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Delighting World  作者: ゼル
第二章 ドラゴニア編~優しい魔法と竜の国~
11/139

Delighting World Ⅸ.Ⅴ

Delighting World メインキャラクター紹介 Ver.2.0







追加キャラクター紹介


~アトメント~


・性別…???

・年齢…???

・身長…182cm

・体重…71kg

・種族…獣人(?)

・能力…???

・一人称…俺


度々ビライト一行の前に現れる謎の獣人と思わしき人物。

見た目は獣人であるが、牛のような尻尾に狼の容姿であったり、頭には角も生えたりしている故、様々な特徴を兼ねそろえた姿をしている為、確証の無い存在。

とてつもなく強力な力を秘めているようであるが、本人は結構短絡的でひょうひょうとしている。

イビルライズに深く関係する人物のようで、ビライト一行を導こうとしているが、本人は手を出さずにビライトたちに成長を促す形で見守っている様子。


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追加キャラクター(サブキャラ編)


~アリエラ~


・性別…???

・年齢…???

・身長…160cm

・体重…50kg

・種族…竜人(?)

・能力…魔法使い(?)

・一人称…私


ヒューシュタットの図書館で働いている竜人(?)の女性。

高度な魔法を使用出来る上に謎の多い人物。

基本的には自分から行動することは無く、誰かに言われて動く。

性格は優しそうに見えて、かなり淡泊で、時には冷酷な発言をすることもある。

人としてのエゴを捨てており、自分のようにはなるなとレジェリーに助言した。



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~クルト・シュヴァーン~


・性別…男性

・年齢…32歳

・身長…166cm

・体重…49kg

・種族…竜人(亜血ドラゴン)

・能力…魔法使い

・一人称…私


ドラゴニアの魔法学園の学長であり、ドラゴニア魔法兵士部隊の隊長。

ドラゴニア王の側近でもあり、毎日忙しくしている。

攻撃魔法はあまり得意ではないが、回復、サポートの魔法はドラゴニア1と言われている。

世界統合前、英雄バーンが存命であった時代から続くシュヴァーン家の末裔であり、クルトという名も英雄バーン時代に生きていたシュヴァーン家の名前をそのまま使っており、いわばクルト・シュヴァーン2世のようなものである。


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~ベルガ・バーン~


・性別…男性

・年齢…101歳

・身長…151cm

・体重…39kg

・種族…竜人(亜血ドラゴン)

・能力…???

・一人称…我


ドラゴニアの王であり、英雄バーンの血を受け継ぐ子孫。

バーン家は世界統合前までは純血の竜人の種族であったが、世界統合後、ドラゴンの血が混じり以後はより長命となっている。

が、かなりの高齢であり、あまり身体を自由に動かせずにいる。

ヒューシュタットから狙われているらしく、現在は城の警備に守られて窮屈な暮らしをしている。

冒険者たちと話をしたりするのが好きで、基本的には城は誰でも入れるようにしていることが多い。

現在は防衛のため、謁見を控えているので少々退屈している模様。



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~フリード~


・性別…男性

・年齢…10000000歳以上

・身長…30m以上

・体重…測定不能

・種族…ドラゴン(?)(古代人)

・能力…???

・一人称…儂


世界統合前から生きている古代人と呼ばれる種族。

ドラゴンだが、その瞳はドラゴンの目ではなく、人間の目をしている。

歴代ドラゴニア王たちのドラゴン便として、友として共に歩んできた。

かつて世界が7つに分かれていた時、このドラゴニアが存在する世界とは異なる世界からやってきたと言われている。

バーン時代の当時のドラゴニアの姫に恋をしていた。今でもその気持ちは変わらず、永遠の片思いをしている。

他にもまだ秘密があるらしいが…?


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~ゲキ・アルグレイ~


・性別…男性

・年齢…40歳

・身長…181cm

・体重…73㎏

・種族…竜人(純血)

・能力…武器職人

・一人称…俺


ヴァゴウの古き友人で、小さな武具屋を経営している。

幼い頃からヴァゴウを知っており、久々の再会を喜んだ。

かなり心配性な性格だが、自分にとって自信があることであれば強気。


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(キッカが読んだ本をまとめた)解説・おはなしコーナー2



ふるきおはなし

~森の守護神~


むかし、世界が統合される前のこと。

7つの世界の一つ。

その世界は剣と魔法の世界。

そんな世界のとある大きな森には大きな守護神様がいました。

守護神様は森の民の生き物たちが大好き。

とてものんびり屋でぼんやりしているけれど。

とても大きくて強くて優しい守護神様でした。


ですが。


その世界の魔王になろうとしていた人間にその守護神様の心は奪われてしまいました。


そしてその心を失った守護神様は目の前の生物を殺すだけの無機な存在となり果ててしまいました。

守護神様は多くの民を惨殺してしまいました。

そのうえ、守護神様は何者かに連れていかれ、森には静寂だけが残りました。


残されたわずかな人々は待ち続けました。

守護神様が戻ってくることを。



それから長い時が経ち、守護神様は突然またこの森へと帰ってきたのです。

しかしその時にはすでに守護神の加護を失った森に民はおらず、守護神様は死してなおも寄り添う民の魂に包まれてその命を終えたのでした。


ところが、森の民の生き残りは残っていたのです。

残された民は守護神様の弔い、そしてその愛を以て小さな教会を作り上げました。

そこに守護神様は今もまだ眠っていることでしょう。誰も来ずとも、忘れ去られようとも、その守護神様は眠り続けるのです。

それが現在のヒューシュタット南部の森ではないかと言われています…




キッカ「きっとあそこがその教会だったんだろうなぁ」

ビライト「そうだな、きっとそうだと思う。」


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詳細不明の現象を読み解け! 伝説(になる予定)の歴史学者が語る!

~ヒューシュタット山脈からヒューシュタットまでの道のり~


ヒューシュタット山脈からヒューシュタット中心部に至るまでの道のり。

そこは果てしなく広がる荒野である。

現在はヒューシュタットの転送装置により、荒野を歩かずともすぐにヒューシュタットに行けるようになっている。

故に荒野をわざわざ歩く者はほとんどおらず、気候も非常に乾燥していて猛暑な為、あまり研究は進んでいない。

そこで私はちょっと買い物してくるわの感覚でこの荒野に調査に出かけたのだった。


さて、その荒野には謎が複数ある。

まず1つ。

荒野にあちこちに存在するクレーターの数々だ。

荒野には大きなクレーターから小さなクレーターまで無数に存在している。

最大のもので、1000kmにも及ぶ超巨大クレーターまで存在する。

これが何が原因で発生したものなのかは分かっていない。

そもそもクレーターは隕石の衝突とかそういうもので起こるものだ。だが、このシンセライズの歴史の中でこのような巨大クレーターが出来るほどの隕石落下など起こった歴史は無い。


では…これはいつできたのか?

我々はこれは”世界統合前”に出来たものだと推測する。

世界統合前に存在したどこかの世界で隕石が落下して出来たクレーターが統合時、ここへ現れたのではないかと思う。

が、ここで更なる疑問だ。

隕石か何かが落ちたのならそのクレーターの中心に隕石が落ちているのではないか?となるが…そのような形跡は何一つ無かったのだ!

長い時を経て消えてしまった可能性もないわけではないが…


と、なると考えられる原因は一つしかない。

そう


”誰かによって作り出された?”


である。


たとえば。かつて統合前の世界の一つに、大戦争が起こった世界が存在すると言われている。

そこでもし、このぐらいのクレーターが作れるだけの超巨大の兵器か魔法か…そんなものがあるのならば…可能なのかもしれない!


確実な原因ではないが

1.世界統合前、歴史に無い時代に巨大隕石が落下。隕石は長い時を経て消えてしまった説

2.世界統合前、大戦争があり、何かしらの要因で出来上がった


この2つの可能性を提言したい。


かつて大戦争が起こったのならば、きっとここは激戦区だったのだろう。

ここで多くの命が散っていたのかもしれない。

このシンセライズでは未だ大戦争の歴史は無い。だが、今後もそのようなことが起こらないよう願いたいものだ。


ビライト「へぇ。そんな説があったんだな。」

レジェリー「戦争か…これからも起こらないといいわね。」




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ドラゴニアの歴史

~英雄王バーンの時代と世界統合前の時代~


ドラゴニアは世界統合前から存在していた都市である。

その歴史の中で絶対に外すことが出来ないのは英雄王バーン時代。


英雄王、オルセルド・バーンはドラゴニア6代目の王になるべく者として生を受けた。彼がのちの英雄王バーンだ。

5代目王、クレイドル・バーンの子として育てられたオルセルド。

この当時の統合前世界は、魔法の世界として成り立っており、世界の中心には魔法を学ぶ学園が存在していたといわれている。

バーン家の子は必ずそこで魔法の勉学を受け、魔法技術を得て国の王になる道を進むのだ。


そしてこの時代、現在のシンセライズのように人間、竜人、獣人の3つの国家があり、人間の国と獣人の国が竜人の国もを巻き込んで戦争の引き金を引いたのだ。


英雄王バーンは同じく魔法学園に通っていた魔法の使い手たちを募り、争いを沈めた。

時には戦うこともあったが、英雄王バーンの素晴らしいところは、戦いで解決を望まなかったところだ。


全魔法の使い手、トナヤ

激流魔法の使い手、ウィック

精霊魔法使いの、獣人のミール姉弟

魔法を武器に変えて戦う魔法騎士、アーガス

彼らを導いた魔法学者、シュヴァーン


英雄王バーンと共に立ち向かった英雄たちは戦争を止め、世界を平和に導いた。


次の世代へと託されたのが7代目の王、セラス・バーン。

女性として生まれた彼女はバーン家の女王として君臨。

セラス姫と契りを結んだのは、彼女の側近を務めたアバロン・カイオル。


彼女と彼は一時行方不明となり国を揺るがす一大事となったが、彼女らは戻ってきた。

知らない世界を冒険してきたという姫たちの後ろには30mを超えるほどの巨体を持つドラゴンと呼ばれる種族の存在。


これこそが現在も生きている古代人と呼ばれる存在、古代竜フリードである。

フリードは多くを語らないが、違う世界からやってきて、セラス姫、アバロンと共にやってきたと言われている。


そしてこのセラス姫の世代から少し経った時に世界統合が起き、ドラゴニアはそのままシンセライズに残り、フリードという古代竜に見守られながらバーン家の血筋は1000万年経った現在も引き継がれているのである。



ビライト「ドラゴニアの歴史って深いんだなぁ」

レジェリー「もっちろん!すごいんだから!」

ビライト「なんでレジェリーが誇らしくしてるんだよ…」


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ショートスキット1


~ドラゴニアの夜 ビライトとキッカ編~


夜のドラゴニア。ビライトとキッカは夜空を宿屋のベランダから眺めていた。


「きれいな星空だなぁ…」

「うん、すごーくきれい!」

ビライトとキッカはのんびりと星空を眺めている。


「なんだか、急がなきゃいけないかもしれないのに時間を忘れちゃいそうだ。」

「私は大丈夫だよ。多分。だから今は忘れちゃおうよ。お兄ちゃん。」


「ハハハ、そうだな。」

笑顔で返すビライト。しかし、どこか浮かない顔をしている。


「…なぁキッカ。」

「なぁに?」


「俺さ、ヒューシュタットであの子が死んで、スラムの現状を知って…ヒューシュタットの現実を知ってさ…世界ってこんなに汚れている場所があるんだって初めて知った。」

「私もだよ…」


「俺たちがどうしたってどうにかなるものじゃないのは分かってるけど。それでも俺…あのままで良いのかなって思ってしまうんだ。それはエゴだって思うけど…」

「でも、レジェリーが言ってた。アリエラさんはそのエゴを大事にしなきゃダメだって。その気持ちを捨てちゃダメだって。」


ビライトはベランダの手すりをぎゅっと握る。

「俺にも何か出来ることがあればいいのにって…思うけど。でもそれと同時に…仕方ないじゃないかって気持ちもあるんだ。」

「お兄ちゃんは優しいね。」

「そんなことないさ。俺はさ、きっと何処かに闇を抱えてるんだよ。」

「でもお兄ちゃんは優しいよ。私はお兄ちゃんの優しさに助けられてるんだから。」


「…ありがとな、キッカ。」

「うん。それにね。このドラゴニアみたいな世界の優しいところや、きれいなところを見つけることもできたよ。私、うれしいんだ。やっぱり世界は綺麗なところもあるんだって分かったから。」

「そうだな。ここは…ドラゴニアは本当に優しい国だ。」


この美しい国の夜をビライトたちは輝く星々の元、過ごす。

今は何も考えずこの情景に身を委ねよう。


ビライトたちの旅はまだまだ始まったばかり。

まだまだこれから続くキッカの身体を探し、取り戻すための旅は続く。

やがていつか。この世界を2人の足で歩き、汚れてもいるけれど、美しくもあるシンセライズを巡る本当の旅に出かけるために。

まだまだ夢の一歩を掴む旅は続くのだ。


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ショートスキット2

~ドラゴニアの夜 レジェリー編~


クルトといつかの入学の約束をした日の夜。

ドラゴニア城の客用の寝室でのことだ。


「…ふー…」


レジェリーは寝室で本を読みふけっていた。

ビライトとキッカの魔蔵書庫から魔法の本を出してもらい、それをこのドラゴニアでの夜、外にも目を向けずに読みふけった。



「……」


(ぐぅ)


「あらやだ。」


おなかの音だ。

時計を見ると時刻は深夜。

「もうこんな時間…どうりでお腹すいたと思ったのよね~…」


レジェリーはボフッと音を立ててベッドに飛び込む。

「あ~…なんだか…信じられないなぁ…」


まさか学園長のクルトと知り合いになり、入学できるようになった時、費用を軽減できる特待生になることを約束してもらい。

いつかの入学を約束出来てしまうなんて。


「あたし…絶対“ご先祖様”や“村の人たち”…“あの人”にも負けないぐらいの魔法使い…ううん、世界一素敵な魔法使いになる。」

レジェリーの夢。

その夢の道を照らしてくれたクルト。

そしてこんな機会に巡り合えたのはこの旅に付き合ったから。

しかし、それだけではない。

出会った仲間たち。そしてその仲間たちが抱える誰も知らない未知なる問題。


レジェリーは仲間の為にもっと魔法を鍛えなきゃと思った。


「…あたし、頑張らなきゃ。そうよ…あたしはもう後戻りなんて…絶対にしてやらないんだから。」


レジェリーは真剣な顔でそのこぶしを空へ突き上げる。

そして

(ぐ、ぐっぅ~)

鳴るおなか。


「…なんか腹ごしらえでもしようかなぁ~…ドラゴニアで買ったドラゴン型クッキーたーべよっと。」



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ショートスキット3

~ドラゴニアの夜 ヴァゴウ編~


ドラゴニア城に向かう前日のことだ。


「よーゲキ!」

「ウオッ!?閉店直後に来やがった!」


ゲキの武具屋の閉店時間1分後、扉を閉め、CLOSEの看板を置き、ホッと一息をついた1秒後、その扉は勢いよくバンと音を立て開いた。



「飲もうぜッ!!」

その手に持っているのは酒だ。

それもわりと値段の張るちょっと良い酒である。

「お前なぁ…」


ポリポリと頭を掻くゲキ。

ヴァゴウは随分と元気になったものだ。

このドラゴニアを出て、コルバレーに行くと言ってたあの時はもっと大人しかったものだが。


「ま、いっか。久々の再会だもんな。」

「そうこなくっちゃなッ!」



ヴァゴウが20歳の時だ。

ゲキと一緒にドラゴニアの外へと旅に出た。


武器職人を目指していたわけではなかった。

ただ、なんとなく外の世界に出て、何処までいけるかを試してみたかった。

そして旅して辿り着いた場所がコルバレーだ。


ここで武器の生産に目を奪われた。

鉱石などの素材が人々の役立つものや、武器になる。

何の価値の無いもの、歪なものまで、人々の役に立つものに変わる。

加工、製造。


ヴァゴウとゲキにはそれが魅力的に映ったのだ。


そこで張り込んで得た知識をいったんドラゴニアに持ち帰り、ゲキと共にそのことを語り合った。


最初は共同で武器屋を経営することを考えていたが、ヴァゴウはコルバレーでの武器製造が忘れられなかった。

そしてゲキは武器の製造よりは、商売の方に魅力を感じていた。


武器の製造に魅力を感じたヴァゴウと、武器の販売・流通に興味を持つゲキ。

ドラゴニアの活性化を望んだゲキはドラゴニアで武具屋を開業。

ヴァゴウは自身の工房と店をコルバレーで開業した。

お互いに目指すものは違ったが、ヴァゴウは作成した武器を積極的にゲキの店にも流通させ、ドラゴニアでも有名な武器屋としてゲキの店は成長した。

文通も何も無かったが、武具が入荷してくることが、ゲキとヴァゴウにとっての生存確認であり、元気の便りだった。

ヴァゴウは武器職人としての実力を高め、一部では名の知れた職人となった。

ドラゴニアでは特に有名になり、ゲキの店との相乗効果もあり、大人気となった。


「「かんぱーい!」」


グイグイッと勢いよく飲んでいくヴァゴウたち。

「いやー。ホントでっかくなりやがって。」

「親みてぇな言い方すんなよぉ~」


「だってよぉ、お前全然顔見せねぇからさ。最後に会ったのいつだよ」

「あー…おう!しらねぇ!忘れたッ!でもまた会えたんだからいいじゃねぇかッ!」

細かいことは抜き。

顔を赤らめてへらへらと笑うヴァゴウ。

ゲキは逆に酒があまり回りにくいのか、普通に酒をたしなんでいる。


「でもまたすぐどっかいっちまうんだろ?」

「まぁそうだなァ!ビライトたちとの旅があるからなァ。」

「ま、詳しくは聞かねぇけどな…あんま無理すんじゃねぇぞ。」


ゲキはヴァゴウをやたら気に掛ける。心配なようだ。

「心配すんなって!もう昔のワシじゃねぇって!!ガハハ!」

「そこじゃねぇよ…お前の疲れ知らずな元気っぷりとケロッと騙されそうなお人よしが逆に心配なんだよ。」

「ガハハ、なんかあったらゲキが助けてくれんだろ~!?」

肩を組んでへらへらと笑うヴァゴウ。

「ハッ、離れてる間はなんも出来ねぇよッ!でも出来ることはなんでもやってやんよ!」

ヴァゴウをグッと引き寄せて肩を組んで笑いあう。


「いやー!気分いいぜぇ!ヒャッホウ!!」

ヴァゴウは立ち上がり変な踊りを踊りだす。

「おいおい、酒癖悪いなお前!」

ついにはズボンを脱ぎだし、見せてはいけないところが丸見えに。


「ガハハー!!」

「あーあ…こりゃ酔いつぶれたら俺が宿まで連れて行かないとな~…」


(…ヴァゴウ、ホント元気になって良かったぜ。これからも元気でその笑顔で安心させてくれよな。)


はしゃぐヴァゴウを温かく見守るゲキ。

2人の友情の酒飲みはやがてヴァゴウの泥酔で終わり、ゲキはやれやれと適当な台車にヴァゴウを放り投げて宿屋に引きずり…


「すいませんゲキさん…ったく、何やってんだオッサン。」

ビライトの元へと送り届けた。


「はは、まぁ久しぶりに再会できてうれしかったんだろ。んじゃあとは任せた。」

「ありがとうございましたゲキさん。」

「おう、またな。」


ヴァゴウを引き渡しゲキは空になった台車を引っ張りながら空を眺め、自宅へと戻って行った。


「やれやれ…」

ヴァゴウは重い。ビライトはエンハンスで肉体を強化してヴァゴウを寝室までおぶって連れて行った。


「ふぅ…俺もそろそろ寝るか…」


「ン~…ゲキィ…ワシはぁ…元気だぞォ~…」

酔いつぶれの寝言だ。

「やれやれ…」

ビライトは電気を消して戻ろうとする。


「…ゲキィ…ずっと…ワシの…とも…だちぃ…グゥ。」


「友達か…ちょっとうらやましいかも。…でも、よかったな。オッサン。」

ビライトはそう言い、部屋を出た。



ドラゴニアの夜はそれぞれが色んな思いをし、過ごした一夜。


それぞれの思いを秘めて、皆、今日も眠りにつく。

そしてまた新しい朝がやってくるのだ。


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次回のDelighting World!


キッカです。

古代竜、フリードさんの背に乗りサマスコールを目指す私たち。

でも、その道中。ヒューシュタットのオートマタがまた現れた。

一度撃退した私たちを記憶してるみたいで、オートマタがフリードさんごと私たちに襲い掛かる!

そんな中、私たちはあの時イビルライズの名前を初めて聞いた獣人、クライドさんと再び出会うことになったの。


クライドさんの協力もありなんとか苦労して辿り着いたサマスコールの町もなんだか様子がおかしいみたい。


まさか…!?


次回、第三章

サマスコール編 情報屋と狙われた一行たち~


お兄ちゃん、この世界に何が起こっているんだろう…

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