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Eid-アイト-  作者: つよちー
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第一章「君に彩られた初めてを」

【前回のあらすじ】

叶わない恋を抱える香に亮太は謝った。そして彼女の告白を断った。

亮太は部屋で一人思い悩んでいた。

「どうしようかな....」

一人でにそう呟きあるチラシを眺めていた。彼の地元で祭りがあるのだ。冬に差し掛かる秋にあるのは少々時季外れな気がするが、彼にはどうでもよくどうやって奈美を誘うかが重要だった。天井を見上げ呆然と考える。祭りは明日、連絡手段はあるが使う気になれない。しばらく思い悩んだ結果、彼は彼女の家まで行くことにした。


一度深呼吸をして息を整え緊張感を和らげる。そしてインターホンを押した。しばらくすると玄関から春香が出てきた。亮太は彼女に挨拶をし、要件を言った。

「あの、奈美さんはいますか....?」

「いるよ。部屋にいるからどうぞ上がって」

「いえ、玄関でも済む用事なので」

「遠慮しないで。ほらほら」

少々強引に迫られ止むを得ず亮太は頷き家に上がった。奈美の部屋をノックし返事を待つ。返事は待つ間もなく返ってきた。

「入っていいよー」

その声を聞いて亮太は扉を開けた。奈美は勉強をしていた。扉を開けてからしばらくすると彼女は勉強を中断して亮太の方を向いた。彼に気付いた瞬間、彼女は少し驚いた。

「佐々木くん、休日にどうしたの?」

亮太は彼女から目を逸らしその場で右往左往した。そして戸惑いがちに彼女に告げた。

「明日さ、俺の近所で祭りがあるんだ。だからその....一緒に行きたいなって思ってさ」

奈美は少し驚いてから嬉しそうに微笑んだ。

「いいよ。私そういうのしたことないから嬉しい」

「本当に?」

「うん、だって私体が弱いからさ。昔はあんまり外出できなかったんだ」

「そうだったんだ....」

亮太は彼女の側へより手を握った。

「明日は今まで遊べなかった分、沢山楽しいことしような」

彼女は顔を赤くして亮太を凝視した。そして優しく微笑んで

「ありがとう、嬉しい」

と言った。互いに顔を赤くして手を握り合った。


待ち合わせ場所で待つ。集合時間が進むに連れて胸の高鳴りはどんどん激しくなっていく。早く奈美に会いたい、そういう感情が心の中で暴れ回り、待つ時間を異常に長く感じる亮太は、今にも飛び出しそうな思いを我慢してじっと待っていた。辺りには色んな人がいた。家族で来ている人や、友達同士、恋人同士で来ている人も居た。待ち合わせ時間まであと数分。時計を何度も確認してしまうほど彼は緊張していた。しばらくすると奈美は彼の元へ着いた。

「お待たせ!」

声の方向を向くとそこには浴衣で綺麗に着飾られた奈美がいた。その姿に亮太は思わず見惚れてしまった。

「どうかな....?お母さんに選んでもらったんだ」

あまりの綺麗さに言葉が出ない亮太に、奈美は首を傾げた。

「どこか変....?」

少し不安な表情を浮かべた彼女を見て亮太は我に変える。

「全然変じゃないよ!えっと....その....綺麗だから....見惚れてた....」

顔を赤くしてそう言う亮太。奈美は耳まで真っ赤にして恥ずかしそうに俯いた。

「あ、ありがと....」

この状況から逃げ出したい、そう思い奈美は亮太の服の袖を掴み

「早く行こ!」

と少し焦った口調でそう言った。彼は首を縦に振り彼女に袖を少し引っ張られながら後について行った。屋台が道に果てなく並び、楽しい感情が溢れ賑わっていた。二人は場の雰囲気に流されるように互いに笑い、互いに楽しんでいた。

「あれ食べようよ!」

楽しそうにそう言う奈美を、亮太は微笑ましく見つめていた。屋台の光が彼女を美しく彩る。彼女が指差したのはりんご飴の屋台だった。亮太は頷いて彼女と一緒にりんご飴を買った。彼女はそれを嬉しそうに眺めていた。

「りんご飴って綺麗だよね。なんだか食べるのが勿体無く感じるよ」

周りの人達が帰って行く中、二人はそんなことを気にせず、無邪気な子供のように時間を忘れて祭りを楽しんでいた。屋台が次々と閉まっていく頃に奈美が

「そろそろ帰ろっか」

と言った。亮太も辺りを見渡して頷いた。もうこの場所には彼と彼女の二人しか居なかった。賑やかだった場所も、今ではもう静かになった。暗い夜道を二人はただ静かに並んで歩いていた。亮太の胸は今まで以上に激しく脈打つ。二人同時に立ち止まりお互いに向き合った。

「あのさ」

「ねえ」

二人の声が重なりお互いに慌てる。

「え、なに?そっちからどうぞ」

「ううん、佐々木くんからでいいよ」

お互いに沈黙し静寂が広がる。顔が赤くなっているのを亮太は自覚していた。そしてもう一度、彼女と見つめ合った。

「加藤さんに....伝えたいことがあるんだ」

奈美はただ黙って彼の言葉を聞いていた。亮太は深く息を吸って、彼女に愛の言葉を告げた。

「好きです。付き合ってください」

顔を真っ赤にして羞恥心を感じながらも、亮太は彼女から目を逸らさずに見つめた。奈美は驚いた表情をして顔を真っ赤にした。そして涙を浮かべ頰から流れ落ちた。亮太はそれに驚いて戸惑っていると奈美は涙を拭い

「私も好きです」

と笑顔で言った。その言葉を聞いた瞬間、亮太の頭は真っ白になる。ただ涙を流し笑顔を浮かべる彼女を愛おしく感じていた。

「....どうしたの?」

呆然と見つめる亮太に奈美は首を傾げた。

「いや、その....驚きすぎて....」

恥ずかしそうに目を逸らす亮太に彼女は微笑む。

「私もびっくりした。でも、すごく嬉しいよ」

そう言って彼女はそっと彼に近付き彼の胸に手を添えた。

「やっぱり緊張してるんだね。私もすごくドキドキする」

しばらく見つめ合う。そして彼女はそっと背伸びをして彼にキスをした。唇から伝わる柔らかい感触と暖かさに亮太は身を委ねた。そっと唇が離れると、奈美は照れ臭く笑った。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

遂に二人の恋は実りました。恋人がいる人に聞きたいのですが、告白はどっちからでしたか?そして何と告白したのですか?もしくはされたのですか?恋人がいる人がこんな小説読まないと思いますがね。まあそんなの関係なく、気になることです。

感想や指摘など頂くと嬉しいです。

続きを楽しみにしてくれると更に嬉しいです。


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