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Eid-アイト-  作者: つよちー
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第一章「朴念仁」

どうもつよちーです。前書きに挨拶の文などを書いてますが、以前のように前回のあらすじを書いた方がいいでしょうか。正直、話のネタがなくなりそうなのでそうしたいです(笑)それでは第八話、どうぞ。

終礼を終え、亮太はすぐさま香の元へ向かい颯爽と帰ろうとする彼女を呼び止めた。彼女は立ち止まり振り返った。

「どうしたの?」

「一緒に帰ろう」

それを聞いて彼女は驚いたがすぐにふてくされた。

「私なんかより加藤さんと一緒に帰りなよ」

「今日はお前と一緒に帰らないといけないんだ」

真剣な眼差しで彼女を見つめる。彼女はそれから目を逸らし俯いた。

「....そんなこと知らない」

彼女は彼を振り払い駆け足で廊下を走っていった。亮太もすぐさま彼女を追いかけた。

「おい、待てよ香」

彼の呼びかけを無視して雨の中を傘も刺さずに飛び出した。彼は拉致があかないと思い彼女の腕を掴んだ。

「お前最近なんか変だぞ。何があったんだよ」

「離して!亮太に私の何がわかるの!?」

大きな声で彼女はそう訴えた。そして涙を流した。彼は戸惑い、どうすればいいのかとおどおどしていた。

「....私は亮太のことが好きなの」

突然の告白、しかしそれには緊張や恥じらいの感情が一切ない。こんなにも悲しい告白はないと互いにそう思った。嗚咽しながら小さな泣き声をあげる香に亮太は何もできなかった。

「亮太は加藤さんが好きなんでしょ!だから、私に優しくしないで!」

そう言い残して彼女は走り去っていった。その場から逃げるように。周りの人々はその修羅場を眺めていた。だが、二人にはそんなことが気にならないほど深刻な感情を抱いていた。

「香を泣かせるなんて、お前らしくねえ

じゃねえか」

誰かが亮太の肩を叩いてそう言った。

「徹か....」

亮太は力が抜けたかのようにガクッと肩を落とした。

「俺には....香のことが分からない」

徹は彼の背中を叩いて

「とりあえず歩こうぜ。さっきので注目されてる」

と言った。亮太は頷いてゆっくりと歩き始めた。

「香はお前に優しくしないでって言ったよな。何でか分かるか?」

亮太は首を横に振った。徹はため息を吐き亮太の頭を軽く叩いた。

「鈍感め。お前は加藤さんが好きなんだろ。それを聞いて香は深く傷付いたんだ。ずっと好きだった相手に自分以外の好きな人が出来たからな。それなのにお前はずっと香に優しくしてた。それが更に香を傷付けたんだ。お前への恋を諦めようと決意したのにお前がそれを揺るがせた」

亮太は何も言わずにただそれを聞いていた。

「しっかりけじめつけろよ。俺にはやることがある」

徹はそう言って亮太の元から去っていった。亮太は頭を抱えため息を吐いた。自分の鈍感さを罵る。ふと空を眺めた。分厚い雲が空を覆い、雨を降らせていた。

「どうしたの?佐々木くん」

奈美が雨に濡れる彼にそう問いかけた。亮太はゆっくりと振り返る。淀んだ表情の彼を見て奈美は少し驚いた。

「俺は....香の気持ちと向き合えなかった」

「....そっか」

互いに沈黙した。彼女はそっと近付いて折り畳み傘を渡した。

「とりあえず私の家行こう。お風呂貸してあげるから」

亮太はその傘を受け取って

「ありがとう....」

と小さな声で言った。髪から水が滴る。奈美の家に着くと、春香が出迎えてくれた。そしてびしょびしょに濡れた亮太を見て驚いた。

「びしょぬれじゃん!風邪引いちゃうよ!」

「お母さん、お風呂貸してあげて」

奈美は春香にそう言って彼女は頷いた。亮太は礼を言って風呂を貸してもらった。雨に濡れて冷たい服を脱ぎ捨て風呂場へ入った。他人の風呂に入るのは初めてだなと、亮太は少し笑って湯船に浸かった。冷えた体に湯の温度が滲んでいく。亮太は香のことを考えていた。そして徹に言われたことを頭の中で何度も復唱した。

「湯加減はどう?」

扉越しに奈美がそう聞いてきた。

「良い感じだよ、ありがとう」

亮太はそう返事をし、シャワーで冷たくなった頭を温めた。


風呂から上がり亮太はドライヤーで濡れた髪を乾かし体に滴る水をバスタオルで拭き取った。そしてすぐ側に誰かの寝巻きが置いてあった。おそらく蓮の物だろうと亮太は思いながらその服に着替えた。風呂場から出てリビングへ向かうと食卓に食事が並んであった。

「亮太くん、温まった?」

「はい、あと服を貸してくれてありがとうございます」

亮太はそう言って頭を下げ食卓の椅子に座った。

「今日はずっと雨が降るらしいから、今日は泊まっていってね」

「え....そんなの申し訳ないです」

遠慮する亮太に

「別に大丈夫だよ」

と奈美が言った。

「本当にいいのか?」

亮太は小声で彼女にそう訊いた。彼女は笑って頷いた。彼は居心地悪そうに頭を掻いて椅子に座り直した。

「さ、早く食べよ。今日は蓮くん帰り遅いし」

春香がそう言った後に三人は合掌をした。

「いただきます」

相変わらず、春香の手料理は美味しかった。夕食を食べ終えると奈美が亮太を部屋へ連れて行った。部屋に入ると奈美は真剣な表情で彼を見つめた。

「高嶺さんと何があったの?」

その質問を受けて亮太は俯いた。

「香は....俺のことが好きだった。でも俺はそうじゃなかった。俺は幼馴染としてあいつに優しくしていたんだが、それが逆に彼女を傷つけてしまっていた」

「やっぱりね....」

その言葉に彼はどういうことなのかと首を傾げた。

「佐々木くんって結構鈍感だからさ。香さんの好意も気付いてないんだろうなあって思ってたの」

「え....加藤さん、香が俺のこと好きってどうやって気付いたの?」

そう言って驚いている彼に奈美は溜息を吐いた。

「君と同じ鈍感な人じゃなければ誰でも気付くわよ。ていうか最初は付き合ってると思ってたんだけど」

彼女は亮太の鈍感さに堪え切れずに笑い出した。

「な、なんで笑うんだよ」

「なんか意外にも可愛いところあるんだなって思ってさ」

亮太は照れ臭く彼女から目を逸らした。

「まあとにかく、明日高嶺さんときっちり話をしないとね」

「わかってる....」

そう言って彼は彼女に微笑んだ。彼女も頑張れという意味を込めて拳を胸の前でグッと握った。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

修羅場が出来上がりました。三次元にもこんな修羅場があるんですかね。二次元のような綺麗で心が清らかな女性は絶滅危惧種なので滅多にないでしょうね。三次元の女子なんて、どうせ屑なんだ....。金とかルックスしか目にないんだ。人間性を見ない奴は人間性がないんだ。はい、闇が溢れ出ましたが僕の小説にはそんな汚らわしい物はないのでご安心を、多分ね....。

感想や指摘など頂くと嬉しいです。

続きを楽しみにしてくれると更に嬉しいです。


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