第一章「不安を掻き消す想い」
どうもつよちーです。テストが近いので勉強しなきゃなのですが、やる気が出ないです(笑)学年末なのでしっかり点数を取らないと、欠点を取ったら洒落にならないです。とりあえず、小説も勉強も頑張ります。第六話、どうぞ。
(予約投稿の設定ミスで少し投稿が遅れてしまいました。申し訳ありません。)
奈美の家に近付くに連れて亮太の緊張が募っていく。地平線に隠れようとする夕焼けの光が彼の恋焦がれる心を照らす。
「あともうちょっとで着くよ」
「あぁ、うん....」
緊張で間抜けな返事をしてしまう。それを聞いて彼女はくすっと笑った。
「そんなに緊張しなくてもいいよ」
「いや、緊張しない方が難しいよ....」
「リラックスだよ」
そう言われて亮太は胸に手を当てて深呼吸をした。しかし緊張は一向に解れない。緊張が消えないまま、彼らは奈美の家に着いた。
「ただの挨拶なんだから、気軽に行こうよ」
「う、うん....」
彼女は玄関の扉を開けて
「ただいま」
と言って中に入った。それに続いて亮太も中に入る。しばらく時間が経った後に奥から女の人が出てきた。とても綺麗な女性だった。
「おかえり、あれ?その子誰?」
「ど、どうも....」
ぎこちなく挨拶をする亮太を奈美は紹介した。
「私の友達、佐々木亮太くん」
「亮太くんね、よろしくね」
笑顔でそう言う彼女に亮太はもう一度会釈をした。
「私は加藤春香。わかってると思うけど奈美のお母さんだよ」
「こちらこそよろしくお願いします」
亮太は挨拶をして頭を下げる。
「お父さんはまだなの?」
「うん、でももうすぐ帰ってくると思うよ」
それを聞いた亮太は更に緊張が高ぶる。
「お父さんも来るんですか....?」
焦りを隠せないまま彼は春香にそう質問した。それに奈美が答えた。
「うん、両親に紹介するって言ったでしょ」
「そ、そうだったね....」
彼は焦る心を落ち着かせるために深呼吸をする。そんな彼に奈美はそっと肩を叩き、優しく微笑んだ。その笑顔を見て彼の緊張が少し解けた。
「奈美、亮太くんを部屋に連れて行ってあげて」
「うん、じゃあ行こっか」
そう言って彼女は亮太を部屋へ連れて行った。彼女に部屋に入っても亮太は落ち着かない様子でいた。
「すごく緊張してるね」
「当たり前だよ....友達を親に紹介するなんて今まで体験したことないよ」
「そうなんだ。私はてっきりこれが普通だと思ってたんだけど」
彼はそこで彼女がどれだけ常識から外れているかを理解した。そしてそれに苦笑いをしながらその場に座り込んだ。
「お父さんって厳しい人....?」
「ある程度はね。でもさすがに初対面の人に最初から強く当たらないよ」
「そうか....よかった」
そう言って彼は安堵の息を吐いた。奈美は彼の目の前に座った。沈黙が部屋に漂い、気不味い空気が二人を包み込む。
「ねえ、佐々木くん」
「なに?」
「どうして私と友達になりたいと思ったの?」
それを聞いて彼は彼女に微笑んだ。
「純粋になりたいと思ったからだよ」
一目惚れしたなんて口が裂けても言えないと彼は思った。彼女は納得のいかない表情をしていた。それに気付いた亮太は首を傾げた。
「本当にそうなの?」
彼女が求めているのはそんな答えではない。彼女の友達を失う苦しみは彼には想像も出来ないほど苦しいものなのだ。だから、彼女は今のような生半可な答えは聞きたくない。彼はしばらく沈黙した。その沈黙が彼女の焦りを煽る。
「....加藤さんがずっと俺に冷たく接してるとき、心の奥の寂しさに気付いてたんだ。無理してるな、素直になればいいのにってずっと思ってた。笑ってない君を見てると胸が苦しくなる。それに、"友達"の素晴らしさを君にも知ってもらいたいんだ」
「....それが本心?」
「うん、本心だ」
自信を持って彼は頷いて答えた。彼女は俯き沈黙した。
「嬉しいよ....佐々木くん、ありがとう....」
彼女は安堵の笑顔を浮かべた。それを見て亮太もそっと笑った。部屋に二人の小さな笑い声が響く。その瞬間部屋の扉がノックされた。
「どうぞ」
奈美がそう返事をすると扉が開かれ、背の高い男の人が現れた。
「ただいま奈美」
「お父さん、おかえり」
彼女の父親は亮太の方を向き手を差し伸べた。
「春香から聞いてる。奈美と仲良くしてくれてありがとうな」
「こ、こちらこそ」
亮太の心に一気に緊張が広がった。差し伸べられた手を握り握手をする。
「俺は加藤蓮、ご存知の通り奈美の父親だ」
「ぼ、僕は佐々木亮太です」
「亮太....か。よろしくな」
「はいっ....よろしくお願いします」
彼がそう言うと蓮は彼の手を離した。
「もう夕食が出来るから二人ともリビングに来いよ」
蓮はそう言い残して部屋を出て行った。亮太はそっと息を吐き緊張する心を落ち着かせる。
「大丈夫だったでしょ」
「うん、二人とも良い人だね」
そう言って二人は立ち上がる。
「行こっか」
彼女は部屋の扉を開けてリビングへ向かった。
「ていうか今当然のように答えてたけどご馳走していいの?」
ハッと我に帰った亮太が彼女にそう聞く。
「いいと思うよ。それにお母さんの料理はすっごく美味しいんだよ」
彼女は照れ臭そうに笑ってそう言った。
「そっか....ありがとう」
良い両親の元で生まれて体が弱くても十分幸せそうだな、と亮太は思った。食卓には美味しそうな食事が並べてあった。春香は先に座っていて人数分の飲み物を用意してくれていた。蓮と奈美はそのまま椅子に座り箸を手に取った。亮太は遠慮してその場でただ立ち尽くしていた。そんな彼に気付いた春香が立ち上がり
「遠慮せずにどうぞ」
と言って彼を椅子に座らせた。
「ありがとうございます....」
そう言われてもやはり遠慮をしてしまう。彼はそっと箸を手に取った。それを合図に三人は合掌をした。亮太も後に続いて合掌した。そして皆揃って
「いただきます」
と言った。しかし誰も箸を進めない。賑わうはずの食卓には何の音も響かなかった。そんな状況に堪えきれず、蓮と春香は吹き出した。
「ど、どうしたんですか?」
「いや、お互いガチガチだなぁって」
「ああ、お前緊張しすぎだよ」
何のことか分からず亮太は首を傾げた。
「ほらほら、佐々木くん困ってるよ。早く食べよ」
「そうだね。召し上がれ」
そこでやっと亮太は箸を進めた。適当に取った食べ物を口に運び咀嚼する。
「....美味しいです」
「本当?気に入ってくれてよかった」
春香は嬉しそうに笑った。
「最近奈美の機嫌が良いなって思ってたんだが理由がわかったよ」
蓮が唐突にそう話し出した。亮太は聞き返す。
「機嫌がいいって?」
「お前と友達になってすごく嬉しいんだよ」
それを聞いて亮太は奈美の顔を見た。顔を赤くして俯いていた。俺と友達になったことがそんなに嬉しかったのか、と亮太も嬉しい感情で心を満たされ笑みが溢れた。
「そうだったんですか。僕も嬉しいです」
奈美は亮太を見つめる。それに気付いた彼が彼女に微笑みかけた。彼女を大切にしよう、という思いが彼の中で更に強くなった。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
誰しも、何事にも不安は抱きます。それが恋愛となるとその不安がとても大きな壁に思えてしまいます。僕の小説にはそんなことがないのだけれども(笑)
感想や指摘など頂くと嬉しいです。
続きを楽しみにしてくれると更に嬉しいです。
これらに登場する人物、地域、団体は全てフィクションです。




