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病床記  作者: 中川大存
7/11

入院3日目――「ピカチュウとヤ●チュウ」



目覚めると、いきなり看護師さんがいた。


うおっっ!?

と言いたかったが、看護師さんはまるで僕がたった今狸寝入りを解除したと思っているかのように「じゃあ、検温しますねー」と普通に体温計を渡してくる。おはようございます、とかよく眠れましたか、とかなくシームレスに業務スタートだ。

そんなに寝過ごしたのかな?とか思って時計を見ると6時10分前。早ぇよ!

まあとにかく――混乱しながら僕は夢現で処置を受けた。


寝起きの採血はキく。

というか、採血にしろ点滴にしろなのだが、僕の腕は針を血管に刺す難易度が非常に高いらしい。どの看護師さんがやってもかならず一、二回失敗する。そして何度やられても針を刺される痛みには慣れないものだ。

おかげで僕の腕はさながら麻薬中毒者のそれである。

もし将来僕がスラム街でジャンキーになるとしても、粉をカードの端とかで線になるよう整えて、筒みたいので鼻からズーッと吸い込む方式でヤクをやることだろう。注射器じゃいつまでも「血管が見つからない!痛い痛い!」ってやってなきゃならないから。


今日は昨日と違って、やることがある。

検査が二件入っているのだ。

レントゲンと、心電図である。

診察時間開始後にそれぞれの検査室へ行ってくださいねー、月曜日ですからなるべく早く行った方がいいですよー、と言われていたのでさっさと行く。


……結果。

二件合わせても10分もかからず、あっという間に検査は終わってしまった。

えぇー……今日すべきことがもう終わっちゃったよ……こっちはあっちへ行けこっちへ行けでたらい回しにされるのをクエスト気分で楽しもうと思ってたのに……

しょうがない。

別のクエストをやるか。


ということで、病室に戻った僕は私物のニンテンドーDSLite(!)でポケモンのリーフグリーン(!?)をやるのだった。

言いたいことはわかるが、放っておいて欲しい。


育てるポケモン一匹+ニャース5匹のパーティで、野生のポケモンを倒しながらニャースのものひろい無双。この淡々とした作業感、落ち着くー。


すっかりリラックスした頃、ふと何の気なしに視線を左に移した僕は悲鳴を上げそうになった。


ひいいいいい!!

点滴のチューブが真っ赤に――――!

ち、血が逆流してる――――――――!


その後看護師さんを呼び、なんだかんだで点滴の打ち直しになり、また針でブスブスやられる僕であった。

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