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Eid-アイト-  作者: つよちー
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第一章「二人に彩られた初めてを」

どうもつよちーです。僕が書いた小説の第一弾「この恋を叶えるために」にコメントが来ていました。すごく嬉しいお言葉を頂いてとても励みになりました。ありがとうございます。第二章の制作、頑張ってますので是非読んで行ってください。それでは第五話、どうぞ。

教室の扉を開けるとあの席に奈美が座っていた。亮太は彼女の席へ真っ先に近付き

「おはよう、加藤さん」

と嬉しそうに挨拶をした。すると彼女は少し戸惑いながらも笑顔で挨拶を返した。

「おはよう、佐々木くん」

「手紙読んだよ。これからもよろしく」

「うん、こちらこそよろしくね」

彼は彼女に微笑んだ。彼女も彼に吊られて笑った。周りの生徒は彼らのやり取りに少し驚き注目したが視線はすぐに散った。

「それでさ、連絡先教えてくれるかな?」

彼女は頷き鞄から携帯を取り出して電話番号が表示された画面を彼に見せた。亮太は嬉しそうに彼女の連絡先を携帯に登録した。

「いつでもメールしていいよ」

「うん」

ぎこちない感じだが、亮太にはそれが心地良かった。彼女と一緒に居られることが何よりも嬉しいのだ。

「ごめんなさい、佐々木くん....」

突然謝り出した彼女に彼は焦る。

「え、何で急に謝るの?」

「えっと....今まで冷たく接してきたこと....」

それを聞いて亮太は安心し彼女に微笑んだ。

「それは手紙で謝ったじゃん。もう気にしてないよ」

「でも、直接謝っておきたくて....」

「そっか、まあ俺も加藤さんの事情を知らないとはいえ軽率だった。こっちこそごめん」

今度は彼が頭を下げた。彼女は手を横に振って

「悪いのは私だよ....佐々木くんが謝ることなんてないよ」

と申し訳なさそうにそう言った。

「全部加藤さんが悪いって訳じゃないだろ。だから俺だって謝らなきゃいけない」

彼はそう言って頭を上げた。奈美は優しい笑顔で彼に微笑む。それに亮太は少し照れ臭そうに頭を掻いた。

「まあそういうことだから....えっと、これからも仲良くしよう」

「うん、仲良くする」

彼女は彼にそっと手を差し伸べた。彼はその手を見つめて首を傾げた。すると彼女が少し可笑しそうに笑いながら

「握手だよ。こういうことはしないの?」

と言った。

「あ、握手ね。確かに普通はこんなことしないけど」

彼はそっと彼女の手を握り握手をした。彼女の手は小さくて柔らかくて可愛げがあった。そっと手を離し亮太は彼女に手を振って自分の席に着いた。彼女と握手した手を名残惜しそうに見つめる。まだ感触が残っている。


「加藤さん、一緒にお昼食べよう」

弁当を持って彼は彼女にそう言った。彼女は頷き彼の弁当箱が置けるように机の上にスペースを空けた。彼は礼を言ってそこに弁当箱を置いて彼女の前の席の椅子を後ろに向けて座った。

「ねえ佐々木くん」

「ん?」

「こうやって友達と一緒にいろんなことするってこんなにも楽しいんだね」

彼は彼女の純粋な言葉に驚いた。彼女は今まで友達がいなかったのだ。だから、彼女がそう思うのは不思議なことではない。彼は彼女に微笑みかけた。

「俺は絶対加藤さんから離れないよ」

彼女はそれを聞いて顔を少し赤くし気まずそうに体をもじもじさせ目を泳がせていた。そして彼に照れ臭そうに笑った。

「ありがとう、そう言ってくれるとなんか嬉しい」

弁当を開けて箸を手に取る。目の前にある彼女の弁当を見るととても美味しそうな食べ物が入っていた。

「美味しそうだね」

「そうかな?手作りなんだけど」

「手作りなんだ。すごいね」

「良かったら味見する?」

奈美がそう聞くと彼は大きく頷いた。箸でそれを取ろうとしたら彼女が箸で取りそれを亮太に差し出した。彼は少し羞恥心を感じながら彼女が差し出してくれた食べ物をそっと咥えた。

「どうかな?」

「うん、すごく美味しいよ」

「本当に?よかった」

奈美は嬉しそうに彼に微笑んだ。彼も一緒になって笑った。弁当を食べ終えこれから何をしようかと亮太が考えた途端、彼女は席を立ち上がった。

「私、保健室に行かないといけないの」

「そうなんだ、一緒に行こうか?」

「別に大丈夫だよ」

「そっか、いってらっしゃい」

奈美は亮太に手を振り教室を出て行った。彼も自分の席に戻りただ茫然としていた。そして彼は違和感を覚えた。辺りを見渡しそれが何か突き止めようとする。原因はすぐに分かった。香がいない。少し心配になったが体調を崩したのだろうと思いあまり気には留めなかった。


終礼を終えると亮太は荷物を持ってすぐさま奈美の席へ行った。

「加藤さん、一緒に帰ろうよ」

「うん、いいよ」

彼女は鞄を手に取り彼と一緒に学校を出た。

「加藤さんって、どこに住んでるの?」

「私は小坂山に住んでるの」

小坂山とは登坂山の隣の区であまり遠くはない場所だ。

「俺とは真反対だなー」

「そうなんだ、てことは波涛区に住んでるの?」

「そうだよ」

「波涛区って名前の通り海が近いんだよね?」

「そうそう、海岸の近くだったら波のせせらぎが聞こえるよ」

「いいなぁ」

会話が弾み二人はとても楽しそうだった。満面の笑みで笑う奈美の綺麗な笑顔に亮太は惹かれていった。

「ねえ、佐々木くん」

少し戸惑いながらも彼女は綺麗な笑顔で彼に問いかけた。

「私のお家に来てよ」

「....え?」

突然の誘いに驚き、そして彼の頭にいろんなことが思い浮かんだ。彼は顔を赤くして彼女から顔を逸らす。そんな彼を見て何を考えているのかわかったのか、彼女は可笑しそうに笑った。

「佐々木くんが考えてるようなことはないよ。ただ、両親に紹介したいだけ」

友達をわざわざ家に招いて両親に紹介するものなのかと彼は疑問を抱いたが気にしないことにし、彼女の誘いを頷いて承諾した。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

前書きでも書いた通り、コメントありがとうございます。いつも僕は文章を主観的に書いていたので主人公の感情しか文に表現できませんでした。今回は頑張って客観的に書いてみたのでいろんな人の感情を書くことができて非常に楽しいです。主観的な書き方と比べて少し難しいところがありますが。次回は前作を読んでいる方がびっくりする話になっております。お楽しみに。

感想や指摘など頂くと嬉しいです。

続きを楽しみにしてくれると更に嬉しいです。


これらに登場する人物、地域、団体は全てフィクションです。

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