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Delighting World  作者: ゼル
第一章 旅立ち編 ~まだ見ぬ地を目指して~
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Delighting World Ⅰ

第一章


旅立ち まだ見ぬ地を目指して





それは突然の出来事だった。


暗い夜、突然の激しい揺れに襲われ…


「な、なんだ!?」

次元が歪む

目の前には…

「えっ、何…!?い、いやっ!?」

黒い渦に飲み込まれそうになる少女とそれを目の当たりにする青年。

「!?キッカ!?」

「た、たすけ、助けて!お兄ちゃーん!」

「キッカーーーーッ!!」


あっけなくその黒い渦と少女は消えた。

青年ただ1人を静寂となった部屋に残して。


「な、なんで…なんでこんなことに…」



--------------

Delighting world


第一章

旅立ち まだ見ぬ地を目指して


--------------




かつて世界は7つの世界に分かれていた。

不安定な世界は破壊と再生を繰り返し、やがて長き葛藤と戦いの果て、世界は平和を取り戻し世界は7人の神により統合された。

これが今からおよそ、1000万年程昔の話だ。

神々は世界の闇を封じ込め、今も世界の何処かで、その闇が溢れないように見守っているという。


7つの世界を統合したこの世界は“シンセライズ”と呼ばれ、まだ未開拓の地が多く残された世界である。


果ても分からないこの世界に住む人々には複数の種族が存在している。


速さ・力に長けた種族、獣人。

力と知識に長けた種族、竜人。

そして全ての種族の中で最も知識に長けた種族、人間。

更には知・速・力…全ての能力に長けた種族、ドラゴン。

他にも魔物と呼ばれる生物や、混血と呼ばれる混ざり物の種族。


これらの種族が存在するこのシンセライズと呼ばれる世界の人々は時に争うこともあるが、それぞれがそれぞれの生き方でこの世界を生きている。


そしてその世界を束ねる7人の神…七神(しちしん)と呼ばれる存在はそれらの種族とはかけ離れたもはや伝説の存在。

本当に実在しているのかも怪しい。なぜならそれを見た者は誰も居ないのだから。








ここはシンセライズの東の果てに位置する小さな鉱山の麓にある町。町の名をコルバレー。

鉱業と武器工が盛んで、村の人口の7割が男性で、ここで働く者の8割以上は鉱業と武器工だ。

そんな町に暮らす青年とその妹。この2人の物語からこの世界のページは新しくめくられる。


「…お兄ちゃーん。朝だよー。」

女の子の声が聞こえる

「…んー…」

ベッドで眠っている黒髪の人間の青年は寝返りを打つ。

「起きてってば!わーーーっ!」

「うわっ!」

大声で耳元で叫ぶ少女に驚き飛び起きる青年

「もーっ、寝坊助なんだから。」

「あぁ…おはようキッカ…」

「おはよ、ビライトお兄ちゃん」


青年の名はビライト。

ビライトが起き上がり、ベッドから床へ降り立ち上がる。

そのビライトの後ろからひょこっと現れる少女がキッカ。ビライトの妹だ。

綺麗な薄い黄色い髪が首元で二つに分かれ、ロングのツインテールになっている。


「なんだか慣れないな。ずっとくっついてるのも」

「えへへー私はお兄ちゃんとずっとくっついてるの楽しいよー」

「お前なぁ…」


よく見るとキッカの下半身は薄く、足の方は全く見えておらず、まるでビライトに取り憑いてる幽霊のような姿なのだ。

「あれから3日になるけど、本当に異常は無いのか?」

「うん、私は私だと思う。」

「精神体…か…」

「うん、多分ね」


時は3日前にさかのぼる。


--------------


それは本当に突然だった。

目の前に現れた黒い渦。

それはキッカの後ろに姿を現し、少しずつ、少しずつキッカを吸収しようとしていた。

抗えない強さで徐々に引き寄せられる。


「な、何っ…!?動けないよ!?」

「くっ、なんだこのっ!キッカを離せ!」

ビライトは武器の大剣を持ち、黒い渦に一撃。だが黒い渦には通用しなかった。

渦は固体で、ビライトの大剣を弾き返した。


「た、助けて!助けてお兄ちゃんー!」

「キッカーーーーッ!!」






突然妹を奪われ、状況も分からないままただ立ち尽くすビライト。

それから翌日の朝までの記憶は無い。眠ってしまったようだ。

次の日、起きると目の前にはキッカの姿があった。

「キ、キッカ!無事だったのか!?」

「う、うん…無事…っていうのかな…?その…」

よく見るとキッカの下半身は薄く、それは段々下に行くほど薄くなり、膝より下はほとんど見えない状態だった。

「な、なんだこれ…どうなってる…?」

「わ、私にもさっぱり…ただ…」

「ただ…?」

「肉体がある…って感じがしないの…」


キッカは突然肉体を失った

現にキッカに触れることは出来なかった。

まるで幽霊のように、スッとすり抜けてしまう。

そして、キッカは周囲の人には見られている。だが、中には見ることができない人も居るようだ。何が見える見えないを判断するのかは不明である。

しかし、見える人からすれば、下半身が見えないので最初は驚かれたが、ビライトは事情を話し、村の人々には理解をしてもらった。

しかし、知らない人から見ればただの幽霊であり、その時は"精霊を使役している"という、嘘っぱちを言うことにしていて、ビライトとキッカでそれに合わせる形を取っている。

キッカは魔法が使える。生物を癒す魔法だ。

そういう魔法が使える精霊なんだと言えば、知らない人でも怪しまれないし、不思議がらない。

魔法の使い手を守る守護者のようなものではある。


“精霊”と呼ばれる存在はとても珍しいが、そういった存在が居ることにホッとした2人だが、一体なぜこんなことになったのか…それは分からない…



--------


「じゃ、仕事に行くか。」

「うん、楽しみだなーお兄ちゃんのお仕事近くで見るの。」

「全く…呑気だな、キッカは」

自分の置かれた状況は深刻だというのに、キッカはのんびりとしている。


「今日はおっさん居るかな」

ビライトはやれやれと外へ。

両親の居ないビライトとキッカ。ビライトは生計を養う為、とある武具屋で働いている。

その武具屋は色々な意味でこのコルバレーでは有名だ。


「おはようございまーす」

ビライトは武具屋の扉を開ける。

「おぉ、来たな?もう良いのか?」

「ずっと休むわけにもいかないだろ?俺にも生活があるんだ。」

「ガハハ、逞しいな!」


武具屋のオーナーであるヴァゴウ。

彼は竜人で、大柄で逞しい身体つき。茶色く硬い鱗。とても大らかで豪快なオッサンだ。

「事情は説明したとおりなんだが…」

「おはようございますヴァゴウさん。何も触れないし、私は何も出来ないけどお兄ちゃんから離れられないから…えっと、よろしくお願いします!」

キッカは頭を下げた。


「気にすんな!キッカちゃんが居てくれりゃこのむさっ苦しい武具屋もきっと華やかになるだろうよ!ガハハ!」

ヴァゴウは大きく笑って、キッカの頭を撫でようとするが、その手はスッとすり抜けた。

「おおっとすまねぇ、触れないんだったな!」

「うん、でも暖かさは伝わるよ!」

笑顔で返すキッカ。


ヴァゴウにはキッカが見えるらしい。

コルバレーの人々の大体7割ぐらいの人はキッカが見えている。


やれやれとため息をつくビライトは早速仕事に取り掛かろうとする。


「おう、ビライト。今日店番頼まれてくれるかー?」

ヴァゴウが言う。

「なんだよ、また石探しか?」

「石じゃねぇよ素材だよ!そ、ざ、い!そんなわけで!!頼んだ!ガッハハハハ!」

ヴァゴウはそそくさと荷物を持ち颯爽と出て行ってしまった。


「全く…しょうがないな…だから"仕事しない凄腕職人"とかいう訳のわかんない異名出来るんだよ…」

「ふふ、有名だもんねヴァゴウさん。色んな意味で。」


ビライトは再びため息をつく。


ヴァゴウは実はとても腕利きの武器職人。彼の作る武器はどれも一流で、多くの愛好家が存在するのだが、世間的な認知度はかなり低く、隠れた有名人なのだ。本人があまり名を売ることに興味がないらしい。

そしてもう一つ。彼は武器を作ることも好きだが、それ以上に素材を集めるのが大好きなのだ。

だから先程のようにヴァゴウは店をアルバイトのビライトに丸投げし、素材探しに出かけてしまうのだ。

素材はかり集めては1人で盛り上がっていて、仕事も面倒だったらあっさり断ってしまうので、“仕事しない凄腕職人”という異名で噂されることになったのだ。


かくいうビライトは武器にはそこまで興味は無いが、両親の居ないビライトはキッカの為にも養うお金が必要だったのだ。

ヴァゴウはビライトたちの両親と関わりがあり、そのお陰でビライトは雇われることになったのだ。

ただ、やらされることは大体ヴァゴウ不在の間の店番なのだが……


「ヴァゴウさん、いつ頃帰ってくるの?」

「そうだな…夕方ぐらいか?」

「えっ、まだ朝なのに?」

「そうだよ、あのオッサン素材集めと人助けが趣味みたいなもんだから、素材集めて終わっても当分は帰ってこないぞ。」

ビライトはやれやれとカウンターに座る。

そして今日の予約の客や、素材の在庫を書類でチェック。

「今日の予約は2人か。相変わらず少ない客だなー」

ヴァゴウが基本不在なのは有名で、素材集めするからと断られる確率も高いせいか、なかなか予約が入ることはない。2人いるだけでもなかなか珍しいほうだ。


---------------------------------------



「どっちもほかの地方かららしいから、キッカは隠れてろよ。もし見える人だったらびっくりさせてしまうからな。」

「うん、カウンターの下で待ってる。」

そろそろ1人目の予約の人が来る頃だ。


「えーと…一人目は…クライドさん…獣人だな。珍しい。」

「いいなぁ、私も見たいなぁ。この地方に獣人ってあんまり居ないから!」


シンセライズの東部に位置するコルバレーだが、この付近は主に人間と竜人、そしてドラゴンが主に生息している地域だ。

基本的に密林や草原など、緑を好む獣人はあまりこの東部には住んでいない。

切り立った山や山脈、鉱山、平地は大体荒野や砂漠が多い東部は獣人が住むにはあまり適さないのだ。



資料を並べている間に、人が入ってきた。

「いらっしゃいませー」

ビライトは入り口を見る。

そこには全身ボロボロのフードを着た獣人の姿。

口から下を全てフードの下に隠している。

そのうえ、頭にもフードコートを被っているので見えているのは本当に目と鼻ぐらいだ。

「クライドさん、ですか?」

「そうだ。」

クライドはカウンターへ向けて歩いてくる。


「予約通りの武器は出来ています。」

ビライトが差し出したのは2本の短剣。

高級素材であるミスリルを使ったとても強度が良く、切れ味も抜群の一品だ。

「…フム…これは報酬だ。」


クライドは特に何も感想も言うことなくお金だけを置いてそのまま入口へ向かう。

「…一つ、良いか?」

クライドは振り返りビライトに尋ねる。

「は、はい?」


「…お前の後ろにいるその女…」

「へっ?こ、こら!キッカ!」

「あっ、いけないっ!」

キッカはこっそりとクライドを見るためにビライトの後ろに隠れていたのだ。キッカは慌てて顔を隠した。


「…」

「あっ、えっと、気にしないでください!ちょっとワケあって一緒に居るだけだから!そう!せ、精霊なんです!」

ビライトは慌ててキッカの存在を誤魔化そうとする。


「…なるほど、これがイビルライズの渦にやられた少女か…」

「えっ?」

「その少女の身体はもう戻ることはない。諦めろ。」

クライドはそれだけ言い残し、出て行ってしまった。


「ちょ、ちょっと!キッカがこうなった原因分かるのか!?」

ビライトは慌てて獣人を追う。

だが、出口から外へ出た時にはもうその獣人は居なかった。


「イビル…ライズの渦…?それって…」


呆然とするビライト。

「お兄ちゃん、今の人私が見えてた。」

「あ、あぁ。あいつ…キッカがこうなった理由…知ってるんだ。」


イビルライズの渦。

そしてキッカの身体は戻らない。


この二つの言葉にビライトは考えざるを得なかった。

原因は何なのか、イビルライズの渦とはなんなのか。そして、キッカの身体の行方。

全くの手掛かりがなかったビライトとキッカには一筋の道が照らされた。




それからしばらくして二人目の予約客が来る時間だ。しかし、予約客は現れない。


「遅いな。」

「遅いね。」


ボーッと天井を眺めるビライト。時刻は昼過ぎ。ヴァゴウが帰ってくるとしたらあと数時間であろう。

「あーーーっ!あった!」

声が聞こえた。予約客だろうか。


「見つけたーっ!」

入ってきたのは女性の人間。長いポニーテールで大きな木の杖を持っていて先端に赤色のオーブがついている。


「あ、来た。予約してたえーっと「ちょ、ちょっとタンマ!ごめんあたしちょっと忙しくって!また明日来るから預かってて!!ごめーーん!!」

「えっ、ちょっと!」

ポニーテールの女はダッシュで駆け抜けてあっという間にいなくなってしまった。

「な、なんだったんだ…?」

「魔法使い…レジェリーさん。面白い人だね!」

キッカはクスクス笑って予約者の詳細が載っている紙を見る。


「今日はホントなんなんだよ…」

色々とめまぐるしく、無駄に疲れたビライトだが、ヴァゴウが帰るまで一般客の対応、書類整理から棚の整理整頓清掃まで、パパッとこなしてヴァゴウの帰りを待った。





「なぁ、キッカ。」

「ん?どうしたの?」

「俺さ・・・」



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日が沈みそうになる夕方、ヴァゴウが帰ってきた。

「よーーうお疲れぃ!!」

ヴァゴウが元気よく大量の鉱石と大量の食糧を抱えて豪快に帰宅した。


「お疲れぃじゃない、遅いって…」

「いやーーー素材集め自体は昼には終わったんだがな?町に着くや否や、色々と困っている人を見つけてしまったのだ!で!色々とお礼を頂いてしまってな!?」


ズシンと音を立てて置かれる素材と食糧。

毎度毎度こうだ。ヴァゴウは出かけるとこうやって大量の物を持って帰ってくる。


「誰が整理すると…そうだ、ヴァゴウのオッサン。」

「ん?なんだ?腹減ったか?」

「違うって。俺、しばらくまた休みが欲しいんだけど。」

「ほえ?」

キョトンとするヴァゴウ。


「そりゃおめぇ、なんでだ?」


「調べたいことがあるんだ。実は…」


ビライトは今日来たクライドという獣人のことをヴァゴウに話した。

あれからずっと考えたが、ビライトは”イビルライズの渦”という単語が気になって仕方がなかった。キッカの身体が元に戻る手がかりかもしれない。元に戻らないとも言われたが、何も知らないまま諦めるほど、潔くはない。


「…というわけだから俺は明日、ヒューシュタットへ向かおうと思うんだ。」


ビライトはここから東、世界の中央に位置する人間の都市、“ヒューシュタット”を目指すことを説明した。

「ヒューシュタットねぇ…確かにあそこにゃ世界の知識が集うでっけぇ図書館がある。しかしだなァ。ヒューシュタットはこっから相当距離があるぞ?急いでも2週間はかかる。気性の荒い魔物も多く生息する山脈を超えないといけないしよぉ。」

「確かに危険だよ。でも俺、キッカをこのままになんて出来ないから。」

「お兄ちゃん…」


ヴァゴウは少しだけうーんと唸らせるがすぐに口を開く。


「…うっし、お前がそこまで言うんなら休めばいい。しかーし!」

その大きな巨体がビライトの顔にぐっと近づく。そしてヴァゴウはビライトの肩にポンと両手を乗せる。

「ワシも着いていくぞ!ビライト!」

「へ?はぁ!?なんでそうなるんだ!?」

驚きを隠せないビライト。

「ワシだってよぉ、キッカちゃんがこんなことになってよ!何かできねぇかなって考えてたんだよ!そしたらなんだお前ってやつは!そんな大事なことにワシが付き合わねぇわけにはいかねぇだろう!」

「ヴァゴウさん、嬉しいけど…お店は」

「お店なんかどうだっていいさ!ワシはお前とキッカちゃんの手助けをする!決めたぞッ!」

ヴァゴウは高らかに宣言した。


「なーんでこうなるかなァ…」

「ビライト!お前大剣使えるだろ!明日武器を用意してやるから期待してなッ!」

「ぶ、武器って…今作るのか!?」

「おうよ!泥船に乗ったつもりで任せな!」

「それを言うなら大船だよ、ヴァゴウさんってば。」

「そうともいう!ガハハ!」

ヴァゴウは高笑いして作業場へと向かった。


「やれやれ…じゃぁ明日の昼にまた来るからな。」

「おう!また明日なっ!ゆっくり休めよっ!」


ビライトは作業に入るヴァゴウを見送り、家路に着いた。


「なぁキッカ。」

「どうしたの?」


「危険な旅になるかもしれない。でも俺、絶対にお前の身体を探し出すから。」

「…お兄ちゃん、私、このままでも…それよりお兄ちゃんに私のために無理して欲しくない。」

キッカは心配そうに言う。しかしビライトは首を横に振る。

「そのままじゃ食べることも寝ることも出来ない。会話できない人も居る。俺から離れることも出来ない。そんな窮屈な世界にお前を閉じ込めたくない。それに、いつまでお前がその状態でいられるかも分からないんだ。だから俺がお前を自由にしてやる。だから気にするなよ。」

ビライトは優しく微笑んだ。

「ありがとう…お兄ちゃん!私も傷を癒すことぐらいは出来るから!お兄ちゃんやヴァゴウさんの力になれるように頑張るね!」

「あぁ、頼んだぞ!」


明日の旅路の準備を終え、ビライトは眠りについた。

それを静かに見守るキッカ。


(お兄ちゃん、私のためにありがとう。)

キッカは眠るビライトに優しく微笑んだ。


静かな夜だ。

明日は旅立ちだ。


ビライトとキッカ、そしてヴァゴウのキッカの身体を探し出す冒険が始まる。



-----------------------------------------------------




「…イビルライズ、ついにこのシンセライズに影響を及ぼしてきたか。」


「どうするよ。このままじゃどんどんこの世界を蝕むぞ。主神の力や俺たちの力を持ってしても支えきれなくなるかもしれない。」


「“奴”が復活する前に、対策を練らなければ。やはり我々で奴の侵略を阻止するしか選択肢はあるまい。」


「…俺たちだけじゃねぇ、きっとこの世界にいるはずだ。イビルライズに挑もうとする命知らずがな。でもそういう馬鹿に俺は賭けるぜ。」

「何処へ行く?」


「決まってんだろ。探しに行くんだよ。かつて世界を救った奴らのような、頼もしい味方をな。」

「我々神々ですら手を焼いている問題に抵抗出来る者が本当に存在すると思うのか?」

「さぁな。でもかつては居た。それにな。何もせずに指くわえてるよりはマシだろ?じゃぁな。ここの守護はお前らに任せたぜ。」





「…分かった。お前が連れ来る者がイビルライズに挑むというのなら…その時はその素質があるのか…試させてもらうぞ。」








Delighting World


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