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病床記  作者: 中川大存
6/11

入院2日目②――「とんだ伏線回収」



前項にて、大塚製薬様のお作りになられた点滴にて命を長らえさせていただいているという僕の目下の状態を述べたわけだが、血管ばかりではなくたまには食道も動かしてあげねばと、許されている唯一の経口摂取であるところの「水分補給」も、おさおさ怠りなくやっているわけである。

勿論、飲むのは大塚製薬様のポカリスエットである。スポーツドリンクが他に売ってないからというわけではなく、あくまで品質を勘案した上でのセレクトであると強調しておく。


そんなわけで、一日かけて飲むポカリを買いに病室を出て病院総合受付前に来たわけだが、そこでようやく僕は重大な事実に気づいたのであった。


小銭が無いのだ。


財布の中には一万円札二枚。あとは数枚の十円、五円、一円玉。

世の大概の自販機と同じように、ここのも一万円は受け付けてくれない。

崩そうにも、今日は日曜日。受付も売店もATMも閉まっている。

ほぼ完全に詰んでいる。残された道は看護師さんに個人的に両替してもらうとかくらいだが、それも無理だろう。自分の財布とか仕事場に持ってきてないだろ多分。

こうしている間にも僕の中の大塚成分が減っていく!大塚製薬様が示してくださる導きの光が見えなくなっていく!(迫真)


ほとほと困り果ててぐるぐるとあたりを見回していると。


そこにあったのは。

昨日僕が「利用しないだろう」と思ったばかりの、テレビ利用カードの販売機だった。

こんな形で存在を主張してくるとは。とんだ伏線回収だ。


これなら一万円が使える。お釣りで出た千円札でポカリが買える。

いや、しかし安易にその結論にとびついていいものか?ある意味敗北ではないのかそれは?

しかし、しかし僕の中の大塚成分が!!


ということで、「まあ、今日から進撃の巨人がやるしな……」という理由付けのもと、僕はテレビカード一枚千円ナリを購入したのであった。




……数時間後に知ったが、この病院では22時半以降はテレビの受信が遮断されるため、どう頑張っても進撃の巨人は観られなかったとさ。

どっとはらい。

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