した。

それを捕まえたのはクライドだった。

「わっぷ」

「動くな。死にたくなければ2階に行け。茶色の竜人が居るから共に脱出しろ。」

「わ、わかった…!」

「レジェリー。同行しろ。オートマタも倒せ。ヴァゴウに引き渡したらまた戻ってこい。」

「わ、分かったわ!」

レジェリーは町長の手を引っ張り2階に上がる。

「おいッ!何が!」

「ヴァゴウさん伏せて!!」

レジェリーは銃を持ち、数発を撃つ。2階にいたオートマタに命中し、オートマタを踏みつけて走る。

「脱出!!事情はあとで説明するから!」

レジェリーはそれだけ言い残しまた1階に戻って行った。


「あんた…町長か?」

「あ、あぁ…」

「そっか!とりあえず脱出だ!」

先ほどレジェリーが撃って命中したオートマタがまだ動いている。

それに気づいたヴァゴウは弓で追い打ちをし、確実に停止させ、ひとまず指示に従い町長を外へと連れ出した。


一方1階では…

---------------------------------------------------------


「あなたは…人間ですね。その後ろに居るのは…精霊ですかね。我々の取引を邪魔するとは…」

大きな音に気付いた玄関前のオートマタ2体もリビングにかけつけ、銃を構えていた。

「話は聞いた!お前たちの考え方をドラゴニアに浸透させるわけにはいかない!」

ビライトはエンハンスをかけた。そして大剣を構え、戦闘態勢を取る。


「ふむ…人間なのに我々の考えが理解出来ないとは…田舎者ですね?」

「田舎者だろうが関係ない!人を痛めつけて…傷つけて…反する者は殺して…そんなこと許されると思っているのか!」

「ほう、ヒューシュタットを見てきた…といったところですか。」


ビライトはエンハンスが解けても、何度でもエンハンスする気満々で、随分気が立っている。


「攻撃的なのは結構ですが、あなたの状況を理解した方がいいのでは。」

「お兄ちゃん!オートマタが!」

「ッ!」

囲まれている。

目の前に人間が1人。後ろにオートマタ2体。

「関係あるもんか!ヒューシュタットの好きにはさせない!」

再びエンハンスをかけようとするが。


「いい加減にしろ。」

その声と同時にビライトの後ろに手刀が入った。

「がっ!」


その同じ頃、レジェリーがリビングの入り口から銃を撃ち、1体のオートマタを機能停止にさせた。

そしてクライドも後ろを向いているにもかかわらず弓を撃ち、もう1体のオートマタも機能停止させた。


クライドの隠密魔法は衝撃で解かれている。


レジェリーにはまだ作用しているようで、姿は見られていない。オートマタからしたら何も無いところから弾が飛んできたことになる。


クライドは素性を隠すために頭のフードを被り、目しか見えない姿にしていた。


気を失ったビライト。

「ク、クライドさん!」

キッカが慌てているがクライドはそれを無視して人間を見る。

「あなたは…」

「…悪いが町長のことは俺たちが保護させてもらう。お前たちは諦めて他の町でも狙うことだ。」

クライドはそれだけ言い残し一瞬でその場から消えた。

「ふぇっ!?」

レジェリーの変な声と共にクライドは姿を消した。


「…あの人間…オートマタのデータにあったような…フム。ここは一度ガジュール様や他の同志に共有させた方がよさそうですね。」

人間は壊れたオートマタからチップを取り出した。

それを自分の所持している端末に差し込み、データを入力する。


そこに表示されていたこの人間の名は“ブロンズ”。

「…ヒューシュタットを敵に回すことがどれだけ愚かか…いつか思い知らせてあげましょう。」


---------------------------------------------------------


バキッ。


「ッ…!」


サマスコールを出て、フリードの待っていた森に逃げ込んだ一行。

フリードにも事情を説明して、一行はつかの間の休息に入ったが…


目覚めたビライトを待っていたのはクライドの拳だった。


町長は疲れ切って眠っていた。


「…」

クライドは蹲るビライトの胸倉をつかみ木に叩きつけた。

「ク、クライドさん!やめて!」

「俺は出直すと言った。だがお前は飛び出した。その結果ヒューシュタットに余計に素性を晒す羽目になった。」

「…それでも…俺はほっとけなかった。」

「ならば問う。お前の怒りに任せた行動で誰かが傷つく可能性を考えたことはあったか?」

「それは…その…」

ビライトは言葉を詰まらせた。


「あの人間が追ってこなかった。オートマタをレジェリーが倒してくれた。状況が良かったから俺たちは無傷で逃げ出すことが出来た。だが…予想外の行動は誰かを傷つける。自分の命さえも落とす可能性もある。」

「…」

ビライトは何も言えなかった。

「それにあの人間の実力は未知数だった。もしあの人間がお前よりも強かったとする。そして襲われるとしたらお前は傷つく。それがキッカに影響するのではないか?」

「…!キッカ…」

「そうだ。お前の行動はお前の大切な人を失う可能性だってあった。」

「お兄ちゃん…」

「…ごめん…でも、俺は…どうしてもほっとけなかったんだ。」

クライドは雑にビライトの胸倉を離して再度木に叩きつけた。


「もういい。だがこれだけは言っておく。何も考えず感情だけで動くと必ず良い結果にはならない。そして…大事な仲間や家族が居るのなら二度とこのようなことをするな。するならばまずは誰かに相談しろ。」

「…分かった…ごめん。」

「…」

ビライトと、そしてビライトと同じ気持ちだったキッカも深く反省した。


「もういいじゃないクライド。無事だったんだから…」

レジェリーはクライドに言う。

「馬鹿かお前は。」

「ムッ!」

「無事だったからよかったではない。何事もなく目的を達成するために策を練ったというのに、誰かの勝手な判断で台無しにし…あまつさえ誰かが怪我をする可能性…死ぬ可能性だってあるんだぞ。」

「分かってるけど…!」

「…もう寝ろ。俺はヒューシュタットが来ないか見張りをする。」


クライドはこの日、これ以上何も言わなかった。


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「…お兄ちゃん、大丈夫?」

「…あぁ。大丈夫だ。ごめんなキッカ。俺、何も考えずに突っ込んでしまって、みんなを、お前を危険に曝してしまった。」

「私だって同じ気持ちだった。だから私も悪いよ…」

ビライトとキッカは2人で反省しながら夜空を見ていた。


「おう、ビライト。」

ヴァゴウとレジェリー、そしてフリードが奥からやってきた。


「みんな…」


「ビライト、そんなに気を落とすことないわよ。クライドの奴、ホント言いすぎなのよ!」

レジェリーはクライドへの怒りを露わにして言う。


「でも、俺がみんなを危険な目に遭わせたのは事実だ。クライドの言うことは正しいさ…」


「ビライト、ワシもその場に居たら同じことをしていたかもしれん。」

ヴァゴウが言う。

「オッサン…」

「クライドがワシを2階に待機させたのもそういう理由だろうな。あいつはああ見えて人の性格や特徴を理解している。その中で最も無茶を通す者を待機させたんだろ。」

「なんでヴァゴウさんなの?」

レジェリーが質問する。それにはフリードが答えた。

「こいつはドラゴニアのことを誰よりも愛しているからな。ヒューシュタットの目的が本当にドラゴニアの支配だとしたら真っ先に飛び出すだろう。」

「ガハハ、そうだろうなァ。現に、ワシは今でも正直腹が立って仕方ないからなァ。」

笑顔を見せるヴァゴウだが、その拳は強く握られている。

「あたしだってそうよ!あたしが1番に飛び出そうとしたんだから…クライドに止められたけど…」


「だからな。ビライト。キッカちゃん。」

ヴァゴウがビライトの頭をポンと叩く。

「みんな同じ気持ちなんだ。だからお前らだけが落ちこむことないッ。」

「…ヴァゴウさん…私…」

「オッサン…」


「明日、クライドに謝って、また歩き出そうぜ。ワシもレジェリーちゃんもじいさんも付き合ってやるから。」

「えっ!?あたしも!?うっそー!」

「ん?儂もか?」

「当たり前だろォ?」

「そうか。まぁ良かろう。」

「最悪~…クライドに謝るなんて…」


何故か今回の作戦には無関係のフリードまで巻き込まれているが、フリードはまぁいいかと承諾した。

そしてレジェリーはため息をつくが、自分も同じ気持ちだったから…一緒に謝らないとと思っていた。クライドに言うのは非常に不本意ではあるが…


「…ぷっ、あはは!」

キッカはレジェリーを見て笑う。

「なーに笑ってるのよ~!」

「あはは!あー面白い…でも、ありがとう。レジェリー、ヴァゴウさん、フリードさん。」

キッカはみんなに感謝する。

「みんな、ありがとう。」

ビライトも小さく笑って皆に感謝した。


---------------------------------------------------------

皆が寝静まり、深夜。

ビライトはまだ起きていた。

キッカはそれを静かに見守っている。


「眠れないか?」

「フリードさん。」


フリードは傍で寝転がるビライトに声をかけた。

顔を覗き込むように見るフリード。

上半身を起こすビライトは一回身体を伸ばしてフリードの顔を見る。


「俺、今日は間違ったことをしてしまったから。もし何かあったらどうするつもりだったんだって考えると怖くなってしまったんだ。」


「そうか。だがなビライト。お前のしたことは間違っているとも言えぬかもしれないぞ。」

「えっ?」

「正しいとは思わない。ただ、間違っているとも言えんのだよ。」

「どういうことですか?」

キッカが尋ねる。


「儂も昔、お前のように何も考えずに敵に飛び込んだことがあった。その結果儂は大怪我をし、仲間もそのせいで大怪我を負った。」

「フリードさんも…」


「だがな。そこで飛び出さなければもっと大変なことになっていたかもしれない。しかし、何も無かったかもしれない。」

「…」

「クライドも言っていた。もし危険を承知で予定外のことをしようとするならば…まずは相談だ。お前は一人で戦っているのではないのだからな。」

「そうだ。俺は誰にも言わず急に飛び出した。そしてそれからのことは頭が真っ白で何も考えていなかったんだ。」

「そのようなことは今後もあるだろう。だがな。そんな時は思い出すと良い。お前の周りには仲間がいるということをな。」


「そうだな…クライドだって最初は俺を止めてくれていた。でも俺はそれを無視して突っ込んでしまった。けど、そこでちゃんと俺はクライドやレジェリーに冷静に相談すればよかったんだ。」


「ウム、だがこれだけは覚えておけ、ビライト、キッカ。」

「「?」」

フリードは空を見て言う。

「いつかお前たちが一人だけになり、周りに誰もいないときに予想外の出来事が起こった時ならば、その時は迷わずお前の信じる道を選べ。」

「…うん。」

「大丈夫、人は過ちを知って成長するのだ。お前たちはまだ若い。これからも失敗を繰り返して成長していくのだからな。」

フリードは小さく笑い、ビライトの背を優しく叩いた。


「…そうだな。頑張らないとな。ありがとう、フリードさん。」

「お兄ちゃん、一緒に頑張ろうね。」

「あぁ。」



作戦は成功したようで失敗した。

ヒューシュタットに素性を余計に曝してしまい、仲間を危険な目にあわせてしまったビライトとキッカは深く反省し、そして仲間たちの激励を受けて立ち上がった。

失敗を経て成長する。ビライトとキッカはまだこれから多くの困難に立ち向かうことになるかもしれない。

そんな時、仲間を頼って、そして一緒に立ち向かう。

ビライトたちは失敗から立ち直り、そして歩き出す。


明日は救出したサマスコールの町長に話を聞く。そこから得られるヒューシュタットの情報は…そして目的であるドラゴニアの親書を届ける任務は…


明日もまた、変化の日になる予感を抱えながら、深く反省したビライトもまた眠りについた。

キッカは綺麗な夜空を眺め、朝を待つのだった…



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