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Eid-アイト-  作者: つよちー
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第一章「二人は出逢う」

お久しぶりです。つよちーです。やっと自作小説第三弾の第一章が完成しました。これから毎日投稿します。名前は「Eid(アイト)」。"誓い"という意味です。今作、僕の作品を読んでる方なら少し驚くところがあります。

夏の蒸し暑さが消え冬の乾いた寒さが次第に広がる秋。紅葉で彩られた山の木々を眺める人達。その中に佐々(ささき)亮太(りょうた)という一人の男がいた。彼は一通り紅葉を眺めた後、通学路を歩き出した。彼が通う学校は登坂山高校という高校で、山に佇む立派な高校だが場所が少し不便だ。彼を含め多くの生徒が不便だと文句を言っている。大きな欠伸をしながら歩く亮太を誰かが背後から肩を叩く。彼は少し驚いて振り向くと彼の幼馴染の佐藤(さとう)(とおる)がいた。

「よう、亮太」

と陽気に挨拶する彼に亮太は頭を掻きながら挨拶を返した。

「ああ、おはよう」

「今日は珍しく早いな」

「目覚めたからな」

「お前らしい理由だな」

そう言って徹は少し大袈裟に笑う。足並みを揃えて歩く二人を再び誰かが背後から肩を叩いた。二人して振り向くと亮太の幼馴染、高嶺(たかみね)(かおり)がいた。

「二人ともおはよう」

元気良く挨拶する彼女に二人は普通に挨拶を返す。

「亮太、今日は早いんだね」

「それ徹にも言われた」

少し溜め息を吐きながら彼は言う。すると香はくすくすと笑った。

「な、なんだよ」

「別になんでもないよ。面白かっただけ」

「そうか....?」

冬の寒さを微かに感じながら三人で肩を並べて歩く。そんな状況に亮太は少しだけ懐かしさを感じた。

「あーあ、なんで徹くんがいるのかなー」

「なんだよ、俺はお邪魔か?」

「お邪魔ですー。早く行きなさいよ。私と亮太はゆーっくり歩くから」

「却下」

下らない会話を聞きながら亮太はそっと微笑んだ。

「三人一緒がいいだろ」

「亮太の言う通りだぜ」

「亮太がそう言うなら別にいいけど....」

「なんで俺が一番なんだよ」

彼が二人にそう訊くと

「なんとなく」

と声を揃えて答えた。そんなことを言っていると三人はいつの間にか校門を潜り抜けていた。

「あ、もう学校だね」

香がそう呟くと

「もう帰ろうぜ」

と徹が欠伸をしながら言った。亮太はそれに突っ込みを入れると三人は昇降口に着いた。靴を履き替えそれぞれの教室へ向かう。

「じゃあ俺はこれで」

徹はそう言って二人と別れた。徹は二人とは違うクラスで亮太と香は同じクラスだ。二人は教室に入るとそれぞれの席についた。香は荷物を置いた途端に亮太の元へ向かった。

「ねえねえ亮太」

「ん?」

「今度の土曜日さ、一緒に遊ぼうよ」

遊びの誘いを受けて彼は少し残念そうに笑った。

「悪い、その日都合が悪いんだ」

「あ、そうなんだ....じゃあまた今度にしよ」

「ああ、それなら多分いける」

誘いを断られてしまった香は残念な気持ちにになった。手を振って自分の席へ戻る彼女を見て亮太は少し罪悪感を抱いた。亮太と香、徹の三人は中学校が一緒でよく三人で登校したり下校したり、時折遊んだりと仲の良い三人組だ。時間が経つにつれ教室に生徒が増えていき、やがてチャイムが鳴り響いた。亮太にとって退屈な時間の始まりだ。彼は机の上に蹲り眠りの体勢に入った。先生の号令を無視して彼はそのまま眠りについた。そんな彼を香は心配そうに見つめていた。


昼休みになり周りの生徒が騒がしくなる。それで亮太は目を覚ました。それに気付いた香が彼の元へ向かう。

「ずっと寝てたね」

そう言う彼女に亮太は適当に返事をし大きく欠伸をした。

「一緒にお昼食べようよ」

「あぁ....そうだな」

彼がそう言うと香は自分の席から布に包まれた弁当箱を持って来た。亮太も鞄から弁当箱を出し蓋を開ける。

「いただきます」

と二人同時に合掌し食事を始めた。箸で料理を摘みそれを口に運んでいく。

「亮太さ、授業中ずっと寝てるけど勉強とか大丈夫なの?」

心配そうにそう質問した香に亮太は彼女の額を指で突いた。

「俺の成績を忘れるなよバーカ」

彼女は突かれた額を小さく摩る。

「それでも今度こそ悪い点数取るんじゃないかなって心配なの」

「心配すんな。お前は自分のことに集中しとけ」

納得いかない表情をしていたが香は頷いた。彼女はふと思った。亮太がこんなにも頑張らなくなったのはいつからだろうと。

「....どうした香?」

「えっ....?」

「浮かない表情してたけど」

そう言われ香は笑顔を作って

「気のせいだよ」

と言って誤魔化した。亮太は少し首を傾げたが適当に相槌を打って残り少ない弁当を食べ切った。香も遅れて食べ切り弁当箱を布に包んで鞄に戻した。亮太は暇なので教室を見渡した。ふと彼は一つの空席が気になった。

「なあ香、あの席って誰がいたんだ?」

「え?知らないの?」

首を傾げてそう言う彼女に彼は頷く。

加藤(かとう)奈美(なみ)さんだよ。あんまり学校に来てないけど」

「そうか、ありがとな」

彼は彼女に礼を言いずっとその席を眺めていた。理由は分からないが、彼は無性にその加藤奈美という人物が気になった。呆然と眺める彼の耳にチャイムの音が鳴り響いた。

「じゃあ私戻るね」

そう言って席を戻って行く香に彼は手を振り昼休みは終わりを告げた。


今日最後の授業、体育をするために更衣室で体操服に着替える。寒い外気を肌で直接感じ少し凍える。号令と準備運動を適当に済ませる。今回はどうやら五十メートル走らしい。順番に走っていく生徒を眺めながら亮太はずっと加藤奈美のことを考えていた。一体どんな子なんだろう。仲良くしたいな。とそんなことをずっと思っていた。そして彼の順番が来た。位置について彼は合図と共に走り出した。彼女のことを考え過ぎて気が抜けていたせいか亮太は足を捻り壮大に転んでしまった。周りから笑い声が微かに聞こえる。亮太は少し恥ずかしさを感じた。その瞬間膝に痛みが走える。彼は先生にそのことを報告し水で傷口を洗い少し滲みるのを我慢しながら彼は保健室へ向かった。

「失礼します」

そう言って保健室に入ったが返事がない。どうしたものかとしばらく待っていると後ろから突然声をかけられた。

「ちょっと退いてくれる?」

「ああ、ごめん」

振り返りながら道を譲る。その瞬間目の前に映った女の子を見て亮太は固まった。

「....なに?」

じっと見つめる彼を彼女は睨みつけた。

「名前、教えてくれるか?」

唐突に名前を尋ねられ彼女は驚いた。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

やっと始まりました、第三弾。いつも十三話とかで完結してしまうので、今回は思い切っていろんな人の恋の物語を書こうと思い第一章と第二章、第三章と分けてみました。

感想や指摘など頂くと嬉しいです。

続きを楽しみにしてくれると更に嬉しいです。


これらに登場する人物、地域、団体は全てフィクションです。

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